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事前の印象を変えたIRセミナーの注目ポイント

荒井沙織氏(以下、荒井):みなさま、こんにちは。フリーアナウンサーの荒井沙織です。

前回は、JAMMYさん流の「IRセミナーを見る際のポイント」を教えていただきました。IRセミナーに限らず、押さえておきたいポイントがギュッとつまっていましたので、初心者の方にとっても非常にわかりやすく、株の見方が自然に身につくように感じました。

さらに、私がJAMMYさん流の視点でおもしろいと思ったのは、登壇者以外にも注目するというポイントが挙げられていたところです。これは、JAMMYさんらしさが表れている部分だと思いましたし、私自身も取り入れてみたいと感じました。

そこで今回は、JAMMYさんがおもしろいと感じたIRセミナーの動画を実際に一緒に見ながら、そのポイントを解説していただきたいと思います。よろしくお願いします。

JAMMY氏(以下、JAMMY):個人投資家のJAMMYです。よろしくお願いします。

荒井:さっそくですが、今回一緒に視聴するIRセミナーは、どのセミナーでしょうか? 

JAMMY:株式会社オプロのIRセミナーです。

荒井:オプロさんは、2026年春のIR Meetにご出演いただきましたね。

JAMMY:私も会場にいました。

荒井:一緒に参加しましたよね。JAMMYさんが今回、オプロさんを選ばれた理由は何でしょうか? 

JAMMY:オプロさんは、IPOされて間もない企業で、「帳票DX」を進めている企業です。正直、事前にはあまり魅力を感じていなかったのですが、話を聞くうちに、ビジネスモデルのおもしろさと社長の話し方のユニークさに引き込まれまして、セミナー開始から5分ほどで、ぐっと興味が湧いてきました。

さらに、話を聞けば聞くほど、時価総額はそれほど高くないにもかかわらず、エンタープライズ企業との取引実績が多い点が興味深く、もっと深掘りしてみたいと思いました。

荒井:今回の動画には、着目すべきポイントがたくさん盛り込まれていますね。それでは、さっそく見ていきましょう。

収益モデルの8割を占めるストック型ビジネス

(動画始まる)

株式会社オプロ 代表取締役社長 里見一典氏(以下、里見):我々の収益モデルについてご説明します。基本的にクラウドサービスにおけるサブスクリプションビジネスを基盤としており、売上は主にストック型モデルとフロー型モデルの2種類で構成されています。

(動画終わる)

JAMMY:最初のポイントは、収益モデルの8割がストック型であるという点です。

個人投資家はストックビジネスが好きですよね。動画が始まってすぐですが、この説明を聞いて、非常に興味深く感じ、この企業を深掘りしてみたいと思いました。

荒井:ハートをつかまれたのですね。

JAMMY:8割がストック型というのは非常に魅力的です。

荒井:里見社長はそのあたりをご理解されているのか、個人投資家のみなさまの気持ちをしっかりつかまれていますよね。前回のお話で言いますと、「ビジネスモデルの理解と収益構造」の入り口をしっかりと提示されていますね。

JAMMY:そのとおりです。わかりやすいですね。次に進みたいと思います。

大手企業・自治体への導入実績から見る成長可能性

(動画始まる)

里見:まず、日本郵政コーポレートサービスさまの事例です。日本郵政グループにおける総務や人事関連の書類を一括で取り扱うサービスを提供していますが、ここで我々のサービス「帳票DX」が採用されています。

ポイントは大規模なアクセス対応です。日本郵政グループ全体で40万人の社員がいらっしゃいます。40万人の給与明細を同時に処理する際、当社のサービスは停止しないという点が非常に優れているサービスとして評価され、ご導入いただきました。

続いて、セブン・ペイメントサービスさまの事例です。ATM関連のサービスについてです。

(動画終わる)

JAMMY:ここまでで気になる点としては、時価総額がそれほど大きくない、そして、IPOしたばかりの企業が、日本郵政コーポレートさんやセブン銀行さんと取引しているのは、すごいことですよね。

荒井:大企業ですものね。

JAMMY:大企業ですよね。オプロさんが、なぜこのような大手エンタープライズ企業と取引できるのか、その理由が気になります。

荒井:製品を1つ購入するということではなくシステム導入ですから、大きな取り組みですよね。

JAMMY:大企業と取引できているオプロさんの強みは何なのか、この先を見たくなるところです。

荒井:ここも興味を引かれるポイントですね。

JAMMY:では、次の動画を再生します。

(動画始まる)

