2017年3月期 第2四半期 決算説明会
西口彰人氏:日本郵政株式会社のIR室長の西口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。グループ連結の当中間期の決算の概要につきまして、ご説明させていただきます。
1ページにはグループ全体の数値が記載されております。左側の太い囲みで記載しておりますのが、グループ全体の連結の数値になります。
売上に該当する経常収益でございますが、日本郵便は、トール社を連結したことによる影響に加え、郵便物流事業、金融窓口事業、ともに収益の拡大傾向が続いておりまして、全体で増収となっています。
一方、金融2社につきましては、マイナス金利をはじめとする歴史的な超低金利が長期間にわたって継続しているため、国債の利息収入が減収していること、また、旧契約を含む保険契約全体の減少が底を打つにいたっていないことなどにより、それぞれ減収となっております。
この影響により、グループ全体では、残念ながら、前中間期比4,772億円減少の6兆5,577億円となっています。経常利益は3,032億円となっており、前年同期比1,701億円の減益であります。
日本郵便は、例年の傾向でありますが、赤字となっておりまして、金融2社につきましては、残念ながら減収減益となっております。
中間純利益は1,497億円。前中間期比637億円の減益となっております。これは現状の金融環境による金融2社の減益と、金融2社の上場による非支配株主持分212億円の流出、加えて、資源関連分野での景気回復が遅れている状況を受けてのトール社の業績が停滞しているといったことが主な要因です。
なお、経常利益の減少幅から純利益の減少幅が縮まっておりますのは、かんぽ生命において、前期では価格変動準備金の繰入額を計上したのに対し、当期では価格変動準備金戻入額を計上したこと、また契約者配当準備金繰入額が減少したことなどが主な要因でございます。
以上のように非常に厳しい結果でありますが、通期見通しの当期純利益に対する進捗率では、グループ連結で46.8パーセント、ゆうちょ銀行が50.3パーセント、かんぽ生命が49.4パーセントと、順調に推移しています。
日本郵便につきましても、赤字ではありますが、年賀はがきの販売等の影響により、下半期の収益ウェイトが高いという特徴がありまして、日本郵便全体では上期として想定どおりの進捗と考えているところであります。
2ページはグループ会社の関係図であります。これは前期とも大きくは変わってございませんので、詳しい説明は省かせていただきます。
郵便・物流事業 取扱物数の推移
次の3ページから、日本郵便の決算の概要につきまして、郵便・物流セグメントから順に説明させていただきます。
ここは収益に直結する郵便等の取扱物数の推移について、過去5年分の推移を掲載してございます。
一番右が当中間期でありまして、下の一番赤い帯のところが郵便物、その上がゆうメール、一番上の薄いところがゆうパックとなっています。
総取扱物数はほぼ前中間期並み、0.2パーセントの増加で推移しています。このうち郵便物は0.3パーセントの減少となっています。
このように小幅な減少で留まっている原因は、7月に参議院選挙が行われた影響などもあり、第一種郵便物の取扱いが増加しているといった点があげられます。
また、ゆうパック、ゆうメールにつきまして、伸び率は鈍化していますが、引き続き増加基調を維持しております。
とくにゆうパックにつきましては、同業他社の運賃改定による弊社への流入効果が一巡し、厳しい環境下で伸び率が低下しておりますが、eコマース市場の拡大を背景にした、宅配便市場の成長が続いていますので、需要を取り込み、増加基調を維持していきたいと考えています。
郵便・物流事業 決算の概要
次に4ページにお進みください。こちらで郵便物流事業セグメントの簡単な損益計算書を記載しています。
営業収益は8,845億円で、前中間期比140億円の増収となっています。郵便の料金割引の見直しなどによる、郵便物の取扱収入の増加のほか、ゆうパック・ゆうメールが引き続き増加していることが増収の要因であります。
営業費用につきましては、収益の増加に合わせて増加しておりますが、人件費につきまして、年金制度の変更、これは共済年金制度が厚生年金制度に一元化されることに伴い、法定福利費の料率が上昇していることや、期間雇用社員の賃金単価が上昇しているといったことで、前中間期比で129億円増加しています。
一方、経費のほうは、事業税の外形標準課税の税率引上げなどの影響の増加要因があるなかでも、生産性向上と経費節減に取り組み、さらには円高・原油安の影響もあって、前中間期比で8億円の減少としております。
合計では前中間期比121億円増加の9,275億円でありました。結果、営業損益は、前中間期から19億円改善はしておりますが、トータルで429億円の赤字となっています。
なお、郵便物流事業は、先ほども申しあげましたとおり、下期に収益のウェイトが高いということもございますので、この数字は想定の範囲内ものでございます。
金融窓口事業 収益構造の推移
5ページからは、金融窓口事業セグメントの決算の概要について記載しています。
まず収益構造の推移です。一番右のところをご覧いただきますと、赤色の「郵便手数料」、これは日本郵便の内部取引として消去される部分でありますが、これらを除き、保険手数料・銀行手数料・その他収益、いずれも前中間期比で増加しています。
そのなかで、とくに青色の「保険手数料」が、前中間期比112億円と、大きく増加しています。これは「簡易生命保険誕生100周年記念キャンペーン」などを通じて営業推進を強化したことにより、7月までの営業推進が好調であり、新契約手数料が増加したためであります。
