2018年6月期 損益計算書概要

宮本彰氏:キングジムの社長の宮本でございます。本日は大変お暑い中、当社の決算説明会においでいただきまして、誠にありがとうございます。これより説明に入りますけれども、本日の説明はとくにお断りしない限り、連結を主体にお話しさせていただきます。それでは、2018年6月期の経営成績についてご説明いたします。

損益計算書の概要ですが、売上高は347億8,800万円で、前期に比べ0.5パーセント増加いたしました。売上総利益は135億8,900万円、4.7パーセント増加いたしました。営業利益は19億1,200万円、13.1パーセント増加いたしました。経常利益は20億8,900万円、14.3パーセント増加いたしました。当期純利益は14億200万円、16.5パーセント増加いたしました。それぞれの増減要因につきましては、この後順を追ってご説明をいたします。

売上高推移

売上高推移をグラフにしたものが、こちらでございます。前期比で0.5パーセント増加しており、5期連続の増収となっております。

セグメント別の売上高

次に、セグメントの売上高についてご説明いたします。

文具事務用品事業の売上高は270億9,900万円で、全体の77.9パーセント。インテリアライフスタイル事業の売上高は76億8,800万円で、全体の22.1パーセントとなりました。文具事務用品事業の内訳を見ますと、電子製品が157億2,600万円で、全体の45.2パーセント。ステーショナリーが113億7,300万円で、全体の32.7パーセントとなりました。

セグメント別売上高の対前年比を見ますと、文具事務用品事業は0.5パーセント減少いたしました。電子製品が0.2パーセント減、ステーショナリーが0.9パーセント減となっております。また、インテリアライフスタイル事業は4パーセント増となりました。

新製品の状況(ステーショナリー①)

2018年6月までに発売した新製品の状況について、ご説明いたします。

文具事務用品事業におきましては、かさばらないバッグインバッグ「FLATTY」や、書類を入れたまま書き込むことができるクリアーファイル「カキコ」を発売いたしました。

新製品の状況(ステーショナリー②)

また、質と機能にこだわった新ファイルシリーズ「FAVORITES」や、マグネットの力で紙をめくったまま固定できるクリップボード「マグフラップ」を発売いたしました。なお「マグフラップ」につきましては、第27回日本文具大賞優秀賞を受賞いたしております。

新製品の状況(電子製品①)

電子製品におきましては、「Girly TEPRA」にスペックアップとデザイン刷新を行った「SR-GL2」を発売いたしました。

新製品の状況(電子製品②)

また、画面に電子ペーパーディスプレイを採用し、折りたたみ式キーボードを搭載した「pomera DM30」を発売いたしました。

新製品の状況(電子製品③)

そのほか、当社初の試みとして、クラウドファンディングを活用したモニタリングアラーム「TRENE」を発売いたしました。

新製品の状況(オフィス環境用品)①

オフィス環境用品では、デスクの引き出しに取り付ける「デスクポケット」や、マグネットで壁に取り付けられる棚「Magtray」(がございます)。

新製品の状況(オフィス環境用品)②

また、文具や小物を整理整頓できるブロック「かたづけマス」を発売いたしました。そのほか、「デスクボード」に木製タイプを追加いたしました。

新製品の状況(インテリアライフスタイル事業①)

インテリアライフスタイル事業におきまして、ぼん家具では和歌山市に和歌山クリエイティブオフィスを開設し、本社から企画本部を移設いたしました。同時に撮影スタジオを併設して、Webショップのページ作成効率化と人員増強を図り、販売体制を強化いたしました。

また、楽天市場・Amazon・ヤフーショッピングで開催された各種セールにおいて、値下げセールやクーポン配布などを実施いたしました。

新製品の状況(インテリアライフスタイル事業②)

アスカ商会では、高品質なアーティフィシャルフラワーの商品拡充を図るとともに、東京ショールーム、&DECORの規模を約2倍にして代々木から品川へ移転し、展示商品の小売にも力を入れるようになりました。これにより、東日本でのさらなる販売力強化と、アーティフィシャルフラワーの認知向上に努めてまいります。

新製品の状況(インテリアライフスタイル事業③)

LADONNAでは、キッチン家電の新商品拡大を図るとともに、かき氷機・加湿器・扇風機など、季節需要に合わせた商品のラインナップを展開いたしました。また、フォトフレーム・デジタル雑貨の各分野におきましても、精力的に新商品を投入いたしました。

営業利益推移

次に、2018年6月期の損益の状況をご説明いたします。

売上高の増加に加え、売上原価率の低減により、各利益とも増益となっております。営業利益は19億1,200万円で、前期比13.1パーセントの増加となりました。

経常利益推移

経常利益は20億8,900万円で、前期比14.3パーセントの増加となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益推移

当期純利益は14億200万円で、前期比16.5パーセントの増加となりました。

売上原価率推移

売上原価率の推移ですが、当期は60.9パーセントとなり、前期に比べ1.6ポイント減少いたしました。

前期には、2016年2月に発売したモバイルパソコン「ポータブック」について原価割れ販売や在庫の評価減を行ったことにより、売上原価率の影響がありましたけれども、当期は特殊要因がなかったことにより売上原価が改善しております。

総人件費推移

総人件費はほぼ前期と変わらず、60億3,800万円となりました。

販売管理費推移

販売管理費は116億7,600万円で、前期に比べ3億9,300万円増加いたしました。運送業界の値上げなどによる運賃の増加が、主な要因となっております。

連結財政状況・キャッシュ・フロー計算書

当期末における資産の状況および当期のキャッシュ・フローにつきましては、お手元の資料をご覧ください。

自己資本

次に、連結での自己資本の動向についてご説明いたします。

自己資本は213億1,400万円。自己資本比率は78.6パーセントで、前連結会計年度より3.5ポイント増加いたしました。これは、当期利益の計上による利益剰余金の増加によるものです。

