logmi Finance
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株式会社スタートライン477A

東証グロース

サービス業

自己紹介

西村賢治氏(以下、西村):株式会社スタートライン代表取締役社長の西村賢治と申します。どうぞよろしくお願いします。

当社は「おもいやり」を理念に掲げて事業を展開してきました。

日本の障害者雇用の社会課題を解決

西村:当社の事業についてご説明します。

当社では、科学的根拠に基づく障害者の職業リハビリテーション技術と、障害者の「働く」選択肢を拡大する多様なサービスラインナップを掛け合わせた、独自のビジネスモデルを展開しています。

「誰もが自分らしく生きる社会」の実現を通じた、中長期的な成長を追求する会社です。

障害者雇用支援サービスを創業、障害者の就労をワンストップで支援

西村:障害者の方々の障害は、本当にさまざまです。一方で、雇用する企業側にもさまざまな課題があります。当社は、多様なニーズに応えるために、一貫して多様なサービスラインナップを構築してきました。

また、それらを支える支援員の育成にも力を入れています。

どんな障害があっても働ける

西村:当社の沿革です。スライド上段では、我が社の主力サービスであるサテライト型サービスを複数展開してきたことを示しています。

同時に、スライド下段に「研究開発機関発足」と記載していますが、2014年4月に社内に障害者の職業リハビリテーションに関する研究開発部署として研究所を立ち上げました。現在、この研究所は当社の大きな強みの1つとなっています。

また、2023年10月には私が発起人となり、業界団体「一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会」を設立しました。

(ご参考)売上モデル、収益構造イメージ

西村:当社の事業の収益構造について簡単に触れたいと思います。

主力サービスであるサテライト型サービスの売上には特徴があります。1つ目は、初期契約時に上がる初期のフロー売上があることです。2つ目は、その後の利用料として毎月継続するストック売上があることです。このようなハイブリッド型の構造になっています。

スライド右側は収益構造です。フローのイメージとして、出店にかかる初期コストなどを前述の初期のフロー売上で一定程度補い、その後、安定的な売上や粗利がストックとして積み上がっていきます。

この仕組みによって成長性と安定性を実現している点が当社事業の収益構造の特徴となっています。

創業以来、増収を継続中

西村:業績です。今ご説明したような拠点展開を進め、ストックを積み上げてきた結果、足元の売上は成長を続けています。

また、営業利益もかつては年間の出店コストを吸収できなかった時期もありましたが、現在は利益率が向上してきている段階に入ったと考えています。

インベストメントハイライト|サマリー

西村:当社のインベストメントハイライトとして、5つの特徴をお伝えしたいと思います。

市場環境 当社が社会に必要とされ、成長し続ける理由

西村:1つ目は法規制と事業環境です。

スライド左側のグラフをご覧いただくとおわかりのように、日本において精神疾患、いわゆる精神障害の方の数が非常に増え続けています。それに伴い、中央のグラフが示すように、民間企業に対して国が定めている法定雇用率が階段状に上昇しており、今年7月からは2.7パーセントまで引き上げられます。

また、スライド右側の表に示されているのは1つの例ですが、発達障害の方々の現在の就労状況を過去と比較したものです。障害等級は1級から3級に分かれていますが、1級・2級に該当する比較的症状が重い方々が、就労の現場にどんどん出始めていることがわかります。

このような背景を踏まえ、私たちの支援力がますます求められる社会になっていくのではないかと考えています。

現在のトレンドは当分続く

西村:現在のトレンドです。1つ目は「精神障害者の急増に伴う障害者数の増加」、2つ目は「法定雇用率の段階的な引き上げ」です。

そして、3つ目が「福祉的就労から企業就労へ」です。これは国の大きな方針であり、福祉施設に通われている障害者の方で、民間企業で働きたいという希望をお持ちの方に対し、できる限り就労を支援していくことが現在の大きな流れとなっています。このような背景からも、需要がますます高まっていくものと思います。

顧客の65%が上場企業又は上場企業子会社の大企業

西村:2つ目は顧客基盤です。ここには2つの特徴があります。

1つは、取引先の65パーセントが上場企業又はその子会社であり、非常に大企業をお客さまとして有している点です。もう1つは、スライド右側にも示したように業界が多岐にわたっている点です。

法定雇用率の影響を最も受けやすい企業をすでに顧客基盤として有し、特定の業界に依存せず、不景気の影響を受けにくい特徴があると考えています。

法定雇用率の引き上げを映し、既存顧客も増収基調

西村:冒頭で申し上げたように、当社はさまざまなサービスを展開してきました。それらはストック型であるため、スライド左側の図のように売上が積み上がっています。現在、ストック売上の比率は64.4パーセントです。

