決算サマリー(2017年度第1四半期)

小松幹太氏:大和証券本社の小松でございます。本日はお忙しい中、当社テレフォンカンファレンスにご参加をいただきまして誠にありがとうございます。

それでは本日公表いたしました2017年度第1四半期決算につきまして、当社ホームページに掲載しております決算説明資料に沿ってご説明いたします。

最初に連結決算のサマリーについてご説明いたします。

数値の増減率は2016年度第4四半期比で申し上げます。2017年度第1四半期の純営業収益は1,085億円。マイナス10.8パーセントとなりました。

リテール部門は外国株式取引や株式投信販売が高水準ながら、債権販売が減少し、微減。ホールセール部門では、グローバル・マーケッツの債権トレーディング収益が減少したことが影響し、減収となっております。

経常利益は251億円。マイナス26.9パーセントの経常減益となりましたが、リテール部門およびアセット・マネジメント部門は経常増益となりました。

親会社株主に帰属する純利益は193億円。マイナス13.3パーセントの減益となり、ROEは年換算で6.2パーセント。BPS一株当たり純資産は748円15銭となっております。

損益計算書の概要

損益計算書についてご説明いたします。

受入手数料は697億円。マイナス8.8パーセントとなりました。受入手数料の内訳は23ページにございますが、個人投資家の株式取引が堅調に推移した一方、法人のアクティビティが期初に低調であったことから、委託手数料は162億円。マイナス2.7パーセントとなっております。

また引受売出手数料は、主にエクイティ引受手数料が減少したことにより57億円。マイナス27.6パーセントとなりました。

一方、募集・売出の取扱手数料は、株式投信の販売が好調であったことから111億円。プラス2.1パーセントとなっております。

M&A手数料は国内外で多数の案件を遂行いたしましたが、特に好調であった前四半期比で減少し31億円。マイナス55.6パーセントとなっております。

株券および債権トレーディング損益はエクイティが堅調に推移したものの、債権トレーディングの減速が影響し、マイナス15パーセントとなりました。

販管費・一般管理費の内訳

販売費・一般管理費の状況についてご説明いたします。

取引関係費は主に広告関連費が減少したことにより166億円。マイナス11.9パーセントとなりました。人件費は業績に連動する賞与等が減少したことから432億円。マイナス2.7パーセントとなっております。

なお、DIRインフォメーションシステムズの連結化にともない、従来事務費として計上されていた一部が、人件費として約4億円振り替わっております。

不動産関係費は、システム関連以外の保守管理料および備品費の減少などによりまして88億円。マイナス3.6パーセント。事務費は先ほど申し上げましたように、一部人件費等へ振替などがございまして64億円。マイナス7.4パーセントとなっております。

減価償却費は開発システムの稼動などによりまして61億円。プラス2.7パーセントとなっております。

この結果、販売費・一般管理費の合計は871億円。マイナス4.8パーセントの減少となっております。

海外部門の経常収支

次に海外部門の経常収支についてご説明いたします。

海外部門の合計の経常利益は17億円。全四半期比マイナス70.1パーセントとなりましたが、5四半期連続で計上黒字を維持しております。

地域別で見ますと、欧州は前四半期好調であったM&Aビジネスの減収に加えて、不透明な欧州の政治情勢の影響などから、FICC・エクイティの顧客フローが減少いたしました。

一方、アジア・オセアニアではウェルスマネジメントビジネスや、M&Aビジネスの実績を積み上げたほか、サイゴン証券の持分法投資利益も貢献し、収益を拡大いたしました。

また米州では金利ボラティリティの低下により、顧客フローが減少したことから、主力のFICCが減収となりましたが、米国株式売買の拡大が収益に貢献し、黒字を維持しております。

続いて、セグメント別の業績についてご説明いたします。

リテール部門

まずリテール部門の収支についてご説明いたします。 純営業収益は488億円。マイナス1.7パーセントと微減。経常利益は103億円。プラス19.4パーセントの経常増益となりました。

エクイティ収益は、主に外国株式の取引が拡大したことにより、増収となっております。一方で債権収益は、前四半期好調でありました個人向け国債の販売が半減したことに加え、外債の販売も減少したことなどにより、減収となりました。

投資信託は、株式投信の販売額が増加したことにより、投信募集手数料がプラス11.9パーセントと増加した一方、4月のマーケットの下落により、期中平均残高が減少したことから、投信代理事務手数料はマイナス2.6パーセントとなっております。

