第1四半期連結業績サマリー

福永哲弥氏:福永でございます。本日はお忙しい中、弊社2018年3月期第1四半期決算説明カンファレンスコールにご参加いただき、ありがとうございます。心より御礼申し上げます。

それではさっそくですが、弊社の連結業績について説明させていただきたいと思います。

本日の説明内容ですが、まず始めに第1四半期連結業績に関する総括的な説明をさせていただきたいと思います。次に通例の資料となりますが、要約連結PL以下資料目次のとおり、各項目を順次説明させていただきます。

わたくしの説明時間といたしましては25分程度を予定しております。よろしくお願い申し上げます。

それでは2ページの連結業績サマリーをご覧いただきたいと思います。まず今期業績の総括的な説明をさせていただきます。ご覧のとおりではありますが、第1四半期業績は前年同期比増収減益となっております。

まず売上高ですが、流通業および通信業向けにおけるシステム開発や保守運用サービス、ならびにシステム販売が増加したこと等によりまして、全体では前年同期比2.5パーセントの増収となっております。

営業利益につきましては、増収に伴う数億円の増益要因があったものの、期初計画に織り込み済みの各種減益要因、具体的にはサービス提供型ビジネス、ならびに新規の戦略事業立ち上げに伴うR&Dコストや償却費等の事業投資関連費用の増加、各種マーケティング費用の増加、そして前年同期の高収益案件ほかの反動減等の減益要因が、ほぼ期初想定どおりにございました。

これらの想定済み減益要因に加えて、新規のシステム開発案件、これは特定の証券業顧客向けでありますが、当該開発案件にかかる先行費用を計上したことが大きく業績に影響しております。

また、昨年度の好業績を反映した賞与の支給額も増加、そして一部不採算案件の赤字額計上等もございまして、前年同期比36.5パーセントの減益となったものであります。

のちほどこれらの増減要因について数字も含め詳細にご説明いたしますが、第1四半期としては前年同期比において大幅な減益ではありますけれども、先ほど申し上げた費用増のうち、証券業顧客向け新規開発案件にかかる先行費用計上が大きな減益要因となっており、この費用増要因を除きますとおおむね想定の範囲内で着地しております。

また、この証券業顧客向け新規開発案件につきましては、第1四半期において開発契約が成約にいたらなかったため、一時的な先行費用として費用計上のみを行っておりますが、第2四半期以降において、これらの費用をカバーする10億円以上の回収を想定しております。

営業利益率につきましては、システム開発および保守運用サービス事業における生産性・収益性の向上はあるものの、先ほどご説明いたしました個別要因の影響が大きく、前年同期比3.1パーセント低下しております。

最後に受注残高につきましては、保守運用サービス事業およびシステム販売での受注残高増を反映し、全体では前年同期比2.9パーセントの増加となっております。

要約連結PL

続きまして、3ページの要約連結PLをご覧いただきたいと思います。主要項目につきましては先ほどご説明いたしましたので、ここでは純利益についてご説明申し上げます。

純利益につきましては、営業利益段階での減益要因に加え、前年度第1四半期において会計基準の変更に伴う税効果を約30億円計上したことによる反動減がございました。

この反動減は本年、前年同期比で40パーセント強の減益要因となり、営業減益要因と合わせて、当第1四半期は前年同期比で純利益について61パーセントの減益となったものであります。

なお、念のために申し上げますと、当該税効果計上に伴う反動減は当第1四半期のみの影響でありまして、第2四半期以降は当該反動減影響はないことを申し添えたいと思います。

以上、連結ベースのPL業績について総括的な説明をさせていただきました。今期業績の総括的な説明の最後に、業績予想についてご説明申し上げたいと思います。

営業利益につきましては、前年同期比で見ますと大幅な減益となっておりますが、社内予算におきましては増収に伴う増益に加え、のちほど各種費用の想定額を含め詳細をご説明いたしますが、もともと各種費用増等の減益要因を想定しており、第1四半期の営業利益予算としましては減益予算を計画していたものであります。

