2026年12月期第2四半期決算説明
YCP HD、世界23拠点700名規模にコンサルティング事業が拡大 上期営業利益は前年比135.5%、日本・東南アジアが堅調
アジェンダ

石田裕樹氏:YCPホールディングス(グローバル)リミテッドの2026年12月期第2四半期決算説明会を開始します。取締役兼グループCEOの石田です。どうぞよろしくお願いします。
本日は、まず株価の状況を簡単にお伝えした後、本第2四半期の業績全体についてご説明します。その後、各事業セグメントの詳細をお話しし、最後に今期通期の業績予想を共有し、みなさまからのご質問にお答えできればと考えています。
はじめに:JDR (日本型預託証券) とは

まず、株価についてです。当社では「株価」や「株」という表現を使うこともありますが、正確にはスライドに記載しているJDRという形態で東京証券取引所に上場しています。
当社はシンガポール法人であり、シンガポール法人企業としての株式を三菱UFJ信託銀行に原証券としてお預けし、三菱UFJ信託銀行に発行いただいたJDRという預託証券を東京証券取引所で流通させています。
取引自体は、他の日本株と同様に行えると理解しています。ただし、株主総会には直接株券を保有している株主のみなさまがご参加いただくため、JDRをお持ちのみなさまは、株主である三菱UFJ信託銀行に対して議決権の行使を指図していただきます。
その際、議決権行使指図書を提出していただくことで、間接的に株主総会での議決権行使が可能となる仕組みです。配当についても、日本企業と同様に、当社が実施する配当金を三菱UFJ信託銀行を通じてJDRの受託者であるみなさまにお配りできるかたちになっています。
一方で、日本株と同様に取引が可能ではありますが、現時点では各証券会社の投資プラットフォームにおいて、私どもの情報が適切に開示・表現されていない状況であると認識しています。
私どもとしては、証券取引所や証券会社に対し、日本株と同じように情報を表示していただけるよう日々働きかけを行っていますが、現状ではそのような課題があると認識しています。
投資参考指標のご案内

それを踏まえて、現在の株価について、時価総額は足元で120億円弱、PERは14倍弱という評価をいただいていますが、直近で株価が大きく下落している中、どのようにして株価を回復させていくかが非常に重要であると、私ども経営陣一同が認識しており、日々の経営に取り組んでいます。
会社概要

全体の業績についてご説明します。現在、グローバルに23拠点を展開し、約700名のフルタイム正社員でビジネスを行っています。
スライド右側にあるとおり、メンバーの9割以上がアジアに拠点を持っています。日本で約150名、東南アジアで約170名、中華圏で約37名、インドでは約300名、中東では10名が在籍しており、当社はアジアに根ざしたコンサルティングファームとしてビジネスを展開してきました。
円ベースによる過年度の業績推移

内容についてはこの後に詳細を説明しますので割愛しますが、スライドで示しているのは円ベースでの業績推移です。
昨年度は円ベースで166億円の売上を達成しました。その内訳は、コンサルティング事業の売上が約110億円であり、そこに当社がプリンシパル投資事業で取り組んでいる投資先の売上が連結され、全体で166億円となったのが昨年度の実績です。
マネジメント・サービス事業およびプロフェッショナル・ソリューション事業といったコンサルティングサービスの売上が、当社にとってもっとも重要な本業であると考えています。そのため、この110億円を今年どのように伸ばしていくかを、経営陣一同で取り組んでいるのが全体的な方針です。
FY2026 第2四半期累計業績ハイライト

