ハイライト【連結】

鈴木康晴氏:2017年3月期の決算概要を説明させていただきます。

まずハイライトになります。当期の売上高につきましては、先ほどお話させていただきましたように、588億6,400万円。前期に比べますと、42億円ほどの減少という状況でございます。

営業利益につきましては12億4,200万円。6億9,300万円ほどの減少となります。経常利益は13億5,000万円。こちらも前期に比べますと7億5,700万円ほどの減益となります。

当期純利益につきましては、6億7,200万円。こちらも前期に比べますと減少という状況でございます。

売上高の説明でございます。後ほどセグメント別で少しご説明させていただきますが、非常に大きな要因としましては、アパレル事業。我々の一番大きな事業の減収が大きく起因しております。

昨年に比べますと、健粧品事業。こちらにおきまして、インバウンド需要の減少がございまして、この2つが大きな要因となっております。

一方、インナー事業ですとか、グループ会社につきましては、好調なところもございましたので、結果このような業績となっております。

利益面につきましては、今申し上げたインナー事業、ソリューション事業。こういったところが増益となり牽引しておりますけれども、全体的な利益減少は健粧品事業の減収が大きな要因となっております。

セグメント別売上高の推移【連結】

続きまして、セグメント別の売上の状況でございます。

下のアパレル事業からご説明させていただきます。このアパレル事業の内訳としましては、生協の組合員さん向けのカタログ通販、ネット通販、これがメインになります。

こちらは受注効率を求めた結果、結果的に売り場面積を減らしていくということを行いましたので、昨年に比べますと約42億円ほどの減収となっております。

続きまして、インナー事業。こちらは79億7,100万円という結果でしたが、こちらも生協組合員さん向けのカタログ・ネット通販事業になります。

こちらは好評でございまして、主には、ナイティと呼ばれる部屋着・パジャマ等が非常に好調でございました。結果、6億円ほどの増収ということになりました。

続きまして、ライフファッション事業。こちらは雑貨品、家具、服飾雑貨の通販になります。

こちらはスクロール本体で行っておりました、『生活雑貨』という個人向けカタログを廃止しまして、グループ会社をネット専門に持っていったことが大きな減収要因となりました。

一方で、グループ会社の中に、このライフファッション事業を中心にやってるアクセスという会社が非常に伸びまして、結果、横ばいという状況でございます。

続きまして、健粧品事業になります。こちらは昨年、インバウンドの需要が、非常にありまして、こちらが一巡したというような状況で、当期は85億1,200万円で着地しております。

それからソリューション事業です。こちらは86億3,300万円となり、前期に比べますと、10億円近く増収となっております。

このソリューション事業は、物流および決済サービス、システム構築などのサービスを通販会社、Eコマースの会社から受託するという、アウトソーシングのビジネスになります。

こちらは、新規のお客さま、クライアントさまが増えたということと、決済のサービスが非常に好調であるということで、このような増収となっております。

販売費及び一般管理費の推移【連結】

続きまして、販管費になります。こちらは2015年3月期に比べますと、大きく減少しているトレンドでございます。販管費すべて、当期におきましては、205億3,700万円ということで、広告宣伝費の部分が一番減少している要因になります。

この内訳としましては、カタログの費用、紙の費用、こういったところで、13億円ほどの減少をしております。一部、大きな家具などの通販がなくなったことによって、物流費が減っているということもございます。

セグメント利益の推移【連結】

続きまして、セグメント別の利益になります。こちらも下の黄色いところからでご説明させていただきます。

アパレル事業につきましては、受注の効率化というものが実現してきておりますが、結果、減収が大きく、マイナスという状況でございます。

インナー事業につきましては、好調であったということもございまして、このセグメントの中では、一番の牽引をしている領域でして、4億9,600万円の利益となっております。

続きましてライフファッション事業です。こちらは、中身がだいぶ変わってきておりまして、我々が行っていた『生活雑貨』というカタログ、こういったものが、いったん終了したということ、一方でグループ会社の、ブランド品等のバッグ、財布等々のEコマース。こちらが伸びてますので、結果的に原価率が高くなっているというところから、昨年に比べますと、減益という状況でございます。

続きまして、化粧品事業。健康食品、化粧品の事業になりますけれども、こちらは、昨年が、11億1,000万円の利益でございましたけど、当期におきましては、3億9,700万円ということで、インバウンドの影響を大きく受けております。