ROE・ROA

ROEとROAを示したものが、このグラフとなります。ROEは6.7パーセント、ROAは5.2パーセントとなりました。

一株当り情報

一株当たりの当期利益(EPS)は49円36銭、一株当たり純資産(BPS)は749円90銭となりました。

設備投資額・減価償却費推移

設備投資額は前期より9,100万円増加し、5億1,900万円となりました。当期(の増加要因)は生産設備の通常の維持・更新などによるものであります。減価償却費は前期より5,800万円減少し、6億300万円でした。

配当政策

配当政策についてですが、当期は業績も好調であることから、一株当たりの期末普通配当7円に3円を増配し、合計で10円とすることを、2018年9月19日開催の定時株主総会にお図りする予定でございます。当期中間配当は7円で実施済みでございますので、年間配当は一株当たり17円となる予定です。

中期的な経営戦略①

ここからは、キングジムグループの中期経営計画と業績見通しについてご説明させていただきます。

2018年6月期を最終年度とする第8次中計では、昨年(2017年)8月に修正した計画に対して売上は未達となりましたが、利益面およびROEでは計画を上回る結果となりました。この結果を踏まえ、今年度から2021年6月期を最終年度とする第9次中計をスタートいたしました。

中期的な経営戦略②

この第9次の中計では、「成長分野へのシフトを加速」および「収益構造の変革」を掲げ、中計の達成を図ってまいります。

中期的な経営戦略③

成長分野である「pomera」や「ブギーボード」に代表されるデジタル文具におきましては、当社独自の商品企画力を発揮した新製品の投入により、新たな顧客の獲得と市場の創造を目指してまいります。

中期的な経営戦略④

また、(2018年)7月25日に「カクミル」という商品で、クラウドファンディングによる募集を開始いたしました。

募集開始後、約1ヶ月で目標金額の1,000万円を達成し、話題となっております。今後もクラウドファンディングを活用した製品開発にも挑戦していくことにより、市場需要や新規顧客の獲得に努めてまいります。

中期的な経営戦略⑤

成長著しいオフィス環境用品と女子文具においては、斬新なアイデアの新商品を投入し、新たな顧客の獲得と市場の拡大を目指してまいります。また女子文具では、HITOTOKIブランドのさらなる認知向上を図ってまいります。

中期的な経営戦略⑥

海外においては、中国と東南アジア各国に展開する海外子会社を中心に、アジアでの当社ブランドを確固たるものにしてまいります。欧米や新興市場への新規市場開拓を進めることで、さらなる事業の拡大を進めてまいります。

中期的な経営戦略⑦

インテリアライフスタイル事業においては、既存の生活雑貨品のラインナップ拡大と拡販に加え、株式会社ぼん家具のネットビジネスノウハウを他社に展開して、事業の拡大を図ってまいります。

中期的な経営戦略⑧

基盤事業である「テプラ」においては、用途提案による新市場や新チャネルの開拓を図り、年々増加している外国人観光客の多言語表示ニーズを取り込むなど、「テプラ」が使用されているシーンを増やすことで、テープ需要の拡大を進めてまいります。

中期的な経営戦略⑨

ステーショナリーにおいては、付加価値や他社との差別化を図った当社ならではの新製品を投入することで、市場拡大を目指してまいります。

中期的な経営戦略⑩

また、ファイルの生産拠点が海外自社工場であることを活用し、新たな設備投資による生産の合理化や新規技術を獲得するなど、さらなる原価低減を目指し、コスト競争力を高めてまいります。

中期的な経営戦略⑪

物流面では、激変する環境変化に対応すべく、キングジムグループ全体での物流体制の最適化を図ってまいります。

人事面では、グローバル人材および経営人材の育成、働き方改革に取り組んでまいります。

財務面では、税務・為替のリスクコントロールのほか、グループ会社を含めた連結ベースでの資金管理の効率化などにより、財務体質の強化にも取り組んでまいります。

さらに、M&Aおよび新規事業についても、積極的に取り組んでまいります。

2021年6月期の業績目標

これからの重要施策により、第9次中計最終年度となる2021年6月期の業績目標は、売上高で380億円を目指してまいります。内訳は、国内の文具事務用品事業で265億円、海外の文具事務用品事業で25億円、インテリアライフスタイル事業で90億円となります。

利益面では、営業利益21億円、経常利益23億円、当期純利益16億円、またROEは7パーセントを目指してまいります。

2019年6月期の業績予想①

最後に、第9次中計の初年度となる2019年6月期の業績予想についてご説明いたします。

連結業績につきましては、2014年6月期以降、5期連続で増収経常増益を達成いたしました。2019年6月期の売上については、「テプラ」やファイルといった基盤事業が安定的に推移することに加え、デジタル文具やインテリアライフスタイル事業といった成長分野でも、魅力ある新製品を投入することで、さらに売上を伸ばしていく計画となっております。

利益面では、固定費の削減や変動費のコストダウンを推進することにより、営業利益・経常利益ともに増益を見込んでおります。これに伴い、6期連続で増収経常増益を目指してまいります。

2019年6月期の業績予想②

2019年6月期の業績予想は、売上高で3.5パーセント増の360億円、営業利益で0.9パーセント増の19億3,000万円、経常利益で1パーセント増の21億1,000万円、当期純利益で4.1パーセント増の14億6,000万円を見込んでおります。

以上をもちまして、株式会社キングジムの2018年6月期決算のご説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。