第2四半期の累計についてご説明します。上期を終えた時点で、当社は売上高約105億円となりました。営業利益は6億3,000万円で、前年同期比135.5パーセントとなり、期首の目標数値に対しても約7割上回る大きな成果を上げることができました。
最終的な利益については、3億5,000万円と非常に堅調に上期を終えることができました。事業セグメントごとの詳細については別のスライドでご説明しますが、ここでは全体的な状況をお伝えします。
創業時から展開しているマネジメント・サービス事業においては、日本地域や東南アジア地域が特に堅調で、17パーセント強の増収を実現しています。
引き続き、売上拡大を目指しながら、複数のオフィスで一昨年と比べて3倍ほどの面積を確保し、第1の目標として採用活動やオフィス家賃などへの投資に注力しています。これにより、より大きなビジネスやチームの構築を優先しました。
その結果、利益は昨年とほぼ同水準にとどまっていますが、現在は業容の拡大に注力している段階がマネジメント・サービス事業の状況です。
プロフェッショナル・ソリューション事業については、各領域が堅調に推移しています。特に昨年10月に買収したルノワールという会社が売上に大きく貢献し、昨年と比較して2.5倍以上の売上を実現しました。
利益については、買収した会社の立て直しや収益改善施策が多数進行中であるため、収益は若干減少していますが、売上は2.6倍となり、グループ全体の売上を大きく牽引しています。
プリンシパル投資事業についてご説明します。一部で投資先の持分を売却したことにより、一時的な利益として2億3,000万円を計上しました。そのため、6億3,000万円の営業利益のうち、この2億3,000万円を除けば、上期で約4億円の利益を上げているという全体像です。
FY2026 Q2単体グループ連結業績

四半期ごとに見ると、スライドに示したとおり、マネジメント・サービス事業は、順調に毎年10パーセント程度の成長率で比較的安定して事業を拡大することができています。収益性も20パーセント近い営業利益を確保しつつ、グループのしっかりとした基盤を担っています。
プロフェッショナル・ソリューション事業は、昨年に比べて約2.5倍の売上となり、足元では1,280万米ドル、約20億円の売上を達成しています。
プリンシパル投資事業は、一部事業を売却したために売上が減少していますが、全体の利益の最大化や本業であるコンサルティングサービスの事業拡大を優先しながら、事業の整理を進めています。
FY2026 Q2 地域別プロフェッショナル数、採用費及びオフィス賃料等の推移

セグメントの詳細に入る前に、人員数の推移についてご説明します。第2四半期を終え、日本地域では人員の規模を2割から3割ほど拡大することができました。
インド地域では、昨年10月に買収したルノワールの人員増加があり、第3四半期から第4四半期にかけて人数が大幅に増加しましたが、その規模を維持しながら経営に取り組んでいます。
同様に、東南アジア地域でもルノワールの買収により人数が増えました。ただし、買収後のさまざまな収益改善の取り組みの中で、機能が重複している部分については人員を削減し、収益の最大化を図っています。
そのため、買収後も人数を一部削減しながら、事業体制の最適化を進めていることをこのスライドで示しています。
採用費とオフィス家賃の推移についてです。採用費に関しては、昨年に比べて約4倍の金額を投じ、積極的な採用を進めています。
また、オフィス家賃についても、一昨年までは非常に狭いオフィスで運営している国がほとんどでしたが、しっかりとしたオフィスを構えることでチームを支え、事業拡大を図るという考えのもと、オフィス家賃にも多くの投資を行っている状況を、スライドで示しています。
マネジメント・サービス事業のご紹介

事業の詳細と事業ごとの業績についてご説明します。
マネジメント・サービス事業についてです。この事業は、我々が顧客の現場に常駐しながら、さまざまな経営変革の実行支援を行うことを特徴としたコンサルティングサービスを展開しています。
スライド右側には、M&Aの場合のイメージを示しています。会社を買収する際の助走期間から、買収後およそ100日をかけて垂直的に買収実務を進め、その後も長期にわたりバリューアップの実行支援を行います。
3年から5年の期間、顧客の会社に常駐しながら伴走して、バリューアップを実現するプロジェクトマネジメントオフィスやインプリメンテーションといわれるコンサルティングサービスを得意とする事業です。
マネジメント・サービス事業の業績