緑色の「銀行手数料」につきましては、若干9億円の増加と、ほぼ前中間期並みです。
一番上の黄色の部分は、「その他の収益」ということで、物販、不動産、提携金融といった独自の事業による収益で、こちらも着実に増加しております。
金融窓口事業 決算の概要
次に6ページへお進みください。ここでは金融窓口事業セグメントの簡単な損益計算書を記載しています。
営業収益は6,861億円となり、前年同期比161億円の増収です。
先ほどご説明したように、かんぽと連携した営業施策の推進で、保険の新契約数の増加につながったことで、保険手数料が増加しております。
また、その他の事業も順調に拡大しておりまして、右の吹き出しに内訳を記載しておりますとおり、物販事業が38億円の増加、提携金融事業ががん保険の取扱局の拡大により21億円の増加と、それぞれ増収となっております。
一方で、不動産事業が20億円減少しておりますが、これは、前期、マンション分譲による収益計上があり、その反動による減少でありまして、この影響を除けば、JPタワー名古屋や博多駅前のビルなども貢献もあって、増収となっています。
もちろん営業費用も増加しておりますが、第1四半期で営業収益の伸びを上回って増加した費用の伸びといった状況からは改善しており、営業収益の伸びの範囲内に営業費用の伸びも収まりました。
人件費につきましては、かんぽの営業に力を入れた分、営業手当が増加していること、また郵便物セグメントと同様、年金制度の変更に伴う法定福利費の増加といった点がありまして、前中間比で81億円増加しています。
経費につきましても、物販事業の拡大に伴う原価の膨らみや、事業税の外形標準課税の税率引上げなどで、前中間期比で59億円の増加となっています。
合計で、前中間期比140億円増加の6,613億円でした。
以上の結果、営業利益は、前同期から20億円増加の247億円と堅調に推移しております。以上が金融窓口事業です。
国際物流事業 決算の概要
7ページは国際物流事業、トール社の状況でございます。
トール社の損益につきましては、昨年7月からグループの連結に取り込んでおりますので、左下の記載しております、簡単な損益計算書での前中間期の数字は、7〜9月の3ヶ月間の数値となっており、それとの増減を記載しております。
ただ、右側に参考として、グループ子会社化前の期間を含む6ヶ月間、4〜9月の分の数値と、それとの増減についても記載しています。
また、表中の数字については、上段が100万豪ドル。下段のカッコつきが円換算の億円単位となっています。
前期6ヶ月間との数値の比較で言いますが、営業収益は、残念ながら、前中間期比816億円減少の3,086億円となっており、コスト削減にも努めて営業費用も726億円減少させましたが、EBITベースでの営業利益は前中間期比86億円減少の54億円と、減収減益となっています。
豪州経済におきましては、資源関連分野での景気回復が遅れているため、とくに国内ネットワーク部門での利用減少や国際海上航空輸送需要の低迷、さらには都市部における価格競争の激化といった状況が続いてございます。以上がトール社の状況でございます。
日本郵便(連結)決算概要まとめ
続いて8ページで、日本郵便の中間期決算のまとめを記載してございます。
日本郵便連結の営業収益は、トール社の損益を昨年7月から連結に取り込んでいるため、当期の数値が前期より3ヶ月分多くなることに加え、郵便物流事業、金融窓口事業とも収益拡大し、対前中間期比1,462億円の増収、1兆7,852億円となっております。
営業費用につきましては、人件費の増加や事業税の外形標準課税の税率引上げなどの影響により、これも増加しております。
また、注意書きで記載しておりますけれども、日本郵便連結の経費、セグメントではありませんが、トール社の連結に関わるのれんの償却費を約105億円計上しております。
これにより、営業費用は1兆8,122億円の、前中間期比1,489億円の増加となっています。
結果、営業損益は、郵便物流事業の赤字により、前中間期比27億円赤字が増加し270億円の赤字。経常損益は58億円減少の276億円の損失となりました。
なお、営業損益と経常損益の差分は、トール社での社債の借換え、私募債の期限前償還に伴う支払利息の計上により、営業外費用が増加したことによるものです。
また、税引前中間純利益は228億円の損失、中間純利益は287億円の損失となっております。
なお、経常損益と税引前中間純利益の差分は、前期は日本郵便子会社の日本郵便輸送で有価証券売却益の計上があって、その反動によるものです。
また、税引前中間純利益と中間純利益との差分は、前期は、これ、所得拡大促進税制で法人税の戻りを受けておりまして、その反動によるものです。
以上のように、日本郵便連結は赤字となっておりますけれども、日本郵便全体としましては、上半期として通期見通しに対して想定どおりの進捗と考えております。
下期については、通期見通しの達成に向けて、成長分野における取り組みの強化などによる収益の改善や、業務組織の見直しによるコストの抑制・削減に取り組んでまいりたいと考えております。
日本郵便は以上でございます。次のページからは、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の決算の概要の資料でございますが、先ほど両者から説明をしておりますので、ここでは割愛させていただきます。
グループ連結の中間期決算の説明は以上でございます。