logmi Finance
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はじめに

社長の柴田でございます。皆さまには、日ごろよりしずおかFGに対するご理解とご支援をいただき、誠にありがとうございます。

本日は、冒頭で2025年度決算の概要についてお話しした後に、しずおかFGの企業価値向上に向けた方向性や資本政策について、足元の経営環境を踏まえながら説明します。

その後の質疑応答と合わせて、理解を深めていただければと思います。

キーメッセージ

画面には、本日のポイントをお示ししています。

はじめに、2025年度決算は、銀行単体の資金利益の増加がグループ全体の利益成長を牽引し、連結当期純利益で前年度比+159億円増益の905億円と過去最高益を更新しました。

2026年度についても引き続き増益ペースを維持しつつ、前年度を上回る利益水準を目指してまいります。

そして、当社のPBRは前年度末時点で1.1倍と、節目の1倍に到達することができました。引き続き、この歩みを止めることなく、企業価値のさらなる向上に取り組んでいきますが、その実現に向けた成長戦略として、足元のバランスシート運営や、戦略の実現に必要な経費・投資の考え方について説明します。

最後に、資本政策として、資本効率のさらなる向上に向けた株主還元方針や保有株式の縮減状況等について理解を深めていただければと思います。

2025年度決算の概要(連結)

それでは、2025年度決算について、ここではポイントのみ説明します。

はじめに、連結決算の状況です。

連結粗利益は、債券入替に伴う国債等債券売却損の計上により前年度比▲84億円減少しましたが、資金利益を中心とした本業利益は堅調に推移し、コア連結粗利益ベースでは+290億円の増加となりました。

経費面では、営業経費が+82億円増加、与信関係費用も経済環境の変化を考慮した予防的な引当の実施により+44億円増加しましたが、株高の進行により、保有株式の縮減に伴う株式等関係損益が前年度比+477億円と大幅に増加しており、債券売却損を含めた費用等の増加を打ち返しています。

この結果、連結経常利益は+282億円増益の1,303億円、当期純利益は+159億円増益の905億円といずれも過去最高益を更新しており、当期純利益は今年2月に再度上方修正した公表値880億円を+25億円上回る着地となりました。

なお、ROEは純資産基準で7.5%まで上昇させることができ、前中計を2年前倒しで締め括るにあたり、順調な決算で着地することができたと評価しています。

主要グループ会社の業績①

次に、主なグループ会社の業績です。左側は、静岡銀行単体の状況です。

連結同様に、業務粗利益は前年度比マイナスとなりましたが、国債等債券関係損益を除くコア業務粗利益は+255億円の増益となりました。内訳では、低利回り債の入替等によりその他業務利益が▲360億円、うち国債等債券関係損益で▲374億円減少しましたが、円金利上昇等を主因に資金利益は+230億円の増加となりました。

また、先ほどの通り経費、与信関係費用はそれぞれ増加しましたが、株式等関係損益の増加もあり、経常利益は前年度比+276億円増益の1,190億円、当期純利益は+149億円増益の816億円と連結同様に過去最高益を更新し、順調な決算と捉えています。

銀行以外のグループ会社は右側の通りです。連結子会社17社の合計で経常利益で127億円、当期純利益で89億円と、いずれも+9億円、+6億円の増加となりました。このうち、静銀経営コンサルティングの前年度比マイナスについては、期中に成約を予定していた大口のM&A案件の期ズレによる要因です。

各社の取組状況は、次のスライドをご覧ください。

主要グループ会社の業績②

左上には、銀行を除くグループ会社による貢献利益の推移をお示ししています。

2025年度は、静銀ティーエム証券の預り資産収益やSFG不動産投資顧問のAM手数料等により前年度比+11億円増加の153億円となり、連結業績を押し上げる一因となりました。

各社の特徴的な取組みは、画面の通りです。時間の都合上、個社毎の説明は控えますが、持株会社体制として初めて挑んだ前中計において、各社が自立した戦略のもと、専門性を活かしつつ事業領域の拡大に積極的に取り組んだことで、グループの総合力は一段と厚みを増してきたと評価しています。

他の競合には無い多様なグループ機能をワンストップで提供できるのがしずおかFGの強みであり、地域金融力の発揮をホームマーケットでの競争力に繋げることはもちろん、アライアンス行との連携等にも最大限に活用し、引き続き新たな収益機会の獲得を目指します。

資金利益(静岡銀行単体)

次は資金利益です。

国内業務部門は、円金利上昇に伴う利回りの改善等を背景に、貸出金利息が前年度比+297億円、有価証券利息配当金が+72億円増加しました。これにより、預金等利息を含む資金調達費用の増加+180億円を賄い、国内全体では前年度比+222億円の増加となりました。

国内とは逆に、金利低下局面にある国際業務部門では、貸出金利息が▲41億円、有価証券利息配当金が▲53億円減少しましたが、資金調達の多様化等により調達費用が▲115億円減少し、利息等収入の減少を上回ったことで前年度比+8億円の増加となりました。

この結果、資金利益全体では前年度比+230億円の増加となり、好調な決算を牽引するかたちとなっています。

役務取引等利益

次は役務取引等利益です。

銀行単体が+15億円増加したことに加え、グループ会社の貢献利益も増加し、連結ベースでは+50億円の増加となりました。連単差のうち、持分法適用関連会社の静銀セゾンカードを新たに連結子会社化した影響が+17億円です。

主な項目では、法人関連が+1億円、住宅ローン実行に伴う融資手数料等が+19億円、預り資産関連が+11億円増加しました。

法人部門は、採算を意識した実行案件の選別により、ストラクチャードファイナンス関連の融資手数料が減少した一方、法人融資関連の手数料は着実に増加させることができました。

