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日東工業株式会社(6651)

東証プライム

電気機器

本日の内容

近藤徳弘氏(以下、近藤):本日スピーカーを務めます、日東工業株式会社執行役員経営管理本部長の近藤です。短い時間ですが、一人でも多くの方に当社について知っていただけるようお話しします。本日はどうぞよろしくお願いします。

本日は、スライドの目次に記載の内容をご説明します。

日東工業グループの変遷

イントロダクションとして、当社グループの変遷についてお話しします。こちらのスライドは、業績の推移から見た日東工業グループの歴史です。赤の棒グラフは日東工業単体の売上高、オレンジの棒グラフはグループ売上高を示しています。

2000年代の安定・成熟期を経て、現在はグループ会社を増やしつつ、グループ経営への転換を徐々に進めています。現在、連結売上高は約2,000億円、グループ会社数は30社を超える企業集団となっています。

直近の業績と今期計画

直近4年間の業績と今期の計画です。コロナ禍以降、企業の設備投資需要を追い風に、売上高と利益は順調に推移しています。今期2027年3月期は、売上高・営業利益ともに過去最高を計画しています。

会社概要

日東工業グループの中核を担う日東工業の会社概要です。当社は、電気および情報に関わる製品を製造・販売する電気機器メーカーです。1948年に設立し、まもなく創業80周年を迎えます。愛知県瀬戸市で設立した当社は、現在はその隣のジブリパークが所在する長久手市に本社を構えています。

会社概要

我々の製品は、みなさまの身近な場所、例えばご自宅やオフィス、工場など、社会のさまざまな場面で使用されています。電気と情報通信のインフラをサポートしています。

製品開発の歴史

日東工業の製品開発の変遷についてご紹介します。創業者の加藤陽一は、「戦後日本の復興に貢献でき、しかも将来性のある事業を」と考え、戦後の電気インフラに注目し、絶縁物である瀬戸物とプレス技術を応用した、ブレーカの前身であるカットアウトスイッチという機器を製造・販売し、後に、ブレーカや配電盤、キャビネットを製品化しました。

現在では、情報インフラ社会に必要なサーバーを収納するシステムラックや太陽光発電関連製品、電気自動車用充電スタンドなど、社会環境ニーズに合わせた製品を数多く販売しています。

「配電盤」とは

1つ前のスライドにて赤枠で囲っていた配電盤について、簡単にご説明します。配電盤は、みなさまが電気を安全に使用するために不可欠な設備です。住宅、マンション、ビル、工場、コンビニエンスストア、飲食店など、電気が必要となる建物や施設には必ず設置されています。

日東工業グループにおける配電盤全体の売上高は約700億円で、売上の40パーセント近くを占める主力製品です。

配電盤の使用例 : 身近な場所で⋯

配電盤は身近なところにあります。スライド左側に掲載しているコンビニエンスストアのイラストをご覧ください。赤枠で囲ったものが高圧受電設備と呼ばれるものです。電線から流れてくる6,600ボルトという非常に高い電圧を、使用しやすい100ボルトまたは200ボルトに変換するために必要な設備です。

コンビニエンスストア以外でも、店舗、工場、ビル、マンションなど、一定以上の電力が必要な場所に設置されています。

次に、スライド右側に掲載している住宅のイラストをご覧ください。赤枠で囲ったものが住宅用分電盤です。もっともみなさまにイメージしていただきやすいものかと思います。「ブレーカ」という言葉を聞いたことはありませんか? そのブレーカを搭載した製品です。みなさまの家にも必ず設置されており、電気の使い過ぎや漏電を常時監視しています。

地震時の電気火災を防ぐ「感震ブレーカー」

住宅用分電盤に関連した製品を1つご紹介します。地震などの災害時に発生する復電火災を未然に防ぐ「感震ブレーカー」をご存じでしょうか。地震発生時の火災の約6割は電気が原因と言われています。「感震ブレーカー」は、地震の揺れを感知し、ブレーカを自動でオフにすることで電気火災を未然に防ぎます。

今年の8月に閣議決定された「首都直下地震緊急対策推進基本計画」においても、「感震ブレーカー」の普及促進がこれまで以上に重要視されています。このように、日東工業の製品はみなさまに電気を安心してお使いいただくため、さまざまな場所に設置されています。

「キャビネット」とは

もう1つの主力製品であるキャビネットについてご説明します。キャビネットとは、いわゆる箱であり、内部に収納した重要な機器を外部環境から保護するために使用されます。また、直接人が触れると危険な物を収納するためにも利用されます。

