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バルテス・ホールディングス株式会社4442

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エグゼクティブサマリ(前年同期比)

田中真史氏:バルテス・ホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長の田中です。株主・投資家のみなさま、本日は2026年3月期通期決算説明をご覧いただき、誠にありがとうございます。

2026年3月期は2025年6月に公表した新中期経営計画の初年度であり、さまざまな施策の効果が表れ始めたことが数字でも確認できる期となりました。その内容についてご説明します。

はじめに、通期の決算概況についてお話しします。スライドは、2026年3月期通期のエグゼクティブサマリです。売上高は119億3,000万円、前期比10.6パーセント増となり、過去最高を更新しました。2026年3月期においてはM&Aの実現に至らなかったため、この成長はオーガニックによるものであり、主力であるソフトウェアテスト事業が堅調に伸長した結果であると認識しています。

一方で、中期経営計画に基づく生成AIテストツール開発への投資を進めたことや、新たに導入した株主優待制度に伴うコストの増加により、販管費が増加しました。

しかしながら、売上高の伸長および売上総利益率の改善により、これらのコスト増加を吸収し、営業利益および親会社株主に帰属する当期純利益は前期並みの水準を確保しました。積極的な投資を行いながらも安定した収益を維持できた点は、当社のオーガニックな成長力を示すものとして前向きに捉えています。

単価については着実に増加しています。案件数は、本業であるソフトウェアテスト事業における受注拡大の影響で、前期と比較してツール以外の通常案件の増加が顕著でした。稼働エンジニア数は、売上拡大に対応するため、正社員・ビジネスパートナー双方の増員を進めた結果、過去最多となる1,342名まで拡大しました。

総括として、M&Aの進展がなかったことから、売上高は期初計画に対して若干未達となりましたが、本業の成長率が着実に回復してきている点を踏まえると、全体として評価できる実績で着地したと考えています。

2026年3月期 「生成AIテストツール開発投資」の進捗 サマリー

昨年公表した新中期経営計画に基づいて進めている、年間4億円の生成AI関連投資の進捗です。

詳細は後ほどあらためてご説明しますが、結果として2つの生成AIテストツールをローンチし、すでに実際の案件での活用が始まっています。こうした状況から、開発はおおむね順調に進捗していると認識しています。

総投資額は3億円強と計画に対して約1億円の未達となりましたが、これは主に前半における開発の遅れによるものです。一方で、後半、特に第4四半期においては1億円規模の投資を実行するなど投資は着実に加速しているため、現時点で大きな問題はないと考えています。

ここで特に注目いただきたいのは、生成AI関連投資の影響を除いた実質的な営業利益です。当該営業利益は12億円となり、年間計画である10億5,000万円に対して114.6パーセントと高い進捗となっています。単純な比較は難しい面もありますが、当社がオーガニックな成長を遂げていることを示す1つの指標であると前向きに捉えています。

売上高、営業利益 四半期推移(会計期間)

過去5年間の四半期ごとの売上高と営業利益の推移です。前期から取り組んできた営業体制整備の効果により案件数は順調に増加し、第4四半期売上高としては過去最高を記録しました。

営業利益は、生成AI関連投資の影響で販管費が増加しましたが、売上高の増加と利益率の改善により前期並みの水準で着地しました。当然のことですが、P/Lには約2億7,000万円の生成AI関連投資が含まれているため、実力値としては過去最大の営業利益を達成していたと考えています。

営業利益の増減要因

営業利益の増減要因です。増減収によるプラス効果は3億4,000万円となりました。ソフトウェアテスト事業における受注拡大や、前期下半期におけるタビュラ株式会社のグループインの影響によるものです。

売上総利益率の変動によるプラス効果は1億900万円となりました。ソフトウェアテスト事業においては、本業の利益率は好調だったものの、ツールのリリースに伴う償却開始や東京本社増床等、労務コスト以外の原価が増加したため、売上総利益率は若干低下しました。一方で、開発事業において、前期に発生した不採算案件の損失の解消や、タビュラ株式会社のグループインの影響により、売上総利益率は大きく改善しました。