マネジメント・サービス事業の売上は、今四半期で1,190万米ドルとなり、第2四半期も業績を向上させることができています。
約10パーセントから20パーセント弱の成長を実現していますが、円ベースや日本での商売で見ると、先ほどお伝えしたように人員を2割から3割ほど増加させながら、売上では50パーセント以上の成長を達成しています。非常に大きな成長を遂げられていると考えています。
同様に、インドや東南アジアでも飛躍的に売上を拡大することができています。しかし、これをドルベースで見ると、2026年度に入って円安やルピー安が進む中、米ドルでの売上伸長を表現するには厳しい外部環境があります。
それでもなお、現地通貨で確実に売上を伸ばし、米ドルベースで決算をまとめた際にも必要最低限の成長を担保しながら、ビジネスの拡大に取り組めていることが、このスライドからご確認いただけると思います。
セグメントの利益についてです。昨年は非常に大きな利益を上げることができましたが、スライド12ページで示したとおり、採用費がほぼ倍増し、オフィスの家賃も約3倍に増加しているため、収益性は若干利益率が低下しています。
しかし、ビジネスを拡大していく中で、利益率の改善や、さらに高い水準を目指していきたいと考えています。
足元では20パーセント弱の利益率で、セグメント損益は190万米ドル、約3億1,000万円をこの四半期で上げることができています。年間の売上ではおおよそ80億円、営業利益で約12億円規模になりつつあると考えています。
これを売上100億円、営業利益15億円から20億円規模にいち早く成長させたいと考え、現在、グループ一同で経営に取り組んでいます。以上が、マネジメント・サービス事業の詳細です。
プロフェッショナル・ソリューション事業のご紹介

プロフェッショナル・ソリューション事業についてです。まず、マネジメント・サービス事業を立ち上げたうえで、2021年12月に当社は東京証券取引所に上場しました。
先ほど、マネジメント・サービス事業で10パーセントから20パーセントの成長を実現したとお伝えしましたが、株主のみなさまとの対話を通じて、より大きな成長を望む声が多いことを認識し、IPO以降、このビジネスの拡張に努めてきました。
これが、プロフェッショナル・ソリューション事業における当社の取り組みです。現在、5つの領域に専門チームを配備しています。例えば、DXの専門チーム、サプライチェーンの専門チーム、サステナビリティの専門チームなどです。
これらの専門チームを活用し、当社がマネジメント・サービス事業を通じて築いてきた顧客基盤に対し、他の専門領域のサービスを提供してきました。こうした取り組みは、IPO以降の3年から4年間におよぶ活動となります。
プロフェッショナル・ソリューション事業の業績

結果的に、第2四半期において1,280万米ドル、約20億円の売上を達成し、マネジメント・サービス事業とほぼ同等の売上を上げることができました。
スライドをご覧いただくと、その中でも特に大きいのがオペレーショントランスフォーメーション領域です。昨年10月に買収したルノワールが売上に大きく貢献していることがわかるかと思います。
一方、それ以外の領域、例えばサプライチェーン領域やDX領域、マーケティングといったインタラクティブ領域、さらにサステナビリティ領域も堅調に伸びています。
DX領域は若干足踏みの傾向が見られるものの、サステナビリティ領域やインタラクティブ領域はビジネスを大きく伸ばしながら経営を進めています。
その結果、現在の売上は20億8,000万円、営業利益は1億2,000万円程度を上げているのが、プロフェッション・ソリューション事業全体の現状です。この中身を見ると、DX領域やインタラクティブ領域、サステナビリティ領域の各領域では非常に高い収益性を確保できています。
一方で、買収してきたサプライチェーン領域については収益化には成功したものの、まだ大きな収益貢献には至っていません。
昨年10月に買収したルノワールに関しては、昨年の第4四半期と今期第1四半期においてかなり大きな赤字を計上しましたが、現在その再生に取り組んでおり、第2四半期には黒字化、または収支をトントン程度にまで改善しています。
そのため、第3四半期以降はより大きな利益貢献を期待しながら経営を進めています。
サプライチェーン領域における収益改善計画の進捗

