2017期3月期 第3四半期(累計)決算の概要

野村眞氏(以下、野村):りそなの野村でございます。今日は、たいへん遅い時間にもかかわらず、りそなのテレフォンカンファレンスにご参加賜りまして、まことにありがとうございます。

本日使用いたします資料は、「2017年3月期第3四半期決算ハイライト」横長の12ページものでございます。ページにしたがって、早速ご説明を開始したいと思います。

それでは、1ページ目でございますが、りそなの第3四半期累計決算の概要につきまして、簡単に触れさせていただきます。今期の決算につきましては、非常に厳しい環境でございまして、1,298億円という最終利益。これは、進捗率で76.3パーセントと、ほぼ前年並の基準で推移いたしました。

大きな要因につきまして括りますと、実業務純益につきましては、前同比マイナス321億円、与信費用の改善がプラス386億円。

そして、退職給付債務の未認識数理計算上の差異の償却、これはガイダンスに織り込んでいるラップ(注:顧客の資産運用や管理、投資アドバイスなどのサービスを提供する口座)でございますけれども、前年比マイナス115億円ということであります。

実質業務純益のところ業務粗利益で、内訳で見てみますと、国内預貸金利益、こちらにつきましては、前同比でマイナス179億円、計画比でマイナス5億円という、これは、いわばインラインの状況ということであります。

一方で、フィー(注:金融関連サービスに対する対価として手数料を取り立てる業務の総称)収益につきましては、前同比マイナス63億円、計画比ではマイナス37億円ということで、後ほどご説明いたしますが、やや金融商品販売の立ち直りが遅れていると。

一方で、不動産、法人ソリューション、その他関連フィー収益につきましては、順調に推移をしているということであります。

また、債権関係損益につきましては、前同比マイナス59億円ということでございまして、こちらにつきましては、(7)のところでございますが、第2クオーターまではプラス150億円で推移したところ、相場の変動がございまして、半クオーター単体ではマイナス24億円ということでございます。

また、財務基盤、健全性につきましては、こうした相場変動の中ということもございますが、引き続き、しっかりとした健全性を維持しているということでございます。

損益内訳

それでは、2ページ目は後ほどご覧いただきます。今の概要のところが、中間決算から連結ベースで記させていただいておりますので、銀行合算等、あるいは、連単差の内訳につきましては、2ページ目を後ほどご参照いただきたいと思います。

期間損益の前年同期比増減要因

3ページ目、こちらに書いてある通りではございますが、若干補足させていただきます。左から4番目、フィー収益につきましては、こちらに書いてある要因に加えまして、法人ソリューション収益がプラス7ということでございます。

また、株式関係損益(先物込)、これは左から7番目でございますが、プラスの前同比で21億円ということでございますけれども、簡単に内訳を申し上げますと、政策投資株式が実績値でプラス55億、前同比でマイナス26億円と、純投資オペレーションにつきましてはマイナス41億円、前同比でプラス47億円、ということを付け加えさせていただきます。

貸出金・預金の平残・利回り

それでは、4ページ目の貸出金・預金の平及び利回りにつきまして、補足説明をさせていただきます。左側の表(2)平残につきましては、前同比でプラス1.36パーセントということでございます。

また、利回りにつきましては、(3)マイナス13ベーシスポイントということで、要素別の内訳を申し上げますと、分析を申し上げますと、TIBOR(注:Tokyo Interbank Offered Rateの略。東京の銀行間取引金利のこと)の低下要因がマイナス3.3ベーシスポイント、住宅ローンの金利低下要因がマイナス5.4ベーシスポイント、一般貸等のスプレッド低下要因がマイナス4.5ベーシスポイントというふうに分析をいたしております。

また、(12)利回り差につきましてはマイナス11ベーシスポイントということでございます。その他、コーポレート、コンシューマーの区分等を示してございますが、第4クオーターというのが非常にかんばりどころではございますけれども、現状のところ、平残、そして利回りもガイダンスのインラインで進んでいるという認識をいたしております。

貸出金・預金未残

5ページ目にお進みください。こちらは、末残ベースの数字をお載せしております。第2クオーターの傾向が継続をいたしておりますが、左側、貸出金の末残につきましては、その他大企業等につきましては、前同比で減少地合いでございます。

