2017年度第1四半期 連結業績概要(対前年)

松本一郎氏:それでは、第1四半期の決算について、これよりご説明を申し上げます。まず売上高ですが、売上高は1,735億円で、対前年84億円の増収。

営業損益は28億円で、対前年5億円の増益ということで、堅調な設備投資需要を背景に増収増益となりました。この28億円という営業利益は、過去最高となります。

まず、売上の増減の内訳でございますけれども、海外子会社の為替換算差による増収分が28億円。これを除きますと、実質的には56億円の増収というかたちになります。

それから、営業損益の5億円の好転の内訳でございますけれども、こちらは価格ダウン、あるいは固定費の増といった負荷要因がございましたけれども、コストダウン、物量増、あるいは為替の影響により、これを打ち返し好転。

次に営業外損益の内訳でございますが、こちらは為替差損益の好転を主因に20億円の好転となり、経常損益も28億円。特別損益は1億円で、税引前損益では29億円。法人税等、あるいは非支配株主に帰属する純損益を差し引いて、当四半期の純損益は11億円の黒字になりました。

2017年度第1四半期 セグメント別売上高・営業損益(対前年)

次に、セグメント別の状況でございます。一見しておわかりのとおり、今回の対前年増益、あるいは全体の損益を押し上げたのは、電子デバイスの部門ということになり、こちらの半導体が好調であったことで増益となっております。

2017年度第1四半期 セグメント別業績概況(対前年) ①

個別に詳しい内容を見てまいります。まずエネルギーソリューションでございますけれども、エネルギーソリューションの分野では、売上高が426億円で対前年マイナス39億円。営業損益につきましては15億円で、対前年プラスの2億円ということです。

内訳でございますが、エネルギーマネジメントにつきましては、スマートメータの物量減少を主因に減収減益。変電システムにつきましては、設備投資需要の高まりから堅調に推移いたしましたが、前年同期の産業向けの大口案件の影響により減収減益。

電源システムにつきましては、海外における盤事業の需要減少等により減収となりましたが、原価低減等を推進して増益となっております。

この中で一番大きな上振れをしたのが器具の分野でございまして、こちらは工作機械をはじめとする機械セットメーカー、および海外の需要が堅調に推移して、大幅に増収増益となっております。

次に、インダストリーソリューションでございますが、売上は531億円で、対前年67億円の増収。営業損益はマイナス28億円で、対前年3億円の減益となっております。

こちらの内訳でございますが、まずファクトリーオートメーションでは、インバータ、FAコンポーネント、回転機を中心に、国内および中国の市場が堅調に推移したことにより、増収増益となりました。

環境・社会ソリューションにつきましては、放射線機器、システム事業および環境関連事業が堅調に推移し増収。海外の鉄道用車両の電機品等の減少がございまして、損益的には減益ということになりました。

設備工事の分野では、プラント事業および空調設備事業が堅調に推移したものの、前年同期の大口案件の影響等により減収減益となっております。ITソリューションの分野では、公共向けおよび文教向けの案件の増加により、増収増益となりました。

2017年度第1四半期 セグメント別業績概況(対前年) ②

続きまして、発電でございます。発電は売上高が170億円で、対前年30億円の増収。営業損益は8億円で、対前年2億円の減益となりまして、内訳といたしましては、太陽光発電システムの大口案件の増加を主因に増収となりましたが、案件差等により減益となっております。

次に、電子デバイス部門ですが、電子デバイスの売上高は305億円で、対前年20億円の増収。営業損益につきましては28億円で、対前年12億円の増益となっております。内訳といたしましては、半導体では産業向けの需要増加により増収増益。

一方、ディスク媒体につきましては、需要減により減収減益となっております。このディスク媒体の減というのが、売上の増減で言いますと16億円ほどのマイナスがございますので、実際には半導体の増が36億円ということで、半導体が全体を牽引したという内容になっております。

食品流通分野ですが、こちらは売上高が258億円でほぼ前年並み。営業損益につきましては12億円で、前年より6億円の減益となっております。自販機につきましては、国内市場における需要は堅調に推移いたしましたが、中国市場での顧客の展開計画の見直しにより一時的な投資抑制が生じまして、物量としては減少ということになりました。

店舗流通につきましては、コンビニエンスストア向けの店舗設備機器等の増加によって増収となりましたが、機種構成差等により減益となっております。

2017年度第1四半期 国内・海外地域別売上高(対前年)

次は、国内・海外地域別の売上高でございます。国内の売上高は、107億円増加いたしましたが、海外の売上は23億円の減少となっております。

この23億円の減少の地域別の内訳でございますけれども、まずアジアではマイナス32億円ということで、内訳は、鉄道車両の減、あるいは火力発電の減ということになります。こちらは、前年に大口案件があった影響での減少ということになります。

それから中国につきましては、対前年ではマイナス6億円ということで、内訳を見ますと、実際には中国の自動化投資の増によって、器具、ファクトリーオートメーション、半導体というところで大幅に売上を伸ばしておりますけれども、一方でディスク媒体の商流変更による減、あるいは中国の自販機の減というのがございまして、トータルはマイナス6億円。

ただし、このディスク媒体の商流変更という影響が、実は30億円弱入っておりますので、実際には中国ではこちらの、現地の自動化投資の増による半導体を中心とした好調で、対前年では30億円弱の売上増となっているのが実態でございます。