2023年8月に買収したコンサスという会社について、2023年から2024年にかけて立て直しを進めてきました。当初は2025年に黒字化を目指していましたが、さらにリストラが必要との判断に至り、収益面で大きな成果を出すことはできませんでした。
しかしながら、2026年に入り、売上も回復基調にあります。第3四半期、第4四半期と、この基盤をもとにさらなる売上拡大が見込める状況まで到達したと考えています。
オペレーショントランスフォーメーション領域の収益改善計画の進捗

ルノワールは買収してからまだ日が浅いため、月次で示しています。2025年4月の時点で約100万米ドル、1億5,000万円から2億円程度の赤字となっており、2026年度の第1四半期も1月から3月の合算で70万米ドル、約1億円の赤字を出していました。
しかし、この4月には収益化を果たしており、4月・5月・6月を合わせて考慮すると、第2四半期では収支をトントンまで持ってきています。
第3四半期ではさらに業績が好調に推移しており、利益を計上しています。そして第4四半期には、利益額や利益率を構築・維持・実現したいと考え、取り組んでいます。これがルノワール買収後の再生に関する経緯です。
プリンシパル投資とは

プリンシパル投資事業についてです。
当社は現在、約960名のチームでグローバルおよびアジア全域にわたってビジネスを展開しています。その中で、ビジネスの大半、人員で言えば約700名はお客さま向けのアドバイザリーやコンサルティングサービスを提供していますが、一部では社内で事業を創出したり、会社を買収して立て直すといった取り組みを行っているのがプリンシパル投資事業となります。
ペットケア領域のご紹介

今一番大きな投資先は動物病院です。「ライフメイト」という名前の動物病院を現在、主に関東と一部北海道で12施設展開しています。
ペットケア領域の業績

昨年7月に新たに買収した動物病院があり、例年、第2四半期は繁忙期となるため、他の四半期に比べて特に業績がよい期間となります。今年はその影響もあり、昨年の第2四半期を上回る売上を達成することができました。
今期の事業はすべて日本国内で展開しているため円でご説明しますが、売上は約9億円で、昨年比で約15パーセントのビジネス拡大を実現しています。
戦略投資領域のご紹介

それ以外にも、例えば海鮮居酒屋を北海道で展開したり、シンガポールで海鮮丼屋を経営したりしていました。
戦略投資領域の業績

それ以外の取り組みとして、連結している子会社や連携している投資先の業績をまとめたのがスライドです。なお、シンガポールで展開していた海鮮丼のお店は無事に売却を完了し、その結果、売上が減少しています。
現状、戦略投資領域では四半期ベースで約310万米ドル、約5億円の売上を計上しており、収支はほぼトントンとなっています。また、投資先の持分を売却したことで一時的な利益として約2億3,000万円が計上されました。
なお、この2億3,000万円の利益については、スライドのグラフには加味せず、会社の売買や売却に関する損益を除外した業績面のみを示しています。
戦略投資領域の業績としては、調整後セグメント利益の3,000万円に、この一時的な利益である2億3,000万円を加え、合計約2億6,000万円のセグメント利益を計上することができました。これが第2四半期の業績となります。
グループ全体の成長戦略