里見:導入事例についてご説明します。埼玉県庁さまの事例になりますが、どのようなかたちでご利用いただいているのかをお話しします。

基本的に、ほとんどの公共部門では紙の帳票が多数存在します。紙の申請書をコンピューターに取り込み、自動的にフォームを作成するのが「カミレス」のソリューションです。

現場では、職員が自分でフォームを作成できます。ただし、裏方のワークフローや管理については、コンサルティングやインプリメンテーションが必要です。しかし、職員自身がフォームを作成できる点が非常に大きなポイントとなります。

書類をフォーム化するという点について、従来はSI企業が多大な費用をかけて対応していたため、多数の申請書を電子化するのが困難でした。これを「カミレス」でほとんどの書類を電子化し、その作成を職員が行うというソリューションとなります。

作成されたフォームや成果物はすべて一括管理され、マイナンバーとの連携も可能です。さらに、さまざまな端末に対応しており、市民のみなさまが簡単に利用できる仕組みとなっています。

この「カミレス」を活用した事例として、「学童保育オンライン申請システム」を大田区さまにご採用いただきました。

(動画終わる)

JAMMY:エンタープライズ企業の次は自治体に採用されているのですよ。行政にまで採用されていることはすごいことですよね。 

荒井:本当にすごいですね。

JAMMY:最近上場したIPO企業が、ここまでの大企業や大きな自治体と取引を持つことはあまり聞いたことがありません。なぜこのように取引先を確保できているのか、ますますオプロさんに興味が湧きました。

荒井:今の段階でこれだけ大きな企業や自治体を顧客としているので、今後さらに成長していきそうだ、ということですよね。

JAMMY:はい。自治体は1つの自治体が採用すると、それがきっかけとなり連鎖的に広がっていくことがあります。

荒井:口コミのようなものですね。

JAMMY:そうです。大田区の事例がありましたが、それを受けて「隣の港区も導入する可能性があるのではないか?」などと期待感が高まります。そのような点が非常におもしろいと感じました。

荒井:動画では、日本郵政グループやセブン銀行、そして官公庁の導入事例を挙げられていました。ここのポイントは、前回のお話で言うと「事業の成長ストーリーが見える」という点ですね。

JAMMY:おっしゃるとおりです。例えば、東京23区でも次から次へと導入が進めば、それだけでも十分に成長していける可能性がわかりますよね。

荒井:東京で導入されたら地方にも広がりますよね。

JAMMY:そのとおりです。ですから、これは非常にはっきりと成長ストーリーが見えるのではないかと感じています。ここまでの動画で、その点がよく伝わってきますよね。

荒井:動画の序盤から、良い情報ばかり受け取っている気がしますね。

JAMMY:そうなんです、おもしろいですよね。

売上・利益成長と契約負債から読む先行指標

(動画始まる)

里見:当社の数字についてです。2025年11月期の売上高は25億5,200万円を達成し、前年比21.3パーセント増となりました。なお、昨年度は第3四半期に計画を上方修正しています。上方修正後、最終的には100.9パーセントまでさらに伸びました。

当期純利益は2億4,100万円で、昨年比の増減率は59.9パーセントとなりました。

(動画終わる)

荒井:こちらは、前回で言うと、「決算数字の深掘り」にあたる内容ですね。

JAMMY:おっしゃるとおりです。少し驚いたのは、売上高が21.3パーセント増、当期純利益が59.9パーセント増にもかかわらず、この時の株価を見ると、PERが11倍なのです。これだけ成長している企業のPERが11倍というのは考えにくく、最低でも18倍から20倍弱程度ついていてもよいと思うのです。

荒井:「美味しそう」すぎますね!

JAMMY:ですよね。ちょうどこの時期に、「SaaS is Dead」という言葉をきっかけに、ソフトウェア会社が一括りで売られた時期がありました。その影響で株価が大きく巻き込まれ、非常に割安な状態で放置されているのではないかと感じました。

荒井:そのお話は里見社長からもありましたね。

JAMMY:そのようなご説明もいただきましたが、私もまさにそのとおりだと感じました。

(動画始まる)

里見:当社の流動負債の半分以上が契約負債となっています。契約負債は、お客さまから1年分の費用をいただくことによって発生します。そのため、契約が増えるほど契約負債も増加します。 このことから、契約負債が増加しているということは、ビジネスが順調に進んでいることを意味しています。