欧州につきましては、対前年で3億円の増加。米州につきましては対前年で13億円の増加で、こちらは鉄道車両の増、あるいは地熱発電の増という内容になっております。

2017年度第1四半期 連結貸借対照表

次に、バランスシートでございます。まず第1四半期末の総資産は8,647億円で、対前期末で220億円の減少となっております。

まず流動資産の部分ですけれども、こちらは先々の売上のための棚が増加している一方で、前年度の売上債権の回収が進んだ影響で、全体としては流動資産は292億円の減少。

一方、固定資産につきましては、今年度の株高を背景に、有価証券の時価評価が増えたことを主因として、固定資産は71億円増加しております。

負債の部分ですけれども、こちら、その他負債のところの大きなマイナスというのが、法人税の支払い、あるいは賞与の支払いというのがありますが、今年度の特徴といたしましては、前年度売却いたしました富士通株式の売却益に伴う、法人税、地方税の増加が200億円強ございますので、そちらの支払い増が大きくあったということで、ここのその他負債のところが非常に大きく減っております。

その結果、金融債務のほうが増えましたので、ネット金融債務残高といたしましては、対前年で377億円増加し1,470億円。ネットのD/Eレシオも0.5となっております。

一方、純資産のところは、先ほどの有価証券の時価評価の増による、有価証券の評価差額金の増を中心に、自己資本が増えておりますので、自己資本比率につきましては対前年で1.6ポイントアップして34.4パーセントとなっております。

以上が第1四半期の決算の内容でございましたが、次は上期の連結業績予想についてご説明いたします。今回上期につきましては、足元の状況を踏まえて、業績予想を上方修正することにいたしました。

2017年度第2四半期累計 連結業績予想(対前回予想)

まず足元の状況というのが、第1四半期は対計画でも半導体器具、あるいはファクトリーオートメーションの需要増による売上、営業損益の大幅な好転がございましたが、一方で中国自販機につきましては、やはり顧客の展開計画の遅れにより、若干下振れしておりますので、それを織り込んだうえで上期の業績予想といたしましては、売上高は3,700億円で、対前回予想でプラス11億円。

営業損益につきましては70億円、対前回予想に比べて9億円上方修正をいたします。この70億円というレベルは、上期としては過去最高の水準ということになります。

上期の為替レートにつきましては、前回の予想のレートをそのまま据え置いておりますので、こちらの上方修正の内容には為替の好転は含まれておりません。

個別に、セグメント別の増減の内訳は、このように見直しております。まずエネルギーソリューションにつきましては、国内外の器具分野の需要増等によって、売上、営業損益ともに上方修正をしております。

インダストリーソリューションにつきましては、こちらはやはり国内外の設備投資需要の増加を背景として、ファクトリーオートメーション、プロセスオートメーションの増を織り込んで、売上、営業損益を上方修正しております。

一方、発電につきましては、サービス事業の売上減少が主因となって、売上減、損益悪化というような下方修正を織り込んでおります。

電子デバイスにつきましては、産業分野向けの半導体の需要増を織り込んで、大幅な上方修正をしております。一方、食品流通につきましては、中国自販機の立ち上げ遅れを織り込んで下方修正、というような内容になっております。

2017年度第2四半期累計 連結業績予想(対前年)

これを織り込んで、上期の対前年でございますけれども、対前年では売上高は184億円の増収、営業損益は11億円の増益という内容になります。

内訳といたしましては、エネルギーソリューションの分野におきましては、前年の変電分野の大口案件の影響で、対前年で減収となりますけれども、器具分野の増益等により、こちらは営業損益としては対前年増益。

インダストリーにつきましては、こちらはファクトリーオートメーション、プロセスオートメーションの好調により増収増益。

発電につきましては、火力発電の大口案件の増等により、売上高は増加。一方で、先ほどのサービス事業の下方修正と、あとは対前年で言いますと、やはり案件差がございますので、その影響で対前年では減益となっております。

電子デバイスにつきましては、産業分野向けのパワー半導体の増加を背景として増収増益。食品流通は、先ほどの中国自販機の立ち上げ遅れありましたけれども、対前年で上期を比べますと、店舗流通の分野での増がございますので、対前年では増収。一方、機種構成差により減益という内容になっております。

2017年度通期 連結業績予想(対前回予想)

次に、年間の業績予想でございます。年間の業績予想につきましては、今回は据え置きといたします。ただし、上期の業績予想の修正を反映して、セグメント別の内訳については見直すというかたちにいたしました。従いまして、全体の数字としては変わりません。

内訳につきましては、半導体につきましては下期も現在の好調が維持されると見込みまして、上方修正。

一方、食品流通につきましては、上期の中国自販機の計画遅れによる減少に加え、下期については店舗流通のショーケースの計画の見直しも織り込んで、下方修正を織り込んでおります。

エネルギーソリューションとインダストリーソリューション、発電につきましては、上期の修正をそのまま年間に反映させたかたちになっております。

この通期の据え置きに関しましては、上期の決算時にその時点での市場動向を踏まえた上で精査したいと考えておりますので、今回は据え置くとご理解ください。

2017年度通期 連結業績予想(対前年)

最後が、この結果の対前年ですけれども、トータルの数字は見直しておりませんので、対前年の増減は変わらないのですけれども、内訳といたしましてはこちらで、電子デバイスのところで売上が対前年減となっておりますけども、このうち媒体の売上の対前年の減少が53億円入っておりますので、実質的には電子デバイスの半導体の分野で対前年増加すると、売上増となるという内容に見直しております。

この内容というのは、現時点で考えられるリスクを最大限織り込んだ予想ということで、これはミニマム値と認識しております。私のほうの説明は以上でございます。