2018年度 第1四半期実績
稲田晴久氏(以下、稲田):IR担当の稲田でございます。わたくしから、2018年度第1四半期決算についてご説明させていただきます。
売上収益は前年同期に比べて3.3パーセント増の2,771億円、営業利益は27.0パーセント増の266億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は57.0パーセント増の205億円となりました。
なお、当決算でご報告する数値は、すべてIFRSベースの数値となります。
この3ヶ月の間に、欧州や米州の天候不順などがありましたが、加工食品事業の売却益もあり、増収増益を達成することができました。
2018年度 第1四半期実績 (セグメント別)
次に、セグメント別の売上収益および利益です。
売上収益・利益ともにセグメントごとにばらつきがありますが、おもにアジアが牽引するかたちとなりました。
次のページから各セグメントについて詳しくご説明します。
日本 第1四半期実績
まず日本です。
売上収益は対前年2.1パーセント増の1,505億円となりました。1-3月の市場は2パーセント増と推定される中、当社の売上数量は年初に掲げた方針である水・コーヒー、無糖茶カテゴリーへの注力が功を奏し、3パーセント増となりました。
一方で、加工食品の販売減等による商品構成の悪化がありました。さらに、最盛期に向けた供給準備のため、在庫の積み増しによる一時的なコストが発生しました。
また、売上成長に向けた積極的なマーケティング投資によるコスト増等もあり、利益は対前年36.6パーセント減の52億円となりました。
ただし、利益減のおもな要因はもともと想定しており、年間予想を見据えた中では想定の範囲内です。
日本 カテゴリー戦略(水・コーヒー・無糖茶カテゴリーへの注力)
次に日本における注力カテゴリーの状況についてご説明します。
サントリー天然水は、主力のミネラルウォーターが好調に推移しました。加えて、3月に発売した「奥大山のブルーベリーヨーグリーナ&サントリー天然水」も寄与し、ブランド全体での販売数量が、前年対比で8パーセント増となりました。
ボスは、既存の缶コーヒーのコアユーザーに向けた積極的なマーケティング活動に加えて、昨年発売し、新たなコーヒーユーザーを獲得している「クラフトボス」が好調に推移しており、ブランド全体の販売数量が前年対比で6パーセント増となりました。
無糖茶カテゴリーにおいても、3月に「伊右衛門」の中身・パッケージをリニューアルしたほか、拡大する麦茶市場で「グリーンダ・カ・ラ やさしい麦茶」が大きく伸長するなど、ウーロン茶を含む無糖茶カテゴリーでは対前年3パーセント増となりました。
これらの結果、第1四半期の販売数量は、市場を上回る成長を達成しました。第2四半期以降も、新商品の発売等、水・コーヒー・無糖茶カテゴリーへの注力を継続してまいります。
欧州 第1四半期実績
次に欧州です。
欧州は2月下旬から3月上旬に発生した大寒波の影響で市場が減速し、当社もその影響を受けました。
また、低糖レシピに変更した英国の「Lucozade Energy」が前年割れとなった結果、売上収益は対前年3.1パーセント減の518億円、セグメント利益は対前年30.1パーセント減の37億円となりました。
フランスは市場減速の影響で一部主力ブランドが前年同期を下回りましたが、「MayTea」が大きく伸長し、売上は前年並みとなりました。
英国は、「Lucozade Energy」が前年を下回りました。
スペインは天候要因に加えて競合激化の影響もあり、減収となりました。
欧州 低糖商品の状況
ここで、欧州の低糖商品に関する取り組みについてご説明します。
まず低糖のプレミアムアイスティー「MayTea」です。当社のポートフォリオ変革をリードする商品に育成すべく、積極的なマーケティング活動を進めているブランドです。
今期、フランスでは新たなフレーバーを発売、大変好調に推移しました。
また、新たな市場へのチャレンジとして、ベルギーで1月、スペインで3月に新たに発売しました。今後、これらの国でも積極的なプロモーションを展開していく予定です。
次に、英国の「Lucozade Energy」についてです。
英国子会社のLucozade Ribena Suntoryが2016年に健康関連のステートメントを発表しました。その方針の一環として、昨年4月に主力商品の「Lucozade Energy」を低糖のレシピへと見直しました。この変更の影響から、今年の3月まで苦戦が続き、Lucozadeは1-3月の前年比が88パーセントとなりました。
英国では、4月6日に砂糖税が導入されましたが、増税前に在庫を積み増したブランドもあり、現時点では店頭価格も安定しておらず、市場や消費者の動向はまだ定まっていない状況です。
今後積極的なマーケティング活動を展開し、売上の回復に取り組みます。
アジア 第1四半期実績
次にアジアです。
アジアは既存の飲料事業が好調に推移したことに加え、タイにおいてPepsiCoとの新たな合弁事業を開始したことから、売上収益は対前年13.5パーセント増の443億円となりました。
また、加工食品事業の売却益を計上した結果、セグメント利益は131.2パーセント増の175億円の大幅増益となりました。
ベトナムは、主力の炭酸飲料が好調に推移し、売上が大幅に伸長しました。
健康食品事業は、昨年のディストリビューター変更による一時的な販売増の反動で、売上が前年を下回りました。
アジア タイJVが事業を開始
3月5日にタイにおいて、PepsiCoとの合弁会社で当社が51パーセントを保有するSuntory PepusiCo Beverage(Thailand)社が事業を開始しました。現地の新聞でも大きく取り上げられるなど、注目を集めております。
PepsiCoとは、同じアジアにおいてベトナムでも合弁事業を展開しております。ベトナムでは、合弁事業開始からこれまでの5年間で、事業規模も順調に拡大してきました。
タイにおいても、ベトナムで培ったノウハウを活かして、PepsiCo社との強固な流通基盤と、当社の強みである非炭酸商品による事業拡大により、売上・利益の伸長を図ります。
オセアニア・米州 第1四半期実績
最後にオセアニアと米州です。
オセアニアでは、フルコアサントリーがエナジードリンクを中心に回復基調にあり、売上収益が前年を上回りました。
また、当期からオセアニアに移管されたフレッシュコーヒー事業も堅調に推移し、オセアニア全体で増収増益となりました。
米州では、天候不順による市場の減速に加えて、引き続き競合環境が厳しく、売上は前年を下回りましたが、コスト削減の取り組みを一段と推進し、増益を確保しました。
ここまでセグメント別にご説明させていただきました。
これから最盛期を迎えますが、年初に掲げた経営方針に沿った活動を継続しつつ、各エリアの実情に即して迅速な対応をとることで、年間業績予想の達成を目指してまいります。
わたしからの説明は以上でございます。