そしてソリューション事業につきましては、こちらは、売上の増収に伴って、増益しているという状況でございます。

売上高・経常利益 前期比較(四半期別推移)【連結】

続きまして、四半期の推移になります。アパレル・インナー等の、季節性がございますので、第1四半期、それから第2・第3・第4四半期と、いうことで、各季節で非常に変動がございます。とくに右側の方の利益につきましては、この季節性が非常に出ております。

ただ、年度でいきますと、2015年度3月期は、非常に大きな広告投資をしておりまして、このグレーの部分というのは、赤字が続いていたというところでございます。

昨年につきましては、我々のグループ会社の豆腐の盛田屋。こちらで販売している『玉の輿』という商品。これのインバウンドの需要、爆買い需要がありましたものですから、非常に大きく利益が出ました。

当期につきましては、本体のカタログ事業。こういったものも収益を改善していくという取り組みもございまして、結果、第4四半期以外は、しっかり利益が出ているという状況でございます。

経常利益増減分析【連結】

続きまして、経常利益の増減分析。こちらは、昨年末ですね。21億800万円という経常利益からですね、当期末13億5,000万円というところの推移でございます。

大きな要因は、やはり減収による利益の減少と書いてございますけれども、こちらの要因が大きく、あとは広告宣伝費、それから物流経費、こういったものが削減できておりますので、結果、この13億5,000万円と、こういう着地でございます。

貸借対照表の推移【連結】

続きまして、貸借対照表になります。こちら下から2行目でございますけれども、負債・純資産合計というところで、379億6,200万円と、2016年3月期に比べますと、25億円ほどのプラスということで、こちらの内訳は、主な増減項目と右側に書いてございますが、現預金の増加が一番の要因となっております。結果、自己資本の比率は59パーセントという状況でございます。

キャッシュフローの状況【連結】

このBSを受けまして、キャッシュフローでございますけれども、一番下の現金及び現金同等物の期末残高。2017年3月期におきましては、48億3,300万円ということで、19億6,600万円。この現預金分、増加しているという状況でございます。

内訳としましては、この赤枠の中に書いてございますけれども、先ほど申し上げた、M&A等の投資もございます。

それから、長期借入金の返済というものが大きく、結果、財務活動も踏まえまして、48億円となりました。ここまでが決算の概要になります。

中期経営計画の概要

堀田守氏:引き続きまして、私のほうから全般のお話をさせていただきたいと思います。

12ページにございますように、今現在2016年から2018年度の中計の2年目に入ったいう状況であります。

2020年度、このスクロールグループを1,000億の売上、経常利益50億、これを狙えるそういった会社にしていこうということで、この「みらい2018」という3ヶ年の中計を進めているわけでございます。

冒頭お話をしましたように、2016年度、ここは本体の通販事業、衣料品の不振ということで苦戦をしたと。これを立て直しをした1年であったと。その一方で、事業会社はおおむね好調に成長しているというような状況であります。

1.「BBCの新たな取り組みによる成長」の進捗

14ページからその詳細について追加のご説明をしたいと思います。

1番目の本体の通販事業ですが、前期2016年度は生協事業とBtoCの個人通販事業の最後の部分が入っております。

いわゆる個人通販、いわゆる個人のお客様にカタログを発行するというビジネスを順次撤退をしているわけですが、最後の『生活雑貨』というカタログを展開しておりましたけども、昨年の9月末をもってカタログの発行を中止するということで、スクロール本体でやっておりました個人通販事業に関しては2016年度完全に撤退をしたということであります。

BBC、BtoCの生協事業ですが、これに関しましては、2016年度にやったことは、シンプルに言いますと、需要と供給、売り場、こういったものを整理したと。

需要に合わせて売り場を調整しました。我々通販業者でありますので、カタログの紙面、需要の見込めないカタログの紙面を削減したということで、2016年には従来の発行部数の30パーセントぐらいをもうすでにカットいたしました。

この生協事業は、全国に組合員さんが2,500万世帯、2,500万人いらっしゃって、この中で宅配事業、通販のお客さんは850万いらっしゃいます。

従来、2~3年前までは、この850万の全国の生協の組合員さんにあまねく共通のカタログ、タブロイド判のチラシを配るこういうビジネスでございました。

そういった中でここ2~3年、衣料品、雑貨品、我々の主力商品のマーケットが大きく縮小する。また、受注効率が追いついていかない。

こういうことになりまして、生協さんのほうと打ち合わせをしながら、実際のところ850万の組合員さんの中で、過去一度でもスクロールの商品をお買い上げいただいたというお客様約半分。また、半分のお客様は一度もスクロールの商品を買ったことがないというお客様さんであるわけですが。

