2019年3月期 上半期 決算概要
岡本伊久男氏:本日は、2019年3月期第2四半期の決算説明会にお越しいただいて、ありがとうございます。代表取締役の岡本でございます。時間になりましたので、さっそくではございますが、決算説明会を始めさせていただきたいと思います。
まず最初に、決算概要についてです。
上半期の売上高につきましては14億6,500万円、前年同期比で約52パーセント増となっております。このうち、第1四半期に有価証券の売却収益で3億8,700万円を計上しておりますので、それを除くと10億7,700万円となりまして、前年同期比で11.7パーセントの増収になります。
営業利益以下の各段階利益につきましても、それぞれ2倍以上の増益となっております。有価証券の売却収益につきましては、これは第1四半期の決算説明資料でもご説明させていただきましたが、インフルエンサー領域やMimiTV、ギフトEC事業など、今後成長が見込まれる分野について、事業拡大へ向けた投資へ活用していきたいと(いうことです)。
具体的には人材採用、システム開発、広告出稿。このようなところについて、投資していきたいと考えております。
売上高(四半期推移)
続いて、売上高の四半期推移について、ご説明させていただきたいと思います。
第2四半期の売上高は5億8,900万円で、前年同期比で11.9パーセント増ですが、この中でインフルエンサー領域、広告関連領域などが継続的に伸びております。
また、(2018年)5月に買収して当社の子会社化となった株式会社MimiTVから「Anny」、ギフトEC事業。これらが、成長を引っ張っている状況になっております。
営業利益(四半期推移)
営業利益の四半期推移につきましては、第2四半期の営業損失が500万円になっております。前年同期比で7,700万円の減少となっているのですが、これは前段でご説明したような投資に使っております。第1四半期から第2四半期と、このようなところに投資をしている次第です。
有価証券の売却収益について、MimiTV、ギフトEC……これはご説明したとおりですが、積極投資を上半期に行ってまいりまして、これについては下半期も引き続き投資を行い、来期以降の増収の基礎を作っていきたいと考えております。
トレンダーズグループの事業領域
当社の事業領域については、トレンダーズ本体と子会社の株式会社MimiTVで「マーケティング事業」ということで、インフルエンサー、メディア、PR、アドなどのソリューションをクライアント企業に提供しています。それから、大きく分けてギフトECサービスの「Anny」。これは、子会社の株式会社BLTです。3つの会社があって(事業を)行っている状況です。
それに加えて、去年(2017年)からインベストメント事業ということで、成長事業・企業に向けた投資事業を行っているのが、トレンダーズグループの事業領域になっております。
それでは、続きまして、このマーケティング事業とEC事業につきまして、事業の概要および今後の成長戦略について、黒川からご説明させていただきたいと思います。
黒川涼子氏:あらためまして、本日はご足労いただきまして、ありがとうございます。トレンダーズの黒川でございます。ここからは私から、マーケティング事業、それからギフトEC事業につきまして、事業の概要と戦略についてお話をさせていただきます。
次世代型マイクロマーケティング
まずは、マーケティング事業です。当社のマーケティング事業におきましては、従来型のマスマーケティングと異なる生活者の多様化・細分化に対応するターゲットに向けて、最適なメディアですとか、コミュニケーションをプランニングするという「次世代型マイクロマーケティング」を提唱しております。
昨今ですと、とくに10代・20代を「デジタルネイティブ」と呼ぶことが多いのですが、物心ついた頃からインターネットやSNSが身近にあるような世代に、従来型のマス媒体が効かなくなっているですとか、価値観や消費行動がさらに多様化して、急激に変化しているというところで、このようなマイクロマーケティングの必要性といったものがさらに増していますし、今後もさらに、そのようなニーズが拡大していくと考えております。
マーケティング事業の概要
当社のクライアント企業は、食品・飲料メーカーさまですとか、日用品・化粧品メーカーさま、それから大手の広告代理店さまといったところが中心となっております。
先ほどもお話し差し上げたとおり、今は生活者の情報接点のあり方が急激に変化しているなかで、ブランドの認知を生活者にしていただくところから、実際の購入に至るまでといった、いわゆるカスタマージャーニーを的確に描いて、それを実際に実現していくといったところが、我々のミッションでございます。
