2019年3月期上期実績と通期予想
小谷眞由美 氏(以下、小谷):ただいまから、決算説明会を行います。新しい本社へ移りまして、約1年10ヶ月ですが、ようやく軌道に乗ってまいりました。
2019年3月期上期実績と通期予想から入らせていただきます。まず売上高でございますが、105億8,600万円、売上総利益41億4,900万円、営業利益12億300万円、経常利益12億2,800万円、当期純利益8億6,100万円でございました。為替は(スライド)下に書いてあるとおりでございます。
売上が少しずつ伸びてまいりまして、ここ1~2年ではよい数字が出ていると思っています。ただ足もとでは、いろいろと整理するものもございます。整理と申しますのは、資材をはじめ、現場なのですが、日々いろいろ努力をしておりまして、経常利益率15パーセントを目指して、毎日業務を行っております。
上期実績の要因、通期予想の前提
上期実績の要因、通期予想の前提でございます。まず、(売上高は)前期比8.7パーセント増の105億8,600万円。取出ロボットは、前期比6.2パーセント増でございます。国内、東南アジア、北米が堅調に推移し、自動車関係も堅調でございました。特注機は、前期比16.3パーセント増で、医療向けが増加しております。
営業利益でございますが、前年同期比21.5パーセント増の12億300万円でございました。減価償却費の減少、研究開発費の平準化(によるもの)でございます。
品目別売上高(半期毎)
品目別売上高でございます。半期ごとに書いております。(スライド)下から申しますと、取出ロボット(の売上高は)、今回は76億900万円。特注機は11億9,700万円で、いま受注が入っており、下期に膨らんでいくという予想にしております。
部品・保守サービスは、徐々にでございますが、売上が上がってきております。まず9月期で、16億9,800万円でございます。
そして今年の3月の予想でございますが、取出ロボットは82億900万円で、通期が159億円。特注機は15億200万円、通期が27億円。こちらは非常に下期に寄ってきております。
部品・保守サービスですが、こちらは平準化されております。17億200万円で、今期予想が34億円となっております。そして3月末には、220億円を達成したいと思っております。
地域別売上高(半期毎)
地域別売上高を申し上げます。(スライド)下からまいりますが、国内が少し落ち、39億7,900万円。そして、ご存知のように中国も落ちており、14億8,000万円。その他アジアが、25億6,100万円。欧州、5億8,900万円。こちらが医療関係も入っておりますが、下期にかけても伸びる予想になっております。
北米は16億1,000万円。その他が3億6,400万円で、上期は105億8,600万円でございました。19年3月期の予想でございますが、毎年3月の決算に向けて、国内は売りが上がります。今回も受注残で、残ってきております。
まず、(3月末時点の)予想は46億2,000万円です。中国・台湾ですが、こちらはちょっと苦しいかなと思っております。めいいっぱい頑張りまして、14億1,900万円くらい。その他のアジアとして、中国以外のアジアは少しずつ伸びており、(予想は)26億3,800万円。
欧州は、8億1,000万円で、こちらは医療関係でございます。北米は、16億8,900万円。 その他が2億3,500万円で、(合計で)220億円は達成したいなと思っております。
業種別売上高(半期毎)
業種別売上高でございます。半期ごとでございますが、2018年9月末時点で、自動車が33億7,200万円。電子部品が18億6,800万円で、ここが落ちてきております。家電は16億1,900万円。医療が10億1,800万円。雑貨が9億9,500万円。容器が9億8,000万円でした。容器は伸びているのですが、受注残などが少しありまして、下期に繰り越しております。
光学が4億4,400万円。その他が2億8,600万円でございます。下期は、こちらに載っている数字で220億円までいきたいと思っております。
目立って増えてきておりますのが、医療関係でございます。最近、容器も増えております。これは金型にシールを巻き込んで、そこに後からプラスチック樹脂をかけてできあがるものです。
アイスクリームや食品を入れる容器なのですが、柄が入っているもので、シムパックというものが、今後も伸びるなと思っております。
業種別売上高構成
業種別売上高の構成ですが、自動車が徐々に増えており、32パーセントです。電子部品が18パーセント、家電が15パーセント、医療が10パーセント、雑貨が9パーセント、容器が9パーセントで、光学が4パーセントでございます。医療も来年、再来年度にかなり伸びてくるなという(印象です)。いま、非常によいお話も入ってきております。
業績の推移
業績の推移でございます。こちらに書いているように、今期は220億円達成を確実にしたいと思っております。また経常利益率は11.8パーセント(の予想)ですが、もう少し良い数字が出せればいいなとも考えております。
グローバルネットワーク
グローバルネットワークでございます。こちらに書いていますように、子会社が12社ございます。中国・広州はものづくりの工場でございますが、ここが少し増えていくなと考えております。仕入れもこちらで行って、日本に送ってもらうということで、売りかさが今までとは違ってくるかなと思っております。
