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株式会社シーラホールディングス8887

東証スタンダード

不動産業

目次

杉本宏之氏(以下、杉本):みなさま、こんばんは。株式会社シーラホールディングス代表取締役会長グループ執行役員CEOの杉本です。本日はお忙しい中ご視聴いただき、誠にありがとうございます。

株式会社シーラホールディングスの経営統合後初となる通期決算説明会を開催します。どうぞお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。

本日の目次は、スライドに記載のとおりです。

2026年5月期 通期決算ハイライト

杉本:まず、2026年5月期通期決算ハイライトについてご説明します。売上高は393億3,100万円、営業利益は31億8,600万円、経常利益は20億6,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は66億8,400万円となりました。

新築マンションの供給戸数は377戸、岩盤収益である家賃と管理費は18億8,900万円と過去最高となりました。建物管理棟数は113棟、賃貸管理戸数は4,121戸と、すべての指標で過去最高を更新することができました。

また、秋葉原と子安の土地を売却し、売却した土地の建築工事を請け負いました。さらに、近い将来、ファンドへ売却した物件の賃貸管理や建物管理を請け負うとともに、ファンドにおけるエクイティ部分への出資も行う予定です。このような取り組みをしていることから、「デベロッパーのインフラ事業」という言葉を最近使い始めています。

2026年5月期 通期連結損益計算書

杉本:通期のP/Lについてです。スライドの表には、期首計画、上方修正後の計画、そして実績の順に記載しています。2025年5月期の実績は、売上高が54億1,900万円と経営統合前で少し心もとない数字でした。また、営業利益は2億円、経常利益は2億2,200万円、当期純利益はマイナス6億5,700万円で着地しています。

2026年5月期の期首計画では、売上高345億円、営業利益24億1,300万円、経常利益13億5,000万円、当期純利益8億6,800万円を見込んでいました。その後、上方修正を行い、売上高390億円、営業利益30億5,000万円、経常利益20億円、当期純利益は経営統合後の負ののれん発生益も反映して65億1,300万円に修正しました。

最終的な実績として、すべての数値が上回り、売上高393億3,100万円、営業利益31億8,600万円、経常利益20億6,700万円、当期純利益は66億8,400万円という結果となりました。

2026年5月期 通期連結貸借対照表

杉本:バランスシートについてです。経営統合により規模が拡大し、総資産は704億8,200万円、現預金は101億4,900万円、純資産は188億3,100万円となりました。当然ながら、バランスシートの拡大に伴い有利子負債も増加し、有利子負債の合計は449億8,300万円となっています。

主な財務関連指標

杉本:主な財務関連指標についてです。ROEは37.2パーセント、ROAは9.5パーセントとなっています。これらについては、今期は経営統合後の逆のれんが含まれているため、参考記録としてご認識いただければと思います。

そして、DOEに関しては2.7パーセント、ROICは3.7パーセント、ネットD/Eレシオは1.8倍、配当利回りは3.5パーセントという結果です。

営業利益・経常利益の比較

杉本:スライドは、2025年5月期と比較して営業利益が各セグメント別事業によってどのように変化したかを示しています。まず、総合不動産事業が最も大きな利益を上げています。その次に、不動産管理事業が続きます。

建設事業について、2026年5月期は完成物件が少なかったためマイナスとなりました。ただし、自社物件の施工に重点を置いているため、数字がやや不規則になっています。この点については後ほどあらためてご説明します。

再生可能エネルギー事業では3,900万円、本社販管費は27億3,800万円のマイナスとなり、営業利益は31億8,600万円となりました。なお、経常利益には金利などが含まれています。

2026年5月期 セグメント別業績サマリ

杉本:セグメント別の業績サマリです。売上高393億3,100万円の内訳を見ていくと、やはり総合不動産事業が最も大きな割合を占めています。当社としては、この中で最近は分譲事業、1棟をファンドに売却するホールセール事業、そして岩盤収益の3つが主に粗利として非常に大きな割合を占めるようになっています。

セグメント別では、総合不動産事業に集約されており、その次に岩盤収益の大半が不動産管理事業という位置付けになります。

2027年5月期 業績予想

杉本:2027年5月期の業績予想についてです。ホルムズ海峡危機の長期化に伴い、下半期の竣工予定物件が、万が一期ずれを起こす可能性を完全には排除できないため、業績予想はレンジ形式としました。

売上高は下限の380億円から上限の400億円、営業利益は前期比16.1パーセント増の37億円が下限となり、上限は39億円です。経常利益は23億7,500万円から25億円、親会社株主に帰属する当期純利益は14億7,200万円から15億5,000万円のレンジで発表しました。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):非常に好調な今期予想で、ついに営業利益率も10パーセントに乗るかどうかという段階に来ています。しかしながら、レンジとはいえ、意外と数値幅が近い印象があります。これは御社が昔から慎重に進めてきた姿勢の表れではないかと思います。

少し難しい質問ですが、会長としては、この目標値のどちらに寄るとお考えですか? もちろん上限に達成するという意気込みは理解できますが、現状どちらに寄りそうかという点についてうかがいたいです。

現状のホルムズ海峡の状況や世界情勢、それに売却可能な物件の動向などがあります。1年間でこれがクローズできるかどうかが業績に大きく影響すると思います。

最終的には上限に寄るのではないかと私は予想していますが、実際のところ、「これは保守的な目標なのでは?」とも感じています。現状のイメージを教えていただければ幸いです。

杉本:おっしゃるとおり、非常に保守的に見積もりました。

やはりホルムズ海峡の影響が政治的リスクを伴い、どの程度原油価格に影響を及ぼすのかは、まったく予測がつかない状況です。まさに「トランプ氏に聞いてほしい」と言いたくなるような時もあります。

坂本:足元の60ドル台に戻ったかと思えば、またすぐに10ドル上がるような状況ですからね。

杉本:本当に厄介な話ですが、これは経営者としても避けられない部分です。もし期末に完成予定の物件が遅れた場合には、一部固定資産として保有している物件を一部業績のフォローに充てるつもりです。

もちろんそのような意味合いも含めて、株主さまに対して正直に、この期ずれの可能性があることを申し上げるべきだと思います。ただ、我々には十分なバランスシートがあり、今期はホテルや蓄電所といった事業も加わるため、ここは経営者として当然の自信を持って、株主さまに安心して見ていただけるよう、慎重かつ保守的な数字を発表しています。

