お陰様で設立40周年を迎えました

川邊史氏:本日は、お集まりいただきありがとうございます。平成31年7月期第2四半期の決算概要について、ご説明させていただきます。

弊社は、おかげさまで設立40周年を迎えました。創業は1979年でございまして、京都市伏見区のガレージで創業者の辻理が始めて以来、いろいろ拡大してまいりまして、おかげさまで40周年を迎えております。

余談ですけれども、先日、テレビの取材を受けました。もしご興味がある方、読売テレビの『BEAT』という番組です。ホームページ等でご覧いただければと思います。では、第2四半期上期の実績について、ご報告させていただきます。

19/7月期第2Q 実績報告

第2四半期の実績でございますけれども、売上高27億7,200万円ということで、前年同期比35パーセント増という結果でございました。売上総利益に関しましては、12億5,100万円。こちらも昨年に比べまして、約25パーセント増でございます。

売上高総利益率につきましては若干下がっておりますけれども、45.2パーセントということです。こちらは、製品のプロダクト・ミックスの関係で、前年とあまり変わりのないところとご理解いただければと思います。

営業利益は2億8,100万円。営業利益率が10.2パーセント。経常利益が2億6,200万円。当期純利益が1億8,500万円という結果でございました。

エッチング装置の、半導体レーザーダイオード向けの販売が牽引役となり、こうした数字となっております。こちらの数字は、当初計画しておりました28億円の売上高に対して、ほぼ計画どおりの着地となっております。

19/7月期第2Q 装置別売上高

装置別の売上高についてご紹介いたします。CVD装置の売上高は2億4,000万円。構成比で8.7パーセントで、昨年に比べまして若干落ち込んでおります。エッチング装置(の売上高)は17億5,500万円。比率は63.3パーセントを占めております。また前年同期比で、45.6パーセント増加しております。

洗浄装置(の売上高)が3億1,100万円。構成比で11.2パーセント。前年同期比で50.2パーセント増になっております。部品・メンテナンスも、前年同期比で増加いたしまして、4億6,400万円で、全体の16.8パーセントを占めております。合計で27億7,200万円となりました。

エッチング装置では、オプトエレクトロニクス分野向けの販売が前年同期比79.1パーセント増加で、7億3,900万円。電子部品関係が、65.6パーセント増加いたしまして、6億6,700万円という結果になっております。

洗浄装置では、実装・表面処理分野向けの販売が前年に比べまして、63.8パーセント増の1億2,000万円。オプトエレクトロニクス分野向けでは、27.1パーセント増加いたしまして、1億400万円というかたちになっております。

また、部品・メンテナンスに関しましては、生産機向けの装置が年々増えておりまして、稼働している装置が増えている関係で、数字が増える傾向にございます。

19/7月期第2Q 分野別売上高

続きまして、分野別の売上高についてご紹介いたします。まず、オプトエレクトロニクス分野です。LED、レーザーダイオードなど、いわゆる光るもの、光学部品といったものですが、比率では35パーセントで、金額は9億6,900万円でした。

電子部品・MEMS分野は、8億1,100万円、(構成比が)29.3パーセントでございます。

この2つの分野について、前年同期比で見ていただきますと、オプトエレクトロニクス分野が29.3パーセントの増で、電子部品・MEMS分野は78.5パーセント増ということで、成長を牽引しております。

シリコン分野が全体の7.6パーセントで、2億1,100万円。前年同期比4.4パーセントの増です。実装・表面処理分野は、1億4,200万円。その他分野で1億7,200万円。部品・メンテナンスもあわせまして、合計で27億7,200万円です。

電子部品・MEMS関係では、高周波フィルタ、パワーデバイス、高周波デバイス、センサ向けの販売が堅調に推移いたしました。

19/7月期第2Q 用途別売上高

続きまして、こちらが用途別売上高です。生産機用途、研究開発用途に分けておりますが、約2対1の比率で、生産機用途が増えているというのがご覧いただけるかと思います。研究開発用途でも、電子部品やMEMS用途での販売が前年同期比で205.8パーセント増、3億6,300万円という結果になっております。

19/7月期第2Q 地域別売上高

続きまして、地域別の売上高でございます。この上期につきましては、国内の売上が18億5,100万円。前年同期比で35.3パーセントの増ですが、全体の構成比で見ますと、66.8パーセントと、若干国内のほうが比率が大きくなっているという状態でございます。

アジアが4億5,600万円。構成比で16.5パーセント。北米が3億7,400万円。(構成比で)13.5パーセント。欧州が8,900万円。(構成比が)3.2パーセントです。海外全体で見ますと、売上高が9億2,000万円で、全体の33.2パーセントでございます。