日東工業グループにおけるキャビネットの売上高は約250億円弱で、全体の売上高の10パーセント強を占め、配電盤に続く主力製品となっています。

キャビネットの使用例 街・工場

キャビネットの使用例です。スライド左側に掲載している写真は、街中での使用例です。街を見上げると、防犯用の監視カメラが設置されているのを見たことがあるかと思います。その監視カメラの横にキャビネットが設置されており、この中にはカメラで撮影した映像を録画する機器や電源などが収納されています。

スライド右側に掲載している写真は、工場での使用例です。生産設備を制御する精密機器などを保護するため、多くのキャビネットが使用されている様子がわかるかと思います。

キャビネットの使用例 データセンター

最近よく耳にするようになったデータセンターにおける当社キャビネットの使用例です。データサーバーなどを収納するための専用キャビネットであるシステムラックも、当社が提供するキャビネットの1つです。

インターネット社会の現代において、通信インフラは社会基盤を支える重要なインフラです。当社は、データセンター向けのシステムラックに加え、オフィス内に設置するさまざまなネットワーク機器用など、使用用途に応じたラック製品を幅広く取り扱っています。

キャビネットの使用例 データセンター

当社ではこれまで、国内の通信事業者向けや、企業・学校・金融機関の自社サーバールームといった中小型のデータセンター向けに、多くのシステムラックを提供してきました。

そこで培ってきた堅牢性や設置時の作業性のほか、サーバーが発する熱の排熱・冷却といった熱対策などの技術が当社にはあります。一方で、昨今のデータセンターの大型化やAIの普及に伴い、これまで以上にシステムラックに求められる技術が高まっています。特に、世界の巨大IT企業が運営するデータセンターでは、従来主流だったラックとはまったく異なる仕様のラックが使用されています。

そこで求められるのが、世界標準となりつつあるOCP規格です。当社は、Meta社が中心となって発足したOCP(Open Compute Project)に加盟するとともに、今年からOCP規格に準拠した製品の販売を開始しています。

また、より高度な熱対策として注目を浴びている液冷による冷却方式や、省スペースでの設置が可能なコンテナ型データセンターのニーズも高まっています。これらのニーズに対応する製品開発を加速していきます。

日東工業の3つの強み①

日東工業が約80年にわたりビジネスを展開できている強みについて、3つご紹介します。1つ目は、強固な標準品ビジネスモデルを構築している点です。配電盤やキャビネットの業界は、かつてはお客さまのご要望に応じて、一品一品、設計・生産するビジネススタイルが一般的でした。

そのような中で、当社は製品の共通化・標準化を実現し、お客さまに安く、早く、安定した品質の製品を提供する標準品というビジネスモデルを、業界でいち早く導入・確立しました。

当社が主力とする標準品は、現在では多くのお客さまに採用されています。標準品というビジネスモデルにより、3万点に及ぶ製品ラインナップを取り揃え、全国に40拠点を超える営業所と200社以上の販売代理店による販売網を整備しました。

これにより、注文すると翌日にはお届けする、いわゆるワンデイデリバリーが可能な物流網の構築を実現しています。このような標準品ビジネスモデルを業界でいち早く導入したことが、当社の強みの1つです。

日東工業の3つの強み②

2つ目は、徹底した品質へのこだわりです。当社は業界において、当社にしかない試験・研究設備を数多く保有しています。過酷な自然環境にも耐える性能・品質を有した製品をお届けするため、日々研究を続けています。品質へのこだわりは、業界における「日東工業ブランド」を確固たるものにしている要因の1つです。

スライド左側に掲載している写真は、大地震を再現できる耐震試験装置です。東日本大震災や能登半島地震の揺れを再現できます。

当社の高圧受電設備や、先ほどご説明したシステムラックなどには、高い耐震性が求められます。この試験設備で検証・評価を行えることにより、信頼性という付加価値を付けた製品をご提供しています。

日東工業の3つの強み③

3つ目は製品開発力です。市場のニーズや社会課題を迅速に捉え、その対策製品を研究開発することに長けています。それらの製品は業界の各種製品コンクールで数多くの賞を受賞しています。