特徴的なのは、アップセル・クロスセルの取り組みです。取引先の半数がなんらかのかたちで取引を拡大していただいたり、他サービスをご利用いただいたりしています。このように、取引が顧客群全体で網羅的に行われています。

また、一度ご契約いただいたお客さまが解約に至ることはほとんどなく、解約率は2.1パーセントと非常に低い水準となっています。このことからも盤石な体制を築いていると考えています。

多様化する障害者・雇用企業のニーズと業界の抱える2つの課題

西村:3つ目は2つの業界課題です。現在、精神障害のある方が増加しており、障害の程度がやや重い方が増えている状況があります。

この業界では「職業準備性」という言葉が使われていますが、職業スキルが十分に備わっていない方が就労の現場に出ようとしています。また、支援があれば働ける障害者の方が増加しています。

発達障害や精神障害などの認知の障害は、「見えない障害」とも呼ばれています。雇用企業においては、そのような方々に対する支援のノウハウがない企業もいらっしゃいます。また、障害のある方々に適した業務を切り出すことが難しいという課題も抱えています。

この2つの課題にしっかりと対応できる点において、当社は唯一の会社だと考えています。

業界の2つの課題を解決できる「スタートライン」

西村:先ほど冒頭に業界団体についてお話ししました。同業者は一定数存在しますが、その多くが農園型等の単一のサービスを展開している会社です。業界の中でも、支援力と複数のサービスラインナップを有しているのは当社だけです。

障害者雇用ニーズをすべて受け止められる豊富なサービスラインナップ

西村:4つ目は多様なサービスと拠点展開です。サテライト型サービスだけでも4つのサービスがあり、さらに顧客オフィスでの雇用を希望される企業のニーズにもお応えしています。

その他、コンサルティングサービスに加え、最近ではこれまで培ってきたノウハウを活用し、障害福祉の領域にも進出を始めたところです。今後、この領域にも力を入れていきたいと考えています。

中長期的に全国展開を目指す

西村:2026年3月期末時点では関東、関西、新潟にサテライト型拠点が48拠点あります。今年5月には名古屋への初出店もしており、今後は全国に広げていきたいと考えています。

研究機関を起点に理論、科学的エビデンスに基づく支援の仕組みを構築

西村:5つ目はコアコンピタンスです。当社のコアコンピタンスは理論・人材・ツールが融合した高品質な支援力です。いわゆる「何かしてあげたい」といったホスピタリティのような気持ちだけで支援を行うのは、事業として非常に不安定です。

2014年に設立した研究所では、スライド右側に記載されているような、応用行動分析学、文脈的行動科学、関係フレーム理論などの学術的なエビデンスを基盤として、科学的根拠に基づく障害者の職業リハビリテーション技術の研究と実践を積み重ねてきました。

個々人で異なる様々な障害に対して、ベストなソリューションを提示できる仕組み

西村:スライド上段には、左側のAさんから右側のKさんまで、さまざまな障害の症状のある方々を例として挙げています。

この中で、CさんとIさんは同じうつ病と診断されていますが、適切なアセスメントを行うと、同じうつ病であっても特性や課題がまったく異なることがわかります。すると、それぞれの方に対する合理的配慮や支援方針、場合によっては業務の割り当てもまったく異なるものとなります。

個々人で異なるさまざまな障害に対して、このような個別対応が求められるとともに、これに対応する高い専門性が求められるようになってきています。これが今実際に障害者雇用の現場で起きていることです。

創業来のノウハウをツールやシステムに昇華し、サービス品質の標準化を実現

西村:属人的な支援になりがちな業界であるため、「優秀な支援員だからできる」という状況では事業を成長させるのは難しくなります。このような観点から、当社では研究で培った技術を体系化し、独自の支援ツールも開発しています。

これらを活用することで、当社内で行う10ヶ月程度の研修や学びによって、未経験の方でも初級段階の支援員として必要な力をつけられるような人材育成の体制基盤を整えています。

働く障害者や当社を選んでいただいた企業のみなさまにも、同じ高い品質が担保されている安心感を感じていただけていることで、当社が選ばれているのだと考えています。

支援員の教育体制を体系化し、拠点拡大を実現

西村:さらに前期2026年3月期には支援員の教育体系をバージョンアップし、より高度な人材育成を目指す社内大学「STARTLINE UNIVERSITY(SLU)」を設立しました。このように体系的に人材を育成し輩出し続けられる体制となり、さらなる成長を加速させていきたいと考えています。

kenmo氏(以下、kenmo):ここでいくつかお聞きしたいことがあります。まず、先ほどから「支援力」というキーワードがたびたび出ています。その中で、競合他社が最も真似しにくい部分、模倣が難しい部分とはどのような点でしょうか? 

