2026年12月期第2四半期決算説明
やまびこ、2Qは増収増益 北米におけるOPE・一般産業用機械の好調な販売動向を踏まえ、通期業績予想を上方修正
INDEX

二藤部浩氏(以下、二藤部):株式会社やまびこ上席執行役員企画・経理本部長の二藤部です。本日は、当社の2026年12月期第2四半期決算説明会およびロボット事業説明会にご参加いただき、ありがとうございます。まず、私から2026年12月期第2四半期の決算概要についてご説明します。
2026年12月期は、「中期経営計画2028」の初年度にあたります。その初年度第2四半期の全体感としては、主力事業である海外の小型屋外作業機械(OPE:Outdoor Power Equipment、以下OPE)および一般産業用機械の販売が北米で大きく伸長しました。
また、欧州ではロボット芝刈機の販売が堅調に推移したことから、売上高および各利益は前年同期比で増収増益となりました。それでは、スライドの目次にしたがって、2026年12月期第2四半期の決算概要、当期の業績予想の順にご説明します。
2026年12月期 第2四半期 経営成績

2026年12月期第2四半期の決算概要です。売上高は前年同期比13.7パーセント増の1,037億8,200万円となりました。
主力である海外のOPEでは北米市場においてホームセンター向けの販売を中心に増加したほか、一般産業用機械では北米大手レンタル会社向けの発電機販売が大きく伸びました。欧州市場では、ロボット芝刈機の販売が堅調に推移しました。
損益面では、米国関税の還付による原価率の改善に加え、売上高の増加や為替レートが前年対比で円安基調に推移したことから、営業利益は前年同期比37.0パーセント増の160億8,600万円となりました。
また、営業外での為替差損益の影響などにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比54.2パーセント増の115億7,800万円となりました。
セグメント別経営成績

セグメント別の売上高と営業利益です。地域別の売上高に関しては次のスライドでご説明します。
OPEおよび一般産業用機械では、売上高、営業利益ともに増収増益となりました。営業利益は、米国関税の還付による原価率の改善、売上高の増加、および為替効果により大きく改善しました。
一方、農業用管理機械は、北米市場での穀物価格の低迷や生産コストの高止まりが影響し、農業従事者の設備投資意欲の低下が継続していることから減収となりました。しかし、国内では価格改定効果もあり増益となっています。
売上高実績(セグメント・地域別)

セグメントおよび市場別販売状況についてご説明します。スライド上段に棒グラフがあり、その下の表には前年同期比の増減率を記載しています。海外地域の増減率は為替影響を除いた数字で表記しています。
OPEについては、北米では春から広範囲にわたる干ばつの影響がありましたが、ホームセンター向けの販売が好調に推移し、前年同期比で10.7パーセント増加しました。
欧州ではロボット芝刈機の販売が堅調に推移しましたが、フランスやスペインを中心に5月後半から熱波などの天候不順の影響を受け、一部販売の鈍化が見られ、前年同期比で2.2パーセント減少しました。
国内では、米価上昇を背景とした需要の伸びは鈍化しましたが、新製品効果もありチェーンソーの販売が堅調に推移したため、ほぼ前年同期並みとなりました。
一般産業用機械については、国内では資材価格の高騰や人手不足を背景とした厳しい需要環境が続く中、地域のレンタル会社を中心とした営業活動を推進したことで、主力の発電機販売が伸長し、前年同期比で3.2パーセントの増収となりました。
北米では、大手レンタル会社向けを中心に発電機の販売が大きく伸びたことから、前年同期比189.1パーセント増の大幅な増収となりました。また、年初に取得した投光機事業は計画を上回るペースで推移しています。
農業用管理機械については、国内ではOPEと同様に水田の管理作業に用いられる製品の需要が鈍化したものの、草刈り関連製品の販売が好調に推移したことで、前年同期比で5.4パーセント増加しました。
北米における主力製品は、大豆などの穀物の収穫用の機械およびアタッチメントです。大豆価格は足元では若干上昇傾向にあるものの、ピーク時の2022年の水準と比べると依然として3割程度低い水準にとどまっています。農業従事者の設備投資意欲の回復までは至っておらず、販売が伸び悩み、前年同期比で32.6パーセント減少しました。
連結売上高および連結営業利益の増減