また、ラップ関連収益であります投資顧問・取引等管理料が増加し、その他収益はプラス0.9パーセントの微増となっております。

リテール部門 大和証券

こちらは大和証券のリテール部門における当四半期のトピックスと、商品募集・販売額の状況です。

株式投信はIoTやロボット関連株式を投資対象とするファンドの販売が好調だったほか、外国株式は米国株式の上昇局面をとらえた提案が功を奏し、売買代金は過去最高水準の2,484億円と大幅に増加いたしました。

ホールセール部門 グローバル・マーケッツ

ホールセール部門についてご説明いたします。

まずグローバル・マーケットですが、純営業収益は273億円。マイナス18.7パーセント。経常利益は53億円。マイナス50.1パーセントとなりました。

エクイティにおいては、昨年度末にかけて顧客フローが増加したものの、市場の不透明感を背景とした期初の顧客フローの減速が影響し、減収となっております。

またフィクスト・インカムは、国内における金融市場のボラティリティ低下にともない、顧客フローが減少したことに加えて、トレーディングも苦戦したことから、減収となりました。

ホールセール部門 グローバル・インベストメント・バンキング

グローバル・インベストメント・バンキングについてご説明いたします。

純営業収益は79億円。前四半期比マイナス41.2パーセント。経常利益は7億円。マイナス86.7パーセントとなりました。

エクイティ引受では減収となりましたが、当四半期最大のPO案件であるルネサスエレクトロニクスの売出案件においてグローバルコーディネーターを務めるなど、主幹事案件を積み上げました。

デット引受においては、高水準の発行が続く中、普通社債、サムライ債などの主幹事案件を獲得したことにより、収益を積み上げました。

またM&Aでは好調であった前四半期に比べて、大幅減収とはなりましたが、国内案件に加え、海外ネットワークを活用したクロスボーダー案件を着実に遂行いたしました。

なお本日、SagentおよびSignal Hillの買収についてプレスリリースをしております。米国M&Aアドバイザリー会社2社が大和証券グループ入りすることは、単に北米地域の収益アップにとどまらず、日米間、アジア米国間、そしてDCアドバイザリーを要する欧州と米国間のM&Aビジネスにおいて、相当のシナジー効果が見込まれます。

これによりまして、ミッドキャップM&A分野においては、世界のトッププレイヤーの仲間入りが期待できる体制が整います。

アセット・マネジメント部門

アセット・マネジメント部門についてご説明いたします。

純営業収益は120億円。プラス1.8パーセント。経常利益は72億円。プラス8.6パーセントとなりました。大和投資信託では5月以降の株高基調による時価要因に加えて、資金フローにおいても純増を確保したことから、運用資産残高が拡大し、増収増益となっております。

アセット・マネジメント部門 運用資産残高・資金純増額

こちらはアセット・マネジメント部門における運用資産残高を示したスライドです。

スライド左側の表は、大和投資信託、大和住銀投信投資顧問における公募投信の運用資産残高を示しております。

大和投信の公募投信残高は14兆9,830億円。シェアは14.8パーセント。大和住銀の残高は2兆2,080億円。シェアは2.2パーセントと、資金純増や相場環境の好転等により、運用資産残高が拡大しております。

不動産アセット・マネジメント・ビジネスは右下の表をご覧ください。大和リアルエステート・アセット・マネジメント、ミカサ・アセット・マネジメントが運用するREITの運用資産残高は、緩やかながら着実に増加しております。

投資部門

投資部門についてご説明いたします。

純営業収益は18億円。マイナス27.5パーセント。経常利益は14億円。マイナス8.8パーセントとなりました。当四半期においては大和PIパートナーズが大和証券オフィス投資法人向けのブリッジファンドに対し、出資を行ったことによりまして、不動産投資残高が拡大しております。

以上、2017年第1四半期決算について、ご説明を申し上げました。

本日はお忙しい中、当社テレフォンカンファレンスにご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

当四半期はFICCトレーディング収益に大きな減少で、先ほどからご指摘にありますとおり、連結ベースでの利益は減少となりましたけれども、リテール部門において、新営業体制が徐々に浸透しつつありまして、まずまず順調であったとも考えております。

また日本企業のM&Aニーズが増加する中、米州におけるM&Aアドバイザリー事業の拡大は、お客さまの企業価値向上に向けたソリューション提供力を強化する上で、大きな意味を持つものと期待しております。

当社といたしましては、資産形成層向けにiDecoや来年から始まります積立NISAの普及。個人投資家向けにはファンドラップをはじめとする投資アドバイス。

さらにグローバルネットワークを生かした日本企業の海外進出サポートなど、グループの総合力を結集し、日本経済の発展に貢献してまいる所存でございます。

引き続き、みなさまのご支援をよろしくお願い申し上げます。