(動画終わる)

JAMMY:オプロさんではKPIを6つ設定されています。資料には記載されていませんが、契約負債が売上の先行指標になるとおっしゃられていました。現状のKPIの数字よりもさらに先の状況を見たい場合は、この契約負債を確認すればよいという点が非常にわかりやすかったので、ポイントとして動画を流しました。

荒井:契約負債について私はあまり理解していなかったのですが、今回の動画を見てとてもよくわかりました。

JAMMY:とてもわかりやすいですよね。

荒井:ここでのポイントですが、前回教えていただいた内容を踏まえると、「決算数字の深掘り」と「事業の成長ストーリー」の両方が理解できますね。

JAMMY:はい。深掘りという観点では、先の数字がこれを見ればわかるという点で非常に良いと思います。

ISMAP取得で広がる公共系案件への成長ストーリー

(動画始まる)

里見:2026年11月期の目標についてです。我々は売上高を32億2,600万円、前年比26.4パーセント増と見込んでいます。当期利益は3億400万円、前年比26.2パーセント増を目標にしています。

我々は目標を達成するにあたり、エンタープライズのお客さま、とりわけ公共系を重点的に狙っています。

公共系の大型案件には、ISMAP(イスマップ)という資格が必要です。2025年12月、「カミレス」と「帳票DX」がリスティングされました。この資格を基に、特に中央省庁の案件に対して、当社のソリューションをしっかりと拡大していきたいと考えています。

特に、大手コンサルティングパートナーであるアクセンチュアやデロイト トーマツなどと協力し、中央省庁の案件に対して拡大していきたいと考えています。

(動画終わる)

JAMMY:ここです。

荒井:聞き慣れない言葉が出てきましたね。

JAMMY:そうです。ISMAPという資格があることを、ここで初めて知りました。もう1つ、最初に今期の業績についてお話ししていましたが、前期の業績では純利益が56パーセント増加とありました。これが、単に前期だけのイレギュラーで56パーセントも急成長したのかと思っていましたが、今期も26パーセント増加する見込みだということがポイントです。

この企業は継続的に成長しており、現在の株価はマーケット環境によって安く評価されているのではないかという仮説が立てられます。また、中央省庁についても、上場したばかりの企業が取引を行える理由が、ISMAPを持っているからだということがわかりました。

この動画の先で里見社長がISMAPについてお話しされているので、そちらも確認したいと思います。

荒井:ここでいったん裏付けがわかったということで、「事業の成長ストーリー」の中での裏付けポイントが出てきました。

株価への向き合い方から読み取る経営陣の姿勢

(動画始まる)

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):株価についておうかがいします。今後も成長し、新しい企業も取り込んでいけるとなると、「今の水準はけっこう安いな」と思います。流動性の問題もあるかと思いますが、この場面で自社株買いを行うという話にはならないのでしょうか?

里見:社内では、ファンダメンタルを踏まえても、我々の評価がかなりディスカウントされていると認識しています。役員会では常に、どのような手を打つべきか話し合っており、着実にさまざまな手を打っていきたいと考えています。

現時点では、具体的な内容はお伝えできませんが、その際にはしっかりアナウンスしますので、引き続きよろしくお願いします。

(動画終わる)

荒井:ここではどのようなポイントがわかるのでしょうか? 

JAMMY:株価に関する質問はどのIRセミナーでもよく出るのですが、その際の社長などの登壇者の答え方として、「株価はマーケットが決めることなので」という一言で終わらせる方も多くいらっしゃいます。

まさしくそれも正義だとは思うのですが、「役員会で日々話しています」というような話を聞くと、会社や経営陣が自社の株価をきちんとウォッチしているのだなという安心感を得られます。

一方で、「マーケットが決めることですので、私たちはどうしようもありません」と言われると、投資家としては少し寂しい気持ちになりますよね。

荒井:もう少し寄り添ってほしいな、という感じが伝わるところがお答えからうかがえますね。

JAMMY:はい、そうですよね。

荒井:そのあたりが、登壇者の表情や仕草からも読み取れるというところですね。

JAMMY:おっしゃるとおりです。実際の会場で聞いていた私の印象では、このパートにおける里見社長のお話からは非常に強い自信が感じられ、裏で何かをしっかりと考えておられるのだろうなと思いました。その後、実際に3月16日に自社株買いが発表されたため、「なるほど、やはり弾は仕込んであったのだな」と後になって個人的にクスッとしてしまいました。

