JXホールディングス 2016年度 決算概要(前年比)

内田幸雄氏:それでは、2016年度決算説明資料ダイジェスト版と記載された資料をご覧いただきたいと思います。

ポイントを最初に申し上げると、1点目が16年度決算の当期純利益ベース、前年比較で4,000億円以上の改善をしているということが1つ。

2点目が2月に公表した数字と比較すると、ほぼ見通し通りであったということ。

3点目、2017年度の業績見通しは、統合の中計の最初の1年で、緊張感、危機感をもって取り組みたいと考えています。

それでは統合前のJXの2016年度決算からご説明します。

まず、2016年度実績は後ほど前期比の比較でまとめた方法で、詳しくご説明したいと思いますが、この前年比は別途お配りした資料がありますので、後ほどご覧ください。

対前年比の見通しとして、原油価格の反転により、在庫評価が4,000億円改善しました。

結果、経常利益で3,400億円以上、当期純利益で4,400億円、前期比では大幅な改善でした。

JXホールディングス 2016年度 決算概要(前回見通し比)

続いて、前回に公表した前回見通しとの対比です。

2016年度の経常利益、絶対額ベースで、3,336億円と在庫影響除き経常利益は1,936億円でした。

2月公表対比で見ると、在庫影響は原油代が公表より若干高くなり、300億円増加しています。

一方、在庫影響除き、経常利益は、エネルギー事業が2月の白油マージンの悪化もあり、約100億円減益でした。

一方で、石油天然ガス開発事業における操業費などの経費の削減、電材加工事業の好調な販売で、全体は36億円の増益でした。

特別損益は、石油天然ガス開発事業において、炭鉱の不成功による子会社株式の評価損が発生し、2月公表比で150億円程度損失が増加しています。

結果、当期純利益は1,600億円、前回見通し100億円の改善でした。

2017年3月末 連結バランスシート 2016年度 連結キャッシュフロー

次に、キャッシュフローについてご説明します。

フリーキャッシュフローは、66億円の赤字ですが、在庫の圧縮など運転資金の削減、設備投資の圧縮に努めました。

結果、休日の影響による揮発油税の支払いが約1,000億円増加したという特殊要因を除くと、2016年度のフリーキャッシュフローは986億円の黒字です。

東燃ゼネラル石油 2017年1-3月 決算概要

次に、東燃ゼネラル石油の今年の1-3決算についてポイントをご説明したいと思います。

特別損益はマイナス438億円となっていますが、この中には経営統合に関して当社から公正取引委員会に申し出た問題解消措置としてのジクシス株式の譲渡関連損失、JXエネルギーとの会計処理統一に伴う、一時的な損失が含まれています。

また、1-3の在庫影響除きの経常利益3億円に4月-12月の経常利益486億円を加えた489億円が、4月-3月ベースの東燃ゼネラルの経常利益で、中計の出発点となっています。

IFRSへの組替(2016年度 在庫影響除き経常利益・在庫影響除き営業利益)

続いて、次のスライドで国際会計基準、IFRSへの移行についてご説明したいと思います。

事業活動のグローバル化を支援するため、本中計期間より、財務基準を従来の日本基準からIFRS基準へ変更し、経営の目標管理、実績評価も行うことにしています。

損益は、IFRSでは経常利益の概念がなくなるので、新たに在庫評価除きの営業利益を指標とします。

2016年度の数字で申し上げますと、JX、TG両社合算の在庫影響を除く経常利益2,425億円、これに特別損失1,010億円を差し引いて、金融収支マイナス270億円を除外し、さらに日本基準とIFRSとの会計基準差がプラス105億円あります。

これらを調整し、1,790億円が2016年度の両社合算ベースのIFRSベースでの在庫評価除きの営業利益で、今後管理費用として使っていきたいと思います。

IFRSへの組替(ネット有利子負債/資本合計・純資産)

バランスシートにつきましては、有利子負債、資本合計のIFRSへの移行に伴う影響を載せていますので、時間の関係でご説明は割愛させていただきます。

連結財政状態計算書(2017年度期首・概算)

4月1日の両社統合後のJXTGグループの最初のバランスシートを載せています。

ネットD/Eレシオにつきましては、IFRSへの移行に伴い、従来の自己資本ベースから資本合計、日本基準で言うと純資産ベースに変更します。

これに基づき、4月1日時点のネットD/Eレシオは0.9倍で、後ほどご説明します中計の出発点です。

2017年度 通期見通し 概要(前年比)

次に2017年度の業績見通しについてポイントをご説明したいと思います。

事業戦略は後ほど中計の説明で申し上げますので、ここでは損益のポイントをご説明します。

まず前提ですが、原油代は1バレル当たり50ドル、銅貨を1ポンド当たり250セント、1ドル当たり110円としています。

在庫影響除きの営業利益は350億円を見込み、2016年度の対比では約1,700億円の改善となっています。

2017年度 通期見通し 在庫影響除き営業利益増減(前年比)

1,700億円、16年度から17年度への改善の内訳です。

まず、2016年度の特別損失、2016年度の一過性の損失の反転については、一時的要因で1,070億円が含まれており、実質的なベースでの改善は約600億円と見込んでいます。

エネルギー事業では化学品のマージンで約400億円の悪化を見込んでいますが、統合シナジーの実現230億円、原価の改善410億円により、エネルギー事業は240億円の増益を見込んでいます。

石油・天然ガス開発に関して、事業再構築関連の損失約90億円も含み、60億円の減益、残り30億円のプラスです。

60億円の減益を見込むものの、金属事業ではカセロネスの安定的な稼働を前提にし、収益改善250億円を中心に190億円の増益を見込んでいます。

以上が2017年度の営業利益の改善の内訳です。

以上で2016年度の決算と2017年度の見通しの説明ですが、ポイントは1点目が16年度の当期純利益が前年対比で4,000億円以上改善していること。

2点目は2月公表比ではほぼ見通し通りの結果ということ。

3点目は2017年度次期中計の最初の年ということで、極めて重要な1年であると思っています。

結果を残していくことが必須で、危機感と不退転の決意を持って取り組んでいきたいと考えています。