坂本:期末はまだ1年ほど先の話になりますので、また新たな情報が入りましたらお知らせください。

杉本:承知しました。

総合不動産事業 第4四半期連結累計期間 セグメント業績サマリ

杉本:続いて、2026年5月期セグメント別の業績についてご説明します。総合不動産事業における売上高は343億7,400万円、セグメント利益は55億9,300万円となり、いずれも非常に順調に推移しました。

総合不動産事業 第4四半期会計期間 KPIサマリ

杉本:プロジェクトの仕入れについてです。現在、各社が苦しんでいる中で、6件のプロジェクトにおいて比較的順調に仕入れを進めることができました。他社が郊外に移行する中でも、当社は大田区、新宿区、品川区などで仕入れを進めています。

先日、金融機関に評価を出していただくようお願いしたところ、「久しぶりに新宿区の物件を見ました」という非常に心強い反応をいただきました。

坂本:そのようなレベルなのですね。

杉本:「久しぶりに良い物件の評価が出せる」と銀行から言われるくらい、やはり都心部の仕入れは厳しい状況です。

坂本:取り合いが起きているのですね。また、お金に余裕がある方は借り入れをせずに進めるケースもありますよね。

杉本:はい。そのような状況の中で、当社はしっかりと踏ん張り、自社の土地を形成していくことを考えています。権利調整を入念に行い、時間をかけて土地を仕上げていきます。我慢強く取り組んでいく方針です。

坂本:イメージとしては、ほとんどがレジデンシャル用地という感じですか? 

杉本:そうですね。レジデンスやホテル、さらには商業ビルなどバランスよく仕入れができています。

2027年5月期以降の竣工スケジュール

杉本:パイプラインについて、今期、来期、再来期の内容を発表しました。来期に関しては、今期よりも充実しており、レジデンスの分譲部分でもしっかりと仕入れができています。現在、パイプラインは非常に安定していると考えています。

坂本:非常に大型のものもあり、3桁戸数も含まれていて、着々と進められている印象です。

杉本:はい。気を抜くことなく、しっかりとがんばりたいと思います。

2026年5月期 開発・販売の実績

杉本:開発および販売の実績についてです。2026年5月期は12棟377戸の新築物件を供給し、累計ではグループ全体で204棟の開発を達成しました。直近の開発状況についてはスライドをご覧ください。

当社グループの主力ブランド

杉本:当社グループの主力ブランドは、「SYFORME」シリーズと高級マンションの「THE SYLA」シリーズ、そして複合開発の「SYLA」シリーズの3つのブランドを展開しています。

2026年5月期 新築物件供給状況

杉本:新築物件の供給状況です。2026年5月期は、12棟377戸を供給しました。エリア別供給状況や物件種類別供給状況、売却先供給状況において、比較的バランスよく提供できていると考えています。

どこかに大きく偏るとバランスが崩れ、仕入れがうまくいかなくなることがありますが、当社ではバランスを維持し続けたいと考えています。

坂本:非常にバランスが良いということで、今後もこうした割合は多少変動するとは思いますが、物件の大きさなどを含めて、このようなかたちで分散しながら開発を進めていくイメージでしょうか? 

杉本:はい。引き続き、中核地域に力を注ぎながら、なんとか踏ん張りたいと思っています。当社は開発に力を入れている会社ですので、良い場所をお客さまに提供することが使命だという意識を持ちながら、士気を高めています。

不動産管理事業 第4四半期連結累計期間 セグメント業績サマリ

杉本:不動産管理事業におけるセグメント別売上高は28億4,300万円となり、こちらも過去最高を記録しました。今回募集費用や人件費などは販管費に含まれているため、コストがかさみましたが、このセグメント利益は、今期以降大きく伸長する予定です。

また、APAMAN株式会社との業務提携を発表したほか、小田急電鉄株式会社に箱根のホテルを売却することができました。

不動産管理事業 第4四半期会計期間 KPIサマリ

杉本:建物管理棟数は113棟で過去最高となり、順調に積み上がっています。賃貸管理戸数に関しても4,121戸と順調に推移しており、四半期別に見ても増加傾向が続いています。また、賃料の引上げ率も過去最高となっています。

おかげさまで足元では8パーセントをさらに超えており、非常に順調に賃料を引き上げることができています。この点については、後ほど詳しくご説明しますが、需給が圧倒的に逼迫している状況が背景にあります。

坂本:これはやはり御社が非常に良い場所に物件を所有しているからこそ、これだけの賃料引き上げが可能なのではないかと思います。御社が賃貸で提供している物件は、定期借家契約が中心でしょうか、それとも普通借家契約の物件もあるのでしょうか? 

杉本:以前は普通借家契約の物件が多かったのですが、現在はどんどん定期借家契約に切り替えを進めている状況です。

坂本:最近の普通借家契約の物件についてですが、周辺の家賃が著しく安い場合、お客さまに「賃料を引き上げてもよいでしょうか?」といったことを提示すると、「いいよ」と応じていただける方がいるという話も耳にします。その点、御社ではどのように対応されているのでしょうか? 

杉本:そうですね。我々もお客さまに納得いただくために、周辺の賃料相場に関する資料を配布しています。不当に安い賃料の場合には、他のお客さまと平等に対応するため、交渉します。不公平があってはいけませんので、しっかりとお話ししています。

その結果、「さすがにこの差を見てしまうと」ということで、更新のお客さまでも5パーセントから10パーセントの引き上げを受け入れていただける方が多いです。もちろん、長く住んでいただいているお客さまには無理なお願いはしていません。

坂本:確かに、周辺の相場がまだ安い状況ですからね。

杉本:若干安いですが、長くご入居いただいている場合は仕方がないと思っています。そうした交渉のポイントは、我々のPM(プロジェクトマネージャー)としっかり共有しながら進めています。したがって、現在、足元の賃料は引き続き上昇傾向にあります。

坂本:努力を重ねながら取り組まれているのですね。

2026年5月期末 岩盤収益の状況とその内訳

杉本:岩盤収益についてです。足元のMRR(マンスリーリカーリングレベニュー)がどんどん上がっています。これに12を掛けた場合、今期は22億円前後となる見込みです。

伸び率としては過去最高となる予定で、さらに蓄電所や新たなホテルなどが加わることで、より一層の成長が期待できると考えています。

坂本:御社の岩盤収益についてですが、おそらく初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明すると、御社が保有する賃貸物件からの家賃収入のことを指します。そして、その収益を増やすことで固定費を最終的に賄えるようにしようという目標とのことですが、その方針に変更はないという認識でよろしいでしょうか? 