私たちトレンダーズの強みは、生活者インサイトですとか、トレンド分析をするというところ。それから、それらに基づいたコミュニケーションプランニング力といったところが強みであり、このようなクライアントさまから、ご評価をいただいているポイントでもございます。
それに加えまして、自社メディアですとか、インフルエンサーネットワークといったような、トレンダーズ独自のソリューションを有しているというところ。それから、このようなものを時代のトレンドをとらえながら、即時に開発をしていくソリューション開発力といったところが、当社の大きな強みであると認識しております。
以上が、簡単ではございますが、マーケティング事業全般の概要となります。
サービス進捗と取り組み:インフルエンサーネットワーク
ここからはインフルエンサーネットワーク、それから「MimiTV」、あとは先日リリースいたしました「ブランドダッシュボード」について、それぞれの取り組みや戦略について、お話をさせていただきます。
まずは、インフルエンサーネットワークです。当社では、かねてからPinterestマーケティングといったものに取り組んでまいりました。(2018年)11月に、Pinterestクリエイターの育成事業を開始したということをリリースさせていただきました。
Pinterestは、おそらくみなさまもお聞きになったことがあるのかなとは思うのですが、まだまだ使われている方が(多くはなく)そこまで「誰もが使っている」という状況ではありませんが、こちらにも記載がありますとおり、世界で月間利用者数(MAU)が2億5,000万人を突破したということで、今は非常にユーザー数の増加と、企業のマーケティングツールとして、注目を集めているものになります。
Pinterestというと、いろいろとPinterest自体が進化をしているのですが、一言でいうと、ユーザーが画像を保存して楽しむという、「ビジュアルディスカバリーエンジン」と呼ばれております。
画像が中心のInstagramのようなSNSという認識を持たれている方も多いのですが、最近機能の追加・改修が著しく、SNSというよりは、ユーザーが未来の自分の行動に向けて、画像情報をストックして、それを使っていくというような、どちらかというとブックマークですとか、イメージボードといった実態と近くなってきております。
多い使い方としては、結婚を控えている方が、「自分はこのようなドレスが着たい」とか「このようなヘアメイクがしたい」というようなイメージをどんどん収集していったりですとか、あとはおうちのリフォームとかを考えている方が、自分のイメージに近いインテリアのアイテムですとか、そのような写真をどんどん保存していくことによって、それを自分の目指したイメージのクリップボードのようなかたちにするという使われ方が、多くなっています。
Pinterestの大きな特徴といたしましては、Pinterestの画像からほかのサイトにリンクというか、飛ぶことができます。ですので、非常にサイトへの送客効果が高くなっています。
あるウェディングサイトですと、ソーシャル流入のうち約7割をPinterestが占めていると言われていまして、弊社が運営しています「おうちごはん」という自社メディアでもPinterestを積極的に活用しているのですが、流入の伸長率といったところが、ほかのSNSと比べても非常に高くなっています。
ということで、昨今企業の公式のホームページやオウンドメディアといったところに、生活者が積極的に訪れるというところがなかなか少なくなっているなかで、このPinterestを使うことで、生活者と企業の公式情報を結び付けるという点で、非常に今後のマーケティングツールとして有用なのではないかということで、我々はいち早くこのマーケティングに取り組んでおります。
今後はPinterestに、よりアクティブに「Pin」……画像を保存するようなクリエイター、Pinterestのインフルエンサーといったところを我々が育成し、これらをネットワークしていくということで、トレンダーズの1つの大きなソリューションであるインフルエンサーネットワークのさらなる拡充と、さらなるSNSマーケティングへの対応といったところを図ってまいります。