荒井:答え合わせができてしまいました。話し方に表れていたということですね。

AIだけでは難しい「帳票DX」の価値

(動画始まる)

里見:今回は、いわゆる自然言語を用いたソリューションについてご説明します。AI Agentが要求を指示すると、帳票を作成し、レイアウトを組み、データを処理して帳票を生成する仕組みです。AI Agentが動作する部分は、人間が操作するデモとなりますが、実際の動きをお見せしたいと思います。

(注: デモ動画を流しながら)こちらは、Macに保存されているデータで、ヘッダーのデータや明細のデータがあります。これらのファイルをアップロードします。本来、AI Agentは自動的にこのファイルを「帳票DX」に投げます。

その後、自然言語で「ちょっといい感じの見積書を作ってね」と入力します。すると、自動的にAI Agentが作動し、基本的にデザイナーが自動的にデザインを進めていきます。デザインが完了した後、データを当てはめてAIが帳票を作成し、画面右側に見積書が表示されたかたちになります。

我々は、実はこれを実験として作りました。そのため、あえて利用しているAIをお伝えすると、「Claude」の最上位プランです。「Claude」の最高レベルのサービスを利用すると、ここまでの成果を出せます。

ただし、「Claude」の最高レベルのサービスでも、これ以上の成果は得られません。それより下のランクでは対応が困難な状況です。帳票作成がいかに難しいかを実感いただけるかと思います。

簡単に言えば、CAD(Computer Aided Design)というものがあります。

(動画終わる)

JAMMY:オプロさんの「ミソ」だと思った部分についてお話ししますね。この動画を見て疑問に思ったのが、「Claude」の一番高いものを使用しても、これしか出ないという話がありましたが、私は正しく出ているのではないかと思ったのです。

そこでIRにメールで問い合わせて、「あれは正しく出ていますよね」と確認したところ、よく見ると見切れている箇所があったのです。したがって、最上位プランの「Claude」を使用しても、帳票をきれいに仕上げることは難しいということで、オプロさんの「『帳票DX』という製品が必要ですよ」というお話になってくるのです。

例えば「AIに丸投げして帳票を作れますか」という質問に対して、「現状では作れません」といった返答で、あらためて「オプロさんの製品は今必要な製品ですよね」というのを、自分の中で理解できたと感じています。

荒井:それらしいものができるのか、それとも、きちんと完成版まで作れるのかという違いは大きいですよね。

JAMMY:特に、見積書や請求書といった文書は重要ですよね。文字が途中で途切れているような状態のものを、取引先に送るわけにはいきません。

荒井:失礼にあたりますね。

JAMMY:ですので、「やっぱりAIだけじゃ無理なんだよ」というところが重要だと明確にわかりました。

荒井:JAMMYさんはこのIR動画を見て、「ちょっとこれ、わかりにくかったな」と感じた部分について、さらに問い合わせをされたりするのですか?

JAMMY:すぐにします。忘れてしまうので、「これおかしいな」と思ったらすぐに行動します。動画を見ながらメモを取り、疑問に思ったところは動画を見終わったらすぐにIRにメールを送るというかたちです。

荒井:今回、問い合わせをした後にもう一度動画を見ましたか? 

JAMMY:見ました。

荒井:理解度はいかがでしたか? 

JAMMY:ぜんぜん違いました。また理解が深まりました。1回聞き流しただけだと聞き逃している部分もありますが、質問した後にもう一度聞くと、「そういうことか」と理解できることが多いです。

荒井:前後のつながりがさらにわかるようになりますね。そのような活用の仕方もありますね。IRへの問い合わせと組み合わせたIR動画の活用方法として、非常に参考になります。

ここでわかったポイントとしては、あらためて事業が属するマーケット環境、「競合のサービスだとこのような感じ」という部分について教えていただけたということです。

今の部分もそうですが、IRセミナーではデモ動画や工事現場の映像など、さまざまな素材を見せていただけることがあり、非常に参考になりますよね。

JAMMY:めちゃくちゃ参考になります。特に情報通信系にあたるソフトウェア開発会社のデモ動画は、ビジネスモデルの理解に大きな影響を与えます。

荒井:ふだんは見られないですし、契約していないとアクセスできないものですからね。

JAMMY:本当にありがたいですね。

荒井:イメージもより具体的に湧きそうです。

ISMAPが参入障壁となる理由

(動画始まる)

