logmi Finance
logmi Finance
クラサスケミカル株式会社(646A)

東証スタンダード

化学

企業情報

社名:クラサスケミカル株式会社
設立:2024年8月
事業内容:エチレン・プロピレン等の基礎石油化学製品の製造・販売/酢酸を主原料とした有機化学製品の製造・販売/合成樹脂製品の製造・販売等

登壇者名

クラサスケミカル株式会社 代表取締役社長 執行役員 福田浩嗣 氏
クラサスケミカル株式会社 取締役執行役員 経営管理本部長 橋田裕一 氏

会社概要

福田浩嗣氏(以下、福田):みなさま、こんにちは。代表取締役社長執行役員の福田です。本日はお忙しい中、また、足元の悪い中ご参集いただき、誠にありがとうございます。

まずは資料に基づき簡単にご説明し、その後みなさまからのご質問にお答えしたいと思います。よろしくお願いします。

当社に関する概要です。設立は2024年8月ですが、その源流は1969年6月に創業した旧昭和電工大分石油化学コンビナートです。連結従業員数は908名、売上高は3,039億円、事業内容は石油化学製品の製造・販売です。

主な事業内容

当社の主な事業内容です。当社のクラッカー(エチレンプラント)は国内第2位の生産能力を誇り、日本全体の生産能力の10パーセントを占める規模があります。また、九州地区で唯一のクラッカーとして、地域の経済基盤を支える存在となっています。

スライド下部に記載されている3つが、当社の主な製品群です。まず、オレフィン事業は売上高の約60パーセントを占めており、プラスチックなどの原料となるエチレンおよびプロピレンを生産・販売しています。

次に、有機化学品事業です。当社が「誘導品」と呼んでいる有機化学製品、具体的には生産されたエチレンやプロピレンを使用して作られる製品群です。売上高の約15パーセントを占めており、最終製品としては塗料やインキ、メガネレンズの原料など、さまざまな用途に使用されています。

3つ目は、スライドの一番右にある合成樹脂事業です。こちらは、売上高の約20パーセントを占めています。最終製品としては、自動車の部材や食品包装容器などに使用されるポリプロピレンが主要な製品です。

強固な事業基盤と安定的な収益構造

こちらのスライドでは、強固な事業基盤と安定的な収益構造を示しています。スライド下部をご覧ください。1つ目は「国内トップクラスのクラッカー競争力」です。当社は、世界上位25パーセント以内のエネルギー効率を有しています。

2つ目は、「誘導品群の高い競争優位性」です。日本および世界でシェアNo.1を誇る酢酸の誘導品を取りそろえています。

スライド一番右に記載した3つ目は「オペレーショナル・エクセレンス」として、12年間トラブルで停止したことがないエチレン設備のプラントです。これは、安全を最優先する当社の企業文化が基盤となっています。

これら3つの柱を基盤に、安定的な収益構造を築いています。具体的には10期連続で営業黒字を継続し、過去10期中9期でフリーキャッシュフローの黒字を達成しています。

業績動向、業績見通し

業績の見通しについてご説明します。石油化学業界では、ナフサ価格の変動や法律で定められた定期的な大型修理の実施により、一時的に損益へ影響を与えることがあります。当グループにおいては、今年が大型定期修理の年であったことや、中東の紛争により原料価格が大きく変動したことがありました。

しかしながら、そのような要因があったにもかかわらず、これまでに構築してきた堅実な事業基盤や、変動するナフサ価格を販売価格へ迅速に転嫁できたことが、成果に結びついたと考えています。

2026年12月期の予想については、スライドの右から2番目に記載のとおり、売上高は3,234億円、営業利益は30億円、経常利益は42億円を予想しています。2025年12月期と比べると多少の減少は見られますが、しっかりと黒字を確保できる見通しであると言えるかと思います。

キャピタルアロケーション、配当方針

次に、キャピタルアロケーションおよび配当方針についてご説明します。まずは、安定的な株主還元を優先し、設備の維持更新投資を通じて信頼性の向上を図ります。また、戦略投資や財務の健全性を勘案したキャピタルアロケーションを行う方針です。

株主還元については、DOE5パーセントを目標とする方針です。また、2026年12月期の期末配当は12円を予定しています。

2030年近傍までの成長戦略骨子

こちらは、2030年頃までの成長戦略についてご説明したスライドです。2030年頃までにROICを約6パーセントにまで拡大することを目指します。この6パーセント達成に向けて、次の3点を確実に実行します。

1つ目は、オペレーショナル・エクセレンスの深化による利益成長です。これには、クラッカーの定期修理期間を4年から6年に延長することなどが含まれています。

2つ目は、製品の高付加価値化および販売の拡大です。スペシャリティケミカルの用途への拡販や、ポリプロピレンの高付加価値グレードの開発・拡販などが主な施策となります。

