連結決算の概要
桂山哲夫氏:それでは、私から第2四半期の累計機関の決算について申し上げます。
まず、1枚目の連結決算の概要をご覧ください。①と右に振ってあると思います。
ここで見ていただいたとおり、売上収益につきましては前年より約31パーセント増の4,403億円ということになりました。
この31パーセントには為替で5パーセントほどの持ち上がりが入っているかなとみております。
為替については、ドルで例えば5円80銭の円安というようなかたちで5パーセントから、ないしは7パーセントぐらいの円安の追い風を受けております。
続きまして、調整後営業利益でございますが、前年より524パーセント増えて376億円ということで、その利益率は8.5パーセントでございました。
税引前四半期利益は401億円の9.1パーセント、並びに親会社帰属四半期利益は255億円の5.8パーセントとなります。
この255億円については我が国の法人税引き下げという恩恵もあって、たぶん当社で上期としては過去最高の利益だっただろうと思っております。
それから、1株当りの配当金につきましては今日の午前中の取締役会で決議させていただきまして、配当性向30パーセント程度ということでございますので、36円を11月末にお支払いするということで決定いたしました。
連結地域別売上収益
続きまして、連結の地域別売上収益をご覧ください。
ここで、売上高につきましては合計の欄でございますとおり、4,403億円ということになります。
額で昨年の同期間に比べて1,053億円の増加ということになります。先ほど申し上げた為替の分を金額で申せば171億円ということになります。
残りの883億円が物量ということになりますが、この物量の中にはソリューション事業、すなわち昨年買収したH-E Parts並びにBradkenグループというようなことでの持ち上がり465億円が入っております。
また、一方で、クレーン事業の持分化ということで、約190億円、200億円ぐらいが減ったということでございまして、既存の建機事業につきましては相当に持ち上げたということに相なります。
地域別に見ていきますと、日本についてはマイナスの78億円になっておりますが、ここはやはりクレーン事業の持分化というところが一番大きくて、160億円程度の減収要因ということになります。
それから、オセアニアでございますが、ここが対前年71パーセントの増ということになりますが、ここはBradken並びにH-E Partsというようなことでの収入の増というのが215億円ほど入っているとみております。
それから北米につきましても、60パーセントの増でございますが、この245億円の中に159億円がこのソリューション2社の売上増ということになります。
最後に中国でございますが、やはり需要増ということを受けて110パーセントということで、倍増というようなかたちで好調な売上収入になりました。
この結果、海外事業比率は下に示しましたとおり、79パーセントということで、再び8割に近くなってきたというのが状況でございます。
マイニング売上収益推移
それから、3番目にマイニングの売上収益でございますが、一番右側の短い棒グラフのとおり、614億円の対前年19パーセント増ということで、一番下の部品サービス、これにつきましては36パーセントの増ということで好調だったんですが、一方で、マイニングの本体につきましては、やはり小型ダンプの販売中止というのがやはり大きくて、17パーセントの減というものを余儀なくされました。
ショベルについては前年同期並みと認識しております。
バリューチェーン 売上収益推移
続きまして4番目、④でございます。
バリューチェーンの状況をご報告します。
当年の第1・第2クォーターにつきましては、右から2番目のバーチャートのとおり1,818億円の売上ということで、対前年よりも51パーセント、614億円の増ということになります。
当然ながら、465億円がソリューションビジネスの増加でありますが、一方で部品サービスも779億円から939億円ということで、対前年同期と比べていただければ160億円、為替も若干ありますが、為替の部分が56億円とみておりますが、100億円以上持ち上げたということになります。
連結損益変動要因
さらに、5枚目です。⑤をご覧ください。
上期の連結損益変動でございますが、調整後営業利益で316億円の増加でございますが、物量・構成差で379億円であります。
このうち、このふきだしにある部分がほぼほぼ物量の部分とみてください。
そうすると残りが60億円ということで、これが構成差でございますけれども、先ほど見ていただいたとおり、バリューチェーンの売上増による構成の差というものをはじめ、そういうことで持ち上がったということになります。
売価変動については欧米並びに物価高のインドというところで上げております。為替につきましても追い風で52億円。
資材費は最初ネガティブをみておりましたが、なんとか日本の健闘、ならびにインドが意外に健闘してくれまして、なんとかプラスを維持したと、値上げを阻止したというのが実態でございます。
間接費につきましては、このソリューションビジネス買収2社の間接費の増加ということで125億円入っていますが、このうち4億円が、後で詳しくご説明しますが、H-E Partsの無形固定資産の償却というのが入っております。