西村:まず、支援力とは、支援員のホスピタリティだけに頼らない、科学的根拠に基づく職業リハビリテーション技術を指します。冒頭にご紹介した2014年に研究所を発足させ、10年以上にわたり支援の研究開発を行ってきました。また現在は約2,500名のさまざまな特性の障害者、約350社のさまざまな業種の企業の支援を日々行っており、この研究機関の研究開発と、現場での実践フィールドが相互に連動し、支援力がブラッシュアップされ続け、ノウハウが二次関数的に積みあがります。

その上で、競合他社が最もマネしにくい部分でいうと、この科学的根拠に基づく支援ノウハウの積み上げサイクルと、支援力を身に付けた人材を育成し輩出し続けることができる教育体制だと思います。

また、その結果、当社の単価は業界内でおそらく一番高い水準にあり、事業面での優位性となっています。

kenmo:それは、長年の取り組みによりノウハウが蓄積されているという意味なのでしょうか? それとも独自の工夫があるということなのでしょうか? もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

西村:それはおそらく両方だと思います。研究所発足後十数年にわたる研究開発と実践での経験値の積み重ねがあり、さらに社内でDX化を進める中で、障害がある方の特性の変化や支援の成果など、その日々の経験値自体もデータベース化しています。

つまり、効果のある支援がどのようなものなのかを高度に積み重ねてきた結果です。

kenmo:精神障害のある方々の中にもさまざまなタイプの方がいらっしゃると思います。「このようなタイプの方には、このような支援をする」といったノウハウが蓄積されているというイメージでしょうか?

西村:おっしゃるとおりです。ただし先ほどもご説明したとおり、障害種別だけで判断するのではなく、さまざまな障害に対して、個別対応が求められます。同じ障害名であっても課題は異なるため、しっかりアセスメントを行い、課題を特定した上で、支援方針を策定していくことが重要です。この支援方針を策定していく段階において、よりノウハウが活かされます。

どんな障害があっても働ける

kenmo:先ほどご説明があった業界団体「日本障害者雇用促進事業者協会」を設立した経緯や、業界内での御社のプレゼンスなどをお聞かせください。

西村:2009年、当社の創業当時には民間で障害者雇用支援を一貫して取り組む企業は当社だけであり、特にサテライト型サービスの取り組みは当社独自のものでした。それ以外の事業者は存在しませんでした。

しかし10年ほど経過すると多くの同業者が登場し、その中で不適切な事案がメディアで報道されることもありました。また、厚生労働省などから「業界団体を作ったらどうだ?」といった要請も徐々に増えてきていました。

そのような背景から、業界全体の健全化を図っていくために、当社が発起人となり業界団体を設立し、現在は私が業界団体の理事長を務めています。

また、先月も厚生労働省から障害者雇用政策に関する今後の制度のあり方について意見聴取が行われ、ヒアリング対象として当団体が呼ばれました。

kenmo:基本的なところですが、「サテライト型サービス」のそれぞれのサービスがどのようなものなのか簡単にご紹介いただけますか? 

西村:「サテライト型」は、当社が構えた拠点を利用企業の人数に応じて区分けし、その場所を活用していただくものです。そこには当社の支援員が常駐していますので、障害者の方々が働く、専用のサポート付きシェアオフィスと考えていただくと良いと思います。

オフィスサービス「INCLU」では、主にオフィス系業務を担当する方が働いています。一定程度のパソコンスキルやビジネススキルを有する方が中心で、このような仕事を希望する障害者の方が多くいらっしゃいます。

屋内農園型サービス「IBUKI」では、ハーブを栽培し、乾燥させてオリジナルのハーブティー等を製造しています。それを企業のノベルティに活用いただくほか、障害者の方がパッケージデザインに携わることもあります。各社のロゴやQRコードを活用し、新卒採用向けに学生へ配布されるなど、多様な成果物を重視するかたちで運営されています。

ロースタリー型サービス「BYSN」では、コーヒー豆のハンドピック、焙煎業務を行っています。ウエシマコーヒーさまとパートナーシップ契約を締結し、高品質なコーヒー作りを障害者の方の雇用につなげることを目的としたサービスです。主に知的障害のある方や障害の重い方、福祉から就職を目指す方などのニーズに応える内容となっています。

現在のトレンドは当分続く

kenmo:こちらのスライドでは、主なプレーヤーとして競合や協業の状況をご紹介いただいています。御社の立ち位置と競合の状況についてあらためてお聞かせいただけますか? 