杉本:おっしゃるとおりです。本当に歯を食いしばって取り組んでいます。家賃収入は4パーセントや5パーセントといった低い利益率ですが、販売を行うと15パーセントから20パーセントの利益率が必要になるため、そちらに流れやすいのが現実です。

しかし、我々は血を流しながらもなんとか耐えて、10年後の利益を考え、こうした物件を積み上げて増やしていくことを目指しています。その結果、3万円の駐車場から始めて、22億円まで成長することができました。

坂本:これは御社の大きな強みだと思います。さらにレジデンスだけでなく、ホテルや蓄電所も加わりますね。

杉本:これについては、史上最大の伸び率になると自信を持って申し上げます。

坂本:それは、家賃改定が影響しているということですね? 

杉本:そのとおりです。

2026年5月期末 保有資産の状況

杉本:株主さまから多くのお声をいただいた内容についてお話しします。「これまで我々が我慢して物件を売却しなかったことや、創業から約55年間事業を続けていた株式会社クミカとの経営統合による含み益があるのなら、それを実際に数字に表してほしい」といったご意見を受けました。

現在エグジット可能なキャップレートから逆算し、固定資産のみで約72億円の含み益があることが判明しました。

ここには棚卸資産や、今後2年から3年以内に売却予定の長期棚卸資産の含み益は含んでいません。純粋に長期固定資産のみで約72億円の含み益があるという状況です。

坂本:売却してしまえばその含み益はなくなりますが、これまで積み上げてきた現状と、それが結果論だと指摘する方もいるかもしれません。しかしながら、現状では地価も上昇しているため、これは御社の大きな資産となっているわけですね? 

杉本:はい。賃料も上昇していますので、当面は物件の供給と需要のバランスが崩れるマーケットが続くと予想しています。この点については後ほど詳しく説明しますが、賃料の上昇により、含み益がエグジットする際のキャップレートも上昇します。

その結果、含み益もさらに増えるかたちとなるため、非常にポジティブに捉えています。

坂本:良い不動産のメカニズムが機能しているということですね? 

杉本:おかげさまで、良い循環が生まれている状況です。

不動産再生 ①西麻布エリアの開発

杉本:不動産再生についてです。西麻布を面として、レジデンスやホテル、オフィス、商業施設などをさまざまにミックスし、この周辺地域でお客さまに付加価値を提供していく考えです。将来的には割引クーポンなどを発行する計画もあります。そして、今回ちょうど7棟目を取得しました。

坂本:増えましたね。

杉本:前回は6棟目の取得が決まったというご報告をしましたが、今回は7棟目の取得についてご報告できました。

坂本:首都高速道路を通ると、御社の看板を見かけます。

杉本:ありがとうございます。最近「SYLA」の看板を見かけることが増えました。

坂本:増えていますよね。意外と大きなものもありますね。箱崎の奥あたりですか? 

杉本:そこにもあります。今後、「SYLA」看板の設置件数は年間で15件ほど増える予定です。

坂本:看板は御社物件の上に設置するイメージですか? 普通の看板として設置することもあるのでしょうか? 

杉本:お金をかけた看板ではなく、自社物件の看板になります。

坂本:看板を見ると「御社の物件かな」といったイメージを持たせるものなのでしょうか? 

杉本:そのとおりです。

坂本:なるほど。私もそのように見ていこうと思います。

杉本:株主さまもご覧いただいていると思いますが、この看板にはコストはかけていません。

不動産再生 ②ホテル事業

杉本:次に、ホテル事業についてです。これはレジデンシャルホテルを指しており、当社の成長ドライバーの1つとして、大きくなっていくと考えています。なお、フルサービスを提供するのではなく、あくまでも宿泊特化型のレジデンシャルホテルです。

当然、フロントにはスタッフを配置し、清掃なども行います。これによって非常に高い利益率が得られています。また、我々がこれまで取り組んできた事業と隣接する分野であり、中古の古いビルを購入してコンバージョンし、フルリノベーションを行います。また、ビルをワンフロアずつコンバージョンしていくかたちも取れます。

我々は機動的かつ効率的に、生産性を高めた運営を実現できていると考えています。そして、今期は最も部屋数が増加すると見込んでいます。

坂本:賃料が非常に上がっているため、ここは現代に求められている部分ですよね。

杉本:例えば、西麻布でオフィスを坪単価1万3,000円で貸していた場合、これをレジデンシャルホテルに切り替えることにより坪単価で3万5,000円から4万円の収益が得られます。

坂本:それはすごいですね。

杉本:また、鎌倉駅から徒歩2分のオフィスでは坪単価が同様に約1万円前後ですが、これをレジデンシャルホテルにすることで、インバウンド需要を取り込むと坪単価で2万5,000円から3万円の収益になります。このように、しっかりとコンバージョンを行い、さらにリノベーションを進めることで、付加価値を高めることを心がけています。

荒井沙織氏(以下、荒井):私個人的には、鎌倉が好きです。

杉本:ありがとうございます。

荒井:素敵ですよね、坂本さん。

坂本:はい。これは本当にできる物件とできない物件があると思いますが、そのあたりは不動産のプロの目利きで進めていくかたちですか? 

杉本:そうですね。インバウンドの方々、つまり外国人の方々に好まれる場所は、すでに定まっています。例えば麻布のような一等地や赤坂、渋谷といった、みなさまが想像される場所です。

また、観光資源がある場所、例えば鎌倉や浅草といった、みなさまが想像しやすい「ホテルはこういう場所にありますよね」という場所が当てはまります。

坂本:反対に、オフィスとして使うのはもったいない地域もありますよね。中小の雑居ビルといった言い方は良くないかもしれませんが、面積が狭く、築年数が経過している物件は、意外と賃料が伸びにくいです。それを再開発しようとしても、隣のビルも壊せない状況になるなど制約が多いので、この使い方は本当に良いですよね。

まさしくプロならではの手法といえます。個人であれば通常のマンションを借りて民泊を行うと思いますが、プロフェッショナルはこうした方法を採用するのですね。非常におもしろいと感じます。

杉本:この事業にはぜひご期待ください。引き続きチャレンジしていきたいと思います。

建設事業 第4四半期連結累計期間 セグメント業績サマリ

杉本:建設事業についてです。こちらは日頃からお伝えしていますが、自社施工の部分が非常に多く、完成物件が今期に集中するため、マイナスが出ています。

こちらも順調ではありますが、ホルムズ海峡の影響が当然あります。一部、後半に完成する物件に関しては、倉庫に早めに建材や資材を発注するという手法をとることで、比較的影響を軽微にとどめている状況です。

建設事業 第4四半期会計期間 KPIサマリ

杉本:スライドには、現在施工中の案件を写真とともに掲載しています。ここにさらに2棟ほど加わる予定です。

坂本:現在のキャパシティはどのくらいですか? もっと受けられる感じですか? 