以上の3つの強みが、業界で確固たる地位を築くことができた理由であると考えています。

3つの事業セグメント

事業セグメントについてご説明します。こちらのスライドは、日東工業グループの事業内容を示しています。電気と情報に関わる3つの事業が相互に連携しながら事業を展開しています。次のスライドから、それぞれを簡単にご紹介します。

3つのセグメント(製造・工事・サービス事業)

1つ目は、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業についてです。こちらは日東工業グループのコア事業であり、売上の6割、利益の7割程度を占めています。先ほどご紹介した配電盤やキャビネットの設計・製造・販売などを行っています。

3つのセグメント(流通事業)

2つ目は、電気・情報インフラ関連 流通事業です。当社は製造業を中心としていますが、グループとしては流通事業、つまり商社機能も有しています。オフィスネットワークや映像機器など、ICT環境の構築に必要な情報通信機器および部材の仕入・販売を行っており、全体の売上の30パーセント程度を占めています。

流通事業のビジネスフィールド

情報通信機器を取り扱う事業であるため、ビジネスフィールドは多岐にわたります。コロナ禍において企業の働き方が変化したこと、セキュリティ対策のニーズが高まっていること、学校での授業スタイルが変化したことなどを背景に、ネットワーク部材の需要は年々高まっています。近年は、データセンター向けの売上も増加し、業績が順調に拡大しているセグメントです。

3つのセグメント(電子部品事業)

最後に、電子部品関連 製造事業です。電磁波環境コンポーネントや精密エンジニアリングコンポーネントなどの製造・販売を行っています。このセグメントはグループ全体の売上の約10パーセントを占めています。

電子部品使用例 : 自動車、アプライアンス、産業用機器

製品の使用例をご紹介します。スライドに掲載している自動車のイラストをご覧ください。EV自動車に限らず、自動運転機能の搭載など、自動車の電動化が進んでいます。車内に搭載された多数の電子機器から発生する電磁波が相互に悪影響を及ぼし、誤作動につながる危険性があります。

このノイズを吸収・抑制するフェライトコアといった部品や、配線ケーブルをまとめる樹脂製バンド、さらに電子機器から発生する熱を逃がすシートなど、多くの製品が使われています。このようなソリューションニーズは、自動車分野のほか、AIの搭載などハイテク化が進む産業用機器でも活躍しています。以上が当社グループの3つの事業内容です。

長期経営構想 長期成長ストーリー

ここからは、今後の成長戦略とサステナビリティについてご説明します。こちらのスライドには、当社が描く長期成長ストーリーを示しています。

1つ前の中期経営計画である「2023中期経営計画」は、ビジネスを進化させる土台を築くフェーズでした。2024年度から始まった現行の「2026中期経営計画」は、成長の仕組みを確立するフェーズです。2027年度以降は、飛躍的な成長の実現を目指しています。

2026中期経営計画 基本方針

現在取り組んでいる「2026中期経営計画」についてご紹介します。基本方針は「進化の加速」です。機会への対応として「挑戦」、リスクへの対応として「変革」を掲げ、この両輪で素早く繰り返し進化することを目指しています。人、技術、事業、企業、グループと進化を連鎖的に広げ、進化のサイクルを加速させることを基本方針としています。

2026中期経営計画 財務目標

「2026中期経営計画」で掲げる財務目標です。連結売上高2,000億円、連結営業利益150億円、ROE9パーセント以上としています。

前中期経営計画で構築した基盤を活用して事業進化を加速する3年間と位置づけ、過去最高の売上高と営業利益を目標としています。成長投資と株主還元の最適バランスを追求し、資本効率性を高めることで、ROEの持続的向上を実現していきます。

成長分野

ここからは、今後の成長分野についてご紹介します。今後の成長に向けては、コア事業の強化、新規事業、海外事業の大きく分けて3つに取り組んでいます。

成長分野① : コア事業

1つ目は、コア事業の強化です。コア事業である電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業において、事業規模の拡大と収益性の向上に努めていきます。国内の人口減少に伴い、長期的にはマーケットが縮小していくことが想定されますが、M&Aにより西日本で大きなシェアを持つテンパール工業をグループ化しました。業界シェアおよび企業規模の拡大を進めていきます。

また、スマートファクトリーの瀬戸工場建設など、成長投資を進めています。瀬戸工場では、業界に先駆けたDX化により、収益性の向上を目指しています。

成長分野② : 新規事業

成長分野の2つ目は新規事業です。当社グループは、コア事業で培った技術を活かし新規事業にも注力しています。

スライドの縦軸で示した製品分野の拡大はもちろん、横軸に示したお客さまのニーズに沿った最適製品の提案から保守・メンテナンスといったソリューション事業の提供まで、提供価値範囲の拡大にも取り組んでいます。