先ほども申し上げましたが、特定の新規開発案件にかかる先行費用の計上を除きますと、低めではありますがおおむね予算時の想定範囲内で着地したものであります。

また、第2四半期の弊社事業部門のボトムアップで想定した期初計画上の営業利益水準は100億円レベルでありまして、引き続きこの水準を目標に事業を行ってまいります。

なお、第1四半期業績に大きく影響を与えた特定の新規開発案件につきましては、今後10億円以上の回収を想定しており、今年度の業績には大きく影響を与えるものではないと考えております。

以上を勘案いたしまして、4月28日に公表いたしました上半期および通期の業績予想は変更しておりません。

ここからはPL業績の詳細について、通例の資料に沿ってご説明させていただきます。

売上高前期比較(売上区分別)

まず売上区分別の売上高ですが、4ページをご覧いただきたいと思います。システム開発につきましては通信業顧客向けのシステム開発需要が堅調でありました。また、製造業顧客につきましても、自動車関連顧客等において事業強化のための戦略的なIT投資需要が底堅く推移しております。

しかしながら、金融業顧客向けにおいて複数の中規模システム開発案件が完了するとともに、今年度案件がまだ完全には立ち上がっていないこと、そして先ほどから申し上げております証券業顧客向け新規案件の影響等もございまして、前年同期比で0.6パーセント減となっております。

保守運用サービスにつきましては前年同期比で2.9パーセント増となりました。流通業顧客向けにおいてオムニチャネル化に向けたEC、CRM強化関連の各種サービス需要は総じて堅調でありました。

また、世の中のクラウド化が進み、当社としてもサービス提供型ビジネスを展開する中、各種クラウドサービス売上を含みます保守運用サービス売上高は堅調に推移し、前年同期比で2.9パーセントの増加となったものであります。

システム販売につきましては、通信業顧客向けネットワークIT機器販売案件が好調であり、前年同期比で7.6パーセント増となりました。

受注高・受注残高前期比較(売上区分別)

続きまして、売上区分別の受注動向についてご説明いたします。5ページをご覧ください。

システム開発につきましては、昨年度来ご説明しております金融業顧客向け案件の反動減による影響、さらには先ほど来説明の証券業顧客向け新規案件の影響もあり、受注高・受注残高はそれぞれ3パーセントならびに2.1パーセント減少しております。

なお、今後につきましては製造業、サービス業、生保・損保業ほかの金融業等の顧客におきまして、戦略的なIT投資意欲は引き続き強いものがあり、これらのディールフローの中で今年度案件の立ち上がりとともに持ち直すものと想定しております。

保守運用サービスにつきましては、一部案件における契約更新時期のずれにより、受注高は前年同期比4.9パーセント減少いたしました。受注残高につきましては、製品サポートおよびオムニチャネル化に向けたEC、CRM領域でのアウトソーシング案件が堅調であり、前年同期比2.4パーセント増加しております。

システム販売につきましては、受注高は昨年度案件の反動減により、前年同期比2.0パーセントの減少となったものの、受注残高につきましては通信業顧客向け各種ネットワークIT機器販売案件の積み上がりにより、前年同期比21.4パーセントの増加となりました。

売上高前期比較(業種別)

次に6ページの業種別売上高につきまして、おもなものになりますけれども業種別動向について説明させていただきます。

まず始めに製造業向けでございますが、従来型の車載組み込みソフトウェア開発を含む自動車メーカー向けシステム開発需要は、堅調に推移いたしました。

しかしながら今年度案件が本格的に立ち上がっていないこと、一部電子部品メーカー向け案件の規模縮小、ならびに電機メーカー向け製品検証サービス案件等の減少によりまして、前年同期比1.6パーセント減少となっております。

流通業向けにつきましては、オムニチャネル化に向けたEC、CRM領域での開発案件やアウトソーシング案件等の増加により、前年同期比2.6パーセント増となっております。

金融業向けにつきましては、複数のシステム開発案件が完了したこと等に伴い、前年同期比2.0パーセント減となりましたが、おもに生保・損保業顧客において戦略的なIT投資需要が堅調であり、今年度案件の立ち上がりとともに持ち直すものと考えております。

通信・運輸向けにつきましては、大手通信キャリア向けを中心にシステム開発や保守運用サービス、さらにはシステム販売が堅調に増加しており、前年同期比22.2パーセント増となっております。