西村:いわゆる障害者雇用支援、特にサテライト型サービスを展開しているのが、スライド左側に記載された枠内にあるプレーヤーです。この中で上場している企業としては、エスプールプラス社やJSH社が挙げられ、これらが競合にあたります。

一方、福祉の領域ではLITALICO社やココルポート社などの上場企業がありますが、これらの企業は競合ではなく、むしろ連携先となります。各地域における事業パートナーとして、一緒に取り組んでいます。

kenmo:具体的にどのような連携を行っているのでしょうか? 

西村:福祉関連の方々は、地域で障害者向けに企業就労に向けた職業訓練を提供しています。その訓練を修了した後の就職先として、当社が運営するサテライト型サービスが選択肢の1つとなっています。

当社がサテライト型拠点を出店することによって、その場が雇用の場となり、福祉側から見るとそれは就職の出口として機能します。

当社が就職の受け皿を提供できることから、訓練を提供する側と就職先を提供する側として、パートナーシップを構築できています。

2026年3月期 通期 業績サマリー

西村:ここからは業績についてご説明します。

まず、2026年3月期の業績です。売上高は55億9,900万円、営業利益は4億5,000万円、当期純利益は4億3,300万円となりました。前年同期比で高い伸び率を達成することができました。

当期純利益に関しては、税効果の企業分類変更により約2億円の一時的なプラス要因がありました。

売上高・営業利益 四半期推移

西村:業績の四半期推移です。売上高は年々増加しているものの、四半期単位ではフロー売上の波動により若干の変動があります。しかし、全体としては右肩上がりです。

営業利益においても、四半期単位で見ると出店コストがかかる時期があり、それによる波動が見られます。しかし、全体を通じて右肩上がりのトレンドにあると考えています。

キャッシュ・フロー

西村:キャッシュ・フローです。現在、営業活動によるキャッシュ・フローを上回る投資に力を入れています。

これは市場が非常に旺盛であることが要因です。最近では新規出店の際、オープン前に利用顧客の予約で埋まるほどの勢いがあるため、当面は少しアクセルを踏む方針で進めたいと考えています。

順調なKPI推移

西村:KPIである顧客企業数や支援障害者数も順調に右肩上がりで伸びています。

出店状況

西村:2026年3月期には、新たに7拠点を出店し、期末時点で48拠点となりました。

2027年3月期 通期 業績予想

西村:2027年3月期の業績予想についてご説明します。

売上高は70億900万円で前期比25.2パーセント増、営業利益は5億6,000万円で前年比24.4パーセント増を見込んでいます。

一方、当期純利益は3億1,000万円で前年比マイナス28.3パーセントとなっています。これは前期の2億円の税効果が関係しており、税効果を除いた場合には39.0パーセントの増加と推定しています。

売上総利益率はほぼ変えず、スケールメリットにより販管費率を抑制していきます。これにより利益率の改善を図る考えです。

四半期毎の業績計画ガイダンス

西村:今期の業績予想における上期下期のバランスです。当社は毎年の傾向として、下期偏重となっています。上期は出店に伴うコストが多く発生し、下期にその投資コストを回収するような売上計画と利益計画を立てています。

出店状況

西村:今年10月までに5拠点の出店は決定しており、約420名分の障害者の就業が可能です。また引き続き残りの出店を行う予定ですが、出店数については物件の収容人数や規模によって2拠点にするか4拠点にするかを検討していきたいと考えています。

トピックス 障害者雇用の複合型拠点“Diverse Village”の拡大

西村:今期のトピックスを2つお伝えします。

1つは複合型拠点「Diverse Village」です。1つのサービス拠点に複数のサービスラインナップを組み合わせた複合型、いわゆるハイブリッドモデルで、今年1月、茨城県牛久市で試験的にオープンしました。

このモデルは多様な業務ラインナップを提供することで、働く障害者の方のキャリアアップの可能性をさらに広げられる点が特徴です。また、企業側のニーズに対する効果としても非常に高く評価されており、牛久市の拠点も順調に計画どおり利用企業で埋まっています。

今後は「Diverse Village」をさらに強化しながら出店を進めていきたいと考えています。

業界初 障害者雇用の複合型拠点“Diverse Village”イメージ

西村:拠点のイメージ写真です。

トピックス 地方自治体との連携強化

西村:もう1つのトピックスは、地方自治体との連携強化です。

これまでも地方自治体との連携を進めてきましたが、今年3月には、初めて人口50万人規模の中核市である宇都宮市と包括連携協定を締結しました。宇都宮市の全面的なバックアップのもと、障害者支援を広げていきます。

成長戦略|サマリー

西村:最後に今後の成長戦略です。現在、当社は関東・関西・東海で継続的に出店を進めていますが、それを全国に拡大し、各地域でも複数のサービスラインナップを拡充します。重層的な取引が始まるような体制を整え、クロスセルやアップセルにつながる仕組みを構築することで、成長を促進していきます。

