2017年度第2四半期決算説明会
桐山浩氏:2017年度第2四半期決算発表にあたり、私からは2017年度の進捗ならびに次期中計(中期経営計画)への展望についてご説明いたします。
2017年度上期レビューをまとめています。2017年度上期は、国内需給など事業環境が改善するなか、製油所や石油化学工場における高稼働など、収益力強化を実現いたしました。
セグメント別に見ると、石油精製販売事業では、製油所における安全操業・高稼働の実現に加え、国内需給の改善でスポット市場が縮小するなか、系列回帰が進み、適正マージンを確保いたしました。その結果、在庫影響除きの経常利益は203億円と、前年同期比で315億円の改善となりました。
石油化学事業では、市況が堅調に推移するなか、丸善石油化学の定修影響解消に伴う販売量増加などにより、在庫影響除きの経常利益は167億円と、前年同期比124億円の増益となりました。
石油開発事業では、1-6月平均の原油価格が上昇し、経常利益は90億円と、前年同期比27億円の増益となりました。
以上の取り組みにより、在庫影響除きの連結経常利益は493億円と、前年同期比479億円の増益、四半期純利益は224億円と、前年同期比181億円の増益となりました。その結果、ネットD/Eレシオは3.2倍と、前年度末比で0.4ポイント改善いたしました。
2017年度下期の方針
下期の方針についてご説明いたします。下期も国内需給など好環境が継続するなか、製油所の競争力強化、石油開発での生産量拡大など、収益力強化の取り組みを推進してまいります。
まず、石油精製販売事業に関しては、安全操業、定修期間の短縮などによる稼働率向上、四日市や千葉でのアライアンス加速により、製油所競争力の強化を推進してまいります。また、良好な市場環境を背景に適正販売を継続し、適正マージンを確保してまいります。
石油化学事業では、エチレン製造装置、パラキシレン製造装置ともに高稼働を維持いたします。
石油開発事業では、ヘイル油田が11月に生産を開始し、早期にフル生産を目指してまいります。
風力発電事業では、山形の酒田港宮海・大浜が10月、北海道の石狩湾新港が1月に運転を開始し、前年度比で約8パーセントの発電能力増強を実現いたします。
業績予想、配当について
2017年度の業績予想修正ならびに配当についてご説明いたします。
主に上期の実績を織り込み、通期計画の見直しを実施いたしました。下期の前提は期初公表どおり原油価格50ドル、為替110円とし、通期の在庫影響除き連結経常利益は900億円、当期純利益は430億円を見込んでいます。
配当については、通期業績予想が期初計画を上回るものの、財務体質や投資戦略などを総合的に勘案のうえ、期初公表どおり1株につき50円を予定しています。
次期中計への展望
こちらの表は現中計の最終年度である2017年度および次期中計に関して、財務関連目標ならびにすでに公表している各施策の効果を表したものです。
現中計の最終年度となる今年度は、成長投資のピーク年となりますが、各施策を着実かつ迅速に進捗させることで収益力を強化し、下の表に記載のとおり、ネットD/Eレシオは今年度末に3倍を下回る水準まで改善する見込みです。
次期中計では、これまでの大型成長投資がピークアウトする一方、赤枠で囲っている施策、例えばヘイル油田のフル生産による生産量増加や、千葉製油所のJVシナジーの享受などにより、キャッシュ・フローが改善する見込みです。
再投資可能な収益力を実現することで早期に財務体質を強化し、グループの収益力や財務体質を考慮した株主還元を実施するとともに、さらなる成長を目指してまいりたいと考えています。
まずは現中計の最終年度である今年度の目標を完達すべく、全社一丸となって取り組んでいく所存です。私のパートは以上です。
2017年度第2四半期実績 連結損益の概要 前年同期比
滝健一氏:2017年度の第2四半期決算の概要ならびに通期計画の概要についてご説明いたします。
連結損益の概要です。営業利益は、前年同期比213億円増益の381億円。経常利益は、前年同期比289億円増益の434億円。1親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比181億円の増益の224億円となりました。
在庫影響除き経常利益は、石油事業の増益を主要因に、前年同期比479億円増益の493億円となりました。