成長分野② : 新規事業 エネルギーマネジメント

提供価値範囲の拡大に向けた取り組みを1つご紹介します。政府が掲げる「第7次エネルギー基本計画」では、中長期的なエネルギー政策として、再生可能エネルギーの比率が拡大されています。

当社グループでは、EV充電スタンドや、最近話題の系統連系の蓄電池システムに必要な製品を取り扱っています。再生可能エネルギーを効率的に利用する上で、これらの製品の重要性が高まっています。

当社は、製品の製造・販売にとどまらず、設置・施工の工事から保守・メンテナンスまで一貫して手がけることができます。また、これらを通じて開発を進め、より高付加価値な導入サポート・ソリューションを提案していきます。グループ一丸でエネルギーマネジメントをトータルでサポートすることで、さらなる事業拡大を目指します。

成長分野② : 新たな取り組み

その他にも、社会課題の解決に向けた新たな取り組みを進めています。一例として、スライド中央に記載しているペロブスカイト太陽電池に関する取り組みでは、愛知県の実証事業に参加しています。屋外に設置されている高圧受電設備の壁面を、ペロブスカイト太陽電池の設置場所として有効活用することを試みるものです。

当社が有するエネルギーマネジメントに関するノウハウを、社会課題解決型の事業への参画を通じて社会に還元し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

成長分野③ : 海外事業

成長分野の3つ目は海外事業です。現時点では売上高の10パーセント程度ですが、タイ、中国、シンガポールなどアジアを中心に事業基盤の確立とマーケティング機能の強化を進め、グループ連携によるシナジーを目指します。以上が成長戦略です。

サステナビリティ

成長分野における取り組みと並行して、サステナビリティの一環として、地域コミュニティに関する取り組みをご紹介します。教育支援の一例として、公益財団法人日東学術振興財団を運営し、約40年にわたり研究助成を行ってきました。

また、地域貢献として、小学生向けの工場見学や、展示車を活用して学校を訪問する「出張工場見学」のほか、子どもたちに実験や工作の楽しさに触れてもらうための「電気教室」なども開催しています。

サステナビリティ

人財に関する取り組みです。国籍や年齢、性別の違いにかかわらず、すべての人財が能力を発揮できる環境作りに取り組んでいます。

その一環として、愛知県より女性活躍のプロモーションリーダーの委嘱を受け、積極的な活動を行っています。理系分野で活躍する女性社員と学生の交流プログラムに参画し、職場体験会を通じた女性人財の活躍推進に努めています。

また、「健康経営」を宣言し、社員が将来にわたって健康で生き生きと働ける環境作りを進めるとともに、働きがい向上の取り組みを進めています。

2026中期経営計画 財務方針・株主還元方針

最後に、株主還元についてご説明します。現中期経営計画である「2026中期経営計画」では、資金を積極的に成長投資へ振り向け、収益力を強化する方針です。資本コストの意識を高め、B/Sマネジメントに引き続き取り組むため、自己資本をコントロールしつつ、ROEの持続的な向上を目指します。

株主還元方針として、配当性向を50パーセント、DOE(連結純資産配当率)の下限を4パーセントに設定しています。安定的で高水準な還元をお約束するとともに、残った資金は成長投資に充てています。また、必要に応じて機動的な自己株式の取得や消却を実施し、さらなる企業価値の向上を目指します。

配当の状況

配当金の状況です。前中期経営計画期間においては、資本効率改善の一環として直近2期に限り配当性向を100パーセントに設定していたため、やや特殊な状況となっています。

現中期経営計画では、先ほどお伝えしたとおり配当方針を変更し、成長投資とともに安定的な配当を目指します。なお、2027年3月期は、スライドに記載のとおり通期で154円を計画しています。

本日のまとめ

最後に、本日お伝えした内容のまとめです。1つ目は、我々は「電気と情報インフラ」に関わる企業グループです。現代社会に不可欠な製品を提供していきます。

2つ目は、今後の成長に向けたキーワードは「エネルギーマネジメント」であり、これに関する取り組みを加速していきます。

3つ目は、我々は「成長への投資」と「株主還元」のバランスを重視し、ROEを意識した資本効率経営を推進していきます。

以上の3点をぜひ覚えていただければ幸いです。これで説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:データセンター向けの売上規模について