今回はPinterestについてお話ししましたが、いろいろとSNSのトレンドですとか、プラットフォームのトレンドが移り変わっていくなかでも、我々はいち早くそのようなトレンドをとらえて、それらに迅速に対応していくということで、常にインフルエンサーネットワークを鮮度を高く、最適な状態に保っていきたいと考えております。
さらに、インフルエンサーマーケティングにつきましては、こちらの右側にありますが、インフルエンサーのフォロワーを分析するキャスティングツールも、かねてから運用はしていましたが、本格的な運用を開始しています。
インフルエンサーマーケティングは、今非常に引き合いが多いところもありまして、取り組みをされる・提供する企業が増えてきています。
我々の強みは、これまでの十数年におよぶ実績が多い点、それから会員という基盤を持っているところで、我々がそのような母体を活かしながら分析力を高めていくところを、これからも強みにしていきたいと思っています。
こちらのツールにつきましては、引き続き画像解析や機械学習を強化していくことで、分析力をさらに強化していきたいと考えています。
サービス進捗と取り組み:MimiTV①
続きまして、MimiTVです。
2018年の5月に子会社化いたしましたMimiTVでございますが、メディア、それから事業の収益ともに順調に推移していまして、今後はさらに大幅成長させたいところで、引き続き先行投資を積極的に行っていきたいと考えています。
具体的な取り組みといたしましては、TwitterをはじめとしたSNSの公式アカウントで、コンテンツや情報発信、ユーザー獲得へ積極的に取り組んでいます。とくにTwitterは、ユーザー数も非常に増えていますし、ユーザー数が増えているだけではなくて、非常にリツイートですとかいいねといった、いわゆるエンゲージメントが非常に高いところで、化粧品メーカーさまから高い注目を集めている状況でございます。
それから、コスメのコミュニティアプリですとか、美容系・女性系のメディアとの連携をしたりですとか、あとは店頭との連動を強化するために、流通各社さまとの連携だったり、共同でのキャンペーン実施も、取り組みを始めている状況でございます。
サービス進捗と取り組み:MimiTV②
これからのMimiTVに関しましては、今お伝えしたような自社のMimiTVのユーザーをさらに獲得して、増やしていくところ。それから、他のメディアとの連携を図ることで、さらに情報拡散力を強化していくこと。
それから、流通各社さまとの取り組みによる、店頭連動。実際に店頭でユーザーが商品を手に取る、実際に購入するところまでしっかりつなげられるメディアということで、美容が大好きな女性たちに圧倒的に支持される「美容トレンドと言えば、MimiTV」というような、ナンバーワンの美容トレンドメディアを目指してまいりたいと思っています。それにより、トレンダーズの中核事業を目指して、これからも積極的な投資を行っていきたいと考えています。
サービス進捗と取り組み:ブランドダッシュボード開発
マーケティング事業の最後は、先日リリースいたしました「ブランドダッシュボード」です。
リリースしたばかりなのですが、非常にクライアント企業さまですとか代理店さまから、ご相談や引き合いをいただいている状況でございます。
こちらは、今企業さまのデジタルマーケティング施策、とくにPRですとかインフルエンサーといった当社の強みとしている領域でございますが、ここの最大の課題が、PRであれば「掲載記事数」であったり「広告費換算値」、インフルエンサーであれば「フォロワー数」といったように、タイアップ記事やSNS広告との指標が異なるところが、非常に管理がしづらいという点。
それから、その結果として、どれだけ購買につながるのかがわかりにくいところが、大きな課題となっています。
これに対して我々が取り組んでいることが、PRやインフルエンサー施策を、広告と同じようにインプレッション・表示回数の指標を定めることで、さらにどれだけ表示をされるとどれだけそのブランドが認知をされるのかということ。これは当然、施策ごとに異なってくるのですが、そのような施策・プラットフォームごとの認知への転換率。
さらに、ブランドがどれだけ認知をされると購入につながるのかという、シミュレーションをするための転換率。このようなものを、過去の我々の実績やデータ分析、ブランドパネル調査などによって、自動算出を可能としたもの。それが、「ブランドダッシュボード」でございます。
冒頭にお話をさせていただいたとおり、トレンダーズのこれまでのマーケティング事業の強みは、生活者インサイト分析に基づくプランニング力、それから自社独自のソリューションの開発力の2つでございましたが、今期はとくにデータマーケティングに非常に注力しています。