昨年が40パーセントいっておりましたので、上期については少し落ちておりますけれども、前年同期比で比べていただきますと、比率としては同じくらいの結果になっております。

受注環境(受注高)の変化

続きまして、受注高の推移をグラフで示しております。みなさん、もう既にご承知のこととは思いますが、計画を下方修正いたしました。第1四半期、第2四半期の受注が、思ったよりも伸びなかったということで、こちらが原因となっております。

受注環境(受注残)の変化

受注残の変化でございます。この期は、受注残が20億2,100万円からスタートしておりましたけれども、第2四半期の終わりで、現状、18億5,800万円の受注残がございます。

19/7月期下期の見通し

下期、2月から8月までの見通しでございますけれども、上期につきましてはスマホ市場の需要低迷及び中国経済の減速によって、当社の主要取引先である電子部品メーカーの設備投資意欲が一時的に低下いたしました。

その結果、受注高が前年同期比で32.5パーセント減の26億800万円という結果になりました。中国の失速というニュースや、年始からアップル・ショックなど、そういった中で弊社のお客さまである受注部品メーカーさんも少し投資に慎重になられた結果かと思います。

ただし、下期におきましては、これからも車載向けの電子部品、次世代パワーデバイス、炭化ケイ素、シリコンカーバイドといった新しい材料向けの装置の拡販もございますし、VCSELというレーザーダイオードの一種を含む通信用のレーザーダイオード向け装置の拡販があります。

また、弊社で開発いたしました新製品「アクアプラズマ AQ-2000」の拡販などがございまして、この7月期は55億円の売上を見込んでおります。

19/7月期の修正目標数値

こちらが、計画の修正の詳細でございます。売上高ですけれども、上期実績27億7,200万円に加えまして、下期が27億2,800万円です。ほぼ同じくらいの数字を見込んでおりまして、通期で55億円の売上を見込んでおります。

売上総利益は、25億2,000万円。営業利益が5億4,000万円。経常利益が5億3,000万円。当期純利益が3億5,000万円です。そのうち、海外の売上高比率は40.6パーセントという数字を見込んでおります。

2018年の数字と見比べていただくと、売上高がほぼ同等か、若干上回るところでの着地を見込んでおります。

19/7月期の重点課題

ここからは、弊社がこの先の成長をどのように考えているかを説明させていただきます。まず、今期から、重点課題として挙げておりました項目で、1つ目が海外販売の拡大です。42期、2年先には海外の売上高を全体の50パーセントまで持っていくために、営業、サービス体制の構築を進めております。また、海外要員の確保、教育研修体制の整備を進めております。

それにあわせ、現状の商売にさらに上乗せするため、新規事業であるヘルスケア事業の立上げを進めております。内訳としましては、マイクロ流路チップの接合技術の確立及び、流路加工技術開発をビジネス化する準備を進めております。

また、これも医療用でございますけれども、滅菌機の販売の事業化に向けて、装置を開発中でございます。そして、MEMSセンサをヘルスケア分野に展開すべく、さまざまな取り組みを進めております。

グローバルニッチ市場のリーディングカンパニー

こちらは、海外販売を拡大するためにどのような取り組みを進めているかのスライドでございます。2014年には、リヒテンシュタインにありますUCP社を買収して、弊社の欧州拠点として活用しております。

2016年には、マレーシア事務所を開設いたしまして、東南アジアの営業、サービス拠点として活用しております。2017年には、弊社のシリコンバレーにありますオフィスが30周年を迎えました。その翌年には、サニーベールからサンタクララ……シリコンバレーのさらに中心部に拠点を移しています。

ここには記載がないのですが、2018年、オーストラリアの代理店との販売契約も結びまして、世界各地での販売体制を整えております。こういった取り組みをして、海外売上高比率を2021年7月期には50パーセント以上へ持っていくように進めているところでございます。

アジア市場 取り組み・現況①

海外での拡販に向けた取り組みなどについて、少し説明させていただきます。2018年5月には、企業さん向けに半導体のレーザーダイオード向けのCVD装置、エッチング装置を販売いたしました。

2018年8月には、マイクロLED向けのエッチング装置の大口受注をいたしました。同じく8月には、中国科学院において、半導体レーザーをテーマにした薄膜技術セミナーを開催いたしまして、弊社の顧客となる層の開拓にも努めております。

