日本郵政グループ 決算の概要
風祭亮氏:1ページには、グループの決算の概要について記載しております。うち、日本郵便とかんぽ生命は、いずれも連結ベースの数字です。左側の太い線で囲んだ箇所が、グループ連結の数値です。
日本郵便につきましては、経常収益、経常利益および四半期純利益が、いずれも前年同期より増加しました。
ゆうちょ銀行につきましては、金利が低利で推移するなど厳しい金融環境下で、国債利息収入などの資金運用収益が減少したものの、外国為替売買益などのその他業務収益が増加したことなどにより、日本郵便と同様、経常収益、経常利益および四半期純利益が、いずれも前年同期より増加しました。
かんぽ生命につきましては、保険料収入が減少したことなどから経常収益が減少しましたが、保険金と支払金が減少したことに加え、前期は有価証券評価増を計上したこと、当期は計上しなかったということなどもあり、経常利益は増加しました。
なお、四半期純利益は、契約者配当準備金繰入額が減少したものの、価格変動準備金繰入資産が増加したため、小幅の増加にとどまりました。
以上のとおり、主要子会社3社の経常利益、四半期純利益は、いずれも前年同期より増加しました。ただし、これらを前々年同期の水準と比較しますと、多くは減少、または小幅増加といった水準にとどまっております。
グループ全体の数値につきましては、これらを受け、経常収益が1,021億円減少の3兆2,712億円となったものの、経常利益は720億円増加の2,181億円、四半期純利益も213億円増加の1,044億円となりました。減収増益ということでございます。
この点、同様に経常利益、四半期純利益を前々年同期の水準と比較しますと、いずれもこれを下回る水準にあります。各利益の推移、前々年同期からの推移につきましては、14ページにグラフを記載しておりますので、後ほどご確認ください。
5月に公表いたしました通期業績予想の当期純利益に対する進捗率は、下段に記載しましたとおり、グループ連結で26.1パーセント、日本郵便が45.3パーセント、ゆうちょ銀行が25.5パーセント、かんぽ生命が28.1パーセントとなっております。
全体といたしましては、中期経営計画、これは2015年度から2017年度の計画でございますが、その最終年度にあたる当年度の経営目標の達成に向けて、堅調に推移しているものと考えております。
次のページから、主要子会社、セグメント別の決算の概要についてご説明させていただきます。
郵便・物流事業 決算の概要
郵便・物流事業について記載しております。右上の棒グラフでございますが、営業収益に直結する郵便物の取扱数の推移であります。郵便物全体では1.4パーセントの減少となっております。
このうち郵便は、選挙関連郵便物が減少した影響などにより3.3パーセントの減少となりましたが、ゆうパックとゆうメールは、いずれも引き続き増加基調にあります。
ゆうパックにつきましては、これに含まれる小型物品配送サービスであるゆうパケットの増加が、25.1パーセント増加の中での大きな要因となっております。
続きまして、左下の滝グラフをご覧ください。営業利益につきまして、前年同期からの増減分析をお示しするものです。営業収益につきましては、ゆうパック、ゆうパケットの増加や、郵便料金改定の影響もあり、91億円の増加の4,616億円となりました。
一方、営業費用につきましては、まず左から3番目の滝図の棒でございますが、人件費の増加が15億円となってございます。
このページの下の方に、吹き出しで小さい文字で内訳を記載してございますが、人件費の中で口数の増加、あるいは賃金単価の上昇などによる給与手当等の増加がプラス10億円、法定福利費の増加がプラス4億円といった内訳でございます。
それからその右でございますが、集配運送委託費でございます。これは下の方にございますが、国際郵便差立が減少したり、円高の影響などにより、国際運送料が減少した一方で、口数の増加などにより国内運送委託費が増加したということでございます。これにより、集配運送委託費が増加しております。
次でございますが、減価償却費でございます。これは老朽化対策工事による、資産、建物の増加などによりまして、増加をしております。その右、その他でございますが、これは携帯端末費を公開したことによる機器購入費の増加、その他の要因により増加をしております。
結果、営業費用につきましては、97億円増加の4,681億円となっております。なお、営業収益および営業費用につきましては、13ページに詳細を記載しておりますので、後ほどご確認ください。これらの結果、右下の表に記載しましたとおり、営業損益は6億円悪化の64億円の営業損失となりました。
金融窓口事業 決算の概要
3ページは、金融窓口事業について記載しております。まずは、右上の収益構造の推移をお示しした棒グラフをご覧ください。
下から3つが受託手数料でございます。一番下から2つ目の銀行手数料が、送金決済件数の減少などにより、35億円減少しております。
一番下の保険手数料も、かんぽ新契約の減少などにより28億円減少しております。下から3つ目、郵便手数料は、内部取引として消去されるものですが、セグメント収益として計上されております。若干の増加となっております。
一番上の黄色い部分でございますが、その他収益でございます。内訳としては、物販事業、不動産事業、提携金融事業などの収益でございますが、これにつきましては27億円増加をしております。
左下の滝グラフは、先ほどの郵便・物流事業と同様、営業利益につきまして前年同期からの増減分析をお示しするものであります。
まず、受託手数料。左から2つ目の棒でございますが、先ほど申し上げましたとおり、金融2社からの受託手数料が大きく減少しましたため、全体で56億円の減少となりました。
その右でございます。その他収益は全体で27億円の増加となりましたが、その内訳は、提携金融事業が12億円の増加、不動産事業が7億円の増加、物販事業が3億円の減少でございます。これらの結果、営業収益は全体で29億円減少の3,356億円となりました。
一方、営業費用につきましては、まずその右、滝グラフの真ん中へんでございますが、人件費でございます。