連結売上高および連結営業利益の増減についてご説明します。売上高は、OPEや一般産業用機械の売上増が大きく貢献し、前年同期比で124億円増加し、1,037億円となりました。
営業利益は、販管費の増加などのマイナス要因もありましたが、売上高の増加に伴う利益増や円安による為替の影響、さらに米国関税の還付による粗利率の改善効果により、合計では前年同期比で43億円の増益となりました。
四半期別業績推移

四半期別の業績推移を表したものです。売上高、営業利益、経常利益ともに過去最高となりました。
2026年12月期 通期予想

2026年12月期の業績予想についてご説明します。まず、第3四半期以降の為替レートについては、第1四半期の公表値から変更しています。米ドルは150円から155円、ユーロは175円から180円と、それぞれ5円の円安水準に変更しました。
想定為替レートの見直しに加え、北米におけるOPEや一般産業用機械の好調な販売動向を踏まえ、通期業績予想を上方修正しました。売上高は前期比9.2パーセント増の1,900億円、営業利益は前期比16.6パーセント増の230億円、経常利益は前期比17.7パーセント増の230億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比14.2パーセント増の165億円を見込んでいます。
第3四半期以降の為替影響としては、スライド右下に表示しているとおり、試算では米ドルは1円の変動で売上高に3億8,000万円、経常利益に4,000万円、ユーロでは売上高に6,000万円、経常利益に7,000万円の変動を見込んでいます。
連結売上高のセグメント別増減予想(円換算ベース)

連結売上高の円換算ベースでのセグメント別増減予想です。OPEは、持続的に成長する北米においてホームセンター向けを中心に販売が堅調に推移するほか、欧州でもロボット芝刈機をはじめとしたOPE製品の好調な販売が続くことから、前期比で96億円の増加を見込んでいます。
一般産業用機械は、北米において大手レンタル会社向けの販売増加などにより、前期比74億円の増加となる見込みです。一方で、農業用管理機械は、北米での販売見通しが思わしくないことから、通年で前期比12億円減の見込みとなっています。全体では、前期比160億円増の1,900億円を見込んでいます。
連結営業利益の増減予想

連結営業利益の増減要因予想です。為替影響を除く実質売上高の増加による利益の増加は31億円です。為替要因としては、主にユーロの影響が下期に大きく出るものの、通期では4億円の増益効果を見込んでいます。
粗利率の改善については、材料費などのコスト上昇や米国関税の影響を受けますが、昨年実施した価格改定の効果や、収益性の高いロボット事業の拡大、および関税の還付が寄与し、27億円の増益を見込んでいます。
一方で、人的資本投資やIT投資、研究開発費に加え、北米における関税還付金を原資とした販売促進費や広告宣伝費の増加などを見込んでおり、販管費の増加は28億円を計画しています。これらを合計すると、営業利益は前期比33億円増の230億円を見込んでいます。
設備投資・研究開発費・減価償却費

設備投資、研究開発費、減価償却費の計画に関しては、現時点では今年2月に公表した計画からの変更はありません。
株主還元政策

株主還元政策です。今年2月に公表した「中期経営計画2028」では、配当性向30パーセントを目安に、過去の配当実績に基づく安定的な配当の継続という方針を打ち出しました。
今回、通期業績予想を上方修正しましたが、中間配当は当初予定どおり55円、期末配当についても現時点では据え置きとしました。今後の業績動向や通期実績の確定などを踏まえ、最終決定したいと考えています。
また、中期経営計画でもお伝えしているとおり、配当に限らず株式市場の動向を注視しながら、自己株式の取得を含めた総合的な還元策を検討していくという基本的な方針に変更はありません。
トピックス