ヨーロッパですが、今は拠点がイギリスしかございません。ここもゆくゆくは、大陸に拠点を持っていきたいと思っており、いろいろな動きをしております。オランダのところは、当社の子会社にはなっていないのですが(ネットワークが)ございます。販売店のところは、こちらとのいろいろな契約も本年末で完了しますので、本土、ドイツ方面に伸ばしていきたいなと考えております。
子会社の業績推移
子会社の業績推移でございます。2019年3月期でございますが、中国・広州は、為替もいろいろと絡みまして、(売上高は)13億9,200万円、営業利益が2,500万円、当期利益が1,900万円です。アメリカですが、売上が33億9,300万円、営業利益が3億2,300万円、当期利益が1億9,900万円です。こちらは、3年に1回の大きな展示会が5月にフロリダでございました。
「FRA」が、アメリカで好評をいただいておりまして、売上のおよそ3分の1が、アメリカ市場から出ております。インターネットがらみで、自分の携帯で情報が見れるなど……クラウドに上がっている情報ですけれども、アメリカ人が非常に好きなコントローラーかなと思っております。
イギリスです。今期予想は18億1,500万円。営業利益が1億3,400万円。当期利益が1億2,200万円でございます。2年半くらい前、こちらも大きな売上を上げております。その後のリピートの注文、それから新しい研究が少し長引きまして、今回18億1,500万円としておりますが、来期以降もここが増える予想は入ってきております。
また、第1号機で出しました大きなシステム……今回がようやく第2期目なのですが、途中で変更がかかりまして、なかなか2号機が出ませんでした。しかし今回、(2号機が)出ております。
インドですが、5,000万円(の予想です)。こちらはなかなか厳しく、インドではヨーロッパ勢が強く、私たちはそこまで数字が出ておりません。
タイですが、(予想は)8億4,700万円の売上で、営業利益8,400万円、当期利益6,800万円です。今後、またタイも増えていくかなと思っています。
マレーシアですが、(予想は)売上が2億5,600万円、営業利益2,300万円。当期利益1,700万円です。シンガポールは、ほとんど金融の国になりまして、工場はマレーシア(へ移転しています)。国境のところには、日本の企業もずいぶん出ておられますが、マレーシアの人件費がシンガポールに対して2分の1のため、どんどん日系はマレーシアに出て行っておられます。
ベトナムですが、(予想は売上が)1億600万円、営業利益2,400万円、当期利益1,900万円です。インドネシアは、売上3億900万円で、営業利益4,200万円。当期利益2,600万円です。インドネシアも、いろいろと政府の不安要因はございますが、増えたり減ったりしながら、今回は3億900万円に届くかなと思っております。
台湾ですが、9,200万円の売上で、営業利益が1,600万円。当期利益1,400万円です。台湾の会社が中国に入り、中国の工場で設備をしていただいています。台湾の国の売上になるものと、中国になるものがございまして、台湾本土ではこういうふうに(スライドのとおり)少ないのですが、超大手さんが中国に入られます。
どうしても、当社の会社も台湾にも置いておく必要があるということで、売上は小さいのですが、現実としては、非常に大きな情報が入ってきております。
中国・深圳でございますが、(予想は)売上が9億5,300万円、営業利益4,700万円、当期利益3,600万円です。上海ですが、売上が11億500万円、営業利益2,600万円、当期利益2,000万円です。
韓国ですが、売上が17億6,000万円、営業利益1億6,200万円、当期利益1億2,600万円(の予想)になっております。韓国も市場としては、非常に小さいですが、ここから中国・天津へも入っております。
ライバルが、韓国で非常に大きなビジネスをしておりまして、取出機だけではなく、他にも粉砕機などいろいろな物を作っております。値段は当社のほうが2倍くらい高いと言われているのですが、そこといつもバッティングしながらも、このように売上は上がってきております。
韓国の方は、韓国の会社から買うと申しますか……東欧へ行ったり、ベトナムに行っても、Samsungさん絡みだったり、すべて韓国の子会社が売上を立てます。韓国人が、その韓国の会社のお客さんのところと世界中に行きます。ですから、ロボットはアジアやヨーロッパへ行っても、売上は韓国で立っております。
貸借対照表
貸借対照表でございますが、資産はこのように増えてきております。前期と今年、会社のすぐ隣の土地を500万坪ぐらい買っているのですが、これ以外に足元では大きな投資の予定はございません。
負債・純資産ですが、こちらに書いておりますように、徐々に自己資本も増えております。
設備投資、減価償却費、研究開発費
設備投資、減価償却費、研究開発費は、先ほど申しましたとおりです。最近では、隣の土地を購入しておりまして、今期はそんなに大きな動きはございません。
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローの推移でございますが、このようになっております。
中期経営目標
中期経営目標です。いつも「いつになれば(売上高が)300億円になるんだ」とよく言われるのですが、現在、社内でいろいろなことを決めております。まずは、いつまでに250億円を達成するかということで、目標は社内では立ててきております。なるべく早く(その数字まで)持っていきたいなと思っております。
戦略①:商品力の強化(1)
商品力の強化です。新商品「FRA」シリーズは、国際安全規格対応しています。また、自分で自分の振動を止めるアクティブ振動制御機能や、IoTサービス「INTU LINE」……ここから携帯電話やパソコンに情報が入ってきます。