2017年度第2四半期実績 連結経常利益の概要 前年同期比
こちらは主に在庫影響を除いた経常利益を、セグメント別に分解したページです。次のページの階段図で詳しくご説明いたします。
2017年度第2四半期実績 連結経常利益(在庫影響除き)前年同期比 増減分析
在庫影響を除いた経常利益479億円の増益要因を、セグメント別にご説明いたします。
石油事業では製油所における安全操業・高稼働、および国内の需給改善による適正マージン確保などにより、315億円の増益となりました。緑色の枠で囲っていますが、マージン・数量のプラス233億円の内訳は、マージンでプラス218億円、数量でプラス15億円となっています。
また、2行下の精製コスト他のプラス86億円については、製油所における稼働率の改善や、四日市地域での昭和シェル石油グループとの事業提携などが要因です。
次に、石油化学事業では、市況が堅調に推移するなか、丸善石油化学の定修影響解消による販売量増加などにより、124億円の増益となりました。
石油開発事業ついては、油価上昇により27億円の増益となりました。
その他の13億円の増益は、主に連結処理などによるものです。
2017年度第2四半期実績 連結キャッシュ・フロー、連結貸借対照表の概要
キャッシュ・フローならびにバランスシートの概要についてご説明いたします。
営業活動によるキャッシュ・フロー改善の主な要因に、フリーキャッシュ・フローが黒字化し、自己資本比率は11.7パーセントと、0.9ポイント改善いたしました。
1行目の営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益の計上などにより580億円のプラスとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、ヘイル油田開発を始めとする成長投資がピークを迎えており、528億円のマイナスとなりました。
続いて、バランスシートについては、総資産が油価上昇やヘイル開発などによる有形固定資産の取得を主要因に、466億円の増加となりました。
自己資本については、主に四半期純利益の計上により198億円の増加、ネットD/Eレシオは0.4ポイント改善の3.2倍となりました。引き続き財務体質の改善に取り組んでまいります。
2017年度第2四半期実績 連結設備投資の概要
設備投資について、今年度は成長投資を着実に実行しています。ヘイル開発、千葉JVパイプライン、IPPなどの大型投資の一巡により、来期以降の設備投資額は大幅に減少する見込みです。
セグメント別に見ると、石油事業では主に定修等の更新工事を実施いたしました。石油化学事業では、丸善石油化学の定修スキップにより、前年同期比で減少いたしました。石油開発事業は、ヘイル油田開発が主なものです。その他については風力発電における複数の新規サイト開発、IPPの改造工事などが主なものです。
以上、2017年度第2四半期実績に関わるご説明となります。
2017年度 通期計画 概要(当初公表比)
2017年度の通期計画についてご説明いたします。
先ほど社長の桐山が申し上げたとおり、主に上期の実績を織り込み、通期計画の見直しを実施いたしました。
当初公表と比較すると、主に上期の石油事業の増益により、在庫影響除き連結経常利益は260億円増益の900億円を見込んでいます。セグメント別の在庫影響除き経常利益計画は、次のページの階段図で詳しくご説明いたします。
なお、6行目の親会社株主に帰属する当期純利益は、230億円増益の430億円を見込んでいます。前提条件については8行目以降に記載のとおりです。
2017年度 通期計画 連結経常利益(在庫影響除き)当初公表比 増減分析
次のページでは、階段図を用いて、在庫影響を除いた経常利益260億円の増益要因をセグメント別にご説明いたします。
石油事業は、主に上期における製油所の安全操業・高稼働、および国内の需給改善によります適正マージン確保などにより、240億円の増益を見込んでいます。
石油化学事業は、主に上期の堅調な石化市況を反映し、120億円の増益を見込んでいます。
石油開発事業は、ヘイル生産開始の遅れおよび既存油田の一時的な減産など、販売数量の減少により100億円の減益を見込んでいます。ヘイル油田については2018年の年明け、1月頃にピーク生産に達する見込みです。
以上、2017年度第2四半期実績ならびに2017年度通期計画についてご説明いたしました。