2016年度通期決算説明会

山本謙氏:みなさまおはようございます。社長の山本でございます。 本日は弊社グループの経営概況説明会に多数ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

アナリストのみなさま、並びに投資家のみなさま方には、日頃より弊社グループの事業活動の状況なり、あるいは将来に向けての経営動向等につきまして、きめ細かく情報発信していただいておりますこと、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。

みなさまの発信される情報は、私どもとしましても、貴重なご意見として経営改善に役立てていっておりますので、引き続き、今後ともよろしくお願いいたします。

それでは早速説明に入らせていただきます。お願いします。

本日は、まず最初に2016年度決算と、それから2017年度の業績予想について、ご説明申し上げたあと、現在進めております中期経営計画の進捗状況につきまして、お話をさせていただきます。

16年度決算の総括

まず2016年度の決算の総括でございますが、これにつきましては先般5月11日に決算発表をさせていただいておりますので、本日は簡単に触れさせていただきたいと思います。

まず16年度の決算。対前年度対比で申し上げますと、売上面では全般的に円高の影響。それから資材価格の低下等の影響もございまして、減収となりました。

それから利益面では、建設資材におきまして、セメントの内需が減少したこと。それからセメントの輸出環境も悪化。

さらには昨年度の後半、石炭・化学もアップという影響もございまして、減益の一因となっておりますし、化学につきましても、一部製品、いわゆる合成ゴムとかナイロン。こちらの方は原料価格が年度後半上がってまいりまして、スプレッドが圧縮されたということ。

あるいは、2016年度は日本におけるアンモニアプラントの低収年でございました。そういう影響もございまして、化学におきましても、対前年度減益であったということで、総じて主な事業が減益ということでございまして、対前年度は、利益面では下回る結果になったということになります。

ただ当期純利益という面につきましては、対前年特別損益の部分で大きく改善しておりますので、当期純利益面につきましては、大幅な増益にあります。

一方、中期経営計画スタートした初年度。計画に対してどうであったかということでございますけれども、計画に対しましては、化学、それから医薬事業ですね。こちらの方が予定を上回る利益を出したという一方で、建設資材・機械等は未達であったということでございます。

事業では明暗がございましたけれども、トータルとしてはほぼ利益面では計画通りの着地になったかなと思っております。昨年度実施しました主な政策は、ご覧の通りでございます。

17年度の業績予想(主要項目)

続きまして今年度17年度の業績予想についてお話させていただきます。

まず主要項目といたしましては、売上高・営業利益面とも増加。いわゆる増収増益を目指しております。個々につきましては後ほどセグメントのところでお話を申し上げますけれども、原料・燃料価格がアップしておりますので、それを追い風に拡販・売上増を目指すもの。

あるいはスプレッドの是正等も目指すものが主な要因になっております。配当につきましては、引き続き一株当たり6円ということを計画しているところでございます。

17年度業績予想 セグメント別 売上高・営業利益

これが今年度の業績予想のセグメント別の売上高・営業利益でございます。特徴的なのは対前年比較としまして、化学部門におきまして増収増益。大幅な増益を目指しております。

化学におけます、増益の主な要因としましては、16年度にスプレッドが圧縮された合成ゴム・ナイロン。こちらの方がスプレッドが改善してまいります。

それからセパレーター。能力増強設備を17年度18年度と連続的に能力増強設備を増強しておりますが、今年度、この5月から能力増強設備セパレーター立ち上がりましたので、いわゆる塗布膜のセパレーターの出荷が今年度増えて参ります。

そういう面で、電解液も昨年度増えたのがさらに今年度も増えて参りますので、電熱材料関係増収増益を目指しております。

あと他に機能材料関係ですね。こちらの方も利益好転を考えておりますので、トータルとしては、増益面が大きく出てくるというふうに見ております。

ただ一方で、化学の減益面としては、ラクタムのスプレッドの圧縮といいますか、普通の状態に戻っていくというふうに見ておりまして、16年度の終わりごろに非常に今、スプレッド、ラクタムも良くなりましたけど、これはすでに沈静化の方向でございますので、そういうふうに現在見ております。

それともう1つは、今年は増益面として、実はアンモニアプラントの定修がスキップする年で、これがいわゆるコスト減に効いてくる年になるんですが、一方でエネルギー価格の上昇とか、あるいはアンモニアの原料のペトロコークスの価格の上昇ですね。

こういうものがコストアップ要因となっておりますし、一方で、国内のアンモニアの価格というのが、結構低迷しておりまして、これが相殺されまして、いわゆる定修スキップのメリットというのが例年ほどには、出てこないというのが17年度の特徴でございます。

それから医薬事業は創薬、それから受託医薬ともに、前年度に比べて売上が多少落ちます。その影響もございまして、利益が多少落ちるというふうに見ております。

建設材は、後ほど出てまいりますけども、内需は16年度に比べて17年度は多少増えると見ております。そういうこともございまして、多少の増収は見ているんですが、一方で昨年度後半から上がってきたエネルギーコスト。

いわゆる石炭化学ですね。こちらの方の影響がフルに今年度効いてまいりますので、その影響で、コスト増ということで、利益が減るとみております。

機械につきましては、今年の1月、三菱重工の射出成形機事業を買収いたしまして、これが17年度通期で上乗せで効いてまいります。そういう意味で売上が大幅に増えるということでございますが、さらには既存の製品の受注増に伴う売上増というものも、この中には入っております。

そういう増収面がございますので、利益面も押し上げているわけでございますが、利益が増える主な要因は、どちらかというと、既存商品の採算のアップ。いわゆるいろんな製品のコストダウンの成果を刈り取るというのが、17年度の予想にしております。

三菱重工との射出成形機事業の統合成果というのは、もう少し出てくるのは、時間がかかるかなとみております。

それからエネルギー・環境でございますけれども、こちらの方は、石炭価格は上がってきます。その影響と、対前年に比べると、石炭の取り扱いが増えるということもございまして増収になります。

従いまして、石炭化学については増益になるんですが、一方で電力関係のIPPが低周年でございます。また、石炭化学がアップすることで、電力にとってはコスト増要因ということで、トータルとすると若干の減益と。

それぞれのセグメントはそれぞれの特徴を持ちながら、今年度業績予想を作っておりますが、トータルとして化学の増益が非常に牽引しまして、増収増益という予測を立てております。

以上が今年度の業績予想の説明でございます。