さらに福祉領域にも進出し、事業を拡大していきます。また、少し先の話になりますが、生きづらさを抱える方々への新規事業の開発にも徐々に力を入れていきたいと考えています。

成長戦略|1.既存事業のさらなる伸長①

西村:既存の売上は、顧客数の拡大に加え、引き続き1社当たりの取引拡大につながるアップセル・クロスセルを各地域で推進していきたいと考えています。

成長戦略|1.既存事業のさらなる伸長②

西村:取り組むべきトピックはさまざまありますが、その1つがスタッフの採用です。上場までの間には社員採用においてボトルネックがあったものの、現在は体制基盤がしっかり整ったと考えています。

毎年50名以上の支援員を採用し、育成し、適切に配置するサイクルをさらにレベルアップさせていきたいと考えています。

成長戦略|2.障害者福祉事業 海外モデルへの投資

西村:世界には障害者雇用に関して優れた取り組みを行っている事例がたくさんあると考えています。そのような情報に対して敏感にアンテナを張ってきましたが、その中の1つにイスラエルの民間事業者が行うモデルがあります。

そのイスラエルの民間事業者とパートナーシップを締結し、同社のノウハウと当社が培ってきた支援力を掛け合わせることで、埼玉県さいたま市にリアルジョブトレーニングが可能なカフェを就労継続支援B型のスキームを活用し、オープンしました。まだフィージビリティの段階ですが、世界各地で行われている優れた取り組みをできる限り日本に取り入れ、障害者支援に活かすことを目的に始めています。

まだ規模は小さいですが、今後さらに力を入れていきたいと考えています。進捗があれば然るべきタイミングでリリースでお知らせしたいと思います。

成長戦略|3.生きづらさを抱える人向けの新規事業開発

西村:先ほど支援力についてご質問をいただきましたが、この支援力のノウハウを幅広く活用できる分野は多数存在します。

生きづらさを抱える人向けの新規事業開発では、認知に関する困りごとを抱える方々が自分らしく生きやすくなるような新規事業を開発していきたいと考えています。

IPOの資金使途と進捗

西村:上場で得た資金使途に大きな変更はありません。上場時には「BYSN」の新規出店と公表していましたが、それを「Diverse Village」に変更し、バージョンアップしています。これからもしっかり取り組んでいきたいと思います。

私からのご説明は以上です。ありがとうございました。

質疑応答:上場後の人材採用状況について

飯村美樹氏(以下、飯村):ありがとうございました。非常に情報量が多く、興味深く拝聴しました。一つひとつ質問したいと思います。まず、kenmoさんからいかがでしょうか?

kenmo:やはりボトルネックは人材だと思います。上場後、人材の採用がしやすくなった印象はありますか? 

西村:年が明けてからエントリー数は格段に増加しました。過去には人材がボトルネックとなっていた時期があり、それを解消するためにこの3年から4年で体制基盤をしっかり整備してきたつもりです。

以前は離職率が高かった時期もありましたが、3期連続で1桁パーセント台を維持しており、採用単価も3期連続で下がっています。そのため人材採用のボトルネックは、解消されてきています。

質疑応答:採用力維持と定着率向上のための工夫や特徴について

kenmo:人材獲得競争が激しい中、御社では採用力や定着率を維持するために、どのような工夫や特徴があるのかお聞かせください。

西村:当社では従来、経験者や有資格者をターゲットに採用する方針を掲げていました。しかし、その方針ではボトルネックが生じてしまいます。

そこで、社内の育成基盤の整備に注力し、未経験者を採用する方針に転換しました。この体制整備によりしっかりと採用ができるようになり、未経験の方でも十分に支援員として活躍できるようになりました。このような戦略が当社に合っていると考えています。

質疑応答:支援障害者数の増加に伴う品質担保について

kenmo:現在、支援障害者数が2,500人を超えていますが、今後5,000人、1万人と増加した場合でも、現在と同じ品質を担保できるのでしょうか? 

西村:担保できると考えています。さらに同じ地域だけでなく、離れた地域でもさまざまな検証を行ってきました。例えば、新潟県三条市には1拠点だけ展開しています。このような取り組みから、地域でどのような方を採用し、どのように研修を進めていくべきかが見えてきました。

また、最前線の支援員だけではなく3層構造のような体制を構築しています。難易度が高い課題やトラブルは第2層のチームが対応し、それでも対応が難しい場合は最終的に研究所のスタッフが対応します。このように、どの地域でも的確に対応できる体制を整えています。

最近はオンラインでも安定的に支援を提供できるよう、さまざまな検証を実施してきました。一定程度オンラインでの補完が可能になったことで、全国展開に向けた準備が整っていると考えています。また、支援員の育成も確実に進めていけると考えています。

質疑応答:支援員の募集条件について

飯村:お話をうかがっていて、非常に体系立てられているところが強みだと感じました。支援員になりたい方は年齢などを問わず、広く募集をかけている状況なのでしょうか? 