今後のトレンダーズのマーケティング事業の3つ目の強みとすべく、このようなデータマーケティング領域には積極的に取り組み、投資をしていきたいと考えています。
マーケティング事業の中長期戦略
今後マーケティング事業におきましては、本日お話しした、インフルエンサーネットワーク・MimiTV・データマーケティングにより注力しながら、このようなトレンドとして、PR領域とアド領域、店頭連動をしっかり連携させながら、継続的な事業成長を目指してまいりたいと考えています。
マーケティング事業の概要と戦略については、以上となります。
ビジネスモデル
続きまして、ギフトEC事業についてお話しさせていただきます。
ギフトEC事業では、ギフト専門のECサイト・アプリで、「Anny」というものを運営しています。「Anny」の特徴といたしましては、誕生日ですとか、結婚・出産・母の日・父の日ですとか、クリスマスといったような、ギフトのあらゆるシーンに対応できる、選んでいても楽しい、贈った人にも喜ばれるような、センスの良いギフト商品を豊富に取り揃えていること。これが、1つ目の特徴です。
それだけではなく、最大の特徴は、住所がわからない相手にも、SNSとかメールで専用のURLを送ることで、すぐにギフトを贈ることができるといったところが、「今までにないギフトサービスだ」と支持をいただき、注目を集めているサービスでございます。
売上高・取扱いアイテム数の推移
こちらの「Anny」につきましては、ユーザー数が順調に推移した結果、売上高が前年同期比で296パーセントということで、約3倍の成長を果たしています。
取扱いブランドは160以上、アイテム数は1,400点を突破しています。ギフト市場においてはこれから、12月にはクリスマスですとか、2月にはバレンタイン、3月には送別会ということで、ギフト市場におけるハイシーズンを迎えてまいります。
ここに備えて「Anny」では、シーズンアイテム、クリスマスですとかバレンタイン向けのアイテムをさらに強化していくとともに、マーケティング施策・PR施策を強化することで、ユーザー獲得と売上高のさらなる増加を図ってまいります。
今後の事業戦略
最後に、ギフトEC事業の今後の戦略をお話しさせていただきます。
「Anny」は、サービス開始が2016年の4月でございまして、そこからずっと取り組んでいることが、生活者・ユーザーにとって価値のあるギフトに関する高価値の情報を届けるといったところ。これを、一貫して行っています。
今期はそこに加えて、会員登録機能やカート機能を追加開発することにより、これまでは、ギフトを買うことができるキュレーションメディアが「Anny」だったのですが、これをギフト特化型のECモール・ECサービスに進化させてまいりました。
今後もさらなる機能開発ですとか、MDを強化させていくことで、よりギフトを探しているユーザーの方に、使いやすくて愛されるギフトサービスを目指していきたいと考えています。
ギフト市場においては、まだまだEC化というか、デジタルシフトは十分に進んでいるわけではないので、これから生活者がどんどんデジタルシフト・ECシフトをしていく中で、ギフトECという領域は、今後も成長が拡大していくと考えています。我々はその中で、ギフトのECと言えば「Anny」といったように、生活者の方に、一番最初に想起をしていただけるようなメディアを目指しています。
さらに、今後目指したい姿としては、贈りたい相手の情報を入力することで、「その相手であれば、このようなギフトが最適である」といったように、最適なギフトをレコメンドできるような、「パーソナライズドギフトサービス」を目指していきたいと思っています。
どうしてもギフトを贈るとなると、「相手に何が喜ばれるのかわからない」ですとか、「そもそも、そのような物がどこに売っているのかわからない」というのが、それが「ギフトの負」であると、我々は考えています。
このような「ギフトの負」を解消していくことで、ギフトEC市場に対応していくだけではなくて、ギフトそのものを贈り合うという文化がより醸成されていくことで、我々はそのような、「ギフトを贈り合うこと」で、コミュニケーションを活性化させるような社会づくりにも貢献していきたい。そのようなところが、「Anny」事業のミッションであると考えています。
以上、マーケティング事業とギフトEC事業の概要と戦略について、お話をさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。