セグメント別実績

以上、ご説明申し上げました業績につきまして、当社の組織区分、事業区分ごとに見たのが次の7ページの表でございます。

各セグメントの業績ですが、当社のターゲット業種である製造、通信、流通、金融の各事業部門におきましては、基本的にはすでにご説明申し上げた業種別事業動向が反映された業績となっております。

製造セグメントにつきましては自動車業向け案件は引き続き堅調に推移しておりますが、電子部品メーカー向け案件の規模縮小、また不採算案件の影響等により減収減益となりました。

通信セグメントにつきましては、大手通信キャリア向けシステム開発案件は堅調であり増収となりましたが、今年度案件の立ち上がり期ということもあり、若干の減益となっております。

流通システムにおきましては、コンシューマービジネスを手掛けるサービス業向け案件の増加により増収となりましたが、不採算案件の影響により減益となりました。

金融システムにおきましては、先ほど来ご説明しております新規特定開発案件の先行費用計上が大きく影響するとともに、複数のシステム開発案件の完了、新規事業立ち上げに伴う費用増、不採算案件の影響等により減収減益となっております。

ソリューションにつきましてはERP案件増に伴い増収となっておりますけれども、今年度より車載システム事業が当該セグメントに含まれるため、戦略的事業投資費用増により減益となっております。

ビジネスサービスにつきましては、各種アウトソーシングサービスに対する需要が堅調であり増収となっておりますが、高品質のBPOサービスの提供を目的とした新センター開設に伴う費用の増加等に伴い、減益となりました。

最後にプラットフォームソリューションですが、通信業顧客向けITプロダクト販売の増加により増収増益となっております。

以上、おもなセグメント別業績についてご説明申し上げました。

営業利益分析

以上、売上高を中心に第1四半期業績についてご説明させていただきました。次に8ページをご覧いただきたいと思います。営業利益の増減要因について、とくに費用面の状況の詳細を口頭にて説明させていただきたいと思います。

まず、当第1四半期の弊社予算計画に想定済みであった費用増についてご説明申し上げます。車載システム事業における戦略的事業投資関連ですが、費用総額としては前年同期3億円弱が今期5億円強の支出をしております。おもにBSW製品にかかる減価償却増を背景に、約2.5億円の費用増となっております。

次に、サービス提供型ビジネスの立ち上げのための各種費用増は、R&D費用増であったり減価償却費増であったりしますけれども、これも約2.5億円の増加となっております。

また、不採算案件につきましては、前年同期の赤字額は数千万円でありましたが、例年通期の不採算案件赤字額を10億円と想定している関係で、そのうち第1四半期分として2.5億円を想定しておりました。

次に、期初よりご説明申し上げております各種マーケティング費用増で約5億円、さらには前第1四半期にあった高収益案件の反動減で数億円の減益を期初より想定しておりました。

以上により、第1四半期に計十数億円の各種減益要因を想定し、売上増に伴う数億円の利益増を想定するものの、営業利益としては50億円台の利益額を第1四半期の予算計画上想定していた次第であります。

以上に加え、繰り返しになりますが第2四半期以降に10億円以上の回収を想定する証券業顧客向け新規開発案件の先行費用の計上、そして期初想定を約1.5億円上回る、総額4億円強の不採算案件赤字額の計上、また、金額的には2億円程度の想定外支出になります昨年度業績に対する賞与支給額の上振れ等がございました。

これらの費用増が想定を上回って第1四半期業績が減益となった理由であります。

繰り返しになりますけれども、このうちもっとも業績へのインパクトが大きい証券業顧客向け新規開発案件の先行費用につきましては、今後10億円以上の回収を想定しております。

また、件数では3件になります不採算案件につきましてもすべて収束に向かっており、上半期においてこれ以上の赤字額増加は想定しておりません。

以上、営業利益の増減要因をご説明いたしました。

なお、第1四半期の営業利益率はご説明した各種要因により前年同期比で低下したものの、これら個別要因を除くシステム開発および保守運用サービス事業における生産性・収益性の向上は継続しておりまして、今後も引き続き生産性、業務品質の向上に注力してまいりたいと考える次第であります。