販管費の増加によるマイナス効果は4億5,300万円となりました。詳細は次のページでご説明します。

結果、営業利益は前期比400万円減の9億2,300万円と前期並みの水準となりました。

連結販管費内訳

連結販管費の内訳です。研究開発費は、新中期経営計画に沿って生成AIへの投資を推し進めたことにより、前期比1億5,900万円増加しています。

その他の主な増加要因としては、新たに開始した株主優待のコスト増7,800万円、派遣社員費用の増加4,100万円、Webサイト環境構築費用の増加2,800万円、グループインしたタビュラ株式会社ののれん償却費増加4,100万円が挙げられます。なお、これらの費用増加は新中期経営計画でお示しした必要投資の一部であり、当初計画内でコントロールしています。

事業別セグメント実績

セグメント別の業績についてご説明します。まず、売上高です。ソフトウェアテスト事業は、前期比12.4パーセント増加の102億4,500万円となりました。開発事業は前期比12.0パーセント増加の19億9,000万円、セキュリティ事業は前期比34.1パーセント増加の2億9,400万円となりました。

次に、営業利益です。ソフトウェアテスト事業は、前期比19.3パーセント減少の8億6,400万円となりました。開発事業は、前期は7,500万円の損失でしたが、大きく改善して9,100万円となりました。セキュリティ事業は、前期比230.6パーセント増加の3,800万円となりました。

単価の推移(ソフトウェアテスト)、稼働エンジニア数の推移(連結)

ソフトウェアテスト事業の単価と連結稼働エンジニア数の推移です。単価は85万2,000円となり、過去最高を更新しました。

グループ全体のエンジニア数は1,342名となり、こちらも過去最高を更新しました。内訳は正社員744名、ビジネスパートナー503名で、ともに増員となりました。適切なバランスを維持しながら受注拡大に対応していきます。

大規模案件の状況(バルテス単体)

大規模案件の状況についてご報告します。営業体制整備の効果により、前期と比較して大・中・小規模案件すべてが全方位的に伸長しました。一方で、2期前の2024年3月期と比較すると、大規模案件にはもう少し伸長できる余地があると考えています。

以上、通期の決算概況についてご説明しました。

「生成AIテストツール開発投資」計画の経緯 振り返りと今後

ここからは、新中期経営計画で発表した生成AIテストツール開発投資の進捗と、2026年3月期第4四半期のトピックについてご説明します。はじめに、「生成AIテストツール開発投資」計画の経緯をご説明します。

生成AIの拡大による事業機会とリスクに対応するため、当社ではいち早く「生成AIテスト設計ツール」の開発を進めてきました。2025年には、これらの開発加速に向けた生成AIテストツール開発への積極投資方針に舵を切るとともに、新中期経営計画にて3ヶ年で総額12億円の開発投資計画を定め、その達成に邁進してきました。

新中期経営計画初年度である2026年3月期は、2つのツールをローンチするとともに、顧客案件での利用拡大を実現するなど、開発は順調に進捗しました。今後は、これらのツールの現場定着と販売強化によって利益創出を進めるフェーズに移行する予定です。

将来的には、生成AI開発投資をさらに拡大し、現在は独立している各ツールを自動連携させるプラットフォーム化を進め、主業であるソフトウェアテスト事業の飛躍的な拡大を目指します。

「生成AIテストツール開発投資」2026年3月期振り返り(開発実績)

開発実績の詳細です。2026年3月期においては、生成AIテスト設計ツール「TestScape(テストスケープ)」およびドキュメント解析AIツール「QuintSpect(クインスペクト)」を中心に開発を進めてきました。

「TestScape」は、仕様書や関連ドキュメントを読み込むことで、テストの実行内容を自動生成するツールです。当社独自のテスト進行基準「QUINTEE(クインティー)」に準拠した観点整理や条件マトリクスといった中間生成物を生成し、テスト設計の過程や根拠を可視化できる点が、他社ツールにはない強みです。

2025年3月にベータ版をローンチ後、社内でのテスト運用および改善を進め、2026年3月25日より社内正式運用を開始しました。さらに、5月11日にはシナリオテスト機能を追加し、実用性を向上させています。

一方、「QuintSpect」は、正確性・理解性・視覚性・深層性・信頼性の5つの観点から仕様書などのドキュメントを分析し、スコアリングと改善提案を自動で行う解析AIツールです。