西村:おっしゃるとおりです。性別、年齢、過去のキャリアもさまざまな人が来られます。

また、現在は精神障害のある方が増えています。例えば、「うつ」といった言葉が日常的な会話で使われることがあります。発達障害への認識も広がっており、ご友人やご家族の中にそのような方がいらっしゃる方も多くなっています。肌感覚として、関心を持つ方が増えてきているように思います。

そのような方々が、福祉にとらわれない自由な発想で事業を展開している当社に興味を持ってくださっていると感じています。

飯村:自分の人生の中でどこでその思いが生まれるかを考えると、年齢を問わず支援員の方に来ていただけるのは本当にすばらしい事業だと思います。

西村:ありがとうございます。

質疑応答:創業の背景と目的について

kenmo:社長がこの事業を始めようと思われたきっかけについてお聞きしたいと思います。

西村:私も恥ずかしながら、昔は障害者の方々に対して特別に関心が高かったわけではなく、むしろ無関心だったかもしれません。身近にそのような方がいなかったこともあります。

そのような中で、埼玉から渋谷まで電車で通勤されている、下肢に障害のある方がいらっしゃいました。一般事務の仕事をされていましたが、下肢に障害があるため、電車で転んだり、雨の日には杖をつきながら、カバンと傘を持って1時間ほどかけて渋谷に通われていました。

その時、「渋谷にしか仕事がないわけではないだろう。地元で働けばよいのではないだろうか?」と素朴な疑問が浮かびました。すると、「地元に仕事がないんです」と言われたのです。

法定雇用率のデータを調べてみると、大手企業では雇用率が非常に高く、しっかりと雇用が進んでいます。しかし、中小企業に目を向けると、実雇用率は統計上非常に低いことがわかりました。つまり、大手企業が積極的に取り組む一方で、中小企業は消極的です。

労働市場の観点で見ると、大手企業の多くは都市部にあり、関東では23区に求人が集中している一方、地方では求人がほとんどありません。求人格差が全国的に大きく、都市部に求人が集中しすぎているのが現状です。

障害者の方も都市部に通勤しなければ仕事ができないのが実情ですが、その一方で、福祉施設は地方に多く、住んでいる方々も全国にいらっしゃいます。

そこで福祉的なアプローチではなく、「仕事があるところで人を採用するのではなく、人が住んでいる場所に仕事を移せばいいじゃないか」という単純な発想から、この取り組みを始めました。

福祉という考え方にとらわれず、現実的な解決策がもっとあるのではないかという思いから、この分野に興味を持つようになりました。

どのような方がいらっしゃるのか、どのような働き方になっているのだろうかと調べる中で、現在、健常者の働き方は非常に多様化していますが、障害者の方の分野には、そのような民間の知恵がまったく活用されていないことがわかりました。

当初は「障害者で金を儲けている」など、さまざまな批判が出ることは承知していましたが、このような分野に対して社会に一石を投じる意味を込めて、この事業を開始しました。

飯村:「もっとこうすれば、みんながWin-Winになるのではないか?」という解決がスタートだったということですね。納得しました。

質疑応答:法定雇用率引き上げに伴う需要拡大について

飯村:個人投資家のみなさまから、事前に多くのご質問をいただいています。

「2026年7月に法定雇用率が2.7パーセントへ引き上げられることで、障害者雇用支援へのニーズがさらに高まると思われます。御社では特に、どのような企業層や業界からの需要拡大を見込んでいますか?」というご質問です。

西村:業界はさまざまです。足元では、出店をお待ちいただいている企業が相当数あります。そのような状況の中で、出店のスピードをしっかりと上げていきたいと考えています。

もう1つ力を入れたいと考えているのは、中小企業における障害者雇用の支援です。これは厚生労働省も課題として認識している問題です。もう少しライトな金額で実現できるサービスなど、中小企業にも提供できるような支援メニューを拡充していきたいと思っています。

飯村:雇用の仕方やサポートの方法さえわかれば、「うちも障害者を雇用したい」という企業は多いのではないでしょうか? 

