日本郵政グループ 決算の概要

風祭亮氏(以下、風祭):日本郵政、IR室の風祭でございます。よろしくお願いいたします。表紙を1枚おめくりください。1ページ目をご覧いただきますとグループ全体の数値が記載されております。

左側の太い囲みに記載されておりますのが、グループ全体の連結の数値になります。売上に該当します経常収益は、日本郵便はトール社を連結したことによる影響が大きく、また金融窓口事業が好調を維持していることもあり、増収となっております。

一方、金融2社につきましては、厳しい金融環境下で国債利息収入が減少していること、保有契約を含む保険契約の全体の減少により、それぞれ減収となっています。この影響により、グループ全体では前年同期比8,134億円減少、7.5パーセント減少の9兆9,895億円となっております。

経常利益は5,809億円となりまして、前年同期比2,035億円マイナスの25.9パーセントの減益でございます。

日本郵便は例年の傾向のとおり、276億円の赤字から黒字に転じたものの、年賀の減少などにより減益。金融2社につきましては、中間までの傾向と変わらず減収減益となっております。

四半期純利益は2,966億円、前年同期比864億円の減益、22.6パーセントの減となっております。経常利益の減少幅から縮まっておりますのは、かんぽ生命における価格変動準備金繰入額と契約者配当準備金繰入額が大きく減少していることが主な要因でございます。

減益の要因につきましては、現状の金融環境によるところと、金融2社の上場による非支配株主持分の流出、トール社の業績低迷などグループの課題が浮き出されたものであり厳しい数値であると認識しております。

しかしながら、通期見通しの当期純利益の進捗率では、グループ連結で92.7パーセントとなっており、金融2社につきましてもゆうちょ銀行が74.3パーセント、かんぽ生命が79.1パーセントとほぼ計画通りに進捗しております。

なお、日本郵便は257.2パーセントと上振れておりますが、年賀はがき販売の年間に占める収益ウェイトが高いことなどから、4Qに下がる傾向にあることやトール社の厳しい状況が続くと想定されることから、油断を許さない状況であると認識しております。

したがいまして、今回通期見通し変更はございません。

グループ会社関係図

次のページへお進みください。2ページはグループ会社関係図でございます。

子会社、関連会社の構成とその他を含めた6つのセグメントの関係についてご理解いただけるように記載しております。6つのセグメントのうち3つが日本郵便の事業でございまして、国内・国際の郵便業務や宅配便などの運送業務を行っております郵便・物流事業。

郵便局ネットワークを通じた郵便貯金保険の窓口業務や物販・不動産といった業務を行っております金融窓口事業。トール社の事業でございます国際物流事業にそれぞれ括られております。

ゆうちょ銀行、かんぽ生命はそれぞれ銀行業、生命保険業として括られております。

当第3四半期決算における連結の範囲でございますが、トール社および同社傘下の子会社を含めまして、当社連結子会社274社および持分法適用関連子会社24社、合わせて299社となっております。

日本郵便(連結)/郵便・物流事業 取扱物数の推移

それでは次の3ページから日本郵便の決算の概要についてご説明してまいります。

郵便・物流セグメントからご説明いたしますが、まずは収益に直結する郵便物等の取扱物数の推移についてご説明いたします。

一番右が当第3四半期でございまして、下の赤い長い帯の部分が郵便物、その上がゆうメール、一番上がゆうパックとなっております。

総取扱物数は前年同期比0.6パーセントの微減となっております。そのうち、郵便物につきましては、昨年度マイナンバー通知カードの差出等の影響を含めても1.5パーセントの減少にとどまっております。

ゆうパック、ゆうメールにつきましては、厳しい競争下で伸び率は低下しておりますが、中小口営業活動の強化により、引き続き増加基調を維持しております。

郵便・物流事業 決算の概要

次の4ページにお進みください。こちらでは郵便・物流セグメントの簡単な損益計算書を記載しております。

営業収益は1兆4,480億円となりまして、前年同期比49億円の減収となっております。料金割引の見直しなどにより郵便の取扱収入が増加や、ゆうパック、ゆうメールの増加続いてるといった増加要因がございましたが、昨年度はマイナンバー関連郵便物の差出がございました。

右側の吹き出しに特殊取扱の取扱収入の減少と記載しているものでございますが、この影響と年賀や国際郵便が減少したことなどにより減収となっております。

営業費用でございますが、人件費が年金制度の変更に伴う法廷複利費の料率上昇、期間雇用社員の賃金単価の上昇などにより、前年同期比43億円増加しております。

経費が集配運送委託費や燃料費の減少などにより、62億円減少しておりますが、合計では19億円の減少にとどまり、収益の減少分を補うまでにはいたりませんでした。

この結果、営業利益は21億円となり中間期の赤字マイナス429億円から黒字に転換はしたものの、前年同期から29億円の減益となっております。

以上が郵便・物流事業の決算の概要です。

日本郵便(連結)/金融窓口事業 収益構造の推移

それでは5ページにお進みください。金融窓口事業のセグメントの決算の概要について記載しております。

まずは収益構造の推移でございます。金融窓口事業はそれぞれの事業から手数料を頂戴し、なおかつ物販事業、不動産事業、提携金融事業といった独自の事業を営んでおります。

一番右のところをご覧いただきますと赤色の郵便手数料、これは日本郵便の内部取引として消去される部分でございますが、こちらを除き、保険手数料、銀行手数料、その他収益のいずれも前年同期比で増加しております。