外部販売が可能なツールということもあり、2025年10月のベータ版発表後に複数の企業さまからお問い合わせや申し込みをいただきました。現在、利用企業からのフィードバックを踏まえた機能改良を進めています。順調に進めば、2027年3月期上半期中には正式版をローンチできる見込みですので、ご期待ください。

「生成AIテストツール開発投資」2026年3月期振り返り(投資額)

投資額の進捗状況です。

新中期経営計画で定めたとおり、当初は年間4億円規模の投資を予定していましたが、総投資額は3億円強と計画に対して約1億円の未達となりました。主な要因としては、前半で開発が軌道に乗るまでに時間を要したことが挙げられます。一方で、第4四半期には約1億円の投資が進むなど、後半では投資開発のスピードが上がってきており、今後は計画どおりに進められると考えています。

エグゼクティブサマリのページでもお話ししたとおり、生成AI関連投資を除いた実質的な営業利益は大幅に増加しており、主業であるソフトウェアテスト事業を中心にオーガニックな成長が続いているとポジティブに捉えています。

「生成AIテストツール開発投資」2026年3月期振り返り(投資額の内訳)

投資額の内訳です。生成AIテストツール開発には2億3,600万円、生成AIテストツールのマーケティング強化には1,600万円、AI人材の採用・強化コストは5,200万円となりました。総投資額は3億400万円で、そのうちP/Lへのインパクトは2億7,900万円となりました。

今後は、すでにローンチしている生成AIテストツールの機能強化や新規ツール開発を進めるとともに、「T-DASH」をはじめとする既存のテストツールへの生成AI機能の実装を推進していきます。これにより、現在は個別に存在している各ツールを相互に連携させ、統合的に活用できるプラットフォーム化を実現します。

中期的には、このような生成AIテストツール開発を継続することで、主力であるソフトウェアテスト事業の構造転換を図り、従来の労働集約型ビジネスからの脱却による生産性向上を目指します。

引き続き、当社の取り組みにご理解とご支援をいただきますようお願いします。

生成AIテスト設計ツール「TestScape」の正式運用を開始

ここからは、2026年3月期第4四半期のトピックについてご説明します。まず、先ほどお伝えした生成AIテスト設計ツール「TestScape」の正式運用開始についてです。

社内でのテスト運用・改良を経て、2026年3月に正式運用を開始しました。本ツールは、仕様書や関連ドキュメントをAIが解析し、テスト設計に必要な観点やテストケースを自動生成するものです。また、中間生成物としてドキュメントを出力できるため、設計プロセスの可視化とレビューの高度化が可能となっています。

主な効果は設計工数の削減、品質の安定化、手戻りの抑制です。自動生成により設計作業を効率化し、抜け漏れを抑制するとともに、後工程での手戻り削減にも寄与しています。

また、5月からはシナリオテストにも対応可能となりました。これにより、当社のテスト設計の大多数の案件で「TestScape」の利用が可能となり、従来に比べて大幅な品質向上と効率化が期待できます。なお、現時点では社内および案件での活用を前提としており、外部販売は予定していません。

7月1日を効力発生日とする子会社組織再編について

7月1日に予定している吸収合併、会社分割および商号変更についてご説明します。経営効率化などを目的として、吸収合併および会社分割を行い、商号を「バルテス・ソリューションズ&AI株式会社」へ変更する予定です。

具体的には、株式会社シンフォーを存続会社、株式会社ミントを消滅会社とする吸収合併を行うとともに、株式会社アール・エス・アールの一部事業を、会社分割により株式会社シンフォーへ承継します。その上で、株式会社シンフォーの社名を変更する予定です。

今後の事業については、「名は体を表す」ともいいますが、3社それぞれの強みを活かしつつ、AIを用いてさらに発展させることを想定しています。

例えば、今回の再編対象企業の1つでもある株式会社アール・エス・アールは、2026年2月から「AI駆動開発(AI-DLC)」の取り組み・提供を開始しています。株式会社アール・エス・アールは、当社グループが進める生成AIテストツール開発の一部も担っており、「AI駆動開発」を用いた取り組みで目覚ましい活躍をしています。吸収合併後はこれらの実績を社内に横展開し、事業の拡大を目指していきます。