西村:おっしゃるとおりです。当社が関わりながら障害者雇用をスタートされた企業の方々から、「わかってきた、やれそうだ」とおっしゃっていただき、その後本社での雇用をサポートすることもあります。

具体的には3日間の管理者研修を実施するサービスなど、クロスセルでさまざまなサービスが広がっています。

質疑応答:複数サービスの展開による競争優位性について

飯村:「御社は農園型だけでなく、オフィスワークやロースタリー、Diverse Villageなど複数のサービスを展開されています。単一サービス型の競合と比べて、複数サービスを持つことはどのような競争優位性につながっていますか?」というご質問です。

西村:ここは一番大きな強みです。障害者および障害者雇用に取り組む企業の課題やニーズは多様化してきています。その多様な課題やニーズにワンストップで応えられるのは、多様なサービスラインナップを有する当社のみです。

飯村:ちなみに他社が難しいのは、どのあたりになりますか? 

西村:他社は農園型の障害者雇用支援サービスを展開されている会社がほとんどかもしれません。「農園以外でやりたい、雇用を考えたい」と考える企業は、基本的に当社を選んでいただく傾向があります。そのような部分にも複数のサービスラインナップが活かされていると思います。

また、企業は1つのサービスだけを利用したいと考えているわけではありません。本当の課題である「自社の障害者雇用をどうすべきか」という大きな枠組みで考えていることが多いのです。その課題に寄り添えることが、当社の最大の強みだと思います。

質疑応答:1拠点当たりの黒字化までの時間軸と収益貢献について

kenmo:引き合いが多い中で、足元でも今期は7拠点から9拠点の出店を予定されています。1拠点当たりが黒字化するまで、時間軸としてどの程度で収益貢献を始めるのでしょうか?

西村:簡単にお伝えすると、オープン半年前に物件を契約し、内装工事を進めます。その一方で、地域の支援機関を回りながら営業活動も同時に行います。オープンと同時に利用企業が段階的に入居していただけるよう準備を進めます。

単月黒字化までは、おおむね半年程度です。拠点規模にもよりますが、キャッシュ・フロー上の回収はおおむね1年程度です。

kenmo:かなり早い段階で回収が可能なのですね。

質疑応答:クロスセル比率向上の施策と展望について

kenmo:リアルタイムでも多くのご質問をいただいています。クロスセル比率についてご質問をいただきました。

「現状15パーセント程度ですが、複数のサービスを持つ御社の強みを考えると、まだ拡大余地が大きいように見えます。今後、クロスセル比率をさらに高めるための施策などがありましたらお聞かせください」というご質問です。

西村:お恥ずかしい話ですが、過去には社内体制的にサービスごとの営業訴求の方法など、社内組織に問題がありました。部署ごとのセクショナリズムとは言いませんが、社内構成上、なかなかクロスセルが上がらなかった時代もありました。

質問でご指摘いただいたように、すべてのサービスラインナップをしっかりと提供できる体制に変えましたので、これからさらに上がっていくと考えています。ご指摘のとおりだと思います。

飯村:部署間の横の連携がうまくとれなかった部分があったのですね。その課題が見えてきて、今後どんどん改善されていくのでしょうか? 

西村:そのようになっていくだろうと思っています。

質疑応答:顧客が継続利用する背景について

飯村:個人投資家からの事前質問をもう1つ取り上げます。

「ストック型収益の比率が高く、解約率も低水準で推移しています。顧客が継続利用する一番大きな理由は、支援の品質なのか、業務開発力なのか、法定雇用率対応なのか、運用負荷の軽減なのか、どのあたりに一番大きくあるのでしょうか?」というご質問です。

西村:法定雇用率の達成は、どの企業も経営課題として重く受けとめています。しかし、「雇用をするのであれば戦力化したい」というのが一番重要な点です。

戦力化に必要なものは支援力と業務開発だと思っています。そのような観点からも、当社の支援力と業務開発力(多様なサービスラインナップ)を一番高く評価いただいているのではないかと思います。

飯村:やはり企業の戦力となる業務を見いだし、さらに働く方の特性と合わせて考えていくのでしょうか? 

西村:そのとおりです。

飯村:これはなかなか難しそうですが、このあたりもDX化を進めてきたことによって、スムーズに進むようになってきているのでしょうか? 

西村:DXというよりは、複数のサービスラインナップを構築していること、最初に作った時から支援がコアとなっていることがあると思います。そしてもう1つは、障害のある方がパフォーマンスを発揮できる業務を数多く作ることを重視しています。

飯村:それぞれのケースで異なるということですか? 