トピックスです。「中期経営計画2028」では、欧州地域の事業拡大を重点施策の1つとして位置づけています。
その主要施策の一環として、2026年8月3日に公表したとおり、当社の連結子会社であるやまびこヨーロッパ・エス・エイ社が、フランスにおけるOPEの販売代理店ETABLISSEMENTS P.P.K.(以下、PPK社)の株式を67パーセント取得し、2026年7月31日付で連結子会社としました。
フランスは当社グループの欧州事業における最大の販売地域です。PPK社は、当社の前身である株式会社共立と1965年に取引を開始して以来、60年以上にわたりフランス市場で当社製品の販売を担ってきた、欧州事業における中核的なパートナーです。
長年にわたり強固な信頼関係を築いてきたPPK社を連結子会社化することで、フランスにおける販売体制を一層強化するとともに、市場に近い拠点でお客さまのニーズを把握することで、販売戦略の精度向上や製品開発へのフィードバックの強化を図ります。グループ一体運営により、欧州事業のさらなる拡大を目指します。
また、スライド右側に「北米におけるマーケティング活動の強化」とあるとおり、昨年に引き続き、メジャーリーグでのテレビCM等を実施します。メジャーリーグに関しては、ポストシーズンにおいてもテレビCMを放映する予定です。このような活動は、関税の還付金等を原資として実施します。
以上が決算に関するご説明です。続いてロボット事業のご説明に移りますが、まずはロボット芝刈機がどのような製品であるかをご理解いただくために、実際の使用シーンや当社が目指す姿を紹介する動画を作成しましたので、ご覧ください。
(動画流れる)
ご視聴いただきありがとうございました。それでは、事業内容について倉田よりご説明します。
Agenda

倉田伸也氏(以下、倉田):取締役常務執行役員開発本部長の倉田です。当社のロボット事業についてご説明します。当社は「中期経営計画2028」において、ロボット事業を成長事業の1つとして位置づけています。世界的な労働力不足や環境対応ニーズの高まりを背景に、市場の拡大が期待されており、当社の将来成長を支える重要な事業として育成を進めています。
本日は、ロボット事業の位置づけ、市場環境、そして当社のロボット芝刈機における技術的な強みについてご説明します。
やまびこの存在意義

ロボット事業の位置づけについてご説明します。スライドは、当社の存在意義を示すもので、いつも使用しているものです。写真には、緑地管理、建設現場、農業など、当社の製品をご利用いただいているお客さまが写っています。
当社では、これらの屋外作業現場を支えることを使命としており、「人と自然と未来をつなぐ」を企業理念に掲げています。今回ご説明するロボット芝刈機も、その取り組みの一環です。労働力不足や作業負担軽減といった現場課題の解決に貢献し、より持続可能な屋外作業の実現を目指しています。
ロボット事業が解決する社会課題

当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。特に屋外作業現場では、労働人口の減少や高齢化、人件費の上昇を背景に、省人化や無人化へのニーズが世界的に高まっています。
従来の芝刈り作業は多くの人手と管理コストを必要としますが、ロボット芝刈機は広大な緑地を自動で維持管理できるため、省人化に加えて作業品質の安定化や管理コストの低減にも貢献します。
当社は、世界的な自動化・省人化ニーズの高まりを成長機会と捉え、ロボット事業を通じて屋外作業現場の課題解決と価値創造に取り組んでいます。
市場規模と成長性

ロボット芝刈機の市場環境についてご説明します。ロボット芝刈機市場は世界的に拡大を続けており、調査会社のレポートに基づく当社の推計では、市場規模は2022年から2028年まで年平均10パーセントの成長が見込まれています。
特に欧州と北米は、ガーデニングや芝生メンテナンスの文化が広く定着しているほか、広大な芝地を有する公共施設が数多く存在し、ロボット芝刈機の主要市場となっています。
また、その中でも当社がターゲットとする業務用市場は、省人化やコスト低減、脱炭素といったニーズを背景に、より高い市場成長を見込んでいます。当社としては、成長が期待される欧州および北米市場を重点エリアとして販売拡大を進めています。
地域別環境と当社の競争優位性

地域別の環境と当社の強みを示したスライドです。地域ごとに環境は異なりますが、各地域に市場拡大の機会があることをご理解いただければと思います。詳細は技術面も含めて後ほどご説明しますが、当社の技術面での優位性によりゴルフコースでの需要が拡大しています。
ロボット事業の見通し

ロボット事業の成長シナリオを示しています。世界には約3万8,000のゴルフコースが存在し、重点市場である北米、欧州、日本だけで約3万コースを占めています。ゴルフ場では、管理人材の不足や人件費の上昇を背景に自動化ニーズが高まっています。当社はこれを成長の機会と捉えています。
2025年に提携した米国のゴルフ場管理機械メーカーであるThe Toro Company(以下、Toro社)の販売網を活用し、北米、欧州、日本での導入を加速することで、ゴルフ場や公園、スポーツ施設、空港などのフィールドにおける業務用ロボット芝刈機市場でのポジション確立を目指しています。
開発・製造拠点