それから、研究開発費が18億円増、クレーンの事業の持分化で33億円ほど減っておりますが、133億円ということで、その他ブランドで11億円の増等がございます。
要約連結損益計算書
続いて、めくっていただきまして6枚目をご覧ください。
一応以上で第2四半期の営業利益の調整後営業利益までご説明しましたが、その他の収益及び費用につきましては、当期については17億円のプラスということになります。
前のページで構造改革関連費用ということでマイナスの4億円入っておりますが、これが、内訳は差し控えたいんですが、そういうかたちで引き続きあちらこちらでいじっているということは間違いございません。
ただ、一方で、収益が上がってしまったということがあったので、昨年この時期に中国の第2工場のシャットダウンを決めました。
それで減損で26億円あまりの損失を入れていますが、その戻りが一番大きいということでございます。
続いて、金融収益及び費用からご説明したいと思います。
金融収益・費用につきましては、昨年度同期よりも6億円増ということの14億円の支出でございました。これはBradken・H-Eの買収に基づく金融費の増でございます。
それから、持分法の投資損益については、一方で22億円ということで、非常に好調でございました。
特にディア日立のアメリカ、ここで持分利益が8億円の増、それから、クレーン事業を持分化したことで6億円の増等々でございます。
あと、税引前利益が401億円ということになります。
法人税の課税費用でございますが、今回は112億円ということで、表面税率もようやっと27.9パーセントということで落ち着き始めました。
これは国内の連動の中できちんと課税所得が出てきたということが大きくございます。
要約連結 四半期別売上収益・営業利益(率)
それから、⑦をご覧ください。
これが四半期ごとの状況でございますが、第2クォーターにつきましてはこのようなかたちで、営業利益につきましては224億円の対売上高9.8パーセント、調整後営業利益につきましても209億円の9.1パーセントということになります。
この中にH-E Partsの資産の再評価、PPAによる一時償却、これが11億円入っていますので、ここから類推していただくとどれくらいだったということがおわかりになるかと思います。
要約連結財政状態計算書
BSの状況でございますが、端的に申し上げます。左側の資産合計の欄をご覧ください。
3月末よりも702億円増加した1兆698億円ということになりました。その内訳として、まずは営業債権でございます。
やはり、売上増に伴い営業債権が166億円増の2,323億円ということになります。それから、棚残も251億円増加の2,575億円でありました。
この251億円の棚残の中には為替による影響が50億円ほど入っているとみております。
それから、その他本体で137億円も増えているわけでございますが、この中はやはり国内の排ガス規制の切り替え、これに基づく作り溜めで残っている分で、販社の在庫として残っている部分がまだ90億円ぐらい。
それから、中国の作り溜め、これも進んでいます。これも30億円ぐらいという形でここに入っております。
それから、部品の増加はほぼほぼマイニング部品の増加と思っております。
次に、右側の貸方でございますが、親会社の持分比率につきましては40.5パーセントということで、約0.5パーセントの改善。
それから、ネット有利子負債の欄を見ていただきますと、前年度末とほぼほぼ変わらない1,817億円ということで、ただいま申しあげたとおり資本が増えたということで、純資産が増えたということで、ネットD/Eレシオは0.42ということで、0.04の改善をみました。
連結キャッシュ・フロー
それから、連結キャッシュ・フローでございますが、9枚目でございますけれども、四半期利益・減価償却費を足したFFOにつきましては470億円ということで、前年より大幅に改善されています。
一方で、運転資本につきましては残念ながら40億円の赤字ということで、作り溜めの影響もあってこういうことに相なりました。
しかしながら、営業キャッシュ・フローは294億円のポジティブをなんとか維持して、投資の中に231億円を支出しても、フリーキャッシュ・フローはなんとか黒字を維持したというのがこの6ヶ月の結果であります。
この231億円の投資の中にはBradkenの完全子会社化に伴う最後の支出、176億円が入っております。
連結業績予想
連結の業績予想です。
油圧ショベルの世界需要につきましては、後で副社長の落合から詳しくご説明しますが、今回は前年より12パーセント増の19万4,000台ということで、3ヶ月前よりも9,000台需要を増やしたということになります。
要約連結損益計算書(予想)
それから、⑪、これに基づく要約の連結損益計算書でございますが、売上高は前回の見通しの8,100億円から800億円引き上げ、約10パーセント引き上げた8,900億円。
それから、調整後営業利益につきましては、後でこれは述べますが、Bradkenの資産の再評価、PPAによる一時償却も含めて、H-E Partsと、60億円を織り込み、570億円ということで、当初よりも110億円、24パーセントの増にとどめてあります。
それから、親会社に帰属する当期利益につきましては120億円引き上げた3.4パーセントということになります。
下期の為替レートについては、左下をご覧ください。