バルテス・イノベーションズが「AIソリューション」サービスを提供開始

「AIソリューション」サービスの提供開始についてご説明します。

バルテス・イノベーションズ株式会社では、2026年3月より「AIソリューション」サービスの提供を開始しました。本サービスは、テキスト・音声・画像・数値など複数のデータを横断的に扱うマルチモーダルAIを業務フロー全体に組み込むことで、コア業務の自動化および効率化を実現するものです。単なる概念実証(PoC)にとどまらず、例外処理・承認・ログ管理まで含めた実運用を前提とした設計としており、業務プロセス全体の最適化を支援します。

また、企業ごとの業務課題に応じてAIの適用範囲を設計し、既存システムとの連携も含めて導入から運用までを一貫して支援することで、継続的な生産性向上の実現を目指します。

JR東日本情報システムより「JEISコアパートナー」に認定

株式会社JR東日本情報システムより「JEISコアパートナー」に認定された件についてご説明します。JR東日本グループのICT事業を担う株式会社JR東日本情報システムにおいて、当社の品質向上支援分野における実績や技術力、取り組み姿勢が評価され、「JEISコアパートナー」に認定されました。

本認定は、品質向上や技術力強化を中長期的に推進していく重要なパートナー企業として位置づけられるものです。なお、本認定において、ソフトウェアテスト専門企業としては当社が初の認定となります。本件を通じて、さらなる品質・技術力の向上と、顧客への提供価値の強化を図っていきます。

ソフトウェアテスト事業 売上高 四半期推移

最後に、通期の業績見通しについてご説明します。通期決算概況でご説明したとおり、2026年3月期においては、主力であるソフトウェアテスト事業がオーガニックに成長しました。また、生成AIテストツール開発への投資についても、2つのツールをローンチするなど順調に進捗しています。

2027年3月期においても、営業体制の強化を図ることで、ソフトウェアテスト事業のオーガニック成長は継続可能と見込んでいます。生成AIテストツールについては、開発スピードの向上を背景に機能強化および利用拡大を進めることで、利益率の改善を見込んでいます。

新中期経営計画 戦略のグランドデザイン 数値目標

昨年6月に開示した新中期経営計画の数値目標です。このうち、3ヶ年で総額25億円のBS戦略投資については、前期の未実行分を踏まえ、2027年3月期はより積極的にM&Aを推進します。このため、インオーガニックの成長も相応に見込んでいます。

当社では、先ほどお話ししたソフトウェアテスト事業の成長回復やM&Aの投資見込み等を総合的に勘案し、2027年3月期の数値目標については新中期経営計画の2年目の水準をそのまま採用することが適切であると判断しました。

2027年3月期 通期見通し(年間)

2027年3月期の通期見通し、すなわち新中期経営計画の2年目目標の詳細です。売上高は前期比18.6パーセント増の141億6,000万円を見込んでいます。

一方で、生成AIテストツール開発に計4億円以上の投資を予定していることから、営業利益は前期比5.0パーセント増の9億7,000万円、経常利益は前期比3.1パーセント増の9億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比6.4パーセント増の6億1,000万円を見込んでいます。

生成AIテストツール開発に対する投資分を控除したAI投資前営業利益は前期比13.8パーセント増の13億7,000万円となる見込みです。事業自体の利益創出力は今後も高いレベルで維持しますので、ご安心ください。

資本政策、株主還元

最後に、資本政策および株主還元についてご説明します。生成AIテストツール開発への投資方針について日頃よりご理解を賜り、誠にありがとうございます。株主のみなさまに中長期的な視点で当社をご支援いただきたいという思いから、2026年3月期より導入した株主優待制度については、2027年3月期も継続します。また、配当についても、前期と同様に1株当たり4円を予定しています。

当社は、生成AIテストツール開発への投資やM&Aの推進と並行して、株主のみなさまへの還元も新中期経営計画に基づいて着実に実行することをお約束します。今後とも、より一層の企業価値向上に努めていきますので、引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願いします。

以上、決算概要および2027年3月期通期事業見通しについてご説明しました。本日はお忙しい中、最後までご清聴いただき誠にありがとうございました。

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