当社ロボット製品の技術的な強みについてご説明します。当社のロボット製品は、ベルギーにあるグループ会社、やまびこヨーロッパ・エス・エイ社で開発および製造を行っています。
2014年にロボット芝刈機メーカーであったベルロボティクス・エス・エイ社を買収し、その後、2017年にやまびこヨーロッパ・エス・エイ社と改称しました。現在、この拠点はロボット製品を含めたOPE事業の欧州拠点として事業を展開しています。
ベルギーに研究開発機能と生産機能を持ち、市場に近い場所で製品開発を行うことで、お客さまのニーズを迅速に製品へ反映しています。このように、開発から製造まで一貫して行う体制が、当社の競争力を支える基盤となっています。
ロボット製品の技術進化

これまでの技術進化の歩みを時系列で示しています。ベルロボティクス・エス・エイ社が初のロボット芝刈機「BIGMOW」を発売したのは2004年です。その後、2014年に当社グループへ加わって以降も継続的な技術開発を進めてきました。
遠隔管理を可能にする「Webポータル」、高精度の位置測位を実現する「RTK-GNSS」、導入負荷を大幅に低減する「WiseNav」、さらに芝品質を向上させる「WiseCut」など、お客さまの課題解決につながる技術を順次開発し、製品競争力を高めてきました。
WEBポータルによる一元管理

まず、管理面での強みである「Webポータル」についてご説明します。管理者は「Webポータル」にログインすることで、パソコンやスマートフォンを利用して複数のロボットの稼働状況を一元的に把握できます。
遠隔で各機器の稼働実績や走行軌跡の確認が可能なほか、なんらかのトラブルにより機器が停止した際には、アラーム通知によって場所と原因を特定することができます。ロボット単体だけでなく、管理システムまで含めて価値を提供している点が特徴です。
RTKによる高精度なパターン走行

次に、RTK技術を活用した高精度なパターン走行についてご説明します。従来モデルでは、あらかじめ設定したワイヤーの範囲内をランダムに走行しながら作業を行っていました。そのため、走行軌跡が重複し、作業効率にばらつきが生じていました。
一方、RTKモデルでは、複数の衛星から取得する高精度な位置情報を活用することで、エリア内を効率的なパターンで走行することが可能です。
走行の無駄を大幅に削減することで、時間当たりの作業面積が向上し、従来機と比較して約3倍の作業効率を実現しました。これにより、より広い面積の緑地で効率的かつ均一で美しい仕上がりの芝刈りが可能となっています。
RTK-GNSSとは

「RTK」とは「Real Time Kinematic」の略で、高精度な衛星測位を実現するための手段の1つです。
一般的なGPSでは位置誤差が数メートル程度発生する場合がありますが、RTKでは地上の固定基地局とロボットが相互に位置情報を補正し、複数の衛星から取得したデータを活用することで、非常に高い位置精度を実現しています。
この技術により、ロボットは広大な芝地でも自らの位置を正確に把握しながら走行することができます。
WiseNav

「WiseNav」についてご説明します。従来のロボット芝刈機では作業エリアの境界を設定するため、地中に物理的なワイヤーを埋設する必要がありました。このため、導入時の設置工事やその後のメンテナンスに手間とコストがかかるほか、作業エリアを変更する際には再施工が必要となるという課題がありました。
「WiseNav」はRTKを応用して開発したソフトウェアで、物理的なワイヤーを使用せずに仮想的な作業エリアを設定することができます。ユーザーはスマートフォンのアプリや「Webポータル」上で簡単にエリアの設定や変更を行うことができ、導入時の負荷を大幅に軽減します。
ロボット製品によるゴルフ場管理の自動化事例

ベルギーのゴルフ場におけるRTKモデルの導入事例です。7台のロボットを活用し、18ホールの芝管理を自動化しています。フェアウェイ管理、ドライビングレンジ管理、レンジボール回収までロボット化することで、省人化と高品質な芝管理を両立しています。このような事例は、今後、世界各地で拡大していくと考えています。
WiseCut