司会者:「データセンター関連銘柄として注目しています。御社のデータセンター向けの売上規模はどのくらいでしょうか?」というご質問です。

佐藤嘉高氏(以下、佐藤):日東工業株式会社取締役の佐藤です。具体的な数値については開示していないため、ご容赦いただきたいと思います。ただし、ざっくりとした規模感としては、グループ全体の売上の中で数パーセント程度となっています。

この数パーセントの構成については、まず1つ目は、説明資料にも掲載しているシステムラックという商材があります。データセンターに必ず設置されるデータサーバーを収納するキャビネットで、日東工業がメーカーとして従来製造・販売を行っている製品となります。

2つ目は、電気・情報インフラ関連 流通事業、すなわち商社機能において電源ケーブルや通信ケーブルといった製品を取り扱っており、これらもデータセンター内で多く使用されています。現状では主にこの2つでデータセンター向けの売上が構成されていると考えています。

もともと当社が最も得意としていたのは国内通信事業者が手掛ける中小規模のデータセンターでしたが、近年では海外からGAFAMのようなハイパースケーラーと呼ばれる大規模なデータセンターも建設されるようになりました。

商品ラインナップも徐々に拡大しており、先ほどお話があったコンテナ型データセンターも含め、ほぼ全方位で商品ラインナップが整ってきたと認識しています。この分野には引き続き期待を寄せており、今後も注力していきたいと考えています。

また、データセンター向けとしては「電源」というキーワードも1つ挙げられると思います。当社には「電気」と「情報インフラ」という2つのキーワードがありますが、先ほどの説明内容はあくまで「情報インフラ」の中でお答えしました。

一方で、データセンターが建設されれば、当然ながら電力を使用します。つまり、当社が以前から得意としてきた分電盤や高圧受電設備の需要もあるということです。これらを含めて、データセンター市場に向けてさらに注力する方針です。

質疑応答:「感震ブレーカー」の売上拡大の展望について

司会者:「防災用品として『感震ブレーカー』が報道されていましたが、売上拡大は期待できますか?」というご質問です。

佐藤:「感震ブレーカー」については、先ほどの説明の中で、当社でも取り扱っていることをご紹介しました。

私の記憶する限りでは、阪神・淡路大震災の際に復電火災が注目を集め、その頃から「感震ブレーカー」や復電火災、通電火災に対する関心が高まったのではないかと考えています。

しかし、阪神・淡路大震災で注目を浴びたものの、その後の普及はあまり進みませんでした。これは、個人宅で設置する際に追加工事が必要になるため、コストがかかる点で二の足を踏む状況が続いたためではないかと思われます。一方で、最近では南海トラフ地震が話題になったり、大規模地震が頻発していることもあり、あらためて注目を浴びるようになった商材だと感じています。

さらに、自治体によっては補助金を提供したり、無料配布したりする動きが加速しています。当社では「感震ブレーカー」を住宅向けだけでなく、事業者向けにも提供していますが、やはり住宅向けが多い傾向にあります。このような中で、今後急速に普及が進む商材だと期待しています。

また、文化財の分野でも採用していただいています。重要文化財や国宝など、さまざまなトピックスがありますが、例えば善光寺に採用していただいています。

同製品は社会貢献の意味合いを持つ製品でもあるため、社会に貢献できるという視点からも広げていければと考えています。

質疑応答:技術者の確保・育成に関する取り組みについて

司会者:「人手不足の状況の中で、特に技術者の人財確保・人財育成などについて、どのように対応されているのかをお聞かせください」というご質問です。

佐藤:例外なく、当社でも人財の確保には苦労している状況です。今後も国内では労働力人口が増えることはないと思われます。そのような中で、さまざまな取り組みを行っています。単に給料の話だけで片づけられる課題ではありません。

近藤:技術者に限らず、人手不足が大きな社会問題となっています。当社では数年前から「人的資本投資」をキーワードに、人財の獲得や育成に伴い、人を成長させる制度設計や、社員が気持ちよく働けるようエンゲージメントを高めるさまざまな施策を実施しています。

採用後に活躍できなかったり、辞めてしまったりすると元も子もないため、入社された方々をしっかり育成しています。全社一丸となってこのような制度設計を進め、支えていく体制を整えています。