杉本:おかげさまで、施工能力自体は最大であと4棟、合計で12棟ほど施工できる見込みが立ってきました。

坂本:建材価格なども含めていろいろ不明瞭な部分があるため、あまり積極的にコスト計算をしながら進めるというイメージではないのでしょうか? 

杉本:他社さまの施工については、積極的に受注を増やしていく段階ではないと思います。やはり自社施工に注力し、必要なコストとして対応していく方針です。

坂本:いろいろな要素が影響しているため、セグメント利益がマイナスになることもあるという話ですよね。

杉本:はい。この点もしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

再生可能エネルギー事業 第4四半期連結累計期間 セグメント業績サマリ

杉本:再生可能エネルギー事業についてご説明します。こちらの売上は順調に伸びています。ただし、セグメント利益は当初の予定より低くなりました。この要因として、期末に売却を予定していた系統用蓄電所を自社保有する方針に変更したことが挙げられます。

坂本:岩盤収益に加えるということですか? 

杉本:はい。みなさまもご存じのとおり、自前で土地を購入し、自前で施工を行ったものに関しては、当社の想定以上の利回りが期待できるため、売却はもったいないと判断しました。

坂本:確かにそうですね。ここは歯を食いしばるべき部分かもしれませんね。

杉本:はい。引き続き、そのような姿勢で取り組みます。

坂本:利回りが何パーセントかというのは、おそらく相場などによって変動すると思いますので、みなさまに伝えるのは意外と難しいのではないかと感じています。それでも、御社が保有しているレジデンスやオフィス、ホテルの利回りと比較しても、非常に高い水準にあると言えますよね? 

杉本:おっしゃるとおりです。何倍もということになり、本業以上の成果が期待されています。

坂本:これは、きちんとコストを支払いながら回収できた場合の話ではありますが、利益率の向上に大いに寄与するすばらしい資産ですね。

むやみにM&Aで関連性のない会社を買収するよりは、はるかに良い選択肢です。いつまでこのキャッシュが続くかはわかりませんが、基本的には投資した分を回収してしまえば、その後すべて利益となりますからね。実際、私も非常に魅力的だと感じていて、してみたいと思っています。

5億円程度で行き来すると思いますが、それが出ないため、何人かで対応するか、小型を張り替えるかという議論を現在進めています。

杉本:1つ申し上げると、約2年前に投資を決断し、銀行からの融資も受けて4基の投資を決定しました。今後も継続して投資を検討していきます。

この決断の背景には、電力不足や原子力発電所がすべて再稼働することは難しいだろうという見通しがありました。また、AIブームによりデータセンターの不足が予想され、データセンターを増やすことにより一定の電力不足が生じるだろうという判断もありました。

ただ、ここまでの需要は我々も想定していませんでしたが、追い風と言える状況も一部あります。その一方で、想定以上に利回りが何倍にもなっているという状況です。

坂本:このあたりについても引き続き注目していきたいと思います。

再生可能エネルギー事業

坂本:再生可能エネルギー事業について、スライドにはわかりやすい図が掲載されていますが、もう少し詳しくご説明をお願いします。

杉本:スライドの左側は発電に関する部分で、当社が行っている太陽光発電事業になります。

坂本:これについては、従来からみなさまが持たれているイメージどおりかと思います。

杉本:太陽光発電は電力を作る事業です。一方、系統用蓄電池は電力を調整する事業です。昼間に使用されていない電力や、安価な電力を蓄電池に貯めて、それを必要とする夜の時間帯に供給するという仕組みです。

つまり、電力を調整する部分と作る部分はまったく異なる性質を持っています。実際に、これらは似て非なる事業であり、別の事業です。

蓄電所では昼間に使っていない電力をしっかりと貯めて、必要な時に供給することで電力を整えます。さらに、これは火力発電よりもコストが低下してきている状況です。

こうした背景がある中で、国による一定の後押しもあります。ただし、現在の国の課題として、原発を全基再稼働させることが容易ではないという問題があります。そのため、当面の電力不足を補うという観点から、蓄電所事業は必要とされる事業であると考えています。

系統用蓄電所事業 ビジネスモデル概要

杉本:これをもう少し掘り下げると、作られた電力を蓄え、必要に応じて放出することで、家庭、工場、社会インフラへと届けるかたちになります。

系統用蓄電所に関しては、東京電力管内、関西電力管内、中部電力管内でそれぞれ電力会社と連携し、蓄電所から必要とされる電力を提供する仕組みとなっています。

特に現在、電力不足を背景にデータセンターの建設が進まないという問題が発生しています。

坂本:そうですね。特に米国などでそのような話題が取り上げられていますね。

杉本:はい。我々も、たまたま追い風が吹いている部分もありますが、この事業は当面必要とされるものであると考えています。

系統用蓄電所事業を取り巻く外部環境

杉本:系統用蓄電所事業を取り巻く外部環境として、当然政治的な状況も含まれます。また、経済的には電力価格が高止まりしており、データセンターの需要が増えています。市場も成長しており、ESGや脱炭素の観点から見ても、太陽光で発電した電気を蓄電所に蓄える技術が、現在は少し効率が悪いものの、今後開発が進むと確信しています。

さらに、蓄電池は改良が進んでおり、寿命が大幅に延び、効率も向上して、火力発電を大きく下回るコストを実現しています。このように、さまざまな環境要因が後押ししている状況です。

2026年5月期 株主還元施策

杉本:2026年5月期の株主還元ですが、中間配当は記念配当を含めて6円、期末配当は後半に上方修正を行い7円となり、年間では1株あたり13円の配当となりました。自己株買いは2億4,900万円で、株主優待はデジタルギフトと「利回りくんコイン」の配布を実施しました。