そういった成果もありまして、9月には企業にVCSEL向けのエッチング装置を販売いたしました。

また、古くから取り組んでいます台湾につきましても、2017年12月には研究機関向けにマイクロLED向けのエッチング装置を販売いたしました。2018年4月には、研究機関にGaN HEMT、パワーデバイス向けのエッチング装置を販売いたしました。2018年12月には、大学に炭化ケイ素、パワーデバイス向けエッチング装置を販売いたしました。

アジア市場 取り組み・現況②

韓国ですけれども、2017年10月には企業向けに、欠陥解析向けの大型エッチング装置を販売しています。2008年7月・10月と、車載用SiCパワーデバイス向けのエッチング装置を受注販売しています。2018年12月には、企業から車載用の赤外線センサ向けの装置一式を受注しています。

続きまして、シンガポールです。2018年1月・3月・4月と、企業向けにスマートフォン向けの高周波フィルタ用途で使われるエッチング装置を販売しています。

またインドでも、2017年3月にインド工科大学で、MEMSをテーマに薄膜技術セミナーを開催しまして、その甲斐あって、昨年8月には研究機関からMEMS向けの大型のエッチング装置を受注しています。

北米欧州市場 取り組み・現況

続きまして欧米ですけれども、こちらも非常に需要が旺盛でございまして、2018年7月には大学にTSV向けエッチング装置を販売しています。また2018年7月には、企業にプリンタヘッド向けのMEMS用途で使われるエッチング装置、大型装置を販売しています。2018年8月には、企業向けでレーザーダイオード用途のエッチング装置を販売しています。2019年1月にも、電子部品向けのエッチング装置を販売しています。

欧州でも、2018年6月には大学向けにセンサ用途のCVD装置・エッチング装置を販売いたしました。また2019年1月には、車載用のセンサに使われるエッチング装置を販売しています。

重点分野

弊社の重点分野について、少し説明させていただきます。電子部品分野と呼んでいますのが、FBAR等の高周波フィルタで、スマホに使われたり、薄膜コンデンサ用途のフィルタでございます。

それから、加速度センサ・超音波センサ等、車載に使われるセンサです。あとは、広く使われていますシリコンで作ったパワーデバイスではなく、シリコンカーバイド、あるいは窒化バリウムといった材料を使った次世代パワーデバイス向けの装置の拡販に努めています。

2番目の重点分野が、オプトデバイス分野です。光デバイス関係で、データセンターなどに使われますVCSELを含む通信用の半導体・レーザーダイオード、車載用の高輝度LED・LD……これはヘッドライトに使われたり、車のディスプレイにも使われたりしています。それから、ディスプレイ用のマイクロLEDと呼ばれる技術を使った用途にも使われています。

3番目が、洗浄・表面処理分野です。新製品「アクアプラズマ AQ-2000」の拡販が順調に進んでいます。また、大型樹脂基板用の洗浄装置についても力を入れて販売を進めています。

重点分野 ①電子部品分野

詳細に説明していきます。まずは電子部品分野ですけれども、高周波フィルタ・MEMS・パワーデバイスなどの加工ということで、いくつか製品を並べています。

まず、スマホなどに使われているFBARと呼ばれるフィルタ、SAWフィルタ、マイクロマシン、各種センサ、それとパワーデバイス。用途としましては、スマートフォン、プリンタ、車載用の各種センサ、新幹線あるいは電気自動車などにも使われているパワーデバイス、それから発電システムなどにも使われています。

①電子部品分野①

こちらは、車にどんなセンサが使われているかを一覧にしたものです。ミリ波レーダ、画像センサ、レーザレーダ、加速度センサなど、ここに挙げているものだけではなく、車1台あたりに使われている電子部品の数が劇的に増えていますので、そういった部分で我々の装置が使われる範囲も増えています。

①電子部品分野②

続きまして、SiCパワーデバイスです。こちらは炭化ケイ素を使ったパワーデバイス用途で、自動車や鉄道・産業機器向けで需要が拡大しています。弊社でも長年SiCの加工技術に取り組んでまいりまして、それが花開きつつあり、世界各地でご注文をいただいています。

重点分野 ②オプトデバイス分野

続きまして、オプトデバイス分野です。ここに挙げていますのは、レーザーダイオード、VCSEL(面発光レーザ)、LED(発光ダイオード)、マイクロLEDです。アプリケーションとしては、データセンター内の通信に使われています。

それから、AppleのiPhoneで一躍有名になりました顔認証。自動運転などで使われる、LiDARと呼ばれている車の周囲を認識するためのセンサ。それから、自動車向けのヘッドランプ・バックランプやマイクロLEDディスプレイといった用途がございます。