「WiseCut」のテクノロジーについてご説明します。ゴルフ場では、フェアウェイやラフなど、プレーエリアごとに求められる芝の状態や刈高が異なります。そのため、従来はエリアごとに刈高を調整するなど、場合によっては異なる機械を使い分ける必要がありました。
「WiseCut」は、あらかじめエリアごとの刈高を設定しておくことで、機械が現在位置を認識し、そのエリアに入ると自動でカッティングヘッドを昇降させる技術です。スライド左下の写真の赤枠にあるベルト部分をモーターで制御することで、刈刃の高さを自動調整します。
対応できる範囲は10ミリメートルから90ミリメートルと幅広く、フェアウェイからラフまで1台の機械で管理することができます。
スライド右側の写真は実際の芝面の仕上がり例です。フェアウェイ部分は15ミリメートル、周辺のラフ部分は55ミリメートルで管理されており、エリアごとに異なる刈高で維持されていることがわかります。
境界部分も自然で滑らかに切り替わり、芝面全体が均一で美しく仕上がっています。繊細な刈り分けが求められるゴルフ場にも柔軟に対応できる技術です。
高精度位置認識により、エリアごとの芝管理を実現

スライドには、ここまでご説明した各技術の関係がまとめられています。当社は、「RTK-GNSS」による高精度な位置認識を基盤とし、「WiseNav」による作業領域設定、「WiseCut」による刈高制御、さらに「Webポータル」による遠隔管理を組み合わせることで、一体的な芝管理ソリューションを構築しています。
また、個々の技術を積み重ねながら進化させることで、ゴルフ場をはじめとする広範囲の緑地管理における課題解決につながるソリューションを提供しています。
今後の開発戦略

今後の開発の方向性についてご説明します。基本的には現在の技術を基盤として、安全性向上や対応範囲の拡大をテーマに開発を進めています。
1つ目は障害物回避機能です。夜間作業時に活動するハリネズミなどの小動物を保護することや、プレー中のゴルフバッグなどへの接触を回避することを目的としています。特に欧州を中心に要望が高まっている分野です。
現在でもソナーセンサによる障害物検知が可能ですが、今後はカメラなど新たなセンシング技術を取り入れることで、より高度な障害物認識および回避機能の実現を目指していきます。
2つ目は、登坂性能の向上です。現行機は最大19度の登坂性能を有し、一般的なゴルフ場の起伏には対応可能ですが、さらに急な斜面への対応を実現することで、対応範囲の拡大と使用エリアのさらなる拡張につなげていきます。
今後も市場拡大を背景に販売拡大と継続的な技術開発を両輪として進め、ロボット技術を将来の成長ドライバーへと育成していきます。以上、ロボット事業についてのご説明でした。
質疑応答:ロボット事業における価格戦略について
質問者:ロボット事業における価格戦略についておうかがいします。単価について調べたところ、私がWebサイトで見た限りでは大まかに300万円程度なのではないかと思うのですが、その認識で間違いないでしょうか?
また、競合と比べてどのくらいの価格帯になっているのか教えてください。ハンドヘルド製品の場合、例えばSTIHL社などと比較すると若干安い価格設定になっていると思いますが、ロボット芝刈機の領域ではどのような状況になっているかお聞かせください。
二藤部:ロボット芝刈機の価格帯としては、「RTK-GNSS」や「WiseNav」などの機能を搭載した製品になるともう少し価格が上がり、全体では300万円から500万円程度のレンジになるという認識です。
他社と比較した場合、当社のロボット芝刈機は、かなり大型であることが特徴です。具体的には、本日お話ししたゴルフ場をはじめ、グラウンド、サッカー場、広い公園などで使用されています。さらに、先ほどご説明したようなさまざまな付加価値機能を備えています。
なお、他社との詳しい比較に関しては、評価を差し控えたいと思います。
質疑応答:ロボット芝刈機のマージンについて

質問者:御社のロボット芝刈機は付加価値の高いものである分、得られるマージンも大きくなるのではないかと考えています。ハンドヘルド製品と比較してどの程度高いのか、具体的な水準など教えていただけることがあればよろしくお願いします。
二藤部:マージンについて、具体的な数字は開示していません。ただし、ご参考にしていただけるとすれば、セグメント別の経営成績として売上高と営業利益を記載しています。スライドの数字を切り取って営業利益率を算出すると、利益率の高さはOPE、一般産業用機械、農業用管理機械の順になります。
ロボット芝刈機は、OPEのカテゴリに分類されています。売上ボリュームとしては、チェーンソーや刈払機などの手持ちで使用する機械と比較するとまだ小規模ですが、カテゴリ内で見ても、ロボット芝刈機は比較的高い水準に位置しています。
同じセグメント内でも製品ごとに利益率は大きく異なりますが、全体として見ても高い水準にあることは言えると思います。
質問者:ハンドヘルド製品と比べると、相当高いと言えるのでしょうか?
二藤部:相当高いと言い切れるかどうかは難しいですが、ハンドヘルド製品にも高いものと低いものがあります。その中で高い製品と同水準、もしくはそれ以上とお考えいただければと思います。