2027年5月期 株主還元施策

杉本:2027年5月期の株主還元は、記念配当を普通配当に置き換え、中間配当を7円、期末配当を7円としました。前期と比較すると1円の増配となりますが、記念配当を除くと実質的には4円の増配となり、年間の普通配当は合計14円です。

そして、累進配当方針についてです。この配当方針では、基本的に配当を下げることはありません。ただし、その代わりとして、株主優待として導入していたデジタルギフトを廃止しました。これは、デジタルギフトの利用が約70パーセントにとどまり、不公平や不均衡が一部で生じていたためです。この点を見直し、配当に移行することとしました。

また、長期的に株式をお持ちいただく株主さまにメリットを提供するほうが適切であると判断し、これに向けた追加施策を現在鋭意検討しています。

自己株買いに関しても、株式状況に応じて機動的に対応していきたいと考えています。

株主還元施策の変更点

坂本:株主還元施策の変更点として、株主優待を「利回りくんコイン」のみにされたということですが、デジタルギフトが個人投資家に非常に人気があることは理解しています。したがって、「デジタルギフトがあるから株を買おうよ」といったお話もあるかと思います。

しかしながら、長期的に御社の事業を注視し、コミットしたいと考えると、「利回りくんコイン」が適しているのではないかと思います。この「利回りくんコイン」の使い道について、簡単に教えていただければと思います。

杉本:「利回りくんコイン」についてですが、これは当社が提供している「利回りくん」事業において、小口で不動産を保有することができ、平均で4.4パーセント程度の運用が可能です。さらに、「利回りくんコイン」を加えることで、最大で10パーセントを超える運用を実現することも可能です。

我々は、株主のみなさまとのエンゲージメントを強化し、ファン経済を築いていきたいと考えています。そして、長期的に当社の株を保有していただけるお客さまにきちんと報いることが、株主のみなさまにとっても最も喜ばしいことではないかと思っています。

ただ、デジタルギフトについては、先ほども申し上げたとおり、約3割の方が利用されておらず、利用し忘れていたのか、あるいは、利用方法がわからなかったのかは不明ですが、不均衡が生じていることが課題でした。

そのため、この不均衡を解消すべく、配当への置き換えがわかりやすいという考えから増配し、今後も増配というかたちで株主のみなさまに報いていきたいと考えています。

また、「利回りくんコイン」の増額についても、株主さまの利用状況を踏まえ、しっかりと手厚くしていきたいと考えています。

ぜひ「利回りくん」で利益を上げていただければと思います。

坂本:みなさまの資産を整えていただければと思います。

自社株買いの実施

杉本:自己株買いについては、今後も機動的に、PBRが1倍を割る水準では非常に積極的に実施したいと考えています。今回も1億円の自己株買いを発表しました。

利回りくんコインの贈呈

杉本:スライドには「利回りくんコイン」の贈呈条件を掲載しています。

坂本:最大で「2万5,000利回りくんコイン」をもらえるということですね。

杉本:おっしゃるとおりです。

成長戦略と中期目標

杉本:成長戦略についてです。2025年6月時点では、経営統合時点の総資産が600億円でしたが、順調に1年が経過し、総資産704億円まで増加しています。

2026年5月期のROAは1.5パーセント、ROEは5.8パーセント、DOEは2.7パーセントです。これを2030年5月期にはROAを5パーセント、ROEを15パーセントとそれぞれ目標を上方修正し、更新しました。

まだ達成していない状態で目標を上方修正するということは、決していい加減な数字を提示しているわけではなく、その数字に対して当社が自信を持っているという証拠です。引き続き、結果をご確認いただければと考えています。

坂本:スライドでは、2030年5月期の目標までが記載されています。この先について、あるいは今期から2030年にかけての成長がどのようなカーブを描くのか、予想を教えていただければ、さらにイメージが湧きやすいかと思いますので、ご回答よろしくお願いします。

杉本:我々は、トップラインのみにこだわっていません。特に、不動産会社が売上優先主義に陥ることは問題だと考えています。そのため、利益率や利益、岩盤収益をKGIとして明確に掲げています。

また、純資産が積み上がることで自己資本比率30パーセントを目標に据え、これを必達の条件としています。このように、総資産(トータルアセット)が増加することが企業の力となると考えており、総資産を着実に伸ばしていくことを重視しています。

「では、その重視している営業利益、岩盤収益はどれぐらい伸びているのですか?」ということですが、指標では16パーセントから20パーセントの成長を示していますが、これを上回る成長をこれまで達成してきました。巡航速度としてはそれを若干上回る程度と考えていますが、目標達成を前倒しできるよう努力していきたいと考えています。

自己株式の活用

杉本:自己株式の活用についてです。当社は今回の取得で、11パーセントを超える自己株式を保有しました。

坂本:かなりの量になりましたね。

杉本:PBRは0.6倍前後の水準から、現在は0.7倍程度の水準にあります。しかし、含み益を考慮すると、実態としてPBRは0.5倍前後だと考えています。そのため、自己株式の取得は積極的に継続する方針です。

取得した自己株式については、株式交換を通じたM&Aへの活用を検討しています。また、最近ではようやく機関投資家さまから問い合わせをいただき、取材依頼も受けるようになりました。このようなところに割り当てをしたり、業績連動型報酬としての利用であったりを検討しています。

また、最終的に具体的な活用方法が見出せなかった場合には償却し、株主のみなさまに還元する考えです。

坂本:そうですね。一応、この分を除いて計算していると思いますが、取得歴も良いペースではありますよね。

杉本:したがって、自己株式は決して無駄にはしません。これは、株式数を増やして増資をするのではなく、最も安い時期に株式を買い付け、これを機動的なファイナンスで活用していきます。

「やっぱり不動産会社はどうせ業績を上げてバランスシートをマックスに膨らませたらファイナンスするのでしょう」と思われがちです。

坂本:いや、そんなことで自己資本比率30パーセントは目指さないと思いますよ。普通は、「もうギリギリでも10パーセントぐらいでがんばろう」といった話ですので、それは御社の方針とは異なると思います。

杉本:我々はそのような疑念を払拭するため、逆に自己株式を買い続けています。

当社が目指す利益構造

杉本:当社が目指す利益構造についてご説明します。岩盤収益が今期、事業全体の粗利益として大きく伸びており、当社が目指している「すべての販管費を岩盤収益で賄うという世界線がようやく現実的になってきた」という状況です。

坂本:これはどの程度の予想でしたか? 現時点での固定費は確か40億円くらいでしたでしょうか? 