具体的な取り組みとして、例えば技術者の採用に関しては、当社ではこれまで愛知県内の大学を中心に採用を行ってきましたが、新たに東京に採用部門を立ち上げ、関東をはじめ全国規模で人財を集められる体制を構築し、採用の確保を進めています。

また、先ほど「給料だけではない」という話はありましたが、当社では他社に先駆けて昨年に初任給を30万円に引き上げました。現在は31万5,000円程度となっており、給与面でも魅力的な制度設計を提示できるよう努めています。

さらに、特に技術者については、「マネジメントに進みたい」というのではなく、「技術を磨きたい」という方もいますので、スペシャリストとしての新しいキャリアパスを会社の制度設計として考えています。このように、多様な方法で当社社員が活躍できる環境を整える活動を行っています。

佐藤:技術者という観点とは少し異なるかもしれませんが、ここ最近、AIや自動化に関する話題が増えています。こうした新しい技術を取り入れて人手不足を補いながら、当社の技術として積み上げていけるよう取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:株式分割の検討について

司会者:「株価が5,000円に到達したこともありますが、個人投資家が投資しやすくなるように、株式の分割についてのお考えはいかがでしょうか?」というご質問です。

佐藤:株価はいったん5,000円に到達したものの、現在は残念ながら少し下回っている状況です。まずお伝えしておきたいのは、現時点で何か決定した事柄があるわけではないということです。その点をご理解いただいたうえでお聞きいただければと思います。そのような中で、企業価値向上により魅力をどのように高めていくかという点は、重要と考えています。

近藤:取引所からさまざまなご案内をいただいていることは承知しています。現時点では決定事項はありませんが、株価の推移に応じて真摯に検討を重ねていきたいと考えています。

佐藤:引き続き、そのようなご意見も真摯に受け止め、検討を重ねていきます。

質疑応答:PBRの目標値について

司会者:「PBRは1.37倍のようですが、今後は2倍以上を目指す方針なのでしょうか?」というご質問です。

佐藤:PBRだけでなくPERの件も含まれていると思いますが、それには今後の資本政策や、当然ながら会社の成長が積み重なる必要があると考えています。

近藤:株価は我々にとっても重要なものであると認識しています。現在、今回のようなIRの場を設けたり、昨今では海外でもIR活動を行うなど、当社の株価を適切に評価していただけるような活動を積極的に進めています。

また、昨年から管理職向けに株式報酬制度を導入しました。これは「幹部職の社員に、経営と株価をリンクして考えてもらいたい」という会社のメッセージから、思い切って導入したものです。特に業績に連動して株式の割り当て数が変動する仕組みとなっており、従業員も株価を強く意識しています。

そうした意味では、事業の成長に加え、そのエンジンとなる従業員のモチベーションの向上や対外的なIR活動も含め、株価を引き続き意識して経営を進めていきたいと考えています。

佐藤:「株価はいくらが適正か?」という議論については、会社からお話できないところもありますが、株価はみなさまからご評価いただいた結果でもあります。成長ドライバーに注力し、さらに魅力のある会社として、利益成長といった視点でご評価いただいた結果として、数字が上がっていくことを期待しています。

質疑応答:競合会社について

司会者:「競合会社があれば教えてください」というご質問です。

佐藤:競合会社はたくさんあります。当社は電気・情報インフラ関連 流通事業といった商社機能も持っており、グループ各社の話を始めるとキリがないため、ここでは日東工業単体で区切らせていただこうと思います。

電気の分野においては、当社の高圧受電設備は、6,600ボルトから100ボルト、200ボルトに変換するものです。それより高い電圧の領域で事業を展開している会社も多く存在しますが、下の電圧においては、非上場企業も多くありますが、その中で河村電器産業さんは事業領域・規模感共に近いと考えています。

当社の規模感が大きいかどうかはさておき、この業界には規模の大きい会社はあまり多くなく、中小企業が数多く存在していると考えています。

加えて、当社の事業において難しい点として、キャビネットなどの商材に関しては、競合会社がお客さまになることもあるため、競合と断言することもできず、お客さまとも言えるという関係性があることがあります。

ブレーカについては、大手の三菱電機さんや富士電機さんが挙げられます。EV充電スタンドについては、現在、海外も含めてさまざまな企業が乱立している状況のため、特定の競合を挙げるのは難しいところです。

また、樹脂製のキャビネットは「プラボックス」と呼んでいますが、こちらは岐阜県の未来工業という上場企業が競合となります。このように、製品ごとにさまざまな競合が存在しています。

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