過去は生協さんの「安全、安心、公平」という理念がありましたので、850万人に平等にカタログを配っていたわけですけども、こういう販売の仕方がもうマーケットに見合っていないということで。

生協さんのご協力を得ながらカタログの、個人通販のセレクト配布。ここ2年でこういった分野に入ってきました。

この2年間で3割の売り場を減らすと。こういうことの中で、効率改善に関してましてほぼ目途がついたということで、生協事業に関しても収益事業ということで、今期からは見込んでいけるということでございます。

2.「BtoC化粧品事業の新たな成長〜豆腐の盛田屋〜」の進捗

2番目の豆腐の盛田屋ですが、私どもも初めてインバウンドのパワーを経験したんですが、このヒット商品、「豆乳よーぐるとぱっく『玉の輿』」という商品がありまして、スクロールもまさにこの玉の輿に乗ってるわけですけども。

過去販売累計578万個。これは2013年度からの集計でありますけども。小売価格で120億円の。この「玉の輿」が売れたということでございます。

その経緯を見てみますと、2013年度に45万個売れる、2014年に80万個、インバウンドのピークになった2015年に25万個が売れるということでありまして、小売価格で1年間で50億売れたというようなことであります。

昨年はこれが2016年度で170万個売れたということであります。この2015年の25万個と2016年前期の170万個は内容に大きな差がございまして、2015年はほぼほぼインバウンドの来訪者、中国、アジアからの旅行者が買ってくれたわけです。

前期2016年度の170万個というのは、インバウンドの他力本願で待ちのビジネスをするということでは成り立っていきませんので、2つの拡販策というのを行いました。

まず1つは、あらゆる力強い生協事業の中でどの商品を展開させていただくかということで、前期は21万個を生協さんのマーケットで販売いたしました。

また、中国内販で私どもの現地法人で上海スクロールという会社がございますので、こちらの方で日本から商品を輸入する。向こうで在庫にするというかたちで昨年は35万個が中国内販、国内販売できたということであります。

インバウンドの商品。インバウンド自体は100万個ぐらい売れてるわけですが、こういった努力もあって2016年には170万個が売れたということであります。

3.「BtoC健食事業の新たな成長〜北海道アンソロポロジー〜」の進捗

次、16ページでありますけれど、北海道の札幌に北海道アンソロポロジーという健康食品の会社がございます。

『ミラクルクイーン』という主力商品のロイヤルゼリーだけを売っておりまして、収益力のある会社であるわけですけども、成長力がございませんので、いろいろと新しいことにトライをしているということであります。

1つ目は、北海道ブランドの食品事業を展開しようと、食の科学舍という事業譲渡で獲得をいたしました。これは上場会社でもあります医学生物学研究所という会社があるわけですが、長年こちらでやられていた、これ名古屋の会社ですけども、北海道でこういう事業をされていたわけです。

遠隔地であり、北海道の事業をスクロールで開拓をしようとしているところで、先方の方からお話がありました。

この事業を継承したということで、そちらにあります豆類でありましたり、カボチャであったり。

そういったものをピューレにしまして、常温で3年間キープができるというような商品を展開しています。

2番目、3番目に関しましては北海道の企業ですね。北海道に根をはっておられる企業さんと一緒にマーケティングを国内、アジアでしていこうと取り組みをスタートしております。これは国内でのEコマース通販を一緒に展開していく。

また、アジアでのマーケティング展開、ソリューション。こういったことを一緒にやっていこうということで、そういった企業のネットワーク作りというのもスタートしています。

4.「BtoBソリューション事業の新たな成長」の進捗

次、17ページにソリューションの分野です。

いちばん順調で先に心配がないのがこの分野でありまして、スクロール360、EC後払いのキャッチボール。順調に拡大しています。スクロール360に関しましては通販ソリューションの3PL事業を全国で展開していこうと、北海道、関東、関西で事業がスタートいたしました。

また、そのシステムもビジネスモデルも展開しておりますので、楽天、Yahoo!、Amazonなどの多店舗出店に対応できる「eシェルパモール」という一元管理ソフトも開発いたしまして、展開しております。

この分野というのは、まだ成長の天井が見えないということで、国内海外でいろんなビジネスチャンスに恵まれているという状況であります。

5.「海外需要の取り込みによる成長」の進捗

次、5ページが海外との関連に関してでございますけども、これを先行して展開しているというのが豆腐の盛田屋とスクロール360の海外展開であります。化粧品とソリューション。これを一緒にして海外に出ていくという戦略を展開しております。

中国におきましては、先ほどもちょっとお話をしましたけども、中国の内販をする場合にはCFDAという販売許可を取得することが必要になってきます。豆腐の盛田屋の商品に関しましては、これを所得しまして、中国の国内チェーン。