その中で、とくに青色の保険手数料が前年同期比148億円と大きく増加しております。これは簡易生命保険誕生100周年記念キャンペーンなどを通じまして、7月までの営業推進が好調であったことにより新契約手数料が増加しておりますことと、払込先口座登録などの増加に伴い、維持・集金手数料が増加しているためでございます。

緑色の銀行手数料につきましては、ほぼ前年同期なみですが、顧客基盤の確保に向けた集中対策への取り組みなどもありまして、若干増加しております。16億円の増でございます。

一番上、黄色のその他の収益は物販事業、不動産事業、提携金融事業による収益でございますが、こちらも着実に増加しております。

金融窓口事業 決算の概要

それでは次の6ページにお進みください。こちらでは金融窓口事業セグメントの簡単な損益計算書を記載しております。

営業収益は1兆493億円となりまして前年同期比226億円の増益となっております。先ほど5ページでご説明したようにかんぽ生命と連携した営業施策を展開し、新規契約数の増加につながったことなどで保険手数料が増加しております。

また、その他の事業が順調に拡大しております。右の吹き出しに内訳を記載しておりますとおり、物販事業がカタログ販売や郵便での店頭販売が好調で37億円の増加、提携金融事業ががん保険の取扱局 の拡大等により、28億円の増加とそれぞれ増収となっております。

不動産事業がマイナス1億円の減少となっておりますが、これは前期マンション分譲を行い、販売主収入の計上があったことの影響がございまして、賃貸の方はJPタワー名古屋や博多駅前のビルの開業などにより順調に伸びております。

営業費用でございますが、かんぽの営業に力を入れた分、営業手当が増加していることと、年金制度の変更などに伴う、料率上昇による法廷複利費が増加していることなどにより人件費が前年同期比で74億円増加しております。

経費につきましても、物販事業の拡大に伴う原価の膨らみや事業税外形標準課税の増加などにより、前年同期比で65億円増加しており、合計では139億円増加の1兆38億円となりました。

この結果、営業利益は前年同期から86億円増加の454億円と現時点では計画を上回り好調を維持しております。

以上が金融窓口事業の決算の概要です。

日本郵便(連結)/国際物流事業 決算の概要

それでは7ページにお進みください。国際物流セグメント、トール社の概況でございます。

トール社の損益につきましては、昨年7月からグループの連結に取り込んでおりますので、左下に記載しております簡単な損益計算書での前年同期の数値は、7〜12月の6ヶ月間の数値となっており、それとの増減を記載しております。

また、業績の推移をみるために、前期と同じ期間、グループ子会社化前の期間を含む9ヶ月間、4月〜12月までの数値との比較を右側の参考として記載しており、表の横に記載してある棒グラフにつきましてもこの期間での数値の推移をお示ししております。

前期9ヶ月間との比較で申し上げますと、営業収益は括弧付きの円換算の数値で前年同期1,027億円減少の4,791億円。営業利益はコスト削減に取り組んだものの、前年同期163億円減少の66億円となっております。

オーストラリア経済の状況でございますが、資源関連分野での景気回復が遅れておりまして、国内ネットワーク部門での利用減少、国際海上・航空輸送需要の低迷が続いております。

また、都市部においては価格競争が一段と激しくなっております。

こうした状況のなかトール社は新規契約の獲得と生産性向上に向けた、各種施策の展開などを継続して実施しており、少しずつ成果も出てきております。

今後、鉄鉱石など工業生産が活発になった場合はプラスの影響を受けると考えておりますが、外部環境に関わらずこれまで進めてきたコスト削減の取り組みに加え、ネットワークの見直し、外部輸送委託拡大などにも取り組んでいるところでございます。

厳しい状況が続いておりますが、新たな経営陣のもと構造改革、業績改善に注力してまいります。

日本郵便(連結)決算の概要(まとめ)

8ページでございます。日本郵便決算のまとめでございます。

日本郵便連結の営業収益はトール社の損益を昨年4月から連結に取り込んでいるためん、当期の数値が前期より3ヶ月分多くなっております。大半がこの影響でございますが、金融窓口事業の収益拡大の貢献もございまして、前年同期比1,123億円増加の2兆8,266億円となりました。

営業費用につきましては、生産性向上や経費削減に取り組んでおりますが、人件費増加や事業税外形標準課税の税率引き上げなどの影響により増加しております。

また、注意書きで記載しておりますしておりますとおり、日本郵便連結の数値にはトール社の連結にかかるのれんの償却額等159億円が含まれております。これにより前年同期比で1,166億円増加の2兆7,931億円となっております。

この結果、営業利益42億円減少の335億円、経常利益は93億円減少の320億円となりました。なお、営業費用と経常費用の差分はトール社での借り換えに伴う、支払利息30億円を営業外費用に計上してある影響でございます。

税引前四半期純利益は364億円で前年同期比186億円減少、四半期純利益は308億円、前年同期比178億円減少となりました。なお、経常利益と税引前四半期純利益の差分は、前期子会社の日本郵便輸送で有価証券売却益を計上しているためでございます。

以上のように日本郵便は減益となっており、国際物流事業が厳しい状況となっております。しかしながら金融窓口事業は損益が想定を上回っており、日本郵便全体としては通期見通しに対して、おおむね順調に推移していると認識しております。

第4四半期においても、とくに国際物流事業は厳しい状況が続くと想定されますが、通期見通し達成のため、引き続きコストコントロールにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

以上でございます。