当社が現在進めている中期事業計画についてです。
祖業であるマネジメント・サービス事業を継続的に拡大させながら、アジアを代表するコンサルティングファームになることを最優先の目標としています。
現在、第2四半期で約20億円の売上を達成しており、通期では約80億円の売上を見込んでいます。これを早期に100億円、場合によっては1億米ドル、つまり約150億円の売上を目指していくべきだと考えています。
その中で、現在の利益水準は約20パーセント弱となっており、20パーセント程度の利益率を維持しつつ、採用費やオフィス家賃への先行投資がかかっています。
事業の拡大に合わせて20パーセント程度の利益率を維持し、可能であれば25パーセント程度へと高めることで、グループ全体の成長性と利益性を担保したいと考えています。このような方針のもと、マネジメント・サービス事業を推進しています。
プロフェッショナル・ソリューション事業に関しては、現在5領域まで拡張しています。これらを合わせて第2四半期で20億円の売上となり、通期では80億円程度の事業規模となっています。
ただし、それぞれの領域を50億円以上のサービスへと拡大していくことが重要だと考えています。そのため、一つひとつの領域において専門性を確立し、5領域で合わせて250億円規模の事業を構築できるよう、高い成長を目指して投資を重ねていきたいと思います。
プリンシパル投資事業についてです。動物病院や飲食業をテーマに、これまでに何十社もの企業への投資を行ってきました。新たな投資にも引き続きチャレンジしています。
一方で、当社が以前に投資し、一定の時間が経過した投資先については、最適なタイミングで売却を行い、投資資金を回収しています。回収した資金は、グループ全体の経営に有効活用していきたいと考えています。
この3つをグループ全体の成長戦略の柱として掲げ、日々経営に取り組んでいます。
2026年12月期 中期経営計画

中期経営計画についてです。スライドは米ドルベースです。
2026年12月期 中期経営計画 (円ベース)

スライドは円ベースで示されていますが、昨年は約110億円の規模だったものが現在では80億円と80億円で合計160億円に達し、さらに170億円程度まで伸ばせると考えています。
高い勝算を持ちつつ実現可能な水準と見込んでおり、オーガニックな成長を図ることで、全体として約220億円のコンサルティング利益を達成する計画です。
マネジメント・サービス事業では25パーセント程度の利益率、プロフェッショナル・ソリューション事業では先行投資を考慮しつつ10パーセント程度の利益率を見込み、これによってスライド下段に記載の26億円から30億円程度の利益を、売上高200億円に対して確実に実現していきたいと考えています。
これが、中期経営計画の概要です。
我々は、過去にルノワールをはじめ、Consus社やShenkuo社、その前にはインドのAuctus社、さらに以前にはシンガポールのSolidiance社の買収を通じて事業を構築してきました。
今後も、積極的に取り組むべきプロフェッショナルファンドがあれば、そのような会社の買収を検討しつつ、売上200億円・利益30億円にとどまらず、売上300億円、さらに500億円規模を目指し、利益率20パーセントを確保できる姿をお見せしたいと考えています。
また、非連続的な成長を実現するため、M&Aも積極的に検討していきたいと考えています。
株主還元の方針① 配当金

そのような業績の見通しを踏まえ、株主のみなさまへの還元方法としては2つあります。1つ目は配当金です。すでに発表していますが、昨年は中間配当を3円25銭、期末配当を11円37銭で、合計14円62銭の配当を実施しました。
配当性向については、恒常的な事業収益の約50パーセントをみなさまに配当還元する方針で取り組んでおり、今期はすでに中間配当のタイミングを過ぎています。
こちらも発表済みですが、上期の中間配当は6円25銭、期末配当は13円を予定しており、合計20円程度の配当を目指して事業計画を進めている状況です。
株主還元の方針② 当社子会社による当社JDRの取得