ここに105円、ユーロも110円、中国元15円ということで、4月から使っているレートを変えておりません。
それに基づく調整後営業利益に効く感応度はご覧のとおり、ドル1円で6億円、ユーロ1円で4億円、それから、元0.1円で1億円ということになります。
これに基づいて、ちなみにでございますが、17上期と同じような為替レートで動いたということになりますと、調整後営業利益で130億円ぐらいは上乗せになるのかなと思っておりまして、570億円で今出しておりますが、それが700億円ということで7.6パーセントぐらいの営業利益率だろうとみております。
セグメント情報
続きまして、セグメント情報のところで12枚目をご覧ください。
ここにございますとおり、新たにグループに加わった2社の状況をご説明申し上げます。売上収益につきましては上期は上段の表のとおり466億円でありました。
基本的なPPA実施前の営業利益は43億円、9.2パーセントであります。ここにH-E PartsのPPA、資産再評価を11億円入れてあります。
これは棚残の一時評価で落とした部分が7億円、それから、無形資産の償却ということで、Bradkenの買収は昨年の12月で完了しておりますので、実は9ヶ月分をここで無形資産の償却を行っております。
そういうことで、4億円を入れてあるということになります。
それから、予想でございますが、売上は910億円、それから、基本的な営業利益につきましては、先ほど申し上げた為替レートで83億円の9.1パーセントということでございますが、これから60億円をここに織り込んであるということになります。
したがい、Bradkenの部分で予想として46億円を織り込んだということになります。
これについては第3クォーターでたぶん確定すると思いますので、その時にまた詳細をご報告したいと思っております。
連結地域別売上収益(予想)
地域別でございますが、上期とそう変わりません。特徴は変わりません。全体は8,900億円でございます。
海外売上率77パーセント、日本はへこんでいますが、クレーンの持分化の影響ということになります。
オセアニアと北米が持ち上がりますが、これは買収2社の効果も大きいと。
それから、アフリカ。これも右肩上がりの120億円ということでございますが、この半分ぐらいがH-E Partsのアフリカ進出ということで、早くもそういう形でのシナジー効果が出始めています。
それから、中国。これが154億円の増ということになります。
マイニング売上収益推移(予想)
それから、マイニングでございます。
マイニングは右から3番目の17年度予想の欄でご覧いただければ、年度予想1,296億円、前年より7パーセントの増ということになります。
やはり、本体についてはマイナス9パーセントということで、部品サービスは健闘ということになります。
ただ、本体につきましては来年度の受注については昨年よりも順調な形で来年度の注文が積み上がっているということで、納期のずれが非常に大きくございます。
バリューチェーン 売上収益推移(予想)
バリューチェーンの状況でございますが、17年度の予想というところをご覧いただくと、3,662億円ということで、1,010億円という増加でございます。
部品サービスにつきましては、繰り返しになりますが、今回1,850億円ということでさらに引き上げて、前年より163億円の増ということを見込んでおります。
連結損益変動要因(予想)
それから、最後になりますが、16枚目をご覧ください。損益の変動要因でございます。
調整後営業利益287億円、対前年比較で、年度比較でふくらみますが、この内訳として、物量・構成差で551億円ということで右下の風船の部分に書かせていただいたのがほぼほぼ物流の部分でございます。
そうしますと、残り64億円が構成差ということになりますが、これについても同じようにPPAの棚残の一時評価、約40億円の損金、これを織り込んでいますが、それを補ってあまりあるバリューチェーンと製品構成差、地域構成差の差というのが大きかったということになります。大きいだろうと見込んでおります。
それから、売価の変動については欧州、それからインド、こういうところで上げていくということ、為替については30億円の減益要因、昨年とあまり変わらないということになります。
資材費についてもなんとか前回よりも値上げを阻止したいということで、7億円の悪化を見込みます。
間接費につきましては逆に23億円の益要因ということで、前回との比較間ではそういうかたちでございますが、ソリューションビジネスの増で231億円になっていますが、このうち20億円がPPAによる一時償却分を織り込ませていただきました。
ならびに、研究費につきましては参考資料の2でつけてありますとおり、研究費は69億円の対前年の増加を見込んでおりますので、この増加を入れてあります。
それから、営業利益のところの315億円については構造改革費用とその他営業収支をみて、当面も構造改革費用で一応20億円は出ていくだろうという予測を変えておりません。
あとは参考資料で、いつものとおりマイニングの地域別の収益の内訳、並びに連結設備投資、減価償却費、研究費の内訳、最後にソリューションビジネスのPPAでのBS予測ということもあげておきました。
18年度以降についてはおそらくこのくらいの償却費を負担していくものとみておりますので、ご参考ください。
以上でございます。ありがとうございました。