質問者:2028年に4,000台程度を目標にされているのだと思います。この台数に、今おっしゃった価格帯を掛け合わせた数字が概算の売上目標と見てよいということでしょうか?
二藤部:そのご理解で問題ないと思います。
質疑応答:第2四半期の増益要因について

質問者:第2四半期の増益を、為替や関税還付などの外的要因と、御社の自助努力としての要因に分けた場合、どのように分解できるか教えてください。増益のうちどれくらいが実力によるものなのかについて、お考えがあればお聞かせいただけますか?
二藤部:スライドには営業利益の増減要因を掲載しています。為替の影響は4億円で、前年同期と比較して大きな影響ではないと認識しています。また、粗利率の改善には、ご指摘のあった関税の還付も含まれています。
一方で、原材料費は上昇しています。これはペルシャ湾におけるアメリカ、イスラエル、イランの紛争による原油価格の上昇や、ナフサの価格上昇により、部品への影響を受けたことによるものです。
細かい数字はご容赦いただきたいのですが、このようなマイナス要因に対して関税還付で対応している部分はあると考えています。
質問者:総合すると、第2四半期までの累計においては実力で増えている部分が多いという理解でよろしいですか?
二藤部:そのとおりです。説明が不足しましたが、売上高の増加要因も大きくなっています。昨年末に、特に北米において関税対応の一環として価格の見直しを行ったことが影響し、売上高は伸びています。
また、売上高の増加の中には、数量ベースで見ても増加が確認できる部分もあります。このような意味では、我々の営業活動によって増加している部分はあると思います。
ただし、粗利率の改善分として計上しているプラス19億円の中には関税の還付も含まれているため、一時的な要因も含まれる点は認識しています。
質疑応答:通期業績予想の修正理由について

質問者:通期業績予想を今回修正されているかと思います。上期の修正に比べて、下期はむしろ下方修正になっているようにも見えますが、なにか特別な理由があるのでしょうか?
二藤部:一部説明が重なる部分もありますが、上期には少し特殊要因がありました。下期は、特殊要因を見込んでいない状況です。
一方で、関税対応として価格の見直しを行ったと先ほどお話ししました。
そのため、還付があった場合には、それをお客さまに還元しなければならないと考えています。テレビCMもその一環ですが、それ以外にも販売促進費の増加を見込んでいます。
スライドをご覧いただくとおわかりのとおり、通期の営業利益の増減予想には、販管費の増加分がマイナス28億円の影響となっています。これらの特殊要因を考慮すると、おっしゃるとおり、下期が数字上では弱い結果となっています。
質疑応答:他領域からロボット芝刈機分野へ参入されるリスクについて

質問者:今回ご説明いただいたロボット芝刈機は、新しい技術に関しても概ね家庭用のロボット掃除機の技術と似ていると感じています。先ほどのお話では、1台当たり300万円から500万円の価格とのことでした。
「ゴルフボールを集めます」「頑丈に作っているため、屋外でも対応できます」という点は重要な差別化要素だと思いますが、市場規模がある程度見込まれる場合に、家庭用のロボット掃除機のような分野から参入してくる企業があるというリスクはないのでしょうか?
二藤部:技術的に、我々には大型機器に関して強みがあるとお話ししましたが、そのような技術を他社も保有しており、例えばゴルフ場をターゲットに市場参入してくる可能性があるのではないか、というご質問でしょうか?
質問者:そのとおりです。
倉田:「ご家庭にある掃除機ロボットのような分野から市場参入する可能性があるのではないか」という点が、今回のご質問の趣旨であると理解しました。
現在当社が進めているスポーツフィールド向けで、「RTK-GNSS」を使用し正確に芝をカッティングする技術は、家庭用の掃除ロボットとは求められている機能や技術要件が大きく異なっています。
世界的に見ると、中国メーカーなどさまざまな企業がロボット技術の開発を進めている状況ではありますが、技術的な優位性は依然として当社にあると考えています。
ただ、競争環境は常に変化していますので、当社としても継続的に研究開発を進め、競争力の維持・向上に取り組んでいます。
質疑応答:ロボット芝刈機分野の参入障壁について
質問者:ロボット芝刈機の分野に参入する際の参入障壁についておうかがいします。具体的には、技術的に芝をきれいにカットする部分にあるのか、過酷な環境でも動作可能である部分にあるのか、ソフトウェアにあるのか、技術的な差異として大きなポイントとなる点について教えてください。
倉田:今回、技術的な優位性という観点でご説明したのは「WiseNav」「WiseCut」およびRTKです。屋外における技術として、GNSSやRTKにおいて電波がどこまで届くか、その電波をどう活用するかという点は非常に難易度の高い課題となります。
特に、電波が消失した際にどのように動作するかという観点は、当社のノウハウが活かされる部分です。このような状況で安定した走行を可能にする技術開発をしっかりと進めている点において、当社は優位性があると認識しています。
質疑応答:御社のロボット芝刈機が持つ優位性について