2つ目の株主還元策として、自社株買いがあります。ただし、当社が上場させているのは株ではなくJDRです。そのため、自社JDR、あるいは当社のJDRの取得というかたちになります。
今年6月から8月上旬にかけて、約2ヶ月を期間として、市場や市場外での相対取引を通じて、現在14パーセント弱まで自社JDRを買い戻しました。この取引に22億8,000万円を投資したことを示しています。
配当と当社のJDRの取得、この2つを合わせて、株主のみなさまへの還元を進めていきたいと考えています。私からのご説明は以上です。
質疑応答:単価動向とクロスボーダー案件の比率について
「日本・中国・東南アジア・中東・欧米などの主要拠点における単価の動向を教えてください。また、全案件に占めるクロスボーダー案件の比率は、今後どのように推移すると見込んでいますか?」というご質問です。
単価の動向について、まず日本では短期的には横ばいと見ていますが、中長期的にはインフレの影響もあり、ここから少し上昇できる余地があると感じています。当社は日本での事業をすでに15年展開しており、2011年8月に会社を設立して以来、経営を続けています。実は、明日で15周年を迎えるところです。
特に直近5年ほどは、非常に高い単価をいただきながらビジネスを展開しています。当社では「人月」と呼んでいる1人当たり月額の評価として、300万円から400万円程度のご評価をいただきながら、コンサルティングサービスを提供しています。
この水準は競合他社と比較しても比較的高い水準で仕事をいただいていると考えています。今後、インフレや人件費の上昇に伴い、緩やかに単価を上げられればと考えています。
東南アジアおよびインドに関しては、まだ競合他社と比べて価格面で弱い点がありますが、単価を引き上げる余地は十分にあります。
そのためには、提供できる価値を向上させる必要があり、より高品質なサービスを提供してお客さまに認めていただき、単価の向上を実現できるよう努力していきたいと考えています。一方で、中国については現在積極的な投資を行っていないため、今回は割愛します。
東南アジアにおいては、この5年間で単価を倍に引き上げてきました。今後5年でもう一度倍にすることを目標としていますが、需給バランスや競合他社とのバランスを考慮しながら経営を進めていきたいと考えています。
インドでは、インドルピーで見ると、毎年おおよそ10パーセントのペースで価格が継続して上昇しています。ただし、インドルピーが米ドルに対して約20パーセントの下落を見せているため、米ドルで見るとほぼ横ばいか変化がない状態です。
それでも、現地通貨では毎年10パーセントずつ単価を引き上げる必要があると考えています。また、実際に緩やかに単価を引き上げ、収益性の改善を進めてきました。
クロスボーダー案件の比率は地域によりますが、全体で約20パーセントのプロジェクトがクロスボーダーとなっています。
日本では、国内市場が大きいこともあり、クロスボーダー案件の割合はおよそ15パーセントです。一方で、東南アジアではほとんどがクロスボーダー案件で、比率は20パーセントから30パーセント程度となっています。
インドでもおよそ20パーセントがクロスボーダー案件であり、全体的にクロスボーダー案件の比率は高い状況です。そのため、他社ではクロスボーダー比率が10パーセントを切る程度かと思われますが、当社はその2倍から3倍にあたる比率を誇っており、これが当社の特徴だと考えています。
質疑応答:コンサルティングファームの人材獲得競争と採用戦略について
「グローバルコンサルティングファームとの人材獲得競争が激化する中、プロフェッショナル人材の離職率や採用コストの動向、ならびに稼働率をどのようにコントロールしていますか?」というご質問です。
確かに人材獲得競争は激化している状況です。我々の競合他社のほとんどが米系企業であり、超大手ではマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニーなどがあります。
我々に近い業界や直接的な競合としては、デロイト・トウシュ・トーマツ、ローランド・ベルガー、A.T. カーニーなどがあり、そうした企業との人材の取り合いが非常に厳しい状況であると認識しています。
我々の特徴として、アジアのファームであることが挙げられます。たとえば欧米のファームでは非常に流暢な英語が求められ、一定以上のポジションに昇進するのが難しい場合や、いわゆる「ガラスの天井」とも呼ばれる状況、すなわち「ここから先は本国の、本社の人たちだ」といった制約が存在します。