杉本:すべてを最大で計上すると約48億円となります。この48億円という数字について、今期はその6割程度を賄えるところまで達成することを目標としています。これは少し高めの目標値ではありますが、2030年に総資産が1,000億円に達する頃には、すべての販管費を賄えるようになることを、社内目標として掲げています。

坂本:良い目標ですね。それが実現できれば非常にすばらしいと思いましたが、実現可能性もありそうですよね。

杉本:この数値は曖昧なものではなく、ホテルや蓄電所という当社の強力な成長要素が寄与していることを踏まえています。そのため、決して夢物語ではないと考えています。

M&A戦略

杉本:M&A戦略についてです。先ほども申し上げた「M&Aでも機動的に自己株を活用していく」ということに加え、実際にこれまでの2年半の間でグループに加わった企業が数多くあります。

それぞれの企業は、太陽光発電設備事業や商業・オフィスビルの仲介部門、オンライン賃貸仲介で稼働率を上げる事業、塗装事業など、各事業に関連する分野で仲間を探してきました。

外部環境の認識

杉本:ここはみなさまが一番お聞きになりたいところではないかと思いますが、外部環境の認識についてです。

ホルムズ海峡危機に関して、我々はこの年次発表は各社がこれから出してくるのではないかと想像していますが、当社に関しては影響があります。

マンション全体の構造を考えると、石油由来製品の影響を受ける部分は約50パーセントとなります。具体的には、主にコンクリート以外の部分で影響が生じています。

ナフサ由来の製品やポリエチレン、配管などの石油由来で直接的に影響を受ける割合は約4分の1程度とされています。このため、これらの価格が15パーセントから20パーセント値上がりした場合でも、プロジェクト全体の計画としてのコストプッシュは3パーセントから5パーセントに抑えられると見込んでいます。

ただし、我々はさらに5パーセント前後の下押し圧力があると想定していますが、最悪の事態は免れたと判断しています。

インフレによる長期的なプラス影響について考えると、逆に物件供給が抑制されることによって、当社の固定資産や長期の棚卸資産に対してはプラスの影響が大きくなると考えています。そのため、プラスマイナスが相殺されると考えています。

加速するインフレについてですが、こちらもほぼ同様の理由となります。物件が作れなくなることにより、長期的には当社にとって若干ながらプラスに働くのではないかと想定しています。

坂本:そうですよね。自社施工ができるというのは非常に強みかと思います。人員不足の問題もありますが、自社施工できる点はやはり強いですよね。

杉本:おっしゃるとおりです。先ほども坂本さんから直接お話しいただきましたが、当社では設計から始まり、土地の仕入れ、権利調整、土地区画の造成、設計や構造計算、デザインを行い、自社で施工してゼネコンで建設し、販売します。その後の賃貸管理、建物管理、大規模修繕までを一気通貫で自分たちで行っています。

坂本:すべてを自社で対応できるのですね。

杉本:そのとおりです。そのことが当社の仕入れ能力を支える要因となっています。ただし、当然そのリスクも伴いますので、慎重な判断をしながら、中核となる地域に注力していきたいと考えています。

外部環境の認識

杉本:金利上昇についてです。現在のスタグフレーション懸念がある中で、金利を上げていくことは、インフレがはっきりと確認できなければ、日本銀行も踏み切れない状況であると推察しています。

このような状況で、コストプッシュインフレによって物件の供給が滞ることに関して、現在保有している物件、とりわけ十数年前や株式会社クミカが三十数年前に取得した物件については、含み益が増加し、プラスの影響が大きいと考えています。

税制改正については、相続税制の若干の変更がありましたが、当社のお客さまは相続税を目的とした方が非常に少ないです。

坂本:そうですね。御社のビジネスは、どちらかというと相続税目的で利用されることは少ないイメージですね。

杉本:そのため、ほぼマイナスの影響も、逆に言えばプラスの影響もありません。

首都圏の人口推移と今後の予測

杉本:我々がターゲティングしているマーケットについてお話しします。首都圏の人口推移ですが、10年後には東京23区で16万人の増加が見込まれています。

また、川崎市や横浜市においても、中心部では人口が増加する見通しです。我々は、経済が成長し人口も増加するエリアに限定して投資を行っていきます。

そのような観点から、大阪の一部や福岡もターゲットエリアであると考えています。

首都圏の投資用マンションの供給状況

杉本:首都圏の投資用マンションの供給状況についてですが、過去三十数年において過去最低の供給数となっています。そして、先ほどから繰り返し申し上げているように、供給戸数の制限に、より拍車がかかるような状況になっています。物件が減少している一方で人口は増加しているという、逆相関の状況にあります。

坂本:東京はそのとおりですね。

杉本:その結果、家賃が上昇しているため、引き続き、この傾向は強含みで推移しています。

東京都の転入超過と賃貸マンション供給の不均衡

杉本:東京都の人口動態について詳しくひもとくと、さまざまなことが言われていますが、年代別にしっかりと分析すると、若い世代が9万人以上増えているのです。東京は圧倒的にシングル世帯、つまり労働者人口が増えています。

一方で、シニア世代の方々がリタイア後の生活を見据えて、「ちょっと離れたところに住もうか」「小田原や葉山に行こう」「横浜もいいね」などの近郊で、都心から1時間以内にアクセスできる場所にセカンドハウスを設けるケースが増えているとうかがっています。

東京については、今後も労働力人口が圧倒的に増加する見込みです。それに対して、供給数は過去最低ということから、当面の間、需給の強含みが続くと考えられます。

坂本:土地もなく、過去と比べてコストも高いため、計画があっても実現が難しいという状況なのですね。

杉本:おっしゃるとおりです。

当社グループの強み

杉本:当社は土地の取得から設計、建築、ゼネコン、管理までを一気通貫で行うことができる点で非常に強みを持っています。

ランチェスター戦略についてです。これは、エリアを限定して特定の地域に集中して取り組む戦略です。15坪から20坪程度のコンパクトなオフィスビルや商業ビルを作る会社は他にありません。大手が手を出さないことに取り組み、岩盤収益を積み上げている、非常に稀有なデベロッパーだと自負しています。