里見:ISMAPは製品の種類や数によって費用が変動しますが、基本的にはまずコンサルティングを受け、次に専門の監査法人から監査を受けます。その後、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が審査を実施し、承認が得られるまでに約半年かかるのが一般的な流れです。

セキュリティを担保するため、さまざまなチェックが行われるため、2つの製品で総額約1億円が必要となります。つまり、1億円を支払える企業でなければ、2つの商品を登録することができないのです。

当然、セキュリティを担保する体制が必要であり、そのような体制や組織を整備している企業でなければ認定されません。これは、国民のみなさまに提供されるサービスで使用される機能であるため、非常に厳しいセキュリティチェックを伴うからです。

このようなISMAP関連の案件における事業全体での受注金額は、例えばアクセンチュア社のようなフロント会社が総額10億円から20億円程度で受注した場合、そのうち、当社の製品ではARRで1億円から2億円程度の規模感になると見込んでいます。

(動画終わる)

JAMMY:この動画を見ると「ISMAP」という言葉だけがずっと流れていますが、心の中で「良さそうだけれど、ISMAPって何?」「それ、簡単に取れるの?」といった疑問が湧いてきます。

荒井:なにか、良さそうではありますね。

JAMMY:ここにきてようやくISMAPについてのお話がありましたが、中小企業が2つのISMAP認定を受ける際には1億円、つまり1つ5,000万円のコストがかかることが理解できます。

そうなると、中小企業にとってはなかなかハードルが高く、その内部体制や仕組みの構築も必要であるため、これは1つの参入障壁になるのではないかということがわかってきます。

荒井:この動画では、ISMAPについて学ぶことができ、大変勉強になります。

JAMMY:説明が非常にわかりやすいですよね。

荒井:この事業に関連するマーケット環境についても、あらためて知ることができました。

中期経営目標とM&Aが示す成長余地

(動画始まる)

質問者:東京証券取引所の上場維持基準への対応が厳格化されたと思いますが、この点について質問です。現在、時価総額は30億円ほどですよね。年間30パーセントほど増やす必要があると思いますが、現行方針を推進するのか、それとも何か買収を行うのか、その方向性についておうかがいできますか?  

里見:当社としては、現状PERが非常に悪いのであまり強くお伝えできませんが、中期計画を計画どおり実行すれば、グロース市場で時価総額100億円を達成することは可能ではないかと考えています。

また、上場維持基準としては、スタンダード市場という選択肢もあります。また、我々が常に考えているのは、現在保有しているキャッシュをいかに活用するかという点です。そのキャッシュの活用方法として、M&Aも選択肢の1つと考えています。

そのようなことを常に念頭に置き、チャンスが来た際にはしっかりと対応していきたいと考えています。

(動画終わる)

JAMMY:この方の質問をきっかけに、初めてオプロが中期経営目標を掲げていることを知りました。これは資料にはまったく記載されていませんでした。この質問を受けて会社ホームページで確認したところ、かなり意欲的な数値が掲げられていました。

確かに現在、時価総額が30億円で、上場維持基準の100億円という目標を考えると、少々厳しいかもしれません。しかしグロース市場にこだわらず、スタンダード市場でもよいと考えていらして、M&Aの検討や自社株買いに関する動きも見受けられます。「株価について役員会で毎日のようにちゃんと検討します」ということで、その後1週間から2週間以内に自社株買いが発表されました。

また、M&Aなどの施策も視野に入れており、キャッシュを保有されている状況から、大風呂敷を広げているという印象はありませんでした。「実際に本当に考えてるんだろうな」といった情報を踏まえ、中期経営目標にM&Aが加わることで、成長のスピードや規模がさらに拡大する可能性があると感じ、期待感を持てました。

「SaaS is Dead」時代に見るオプロの優位性

(動画始まる)

里見:AIエージェントの時代において、「SaaS is Dead(SaaSの死)」はより単純なソリューションほど淘汰されていくのだろうと感じています。

例えば、エクセルの代わりに簡単な入力画面を作成したり、グラフを手軽に作成できたりするようなサービスは、先ほどお見せしたとおり、AIエージェントで簡単に代替可能です。そのようなものは、ある意味で「SaaS is Dead」になっていくのだろうというのが私の個人的な感覚です。

(動画終わる)

JAMMY:「SaaSの死」について言及がありました。先ほどのデモ動画内での「Claude」による帳票作成はきちんとできていなかったものの、これからAIがさらに活用されていく中で、オプロさんの製品なしに帳票関連を完結させることは難しいという点を再認識しました。

また、オプロの里見社長がお話しされていたことに関する裏付けを取りたいとも感じられる、興味深い回答でした。

荒井:今回の動画では「SaaS is Dead」の内容に触れられていたことが印象的で、SaaS系のさまざまな企業に関わるポイントがここで見えたと思います。

JAMMYさんは1つの企業のIRを聞いた際に、マーケット環境や競合についての話を参考にして、それを他の銘柄選定に役立てることはありますか? 