一方、当社にはそのような人種や国籍の制約が一切ありません。仮に当社にも「ガラスの天井」があるとしても、それは非常に脆弱で、透明性があります。また、社内で昇進しやすい環境が整っており、CEOである私自身ともいつでも気軽に会話ができるという点を強くアピールしながら、人材確保に努めています。
その結果、離職率は地域によってばらつきがあるものの、10パーセントから20パーセント程度に安定しています。具体的には、非常に安定していると感じられる水準が10パーセント、少し退職者が多かったと感じられる場合でも20パーセント程度に収まっています。
なお、多くのコンサルティングファームの離職率が30パーセント程度であることを考えると、当社は業界のトレンドに比べて非常に安定した人材層を確保できていると考えています。採用コストは上昇を続けていましたが、ようやく横ばいに落ち着いてきたと考えています。
AIの活用が進んだことにより、この業界における採用競争が若干緩和されたことも要因の一つです。これは我々にとってチャンスと捉えています。このタイミングで若干低下した採用コストを活かし、人材の確保を進めながらさらなる業容拡大を目指していきたいと考えています。
現在、稼働率は平均すると約80パーセントでコントロールしていますが、いくつかのユニットでは90パーセントを超える逼迫した状況が続いています。非常に忙しい状況であり、人員をさらに増やしてビジネスを拡大するフェーズに入っていると認識しています。
質疑応答:収益性改善の進捗状況について
「サプライチェーン領域およびオペレーション領域の収益性改善の進捗状況についてどのように分析されていますか? 今年度通期の目標達成に向けた具体的な経過についてあらためて確認をしたいです」というご質問です。
おそらくこのご質問は、説明会の前に事前にいただいていたものかと思います。先ほどのプレゼンテーションでご説明した内容に該当するため、割愛します。
質疑応答:自社株買いとJDR枠の活用について
「JDRの自社株買いに関して、まだ若干枠が余っているようです。残りの枠を使った市場での自社株買いの可能性、検討はしていらっしゃいますか?」というご質問です。
自社株買いについて、枠の範囲内で積極的に取得していくべきだと考えていますので、検討を進めていきたいと思っています。ただし、取得にあたりましては、我々の自己JDRの取得となるため、購入可能なウィンドウやタイミングが非常に重要です。
現在は、決算発表後にインサイダー情報が解消されるタイミングや、別のインサイダー情報が発生する状況など、どのタイミングでどれだけ購入するかが複雑化しています。
株主のみなさまにはご心配をおかけしているとおり、極めて出来高が少ない状況が続いており、そのような中でどれだけ取得すべきかについても難しい判断を迫られることがあります。しかしながら、JDR買付けの枠が余っている分については、しっかりと有効活用し、株主のみなさまに還元していきたいと考えています。
質疑応答:個人投資家と機関投資家への情報開示および株式投資促進について
「海外持ち株会社、それとJDR上場という形態から国内の個人投資家や機関投資家に構造が理解されにくく、株価が割安に放置されているように感じます。市場での流動性向上や機関投資家比率アップに向けたIR戦略の具体策はありますか?」というご質問です。
個人投資家のみなさまに認めていただくことが、グロース市場において最も重要だと考えています。そのため、なんとかして証券会社のみなさまの取引プラットフォームにおいて、当社の株価や時価総額が正確に表示されるよう改善を進めてきました。
以前は、株価が正しく表示されず、時価総額が適切に開示されない状態が続いていましたが、こちらについて改修が完了したと理解しています。
一方で、PERやPBRなど、当社の業績が適切に反映されない現状は深刻な課題だと認識しています。この点については、東証や証券会社のみなさまに対し、監修を強く依頼しているところです。現在、足元でこうした対応を進めています。
加えて、機関投資家のみなさまにもご参加いただくことで、プロのみなさまが利用する「Bloomberg Terminal」などでは当社の情報がしっかりと開示されています。その情報をもとに投資いただく機関投資家のみなさまにも積極的にアプローチし、株やJDRへの投資を促進するよう努力を続けています。