これは香港から進出しているWatsons、City Superであるとか、化粧品のSasaとか、そういうチェーンストアがあるわけですが、そういったところ。

また、中国系の化粧品またはドラッグのチェーン店に向けて卸の販売をしていると。また、インターネットに関しても展開をスタートするということであります。

ASEANに関しましては、昨年の10月にシンガポールに現地法人を設立いたしました。そういったことでシンガポールを中心に、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール。こういったところの代理店の開拓を手がけているわけでございます。

冒頭にお話しましたように、スクロールの従来のような総合通販では生き延びていけない経営環境でありますので、これを私はスクロールの複合通販企業。

総合ではなく複合通販企業という名前をつけまして、いろんな多角化、国内海外への展開を進めているということであります。スクロールという通販事業を中心にいろんな分野。EC、ヘルスアンドビューティー、ソリューション。こういった分野に展開をしていくというございます。

6.「M&Aおよび提携を通じた新たな成長戦略」の進捗

次、20ページでございます。これが前期末での主要会社であります。通販事業。これはスクロール本体でやっているわけです。

eコマース三社。イノベート、AXES、スクロールR&D。イノベート、AXESともに楽天でショップ・オブ・ザ・イヤーを。ジャンル賞といった優良店舗でございます。

化粧品におきましては、豆腐の盛田屋、北海道アンソロポロジーという二社に加えて、赤色のナチュラピュリファイ研究所、T&M。こういった事業会社を加えたということでございます。

ソリューション事業におきましては、スクロールロジスティクスという会社がございますけども、従来は株式会社ハマキョウレックスに物流の一部を委託していたわけですが、自社物流に戻すということで、昨年の10月からスクロールロジスティクスという会社を設立して、自社物流をやっているということです。

海外に関しましては、先ほど申し上げたスクロールシンガポールを設立をしたということであります。 グレーの枠で囲んでいる3社。これが2010年、2009年までに存続した会社でありまして、赤い枠が2010年以降にグループ入りをした会社であります。

この赤で白抜きになっていますここが昨年グループ入りをした会社であります。

2017年度取り組み

次、21ページでございます。

BBCに関しましては収益力の回復に関しましては、2016年度にほぼほぼやり終えたということで、今期はしっかりと利益は出せるというスクロール本体になります。

また、従来の衣料品を中心にしたビジネスだけではなく、商材を拡大するということで、生協さんの中でOTC医薬品。ドラッグの通販を生協さんと協力をしながらソリューションをスタートいたしました。

グッドライフモール。これもオープンしたところでありますけども。生協さんのマーケットにおいても、インターネットでだんだんと重要な分野に成長してきておりますので、スクロールが楽天やYahoo!のように、生協さんのマーケットでモール展開しようと、グッドライフモールというモールをオープンいたしました。

この中で最初2店舗出店をいただいておりますけども、ロフトさんと西松屋にご協力をいただきまして店舗出店をいただくということで、展開をスタートしたところであります。

2番目。これは先ほど申し上げましたナチュラピュリファイ研究所、T&M。これをしっかりと進めさせていくということであります。

3番目は北海道ビジネスのプラットフォーム構築。食の科学舍事業の拡大ということでありまして、今いろいろと北海道庁であったり、札幌市とも打ち合わせをしてありますが、なんとか北海道に根をおろしておられる企業との企業連合を作って、マーケティングを一緒にやっていこうと、いろいろ検討、打ち合わせをおこなっています。

4番目は先ほど申し上げたソリューション事業の推進でございます。

2016〜2018年度中期経営計画 3ヵ年目標【連結】

2015年度、前期2016年度実績、2017年、2018年と、こういった予定を立てております。

2015年、2016年度、これはスクロールの単体で苦戦をしながら体質改善をした2年間でございます。2015年度の経常利益21億というのは、豆腐の盛田屋のインバウンド、玉の輿のブレイクが大きな原因であります。

配当政策、株主優待制度は従来と変わっておりませんで、今期も年間配当10円という予定でございます。

29ページからスクロールグループ全体のプレゼンテーション資料をつけておきましたので見ていただきたいと。先ほど私がお話をした話の詳細がこのページにございます。

30ページにはスクロールの沿革。

31ページには事業会社。

32ページにはビジネスモデルおよびそれぞれの会社のフォーメーションが記載してございます。

そのあと、それぞれの事業会社の詳細、商材等も記載ございますので、後ほどまた見ていただければ幸いであります。

以上、私の方から全体のご説明をさせていただきました。