JAMMY:ありますね。ここでもすごく良い話だなと思って、オプロさんの製品の競合を調べてみようと思いましたし、オプロさんの優位性をあらためて実感する部分もありました。おもしろいですよね。

荒井:IRセミナーの動画をしっかりと見ることで、銘柄選別につながる情報が枝葉を伸ばすように広がっていく楽しさがありますね。

大企業との取引を支える信用の積み重ね

(動画始まる)

Ken:大変失礼ですが、オプロさまの企業規模のわりには、エンタープライズや半官半民のお客さまが多い理由は何でしょうか? アプローチの仕方などを教えていただけますか?

里見:積み上げてきた信用が大きいと思います。創業当初から「自分と同じようなレベルの会社とは付き合わない」と言ったら大変失礼にあたるかもしれませんが、なるべく上を見ていました。我々は有限会社としてスタートしましたが、運が良かったこともあり、最初のお客さまはソニーさまでした。

当時、ソニーさまがBtoBソリューションを提供する際に、私がコンサルタントとして雇われたことが、会社のスタートとなりました。その後、株式会社に組織変更した際に、最初にお付き合いがあったのがNTT横須賀研究開発センタでした

NTT横須賀研究開発センタはNTT本社に関連しているため、NTT本社の口座が承認されました。NTT本社の口座が承認されることで、NTTの関連会社全体との取引が可能となり、これが当社の成長を支える重要な要因となりました。

また、日本郵政さまはNTTさまとは関係ありませんが、そうした背景が影響し、比較的初期の段階から当社のサービスをご利用いただきました。このような流れが、当社の成功を後押ししたのだと思っています。

(動画終わる)

JAMMY:先ほど動画の冒頭で出てきたような、「なぜ時価総額30億円ぐらいのIPOしたての企業が、エンタープライズ企業や官庁と取引できているのか?」に対する答えが、ここで出てきました。

動画の冒頭で触れていた「自社より大きなところと取引してきた」や、大企業も小さな支部から入り込み、1つの口座を介することで他と横につながっていけるという、この積み重ねが現在のエンタープライズ企業との取引に至っていることが理解できる、非常にわかりやすい動画だと思いました。

これがオプロさんのこれまでの成長の根幹になっているのではないかと感じました。

荒井:ここはQ&Aパートで、視聴者の方の質問とKenさんの質問を組み合わせたものだったと思います。前回、「わからないところは徹底的に聞く」というポイントを教えていただきましたが、この部分の質問は正直、聞きにくいお話ですよね。

JAMMY:そうですよね。質問者の方も「大変恐縮ですが」とおっしゃられていましたが、その気持ちは私もよくわかります。

荒井:そこを一歩踏み込んで聞いてみたことで、「つながりを活かしてきた」というお話が聞けて、「これからも広がっていきそうだ」と期待が持てるわけですね。

JAMMY:まさにそうです、非常に良い話でした。では、進めます。

AIエージェント時代に問われる「責任を取れる」強み

(動画始まる)

Ken:AI投資を顧客が積極的に行うことで、御社のサービスを導入するハードルが高くなるといったことが、現在の商談状況で実際に起こっているのでしょうか? それとも、昨年や一昨年とあまり変わらないのかを教えていただけますか?