質疑応答:株式市場における出来高の低迷と上場維持の必要性について
「現状の株価や流動性が続くのであれば非公開化したほうが良いのではないでしょうか? また、中期経営計画に対して現在の評価が割安すぎます。同業平均を適用すれば時価総額300億円ぐらいが妥当ではないでしょうか? この乖離について、どう考えているのでしょうか?」というご質問です。
以前の説明会で、私が「このまま出来高が少ないままなら上場している意味が乏しくなってしまう」というコメントをしたことに関するものだと思います。個人投資家のみなさまが利用する投資プラットフォームにおける当社の情報が適切に開示されていない問題については、非常に大きな危機感を持っているとお伝えしたとおりです。
その結果として、株価は、大口の売却のご意向があれば下方に下がりますし、大口の方に買っていただける場合には、自社株買いを含めて株価を上昇させることが可能だと考えています。しかしながら、出来高が極めて低い状況は、正直なところ非常に苦しい問題と認識しています。
ここが改善しないのであれば上場している意味が乏しいと考えている点については、以前の説明会から変わりません。このため、ご質問をいただいている非公開化の検討も排除することなく、会社としてどのような対策を取ることができるか、経営陣一同で検討を進める必要があると考えています。
まずは、可能な限り当社の情報が適切に取引プラットフォームに開示されるよう促していくことが重要です。それを含めて、出来高を維持できるような努力を重ねることを継続していきます。
質疑応答:JDRの大規模取得後の株価低迷と出口戦略について
「今回のJDR取得の大半を『ToSTNeT』ツールで実施しており、結果的に特定の大株主には出口を提供できた一方で、個人株主が取り残されていると感じています。
経営陣は、流動性が低く含み損を抱えている個人株主の現状をどのように受けとめているのでしょうか? 資本効率などの件ではなく、投資を続けてきた少数株主のみなさまに対しての率直な意見をお聞かせください」というご質問です。
ご指摘のとおり、当時の株価を踏まえ、「ToSTNeT」で大口株主の方々に、市場内の取引でその他の株主のみなさまに対して出口を提供しました。しかし、そこから大きく株価が低迷している点については、想定外であったというのが正直なところです。
先ほどのご質問でご指摘いただいた、株価や流動性の対策を実施するにあたっては、長期にわたり支えてくださった個人投資家のみなさま、そしてIPO価格であった830円を強く意識しながら、みなさまへの出口機会を広く提供する必要があると考えています。
ここでの「みなさま」とは特定の投資家ではなく、全株主のみなさま全員を指しており、全株主により良いかたちでの出口を提供することが必須であると強く感じています。そのために、経営陣の仲間とともにさまざまな検討を進めていることをご理解いただければ幸いです。
日本時間では遅い時間にもかかわらず、お付き合いいただきましてありがとうございます。
業績については非常に良かったと考えており、引き続き事業を拡大しながら収益性をしっかりと担保し、経営に努めていきます。
一方で、厳しいご意見を頂戴した出来高およびその出来高による株価、特に足元においては大口株主からの自己株買い以降の株価の状況が非常に良くない点は、ご指摘のとおりだと認識しています。このようなご指摘に対し、回答や改善策をきちんと提案し、ご提供できるように努めていく所存です。
また、事業経営だけでなく、資本施策や資本戦略に関しても、今後さらに議論を重ねて対応していきたいと考えています。
直近数ヶ月は、こうした状況に対し大変なご心配やご不安、ご迷惑をおかけしていると深く認識しています。一刻も早く対応を進められるよう努め、引き続きみなさまとのコミュニケーションを図らせていただければ幸いです。
IRニュースレターのご案内

さまざまな情報を積極的に配信していますので、スライドに記載のIRニュースレターへのご参加もぜひご検討いただければと思います。それ以外にも、IRへご意見などをお寄せいただければ、私どもはそのご意見に真摯に向き合い、今後の対応を検討していきます。引き続き、ご指導とご支援を何卒よろしくお願いします。
本日の説明会については以上とします。みなさま、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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