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米中間選挙で民主党が上下両院を奪回へ、AI関連株の売りと医療・電力の論点

11月3日に投開票された米国の中間選挙を受け、米ABCなど主要メディアは、野党・民主党が上下両院の多数派を奪回すると報じました。ちなみに「中間選挙」は大統領任期の折り返しに行われ、下院全議席と上院のおよそ3分の1が改選されます。選挙前には、トランプ大統領が共和党による上下両院の多数派維持を条件に、米国の成人全員への5,000ドル支給を表明したことも話題になりました。また、米国初のイスラム教徒の連邦上院議員となる候補や、米国初の黒人女性知事となる候補が当選するなど、歴史的な結果もみられましたね。

さて、民主党の一部議員は、電気料金や環境への影響などを問題視し、2026年3月にAIデータセンターの新設や増強を一時停止する法案を提出しています。規制によって設備投資のペースが鈍れば、半導体などの需要にも影響しかねません。実際、4日・5日の東京市場では、AIやデータセンターへの規制が強まるとの警戒感から、半導体・AI関連株に売りが広がりました。5日の米国市場で主要株価指数が大幅に下落した流れを受け、6日の東京市場でもさらに売りが広がりました。日経平均株価は前日比3,643.13円安の57,434.77円と、6万円の大台を一気に割り込みました。終値ベースの下落幅は歴代3番目となり、採用225銘柄のうち222銘柄が下落するなど、ほぼ全面安の展開となりました。ただし、法案は成立済みの規制ではありませんし、議会の勢力図が変わって運営が難しくなっても、大統領の拒否権などがあり、政策がそのまま実現するとは限らない点は冷静に押さえておきたいところです。

一方、電力の安定供給は、どちらの党が議会の主導権を握ろうとも、経済・国防・AI推進、あらゆる面で重要です。トランプ政権も、データセンターに必要な電源や関連設備の費用を企業側が負担し、消費者の電気料金上昇を抑える取り組みを進めています。また、民主党の政策を別の方向から見ると、ヘルスケアにも注目できます。同党は、低所得者向け医療保険「メディケイド」の削減見直しや、医療保険制度改革法(ACA)に基づく保険料補助のうち、2025年末に失効した拡充分の復活を求めています。こうした施策に絡んで、検査や治療を支える企業には追い風が吹く可能性もあります(医療費の抑制は製品価格や医療機関の収入を圧迫する場合もあるので、そう単純な話でもないのですが)。こうした観点から、今回は米国で事業を展開するヘルスケアとエネルギー(電気・ガス)関連の4社を紹介します。このほかにも関連銘柄は多くありますので、ぜひ調べてみてください。

朝日インテック(7747)、メディカル事業の米国売上高は約262億円、前期比13.6%増

1.朝日インテック(7747)

カテーテルを目的の部位へ導くガイドワイヤーなどを手がける医療機器メーカーです。身体への負担を抑える治療を支え、2026年6月期のメディカル事業の米国売上高は約262億円と、前期比13.6パーセント増加しました。米国で治療を受ける機会が広がる場合に、その需要を取り込む可能性があるでしょう。11月13日に2027年6月期第1四半期決算を発表予定なので、まずはその確認からですね。
▼朝日インテック(7747)の企業情報を見る▼ 朝日インテック株式会社 - ログミーファイナンス

シスメックス(6869)、2024年4月から米国で自社ブランドの血液凝固検査製品を販売

2.シスメックス(6869)

血液などを調べる検体検査の機器、試薬、サービスを提供しています。米国では2024年4月から、自社ブランドの血液凝固検査関連製品の販売を始めています。装置の販売後も、検査に伴う試薬の需要が生まれる点が特徴です。受診機会の確保が検査需要を支える可能性がある一方、医療機関の設備投資や各国の医療費抑制策にも目を配りたい企業です。11月10日に2027年3月期第2四半期決算を発表予定なので、まずはその確認からですね。
▼シスメックス(6869)の企業情報を見る▼ シスメックス株式会社 - ログミーファイナンス

大阪ガス(9532)、米国の火力発電所3カ所に出資、北米火力は減益見通しにも注意

3.大阪ガス(9532)

国内のガス・電力供給に加え、米国でも発電事業を展開する総合エネルギー企業です。2026年9月末時点で米国の火力発電所3カ所に出資しています。米国の電力供給力を支える事業を持つ点が、注目理由です。ただし、同社は2027年3月期の北米火力事業について減益を見込んでいます。需要増だけで判断せず、売電価格や燃料費、保有電源の入れ替えが利益に与える影響を見たいところです。
▼大阪ガス(9532)の最新記事を読む▼ 大阪ガス(9532)、長期契約LNGの競争力向上等により、タイムラグ影響を除く経常利益・当期純利益が増益

J-POWER(9513)、米国でガス火力3案件が稼働、テキサス州の太陽光は11月運転開始予定

4.J-POWER(9513)

国内外で発電事業を展開し、米国では2026年6月末時点でガス火力の3案件が稼働しています。テキサス州のチャージャー太陽光発電所は、10月30日公表の資料では9月末時点で建設中とされ、2026年11月の運転開始を予定しています。既存電源と新たな電源開発を通じ、米国の電力需要に対応する企業です。
▼J-POWER(9513)の企業情報を見る▼ 電源開発株式会社 - ログミーファイナンス

任期後半のトランプ大統領と民主党、医療・電力で接点を探る余地も

任期後半に入るトランプ大統領の今後の対応も見どころです。同氏も薬価や保険料の引き下げを掲げています。国民の生活費の軽減を通じた支持回復や、政策上の成果をレガシー、つまり政治的な功績として残すことを意識するなら、医療負担の軽減や電力の安定供給で民主党と接点を探る余地はあるでしょう。もちろん、最終的にどういった方向に向かうかはわかりませんが、両党の政策の行方やAI投資の採算が見極めにくいなかでは、主力のAI・半導体株が大きく水準を切り下げ、一見足元で「お買い得」に見えて拾っても、さらなる下落で火傷してしまうことにもなりかねません。そもそも今は決算シーズンということもありますし、目先は今回紹介したテーマの他、内需系の好業績株などに目を向けてみるのも戦略の1つですね。

執筆:RAKAN RICERCA株式会社
国内株式を中心とした投資関連のコンテンツ作成・情報配信、企業分析などを主な事業内容としている。日経CNBCなど各種メディアへの出演、『ダイヤモンドZAi』をはじめとしたマネー誌への寄稿も多数。


※記事内容、企業情報は2026年11月6日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。

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