一方で、中小企業につきましては、しっかりとした残高の積み上がりを示しています。

また、コンシューマー部門、とくに自己居住用住宅ローンを主体といたしまして、末残ベースでプラス2.5パーセントという状況でございます。

また、右側が預金の末残でございますが、前同比でプラス7.3パーセントということであります。

その他、いわゆる公共法人等がプラス27.5パーセント。また、法人様がプラス14.8パーセントという状況でありますが、やはり証券等で運用されていた与信運用資金の流入残高が積み上がっているという状況でございます。また、個人につきましては、着実な残高の伸びが継続しているという状況であります。

住宅ローンビジネス

6ページ目にお進みいただきたいと思います。住宅ローンの実行額でございます。全体的に申し上げますと、今年度につきましては、第3クオーターまでの累計として、過去最高レベルで実行額そのものは推移をしているという状況ではないかと思います。

簡単に、この自己居住用住宅ローン、こちらの区分につきまして補足をさせていただきますと、新規実行につきましては、クオーターごとにおおよそ1,600億円ペースで、同じような数字で推移をしていると。

一方で借り換えにつきましては、若干減速をしておりますが、ペースとしてはまずまずのペースで推移をしていると、こういう状況かと思います。

とくに借り換えのところのクロスセールスといたしましては、金利0.3パーセント上乗せの残債確認のセット率が着実に上昇中ということで、借り換えの新商品をもって臨んだことで、新たなお客さまのご意向、あるいはご指向が理解できてきたということが、非常に前進だったというふうに思ってございます。

住宅ローンの末残につきましては、右のとおりでございまして、アパートマンションローン、厳正な審査のなかで若干の減少をしておりますが、ほぼほぼ計画通りの推移と言えると思います。

フィー収益の推移

7ページにお進みいただきたいと思います。フィー収益の推移でございます。

真ん中のフィー収益でございますが、投信、あるいは保険、こうしたものが相場は回復したということでございますが、とくに投信につきましては、回復局面では過去と同様、お客さまがポジションのリバランス(注:ポートフォリオ運用における、資産の再配分)先行ということでございまして。

本格的な、待機資金は多くございますけれども、まだ本格的な動きには至っていないと。これが第4クオーターの課題でございまして、今後一層ファンドラップ等、2月から開始いたしますので、我々の強みであるこの分野に注力していきたいということでございます。

また、補足させていただきますと、その他のところには、いわゆる住宅ローンの役務収益とういものが内包しておりまして、こちらが前年比プラス50億円のファクターになっているという状況でございます。

資産形成サポートビジネス

8ページ目にお進みください。資産形成サポートビジネスということで、ただいま申し上げましたとおり、右上の第3クオーターの増減要因を見ますと、いわゆる純流入額につきましてはマイナスの700億円、時価要因がプラスの1,200億円ということでございます。

当社の今後のビジネスの進め方といたしましては、販売あるいは解約という動きというよりも、投資アドバイス、あるいはライフのプランニングに応じた最適な運用のアロケーションをご相談申し上げるというスタイルに変更してまいりますので、左下の投資信託のグラフで見ますと、いわゆる信託報酬部分の積み上げというのを加速していきたいと考えております。

保険につきましては、第3クオーターの時点ではまだ超長期金利等の上昇による商品ラインナップの強化というのがまだ道半ばでございまして、今後こうした取り組みを強化をしていきたいということでございます。

与信費用、不良債権

9ページ目にお進みいただきたいと思います。クレジットコストでございます。この第3クオーター累計の連結ベースでのクレジットコストは216億円の戻り益ということでございます。

また銀行合算ベースでも184億円の累計ベースの戻り益という状況でございます。

1つは新規発生のところは引き続き少ないという状況がございますし、また想定以上に回収・上方遷移等、(6)でございますけれども、こちらが積み上がってきているということでございます。

どうしてりそなはこの(6)が多いのかということをよく聞かれますけれども、少し中身を分析しますと、このなかの大体40億円ぐらいがお客さまの財務改善による格付けの改善というようなイメージを持っております。