これは、クラウドの情報が手元に入ります。通信費は1ヶ月に5,000円ほどいただくのですが、これは今までにないやり方です。従来は、1台の機械だけの情報が出ていたのですが、こちらは成形機の情報も全部、クラウドから入ってきます。
お客さま、それから業界としてもクローズアップしていただいております。人間工学に基づいた新型コントロールで、非常に(操作も)楽です。今までは横型で、これにスタンドが付いていたのですが、手持ちでどこでも行けるということで評価を得ております。また、機械工業デザイン賞をいただいております。
戦略①:商品力の強化(2)
商品力の強化でございます。IoTサービス「INTU LINE」が、さらに進化しておりまして、メーカー間の垣根を超えた、工場の「見える化」を実現しております。このスライドに記載(の企業)以外も、ほとんどが(接続協賛企業として)入っていただきました。1社さんだけ、名古屋店で入ると言っていただいたため、これからご案内に行こうと思っています。
こうしたことは、業界では初めてのことでしたので、受けていただけるかなと心配していたのですが、みなさんが入ると言ってくださいました。情報がどこからでも見えるようになり、評価を得ております。
また、10月26日に、この射出成形の「見える化」という要項が日刊工業新聞に掲載されました。私たちの会社は始まって40数年経っていますが、この新聞の一面に出たのは初めてです。この記事が出て、非常に喜んでいます。
戦略①:商品力の強化(3)
このロボットなのですが、AI活用による業務効率化、サービス品質向上(が可能です)。まず、異常が検出された場合、お客さま側でどうなっているのかと言いますと、こちらといたしましては、原因が過去のデータとして全部入っていますので、(それに照らし合わせて)わかるようになっています。(それによって)サービスマンが、非常に早く修理ができます。
戦略①:商品力の強化(4)
もう1つが、FRA予知保全機能です。ロボットが自分で(発信する)「自分の右腕のこの辺は、あと何日、何時間ぐらいでおかしくなっていきますよ、具合が悪くなりますよ」という情報が入ります。
今までの現場では、機械が故障してから電話をして、サービスマンが飛んで行っても、その日には(対応が)難しく、翌日ぐらい(になっていました)。連絡があってから(現場へ)行って、この部品を替えましょうとなって帰ってくると、機械が止まってから(修理して)動き出すまでに、2日以上はかかります。
(しかし)このようにコントローラーで出してくれるため、非常に早く現場が動けるということです。お客さま側は、工場が止まる時間が1時間でも短ければ短いほど生産性が上がりますから、利益につながるということで、非常に喜ばれております。
戦略①:商品力の強化(5)
また、Webでパーツショップも展開しております。自分で設計ツールで(製品を)作っていただき、私たちに注文して、(私たちが)部品を送ると自分たちで作れる。こういうことも展開しております。
戦略②:グローバル展開力の更なる強化
グローバル展開力のさらなる強化でございます。世界各国のトップクラス企業をターゲットに。それから、世界のローカルユーザーの更なる獲得……まだ、ローカルユーザーでは獲得できていないところが、とくにヨーロッパでは非常に多いです。
今後、ヨーロッパ中央に拠点を作って伸ばしていきたいということで、当社で計画を立てております。
戦略③:人材育成
人材育成でございます。さまざまな工場自動化ニーズに対応するこのシステムインテグレータですが、その育成をしております。加えて、各種研修の実施……これは前から言っていますが、上級テクノスクール技術研修、マネジメント研修、海外トレーニー制度です。
テクノスクールの技術研修は、本社から先生が……先生と言っても日本人ですが、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどを、1年中ずっとまわっています。新しい製品ができたときも、今までは講習ですが、講習以外に勉強会をするために、ぐるぐると世界をまわっている人がいます。それによって、社員の技術力の統一化を図ろうとしています。
海外トレーニー制度は、1年間その国に行き、海外手当などは付けずに勉強してくるというようなものです。
また女性の積極活用ですが、国内正社員400人弱のうち、女性は約70名ぐらいです。ほとんどが、結婚しても会社を辞めずに、子育てをしながら働いています。育児休暇や、育児後にカムバックしても、朝1時間や午後1時間、休んでもいいといったさまざまな手法を取っており、長く勤めていただく(ようにしています)。
私は、会社に来て仕事をしている時は厳しいですが、それ以外の時は、本人たちが生活しやすいようにということで、全社で協力しております。
ESG
ESGとしては、まず省エネ商品の継続的な開発です。そして、先ほど申しましたが、働きやすい環境づくりということで、働き方支援チーム(があります)。看護婦さんも会社に1日中います。産業医の先生は毎日はいないですが、月に何回か来られますし、必ず月に一回は日を決めて来ていただきます。また、法定以上の育休制度もあり、長期で休んでいる方もいます。時短も法定以上の時短です。
また、取締役会の進化ということで、社外役員による活性化、実効性評価による改善と、非常に前向きで新しいものを取り入れております。
株主還元策
株主還元策でございます。今期は17円を予想しております。連結での配当性向は30パーセント以上を考えております。本日はありがとうございました。