質問者:インターネットで調べるとロボット芝刈機を展開する企業がヨーロッパをはじめさまざまな地域に存在しています。先ほども中国メーカーに関するお話がありましたが、既存のロボット芝刈機メーカーに対して、御社の「RTK-GNSS」「WiseNav」「WiseCut」は先行していて、優位性を持っているという認識でよろしいでしょうか?
倉田:技術的な優位性についてご説明すると、2025年にToro社と協業できた点は、ゴルフ場の管理において我々のロボットが有効なソリューションである1つの評価だと考えています。
我々の技術とToro社の目指す方向性が一致した点が業務提携に至った要因と認識しています。
質問者:Toro社はゴルフ場を押さえているため、提携できることは大きな意味を持つということでしょうか? 営業活動においても、Toro社と一緒に取り組んでいることで信頼性を説明する際にも有効であるという理解でよろしいでしょうか?
倉田:そのように理解しています。Toro社も、我々と提携を決定する前に、さまざまな会社の製品を検討した上で、最終的に我々を選んでいただきました。また、我々のロボット芝刈機が技術面で先行していると評価され、一緒に事業を推進するパートナーとして選んでいただいたのだと思います。
質疑応答:ロボット事業の成長率について

質問者:欧州における上期のOPEの売上高実績は現地通貨ベースでマイナス2.2パーセントですが、ロボット事業は10数パーセント程度伸びているという理解でよろしいでしょうか?
二藤部:ご指摘のとおり、欧州は現地通貨ベースでマイナス2.2パーセントとなっています。OPEは熱波の影響を直接受けた部分があり、実際にマイナスとなりました。一方で、具体的な数字は差し控えますが、ロボット事業は力強い伸びが続いています。
質疑応答:アメリカのOPE市場の好調要因について
質問者:アメリカのOPEについてです。以前は天候要因やプロモーションの奏功など、前年同期比で伸びる要素がいくつかあったと思います。ここ数年は、御社は為替の影響もあってか、堅調に成長している印象を受けます。
これは、例えばホームセンターでのシェアが確保できていることや、さまざまなプロモーションが総合的に成功していることが寄与しているのでしょうか? アメリカ市場において、比較的好調に推移している、ここ数年の状況についてどのように捉えたらよいか教えてください。
二藤部:アメリカは、国土が広いこともあり、どちらかの地域で干ばつが発生することがよくあり、時期によっては、製品販売に影響を及ぼすこともあります。
一方で、足元は底堅く推移している背景には、ブランド力の向上があります。何度も繰り返して恐縮ですが、テレビCMなどに力を入れ、ブランドが浸透してきていることが大きいと思います。
当社の主力は、現時点ではエンジン製品です。エンジン製品から撤退する企業も増えています。北米市場では現在、電動化の勢いがやや抑えられており、足元ではエンジン製品も下げ止まっている状況です。このような中、比較的当社の強みを発揮できている時期にあるのではないかと考えています。
質問者:ホームセンター内のシェア、プロマーケット向けのシェアともに好調なのでしょうか?
二藤部:全体で見ると、伸び率はホームセンターのほうが高いです。
質問者:プロモーション戦略がうまくいっていることや、ホームセンターとの信頼関係が構築できていることが好調の要因でしょうか?
二藤部:おっしゃるとおりです。
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