西村:そのとおりです。例えば、農園型やロースタリー型においても、成果物が企業にとってどれだけ効果的に活用できるものか、事業への貢献に資するものであるかという視点から、すべての業務を設計しています。

そのような実績をご覧いただいた上で、どのように自社で活かせるかをご検討いただき、カスタマイズして提供するケースもあります。その点で、当社に魅力を感じていただけているのだと思います。

飯村:先ほどあった、ノベルティのドリップバッグするような取り組みは、非常によいアイデアですね。

質疑応答:中期経営計画における外部企業との連携やパートナー像について

kenmo:「中期経営計画で示された3つの成長戦略の中で、特にイスラエルの会社との連携や『GOOD THE GOOD』のスケールアップにおいて、海外モデルの導入や外部パートナーとの連携が重要なテーマになると感じました。外部企業とのさらなる連携、M&A、資本提携について、具体化されるタイミングや検討中のパートナー像について、現時点でお話しいただける範囲で教えてください」というご質問です。

西村:具体的な点は現時点で申し上げにくいところもありますが、海外モデルの導入については、必ずしも海外にこだわっているわけではありません。

しかし、海外にも事業を展開しているさまざまな会社が存在します。よい取り組みやアイデアがあれば、それを取り入れたいと考えており、研究所を含めて頻繁に海外にも足を運んでいます。アンテナを広く張りめぐらせておくことが非常に重要だと考えています。

外部の事業パートナーとしては、現在すでにウエシマコーヒーさまとロースタリー型障害者雇用支援サービスBYSNをサービス化しています。また、まだ売上規模としては限定的ではありますが、日本人として初めて世界靴磨き職人の世界大会で優勝された長谷川裕也さんと連携し、靴磨きの取り組みも始めています。

例えば、ホテルやホテルマンの方々にとって靴は重要な要素です。そのような業界に対して「障害者雇用を進めませんか?」と提案するなど、さまざまな取り組みを進めています。

障害のある方が活躍できそうな事業を行っている企業をターゲットと考えており、そのような情報を積極的に集めていきたいと思っています。

質疑応答:業界の課題と障害者雇用における適正な認知について

kenmo:反対に、現状の課題としてもう少し改善が必要な点はありますか? 

西村:業界全体の適正な認知をしっかりと作り上げていくことは重要な点だと認識しています。

民間事業者が障害者雇用の課題に取り組むことに対しては、さまざまなご意見をいただいています。業界団体を通じて、情報開示をしっかりと行うことが重要だと考えています。

これは投資家のみなさまだけでなく、障害当事者の方やそのご家族、福祉に関わる方々に対して、適切に、しっかりと正しい情報を理解していただくためです。

質疑応答:出店戦略と行政連携について

kenmo:先ほど宇都宮市との連携の話もありました。今後、出店戦略にあたって、行政との連携も必要になってくると思います。その際の戦略をお聞かせください。

西村:事業における出店自体は、基本的に行政連携ありきで考えているわけではありません。これまでの出店においても、行政連携がなくても出店しているケースの方が大半です。

しかし、最近では自治体からお問い合わせをいただくようになりました。当社の事業モデルはその地域に雇用を生むものですので、これからも積極的に対応できるよう努めていきたいと考えています。

西村氏からのご挨拶

飯村:あっという間にお時間となりました。あらためて、視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。

西村:2点お伝えしたいと思います。当社は昨年12月に上場したばかりですが、これからもしっかりと事業を成長させ、投資家のみなさまのご期待に応えられるよう事業を進めていきますので、ご支援いただければと思います。

もう1点は、これまで障害者雇用や、障害者の方々について関心がなかった方もいらっしゃるかもしれないと思っています。当社の事業を通じて、障害者の方々により関心を持っていただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:法定雇用率の引き上げにより、市場拡大が見込まれるとのことですが、足元で企業からの問い合わせや商談数に変化は出ていますか?

回答:2026年7月の法定雇用率の引き上げに伴い、問合せ数や商談数は増加傾向です。

<質問2>

質問:新規出店に伴う投資でフリーキャッシュフローはマイナスですが、資料では初期契約時のフロー売上で初期投資を回収できるモデルと説明されています。新規拠点の投資回収期間は、平均でどの程度を想定されていますか?

回答:拠点のサイズにもよりますが、概ね約12ヶ月程度で想定をしています。

<質問3>

質問:2027年3月期は東海地方へ初出店予定とのことですが、東海エリアでの需要や顧客開拓の手応えを教えてください。今後の全国展開に向けたモデルケースになるのでしょうか?

回答:東海エリアには、2026年5月に「Diverse Village NAGOYA」を出店しましたが、現時点では順調な顧客引き合いとなっており、2026年10月に名古屋に2拠点目の出店を決定しており、順調な手応えを感じています。

<質問4>

質問:障害者でも障害の程度はさまざまですが、御社はどのぐらいの障害度の方がメインターゲットになるのでしょうか?

回答:基本的には、ご自身で就業場所まで通勤できる方々が対象です。

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