さらに、今期は家賃収益が販管費の6割を目標としており、これほどまでに家賃収益に注力している会社はほとんど存在しません。この規模の中堅デベロッパーとして、非常に大きな存在感を発揮できているのではないかと思っています。

そして、クラウドファンディングも非常に順調に伸びていますが、今後、自前のプロジェクトを「利回りくん」で実現していくべく現在進行中です。これにより、安定した経営基盤を構築し、第3の金融機関以外の調達手段として確立していくと考えています。

以上となります。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

質疑応答:長期間株式を保有されている株主への還元について

荒井:「説明会では『超長期的には株主に報いる』というお話でしたが、この『超長期』とはどの程度の期間をお考えでしょうか? また、その超長期間で御社としてはどのくらいの成長を見込んでいらっしゃるのでしょうか?」というご質問です。

杉本:現在検討中の事項があり、お話ししづらい部分もありますが、超長期的に株を保有していただける株主さまが喜んでいただけることを目指しています。この点については、私の言葉を信じていただきたいと思います。

また、「長く保有していてよかったな」と思っていただけるような施策を実行する必要があると考えています。例えば、1年、3年、5年、7年といったラダーをつけるルール作りは非常に難しいです。

株式会社クミカの時代から株式を保有している株主さまもいらっしゃいますので、時間がかかっていますが、ご期待に沿えるよう努力しています。少々お待ちいただければと思います。歯切れの悪いお話で恐縮ですが、どうぞご理解ください。

坂本:確かに、報い方についてはさまざまな期待や受け止め方があるかと思います。株主アンケートなどの「何を期待しますか?」といった質問には、優待、業績、安定度など、さまざまな回答が寄せられます。

結局のところ、株価が一番人気かとは思いますが、自社株買いや配当・優待も含め、さまざまな施策があると思います。「長期的にいろいろなもので報いていきます」というイメージで合っていますか? 

杉本:おっしゃるとおりです。「累進配当」という言葉を掲げている以上、すべての指標を向上させることが我々の目標です。

質疑応答:増配の可能性について

荒井:「配当予想の修正がありましたが、もう少し増額は検討できなかったのでしょうか? また、現在の配当や株価についてのご意見もお聞かせください」というご質問です。

坂本:この点は「累進配当がベース」ということもありますが、いかがでしょうか? 

杉本:当社は、NASDAQの株式会社シーラテクノロジーズ時代から含めて、3期連続で上方修正を行い、3期連続で増配を実施してきました。

この状況を踏まえ、「累進配当」という言葉を掲げることにしました。今期もご期待に沿えるよう努力していきますので、結果を少々お待ちいただければと思います。

坂本:累進配当は本当に良いことだと思います。御社もそうですが、もともと配当が高い会社が累進配当を実施するのが正しいと考えています。これが1パーセントの配当利回りの会社だと、累進配当をしても意味がないと言ったら語弊があるかもしれませんが、株主に十分報いていないと思うのです。だからこそ、このレベルの利回りから累進配当を採用するのは良い判断だと思います。

杉本:長年保有していた不動産が再開発に入るなど、さまざまなプラス材料が発生しており、一部はすでに発表しています。これら予期せぬプラス材料も加味し、株主さまに十分に報いるだけの裏付けと自信があるからこそ、「累進配当」を掲げたということです。

ベンチャークラスの不動産企業が「ベースアップ」や「累進配当」という言葉を掲げるのは非常に重いです。

坂本:確かに重いですね。その上、まだ多額の資金を借り入れて開発を進めたいという状況もありますので、安定度が不安視されるという話にもつながりますよね。

杉本:その点についても、十分に株主さまに報いるだけの論拠がありますので、ぜひ今後の発表をご覧いただければと思います。少々お待ちください。

質疑応答:2027年5月期の業績見通しについて

 

荒井:「今期、期初予想をレンジで開示していただいていますが、事業から考えて幅が少なすぎると思います。この上限の前提と、それを超えるようなお話はどうなると実現されるのでしょうか?」というご質問です。

杉本:先ほども少し触れましたが、最終四半期の最終月に完成予定の物件があります。ただし、万が一完成しない可能性も排除できない状況です。そのため、保守的に見積もり、レンジでの発表としました。

当然、間に合うように鋭意努力を続けますが、もし間に合えば業績に上乗せされるかたちとなりますので、その実現に向けてしっかりと取り組んでいきます。

保守的な見積もりとした理由として、株主のみなさまとのコミュニケーションを重視し、リスクは適切に開示しつつ、過度な期待を持たせないよう努めています。当社の実力に基づいた発表を行いながら、社内では上方目標を設定し、それを着実に達成してさらなる上方修正を目指すことが、正しいコミュニケーションだと考えています。この方針を目指して引き続き進めていきます。

質疑応答:系統用蓄電所事業における土地仕入れと事業運営方針について

坂本:系統用蓄電池は、投資家からの期待が非常に高いため多くの質問が寄せられています。

仕入れに関するご質問ですが、「デベロッパーから開発費用を加えたものを土地ごと購入するのか、それともゼネコンとして、実際のところ建設は自社で行うのかは分かりませんが、コストを抑えつつ自社で土地を仕入れて申請を行い進めるかたちなのか、どちらになりますか?」というご質問です。

杉本:現在のところ、ほぼすべて自社で土地を購入し、検討した上で工事も自社で行っています。すべて自前で行うことにより、他社よりもコスト競争力を持っています。

坂本:だからこそ、特に利回りがさらに高くなるということですね。

杉本:先ほど坂本さんがおっしゃったとおり、現在、銀行の融資が付かない状況です。そのため、キャッシュを用意できるプレーヤーが限られています。

現在、完成品が比較的安価に入手できるケースもあります。そのため、完成品について「今系統連系の手続きを進めれば、3ヶ月、4ヶ月後にすぐに売電が始まりますよ」というものに関しては、比較的積極的に仕入れを行うべきではないかという議論を進めています。

坂本:それは価値が高いですね。

杉本:ここについては、当社の財務力や銀行との連携を活かし、売電において一定の実績が出始めていることもあり、今後伸ばせる事業であると考えています。しかし、追い風の参考記録のような状況もあるため、この分野に傾倒しすぎるのはリスクがあるとも感じています。