②オプトデバイス分野①

その中でも、VCSELのアプリケーションについて挙げています。レーザダイオードの一種で、特徴としましては、製造が安価で量産に向いているということです。以前からレーザプリンタ、光ストレージといった部分では使われていましたが、近年、顔認証で一躍有名になりまして、非常に需要が増えている状況でございます。

他にも高輝度光源として使われたり、医療用途でも使われたり、通信用途でも使われたりしています。

②オプトデバイス分野②

もう1つ、オプトデバイス分野でホットなのが、マイクロLEDです。これはYoleが出している予測ですが、マイクロLEDが劇的に増加してくるだろうという予測が出ています。私どもも今、いくつものお客さまから……今はまだ開発あるいはパイロットラインの製作といった用途ですけれども、装置の注文をいただいています。

②オプトデバイス分野③

こちらは、昨年発表いたしました新製品の次世代ICPエッチング装置「RIE-200iPN」のご紹介です。1997年から「RIE-200iP」というICP装置を発売しまして、非常に好評をいただいていましたが、モデルチェンジいたしました。

ご好評いただいていました汎用性、拡張性、コンパクトさといった特徴を受け継ぎながら、さらに発展させて、より高性能な装置に仕上げています。

マイクロLEDやレーザダイオード、GaNパワーデバイスなど、化合物半導体系のプロセス、あるいは難エッチング材……加工が難しい材料やシリコンナノプロセスなどの研究開発からセミ量産に対応した装置として、販売を開始しております。すでにいろいろなお客さまから引き合いをいただいています。

③洗浄・表面処理分野

3つ目の重点分野が、洗浄・表面処理分野です。私どもが非常に力を入れて開発してまいりました「アクアプラズマ AQ-2000」という装置でございまして、プロセスとしましては、水を材料に使うということで、非常に使いやすく、いろんなところで好評をいただいています。

当初開発しました用途は、酸化金属といって、酸化した銀や銅を還元できる……これは何がいいのかと言うと、リードフレームといったもので、酸化したものを水を使ったプラズマで還元できる点です。そういった用途での要望が高く、いろいろなところから引き合いをいただいています。

また、この「アクアプラズマ」を使って、電子部品内でも、COPの接着剤レス接合にも有効ということで、新たな用途などにも期待できます。これについては、また後ほど、新規事業の話で触れさせていただきます。

19/7月期 分野別売上高 見込

分野別の売上高の見込みを示しています。昨年、非常に売上が伸びた理由の1つが、以前と違い、さまざまな分野に我々の製品を販売することができたからです。以前のような、例えばLEDがブームだったときに、その一本足打法ではなく、幅広く販路を広げて、どこか1つが落ち込んでも他がカバーできる態勢を進めてきたことで、売上が伸びています。

今回、オプトエレクトロニクス分野ではレーザダイオード、LED、マイクロLED。電子部品分野ですと高周波フィルタ、高周波デバイス、あとはセンサ類、パワーデバイスといった分野に幅広く販売し、55億円の売上を見込んでいます。

新規事業(ヘルスケア事業)①

こちらは新規事業、ヘルスケア事業として現在取り組んでいるものでございます。さまざまな業界、とくに医療関係の業界との協業によって、「アクアプラズマ」の拡販に向けて準備を進めています。

こちらに出していますマイクロ流体チップにつきましては、すでに国内の何社かと協業を進めていまして、COP(シクロオレフィンポリマー)、あるいはガラス、PDMSといった材料を、この「アクアプラズマ」を使って接着剤を使わずに貼り合わせができる技術です。

こういったことで困っていたという話が非常にたくさんございまして、いろいろなところから引き合いをいただいています。また、これに関しましては昨年、第24回の「半導体・オブ・ザ・イヤー2018」も頂戴いたしました。

新規事業(ヘルスケア事業)②

もう1つ、ヘルスケア事業として取り組んでいるのが滅菌関係でございます。医療器具向けに「アクアプラズマ」を応用したドライ滅菌装置を投入するべく、今、QMS(Quality Management System)の省令承認の準備を進めています。

「アクアプラズマ」を使うメリットで、世の中で広まっているのは酸化水素水です。過酸化水素プラズマを使った滅菌装置ですが、問題点として、過酸化水素は強い腐食性があり、毒性があって、ガスの浸透性が弱く、内腔構造物の滅菌が困難なところです。

カテーテルなど、内側を滅菌するのが難しいなどという問題点を、この「アクアプラズマ」を使って解決できないかということで、評価中でございます。

以上でございます。ご清聴ありがとうございました。