また、それ以外の部分につきましては、長年注力してまいりましたお客さまの再生、あるいは再成長、そういったものに対する真摯なサポートの取り組みがこうした問題解決につながって、クレジットコストに反映させれているというふうに分析をしているところでございます。

また、年間の計画といたしましては、55億円の費用ということで、ガイダンス上置かせていただいておりますが、先行する第4クオーターにとくに大きな懸念材料というのは今のところ存在していないという状況かと思います。

有価証券

それでは10ページ目をご覧ください。有価証券の状況でございます。簡単に補足をさせていただきます。

債権の左側の図の(3)、債権につきましては、評価差額がマイナスの11億円ということで、第2クオーターに比べまして、77億円の悪化という状況であります。

また、その他(8)につきましては第2クオーターに比べて50億円のマイナスの拡大ということでございますが、少し内訳を見てみますと、外国証券のうちの外債オペレーションの部分につきましてはマイナスの141億円、ETF等(上場投資信託)の株式純投資の部分につきましてはプラスの49億円という状況かと思います。

こうしたいわゆるOCI(日本銀行国際商品指数)ベースでの運用の管理につきましては、引き続き厳正かつ適確な財務ポジションの維持ということに注力をしてまいりたいと考えております。

また(5)、デュレーションにつきましては、7.9年、ちなみに外債のデュレーションについては8~9年程度というコントロールをしてございます。いずれに対しましても、こちらにつきましては、残高との相関のなかで、(6)センシティビティをベースといたしまして、引き続きしっかりとしたリスク管理をしていくという考え方でございます。

10ページ目右上、政策保有株式につきましては、12月期累計の売却額が29億円、売却益47億円ということで、今後5年間で350億円程度の取得原価ベースでの削減、こうした計画に沿った動きを続けてまいりたいと考えております。

事業部門別の損益概要

11ページ目をお開けいただきたいと思います。事業部門別の損益概要、あるいはこの次のページに部門別の状況も細かく載せさせていただいております。

補足的に申し上げますと、12ページ目のところ、マイナス金利の推移というなかで、各部門とも預金スプレッドというところが部門収益に影響しているということでございます。この点を見ながらまたいろいろと資源配分について検討していくということでございます。

最後になりますが、昨日1月30日付でお示しさせていただきました、AFCマーチャント・バンクの子会社化に関するお知らせ、こちらを後ほどご覧いただきたいと思いますが、ポイントにつきまして、私から何点か申し上げます。

このAFCマーチャント・バンクと申しますのは、シンガポール共和国におけるマーチャント・バンクライセンスに基づく、業歴35年の金融機関でございます。資産規模は70億円程度ということでございます。

まずは、財務上は預金、為替業務を子会社化のあとも行わないということで、当社グループは国内基準行を続ける予定ということでございます。

また、こうした子会社化の具体的な目的でございますけれども、私どもは現状の国際戦略のなかで、中小企業さまの海外進出、あるいは貸出というサポート業務に注力してまいりましたけれども。

1つは海外進出支援業務につきましては、より一層ASEANにおいて具体的な市場調査、販路開拓、合弁先の選定、あるいは最近ニーズが高まっております現地でのM&A仲介業務、コンサルティング業務。こうしたものを私どもの人員とともに、一生懸命、より一層深いサポートをしていくということが1つの目的です。

2つ目の目的といたしましては、貸出業務、「りそなは海外の日系のお客様に対してどうしてるんだ」ということになりますと、1つは提携銀行との関係において、スタンドバイ・クレジットに基づくご融資を実施しております。

また、クロスボーダーローンも実施しておりますけれども、これに加えまして、シンガポールのAFC社から、円、米ドル、そしてシンガポール等の通貨ツールによる直接融資、こうしたものが加わることで、お客さまの資金需要に対するご期待が高いものだということで、このへんを直接融資というかたちをもって強化をしていきたいということであります。

まだ買収の手続きがすべて完了しておりませんので、具体的な今後の戦略、あるいは成長、こうしたものについては後日またご案内させていただきますけれども、我々のASEANを主体とした国際戦略として、今後成長させていくことが課題だと思っておりますので、一言付け加えさせていただきました。

簡単ではございますが、ご説明は以上とさせていただきます。