坂本:「系統」だけに「傾倒」するとは、うまく掛けましたね。非常におもしろいです。

杉本:系統用蓄電池事業だけに傾倒してしまうとおかしくなりますので、バランスよく進めていく必要があると考えています。

我々は、販売によって利益が出るからといって一気に集中するのではなく、売電利益が半分になったとしても、運用していれば利回りは十分確保できると考えています。

坂本:そうですね。おそらく御社の最高記録が出るかもしれませんね。

杉本:状況によって、今後さらに「さすがに5年分の売電収益になるよね」というようなことが起これば、一気に売却するかどうかを検討することになると思います。ただ、基本的には保有を継続し、安定した岩盤収益を生み出す事業であると見ていただいて間違いないと思います。

質疑応答:系統用蓄電所事業の連系期間および事業ポートフォリオについて

坂本:先ほどの質問に付随する質問です。投資家の中には利益率も高いため、「これはもう全力で系統用蓄電池を買えばよいではないか」という方がいると思います。

私が説明しても仕方のないことですが、連系するまでの時間が場所によってまったく異なります。先ほど会長がおっしゃった「連系があと数ヶ月で」といった物件は良いのですが、そのような物件が多数あるわけではありません。

太陽光発電の初期にもありましたが、結局、つなぎ込みに至るまで非常に時間がかかる物件もあります。それは「今から投資したら利回りが下がってしまうかもしれないからリスクでしかないよね」といった話につながります。

御社はこうした物件に対して、かなり早い段階で系統を見つけたわけですが、やはり連系できる期間が短い物件を集中的に選んでいくイメージなのでしょうか?

杉本:その点についてご説明します。事業のポートフォリオについて、現在は当然ながら国策にもよりますが、儲かるからといって売電収益をバランスシートに一気に入れることはありません。不動産業も同様です。

坂本:山や谷があるかもしれないですからね。

杉本:「来期や再来期のために全力を尽くす」とすれば、我々も1,000億円程度の売上を計上し、利益100億円を出しつつ「来期、再来期は知りません」というかたちにすることもできます。しかしながら、我々は超長期的に株式を保有してくださる株主さまに喜んでいただくことが責務であると考えています。

企業価値についても、目先の利益ではなく、5年後、10年後といった超長期的な視点で経営を考えることが重要です。そのため、事業ポートフォリオを常にバランスよく構成することを念頭に置き、売電収益に関しても、蓄電所の利益が確実に減少していくことを考慮しています。

現在の売電収益は、追い風に支えられた参考記録と捉えており、政府の指針も出ていますので、この先は30パーセントから40パーセントの下落が見込まれています。また、需給調整市場においても、売電価格は少しずつ低下していくと予想されています。

我々はこれらを見据えた上で、通常の不動産利回りを大きく上回る利益を出せる事業として蓄電所事業を保有することを機関決定しました。この判断も、超長期的な視点を持ち、株主さまにどう報いるかを徹底的に議論した上で導き出したものです。

ポートフォリオをさらに割けば短期的には大きな利益を追求できますが、我々の理念として、そのようなやり方は行いません。

我々の祖業であるマンションをしっかり作り込み、土地をしっかりと作り込み、お客さまに良い商品を提供することで我々の事業は成り立っています。

賃貸収益や管理戸数といった岩盤収益によって我々の事業が成り立っていることを忘れることは、事業の質を損なう原因になります。利益を追求するだけの経営は我々の本意ではなく、蓄電所事業においても慎重に見極めながら適切な判断を下していく方針です。

今回の判断は2年前の決断が大きく寄与し、追い風にも恵まれた結果といえます。そのため、今期および来期の岩盤収益には大きな貢献をしてくれると期待しており、非常に楽しみにしています。

坂本:非常に哲学的なお話しもいただき、イメージが湧いたかと思います。

杉本氏からのご挨拶

杉本:いつもご視聴いただきまして誠にありがとうございます。今まで繰り返し申し上げてきたとおり、超長期的に応援してくださる株主のみなさまに報いることが、今期ようやくしっかりとかたちになり、数字の面でも示せるのではないかと自信を持っています。

ぜひ、中長期的に応援していただければ、ご期待に沿える企業だと全社員一同考えています。ご支援よろしくお願い申し上げます。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:系統接続に関して非常に遅れが出ているという報道も実際の話も聞きます。今期の予定から遅延する懸念があると思いますが、期初予想はどこまで織り込んだ数字で前提を組まれていますか?

回答:販売手数料および保有にかかる収益をそれぞれ1基分ずつのみ織り込んでいます。

<質問2>

質問:2030年5月期目標について、指標を元に具体的な数値を出した方がわかりやすいのではないでしょうか?

回答:当社の方針として、売上等を含む中期経営計画等を公表する予定は現時点でありません。売上ありきの仕事にならぬよう品質を追求し、岩盤収益を増やしていくことが当社の成長戦略となっています。

<質問3>

質問:蓄電所事業への参入とありますが、もう案件はあるのでしょうか?

回答:保有予定としては2025年12月に取得した蓄電所1基が2026年9月に需給調整市場に参入予定のほか、販売用としては2026年7月15日付けで開示しました、栃木県小山市の物件があります。

<質問4>

質問:2027年5月期の株主優待について、個人的には改悪と考えています。昨年同様、11月の優待(デジタルギフト)についてもご検討をお願いします。 また「利回りくんコイン」について、2000株の株主についてはどのように考えていますでしょうか?

回答:デジタルギフトの復活については社内で慎重に協議を重ねています。また、現在長期ホルダーに向けた追加の優待施策を前向きに検討中です。

<質問5>

質問:東証から「合併等による実質的存続性の喪失」に係る猶予期間入りとなっていますが、この審査が残っていることが株価の重しになっていると感じています。現在の審査状況は順調に進んでいるのでしょうか? また、会社としては猶予期間の終了をいつ頃までに目指しているのか、現時点でお話しできる範囲で教えてください。

回答:上場維持審査にかかる準備は順調に進んでおり、猶予期間の早期解消を目指しています。

<質問6>

質問:強みを教えてください。

回答:当社は、仕入れから管理に至るまで、不動産開発のプロセスを一気通貫で提供できることにより、不動産開発にかかるコスト、品質、スピードの最適化が可能です。また、自社でも物件を保有することで岩盤収益(ストック収益)を得ることができるため、資金繰りが安定し外部環境の変化に強い会社であることが強みです。

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