3つ目は、新規収益源の創出です。すでに現在進行中ですが、技術ライセンスビジネスの拡大や、高利益率の新規誘導品の開発などが主な施策です。

カーボンニュートラル実現に向けた取り組み

カーボンニュートラルについてご説明します。まず、2035年の目標として、2020年比で30パーセントの削減を計画しています。この間、省エネ施策や低炭素燃料への転換を実施します。

また、2035年以降は脱炭素燃料への転換、CO2分離回収およびCCUの実装を進める計画です。この段階では非常に膨大な投資が必要となるため、複数企業との連携や国の制度支援の活用が重要になります。

さらに、スライド下部に記載されているように、バイオ原料やリサイクル原料の使用拡大、ならびにプラスチック製品の減容化や軽量化なども推進していきます。

多孔性金属錯体の特性を利用したCO2分離回収、化学品製造技術の開発

カーボンニュートラルに関わる取り組みの一例をご紹介します。こちらはみなさまの記憶にも新しいかと思いますが、昨年ノーベル化学賞を受賞された、京都大学の北川先生の研究開発です。

北川先生が取り組まれてきた多孔性金属錯体は、柔軟に構造を変化させてCO2を取り込む機能を持つものです。当社は長年、京都大学と共同研究を進めてきました。この技術が社会に実装されれば、カーボンニュートラルへの大きな貢献が可能になると考えています。

パーシャル・スピンオフについて

最後は、パーシャル・スピンオフについてです。当社はこのパーシャル・スピンオフを通じて、レゾナック・ホールディングスから独立した石油化学事業専業メーカーとして企業価値の向上を追求し、日本社会のインフラとして持続的な成長を目指していきます。

私からのご説明は以上です。

質疑応答:グリーン化と環境価値収益化の成長戦略について

質問者:こちらが1つのマイルストーンだと思いますが、これは終わりではなく、ここから新しい始まりとなります。今後の成長戦略について、2030年近傍までご説明いただきましたが、気になるのはその先の部分です。

御社がパーシャル・スピンオフした理由の1つは、10ページでも触れられている事業成長でグリーン化に向けた投資を進めていくということでした。

8ページに記載されている「環境配慮型製品の創出・拡大」は、環境価値の収益化に向けた取り組みとして進めていくと示されています。

このグリーン化については、社会からの要請によるコスト負担ではなく、あくまで御社が成長するための1つの取り組みとして実施するものであると理解しています。

現状、成長戦略の骨子において、このグリーン化や環境製品はまだ具体的な成長戦略には組み込まれていないようですが、これがいつ頃成長戦略として組み込まれていくのでしょうか? 今後の絵姿についてうかがいたいです。

福田:本件は、先ほどご紹介した北川先生との共同研究「多孔性金属錯体」が代表的な事例です。この件については現在、実装化を目指して研究開発を進めています。

ただし、実装化を実現し、収益性に貢献できる事業にするまでにはまだ時間がかかると見ています。したがって、この件は2035年以降を目処に収益化を図っていきたいと考えています。

橋田裕一氏(以下、橋田):取締役執行役員経営管理本部長の橋田です。私から補足します。成長投資は、グリーン化に向けたものだけを想定しているわけではなく、ビジネスの成長を主軸に考えています。

成長投資に関しては、2030年近傍まではグリーン化に伴うものではなく、本日ご説明したような既存事業の強化、高付加価値製品の拡販などを中心に進めていきます。

グリーン化については、社会実装に至るタイミングが2030年代前半以降になると考えています。それに向けてグリーン化のための施策を検討していますが、グリーン化に伴う投資が発生するとしても、主に2030年代以降になるでしょう。

また、成長戦略との関連では、成長戦略の中に組み込むグリーン化については「環境価値の収益化」というテーマを挙げています。こちらは、社会的に環境価値が認められる土壌や仕組みが定着することが前提となります。

その上で、価値を認める消費者をはじめとする方々が増える世界が実現して初めて収益化につながると考えています。時間軸としては、2030年代中頃以降になると想定しています。

質疑応答:環境価値の収益化に向けた他社との連携と業界再編について

質問者:先ほどの質問と関連して、他社との連携模索についておうかがいします。お話しいただいた環境価値の収益化について、市場を創出するためには連携が必要だと思います。御社としては横の連携だけでなく、垂直の連携、つまり誘導品を獲得し強化していく点でも必要かと思います。

ま

ここから先は会員登録(無料)で
お読みいただけます

または

※利用開始をもって利用規約とプライバシーポリシーに同意したとみなします。

会員登録がお済みの方はログインしてください

facebookxhatenaBookmark