以上が連結PL業績についての説明でありました。

要約連結BS

次に9ページをご覧いただければと思います。連結BSについてですが、自己資金によりこの第1四半期に返済期日を迎えました普通社債100億円を償還し、また地銀シンジケート各行からの銀行借入100億円についても返済を行ったこと等により、昨年度末に比べて有利子負債減少と用立てにて現預金・預け金が減少しております。

一方、自己資本比率は昨年度末から改善し、45.2パーセントとなっております。

なお、この7月におきまして満期5年の普通社債を100億円発行いたしました。今期に予定される普通社債の満期償還および銀行借入の満期返済に対応するための手元資金積み上げを意図し、社債発行による資金調達を行ったわけでありますが、5年も日本国債がネガティブ金利状況にあるといった金融市場の低金利状況をベースに、低利の中長期成長準備資金の確保を機動的に行ったものであります。

同社債の格付は、日本格付研究所によりA格、見通しは安定的とされておりまして、金利条件は0.14パーセントにて発行しております。

今後も収益、営業キャッシュ・フローの拡大をもとに、BS財務基盤の強化、株主資本のさらなる充実を着実に進めるとともに、戦略的事業投資および株主のみなさまへの配当を中心とした利益還元に資金を配分してまいりたいと考えております。

以上、連結業績についてご説明申し上げました。ここで、本日のわたくしの説明の最後になりますが、今年度事業戦略の遂行状況について、ごく簡単にコメントさせていただきたいと思います。

今年度事業戦略

10ページをご覧いただければと思います。まず基本戦略、サービス提供型ビジネスへのシフトにおける取り組みについてですが、社内各組織が一体となって業務ノウハウや最先端のIT技術を組み合わせ、顧客の共通ニーズ、あるいは標準化ニーズにあわせたシステムサービスを、当社独自のシステムサービスとして構築してきております。

具体的には、製造業においてはIoTの流れ、流通業においてはオムニチャネル化、デジタルマーケティング戦略に向けた事業展開、金融業においてはフィンテック、AIの導入気運等、当社のターゲット業界ごとの新しい事業ニーズを的確に捉えながら、顧客の事業再編ニーズにあわせて新技術を応用すべく、多種のサービス提供型ビジネスの展開に取り組んでいるところであります。

その中でとくに流通業向けには、オムニチャネル化をサポートするサービスブランド「Next Trend」を立ち上げ、セールス&マーケティング分野におけるデータ連携、データ統合管理、さらにはデータの分析から実際のセールス&マーケティング方策までをサポートするサービス群を今そろえつつあります。

また、AIにつきましては機械学習、深層学習、映像解析等の技術を有するPreferred Networksほかの、AIの先端技術を保有する数社と業務提携をいたしまして、当社が開発運用する企業向け業務システムへのAI技術の活用・応用等を推進しているところであります。

先ほど来申し上げましたとおり、相応の事業投資関連費用の投下も必要であり、全体としてはまだまだ種まきのフェーズではあるものの、ITインフラにかかるクラウドサービスほか、すでにテイクオフした事業もあり、今年度通期のサービス提供型ビジネスについては2桁パーセントの売上成長を想定しております。

また、みなさんのご関心の高い戦略的事業、車載システム事業の状況についてですが、期末の決算説明会の際にお話しさせていただいた状況と変わりなく、予定線に沿った進捗となっております。すなわち技術的な蓄積、当社オリジナルのBSW資産の蓄積は計画線に沿って進めております。

また、顧客に対しての守秘義務の関係上、いつものとおり具体的には申し上げられませんが、想定のとおり今年度後半までには本ビジネスにかかる事業収益を上げるべく、鋭意顧客とのビジネスネゴを続けておりますことをご報告申し上げます。

以上、今年度事業戦略の遂行状況について、簡単にコメントさせていただきました。

ITサービス産業におけるリーディングカンパニーを目指して、現中期経営計画の3年目、折り返し地点となる今年度、弊社は成長性・収益性のより高い事業構造への転換をしっかりと進めるとともに、健康経営、働きやすい、働きがいのある職場づくりからガバナンス体制の強化まで、経営基盤の一層の強化に今後も注力してまいります。

投資家のみなさまの変わらぬご支援ご鞭撻を、なにとぞよろしくお願い申し上げます。本日は当カンファレンスコールへのご参加、誠にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

わたくしからの報告は以上でございます。