減少しておりまして、前期比39億円の減でございますが、この内訳は下のほうにございますが、かんぽ新契約の減少や各種効率化施策により、給与手当等、これは給与手当および賞与でございますが、これが40億円減少したことなどによるものでございます。
その右でございます。減価償却費につきましては、7億円の増となっております。これらなどを要因といたしまして、営業費用につきましては32億円減少の3,208億円となりました。
営業収益、および営業費用につきましては、先ほどの郵便・物流事業と同様、13ページに詳細を記載しておりますので、後ほどご覧ください。
これらの結果、この3ページの右下の表に記載しましたとおり、営業利益は3億円増加し、前年同期並みの147億円となりました。
国際物流事業 決算の概要
4ページへお進みください。国際物流事業、トール社について記載しております。左下の表は、当第1四半期の経営成績、および前年同期との比較をお示しするものです。数字が2段にわたっておりますが、上段が豪ドルです。100万豪ドル単位でございます。下段の括弧閉じの数字が日本円ベース、億円単位の数字でございます。
営業収益につきましては、前期比83億円増加の1,627億円となりました。一方、営業費用は109億円増加の1,635億円となりました。営業損益はこのとおり、営業費用が営業収益を上回って増加したため、25億円悪化の7億円の営業損失となりました。
右下の棒グラフは、四半期3ヶ月単位での業績の推移をお示しするものです。当第1四半期は、一番右の棒グラフでございます。
前年同期、一番左の棒グラフでございますが、この一番右と一番左を比較いたしますと、豪州国内物流事業、国際フォワーディング事業、コントラクト事業のいずれについても営業損益が悪化しておりますが、過去最低の利益水準でありました直前の四半期、これは右から2つ目の棒でございます。
2017年3月期の第4四半期でございますが、この直前の四半期と比較しますと、事業全体で470万豪ドルの改善となっております。豪州国内物流事業、コントラクト事業を中心に、改善の兆しが見られるところです。
トール社で実施しております、部門の統合や人員削減などの経営改善策の効果は、第2四半期以降に表れてくると考えているところであります。この業績上昇のトレンドを維持することができるよう、その確実な実施に努めてまいります。
日本郵便(連結) 決算の概要(まとめ)
日本郵便のまとめについて記載しております。以上の結果、日本郵便全体では、営業収益が130億円増加の9,113億円。営業利益は42億円増加の74億円となりました。増収増益となっております。
ただし、営業利益の増加幅、42億円の増でございますが、前期末に行いました減損損失の計上に伴い解消されました、トール社に係るのれん等の償却負担の範囲内にとどまっております。
のれん等の償却負担につきましては、各セグメントに紐づかない全社的な経費ということでございますが、前年同期53億円を計上したものでございますが、その範囲内ということでございます。
日本郵便につきましては以上でございます。
次の6ページから11ページまでは、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命の決算について記載しておりますが、先ほど両社からご説明しておりますので、ここでは割愛させていただきます。
〔参考1〕 グループ会社関係図
12ページには、グループ会社関係図を記載しております。
〔参考2〕 日本郵便(連結)郵便・物流事業、金融窓口事業 損益計算書(再掲)
13ページにつきましては、先ほども申し上げましたが、郵便・物流事業と金融窓口事業の営業収益および営業費用の詳細を含む、損益計算書について記載をしております。
〔参考3〕 経常利益・四半期純利益の推移
14ページでございますが、参考3でございますが、冒頭ご説明申し上げました主要子会社3社、およびグループ全体の経常利益、四半期純利益の3期分ですね。前々年同期以降の推移を記載しております。
以上、簡単ではございますが、日本郵政グループ2018年3月期第1四半期連結決算の概要につきまして説明申し上げました。
続きまして、最後に、今回の電話会議から補足資料を追加させていただいておりますので、こちらの資料につきましてご説明をさせていただきます。
A4横版の資料で、タイトルが「資料 日本郵便株式会社の補足データ」という資料をご覧ください。
この資料は、日本郵便の連結および事業別の損益、取扱物数、郵便種類別の収支の状況を、投資家、アナリストのみなさまの分析にお役に立てればと考えまして、資料としてまとめさせていただいたものでございます。ご参照いただけますと幸いでございます。
なお、この資料につきまして、1点だけここでご説明させていただきます。日本郵便株式会社におきましては例年、毎年7月下旬に郵便事業の収支の状況につきまして公表しておりまして、直近では2016年度の状況につきまして、7月25日にプレスリリースとして公表をしたところでございます。
従来は、荷物の収支の状況につきまして公表してきたわけでございますが、今般、郵便法施行規則の一部改正による開示内容の変更に伴いまして、先般の7月25日のプレスリリース資料からは、荷物の関係は掲載をしないことになりました。
その代わりと言ってはなんですが、今回の補足資料、データ集のほうに掲載をさせていただいております。
この補足データという資料の、4ページをご覧ください。4ページの一番下の段に、荷物の収支を記載しております。一番下の表の右のほうに、2016年度の数値を記載してございます。
2016年度は、営業収益が4,889億円、営業費用が4,861億円となり、営業利益が28億円と、2015年度に引き続き黒字となりました。
成長するeコマース市場を背景に、取扱物数が増加したこと、採算性の確保や人件費マネジメントの高度化等にも注力したことから、黒字を維持、拡大できたものと分析しております。
2017年度につきましても、黒字の定着と拡大に向け取り組むこととしております。この点、第1四半期の決算とは異なる内容でございますが、この際合わせてご説明をさせていただきました。
以上で、私からの説明を終わります。