里見:正直にお伝えすると、AIエージェントの時代は我々にとってチャンスだと考えています。一番のポイントは、AIエージェントは誰も責任を取らないという点です。

我々が提供するAI Agentは、当社が責任を持ちます。ここが一番大きな差であり、当社の存在価値の最も重要なポイントです。つまり、当社が提供するAI Agentの機能そのものに対しては、当社が責任を取るという点です

一方で、お客さまが作ったAIエージェントについては、社内の誰かが責任を負わなければなりません。多くの場合、それを嫌がる方が多いと思います。したがって、ここが当社の最大の強みになると考えています。

(動画終わる)

JAMMY:動画の最後の場面になりますが、ここで、ものすごく良いことをおっしゃっています。例えば、「ある企業の従業員が勝手にAIでなにかソフトを作りました。それでお客さまと取引します」ということが起こってしまった場合、「どこで誰が責任を取るんだ」ということになりますからね。この話は非常に重要な部分です。

ここで、里見社長が「私たちの作った製品に対して、私たちが確実に責任を取ります」とおっしゃっているのです。

例えば、「帳票DX」のようなソフトを、リテラシーの高い人がAIを使って作成することがあるかもしれません。しかし、それを拡販することはやはり難しいことです。買う側も「責任を取れるのか?」と気にして確認したくなります。

責任を持って製品を拡販できるのはオプロさんならではであり、ここが私が「オプロに投資したい」と思う核心の部分だったと言えます。

荒井:その部分を何気なく、当然のようにおっしゃっていたのが、とても印象的でした。

JAMMY:ここでの里見社長、かっこいいですよね。

荒井:責任ある品質を当たり前のように提供されている姿勢が、非常によく伝わりました。

最後は、競合や内製化との違い、そして市場環境についても触れられているパートでした。

IR動画を最後まで見ることで得られる気づき

荒井:ちなみに、前回のポイントとして、可能であれば登壇者の方やその方以外にも質問をしたり、どのような雰囲気かを見たりすると良い、ということを教えていただきました。今回のオプロさんの時はどうでしたか?

JAMMY:実はちょうどその時、SaaS企業の株価が大きく下落しており、私も株をけっこう保有していたため大きな影響を受けました。それもあって、正直、最初はオプロさんにまったく興味がなかったのです。

しかし、先ほどのセミナーが始まって開始3分くらいでぐっときて、そこから話を聞き始めました。その後、帰る時に初めてCFOの方が一緒に来られていたことを知りました。講演中はどこに誰がいたのかまったくわからず、里見社長しか見ていなかったので、非常に後悔しています。

荒井:次の機会があれば、いろいろなところに注目してみるのが良いですね。

JAMMY:CFOの方の顔はしっかりと覚えたので、次回はぜひCFOの方にも質問したいと思います。

荒井:おもしろいですね。ノーマークだった企業と出会えるのも、このアーカイブ動画の良さですよね。

JAMMY:そうなんですよね。決算の文字だけを追っているとつい見過ごしてしまいがちですが、こうして動画で視聴すると、里見社長のハキハキとした話し方も相まって、「ちょっと聞いてみようかな」という気持ちになりますよね。

荒井:好感が持てますよね。

JAMMY:本当に、好感が持てます。

荒井:最後の最後にも重要なポイントを教えていただきましたが、良い話が隠れていましたね。

JAMMY:セミナー動画を視聴するのであれば、最初から最後まで1.25倍速で聞いたほうが絶対に良いです。

荒井:ポンポン飛ばしながら見るのでは、良くないですね。

JAMMY:最近、要約が流行っていますよね。私も一時期AIで要約を試してみたのですが、大事なことは抽出してくれるものの、自分が聞きたかったことはけっこう抜けていました。

荒井:今日はJAMMYさんにたくさんポイントを教えていただきましたが、おそらくAIに要約してもらったら、内容が3分の1くらいになってしまいますよね。

JAMMY:はい、絶対にこれほど多くのポイントは出ないはずです。

荒井:まさに「JAMMY-AI」ですね!

人間だからこそ、「良いかも」というキャッチするセンサーが備わっています。しっかりと最初から最後まで聞き飛ばさずにキャッチしていきましょう。

まとめ

荒井:2回にわたってJAMMYさんにたくさんのポイントを教えていただきました。お話しされてみて、いかがでしたか? 

JAMMY:このように動画をあらためて見る機会というのは、なかなかありません。一人で黙々と見ることが多いですし、きちんと見ようと思いながらも、実際にはきちんと見られていない部分もあるかと思います。

ただ、こうして今回動画で取り上げたポイントを振り返ってみて、あらためて自分のためにもなったと思いましたし、とても楽しい時間を過ごせました。

荒井:JAMMYさんのためにもなっているということですので、ぜひまたご出演いただきたいと思います。お待ちしています。

JAMMY:ありがとうございます。

荒井:ありがとうございました。それでは、みなさま、次回をお楽しみに。さようなら。

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