預り資産収益に関しては、年度前半こそトランプショックによる先行き不透明感から若干出遅れましたが、後半は証券子会社の投信販売手数料やストック収益が順調に伸び、通期では+11億円の増加となりました。

2026年度業績予想

次に、2026年度の業績予想です。

連結経常利益は前年度比+217億円の1,520億円、当期純利益は+145億円の1,050億円と、引き続き過去最高益を更新し、純資産基準のROEは8.4%を見込んでいます。

なお、この利益水準は今後の追加利上げによるアップサイド部分は考慮せず、政策金利0.75%をもとにした足元の金利水準を前提にしています。

業績予想の組立ては、次のスライドをご覧ください。

2026年度業績予想のポイント

右側は、連結当期純利益の増減を階段グラフで項目別にお示ししています。

主な内訳は銀行単体ですが、前年度の利上げの影響や円債の入替効果等により、貸出金・有価証券の利回り改善や残高積上げに伴う金利収入が増加し、資金利益は前年度比+138億円の増加を見込みます。

その他業務利益は、債券売却損の減少により国債等債券関係損益で前年度比+129億円の改善を見込みますが、債券ポートの収益性向上に向けた入替オペレーションの継続に伴い、今年度も金額では▲300億円超の売却損計上を計画に織り込んでいます。

一方で、足元の株高進行により保有株式の評価損益がさらに増加しているため、保有株式の縮減に伴う株式売却益も、前年度に引き続き高水準になることを想定しており、債券と株式をネットした有価証券関係損益は約100億円の改善を見込みます。

与信関係費用については後ほど24ページで補足しますが、中東情勢の緊迫化など経済環境の変化を考慮し、予防的な引当を実施した前年度の80億円の水準と据え置きとしました。経費では、戦略実現に必要な人的資本・システム関連等で+62億円の増加を見込みますが、連結OHRを上昇させることなく、適正水準にコントロールしていく方針です。

これらに税金等の増加を織り込み、連結当期純利益は前年度比+145億円の1,050億円を見込みます。

以上が2025年度決算の概要ですが、今年度は金利の上昇が追い風となる一方で、経済環境の変化に留意した適切なリスク管理が求められる局面と認識し、さらには、名古屋銀行との経営統合を見据え、確固とした成長軌道を描く重要なタイミングでもあります。

第2次中計の初年度として良いスタートが切れるよう、企業価値のさらなる向上に向けて全力で取り組んでまいります。なお、次頁以降には、以前お示しした前中計の総括を更新していますので、後ほどご確認ください。

第2次中期経営計画の概要

それでは、ここからはしずおかFGの企業価値向上に向けた方向性について、中計の初年度である2026年度の取組方針を中心に説明します。

計画の概要は、本日は省略しますので、詳細は先月4月20日開催のIR Day資料をご確認ください。

ビジョンの実現に向けた3つの基本戦略の実践を通じてKPIであるサステナビリティ指標を達成し、企業価値と社会価値の最大化を目指します。

サステナビリティ指標

中計のKPI「サステナビリティ指標」は画面の通りです。

前中計から導入しているこの指標は、株式会社として企業価値向上を目指す「財務目標」「エンゲージメント指標」と、地域金融機関の立ち位置から社会価値創造の効果を計る「社会インパクト指標」で構成しています。

ROE目標については、次のスライドで説明を加えます。

目指すROE水準へのアプローチ ~ROE・利益・資本の推移

現時点で我々が展望する中計最終年度(2028年度)の利益水準は、発射台の2025年度がやや上振れたことを踏まえ、連結当期純利益は先月の中計説明会から30億円上乗せをした1,250億円まで伸ばすことができると予想しており、資金利益の増加等を背景に十分達成可能と捉えています。

その上で、先ほどの業績予想に織り込んだ追加的な債券入替オペレーションなど、中計策定時にはなかったアップサイド部分も考慮すると、この利益水準はもう少し高くなることを想定しています。

資本については、想定を上回る株高の進行により保有株式の評価益が増加していますが、資本構成を是正する観点から株式の縮減を進める方針に変わりはありません。このため、増加する株式売却益を戦略的に活用しながら株主還元の充実にも取り組むことで、資本が過度に増加しないよう留意していきます。

これにより、2028年度のROEは足元の試算で9.5%を上回り、節目の10%を十分展望できる水準と捉えており、政策金利が1%に上昇するシナリオでは、さらに+0.4%程度の金利ボーナスを見込みます。

この点を踏まえ、ROE目標に関しては今後の日銀金融政策の変化にも留意しながら、適切なタイミングで見直しを行う予定です。

2026年度円貨資金利益の組み立て

画面には、参考資料として、2026年度の円貨資金利益の組み立てと、政策金利が6月の金融政策決定会合を経て+0.25%上昇した場合の試算値を記載していますので、こちらは後ほどご確認ください。

円貨バランスシート運営① ~2026年度の概要

ここからは、2026年度の円貨バランスシート運営について、考え方を説明していきます。

現在の経営環境においては、運用と調達を一体で捉えながらバランスシートを構築していく必要があります。まずは、バランスシートの拡大を支える調達について、預金を中心に据えつつ、預金以外の代替手段もコストを考慮しながら組み合わせ、その原資をもとにバランスシートに乗せる運用資産を選別していく必要があります。

画面には、運用・調達に関する方向性の一例を記載していますが、内容はこの後のスライドで説明を加えます。

円貨バランスシート運営② ~預金戦略

今回は、特に課題認識のある調達側から説明していきます。

はじめに、預金についてです。

2025年度は、太宗を占める静岡県内に加えて県外預金も大きく伸びた点が特徴です。セグメント別では、法人が着実に増加した一方で、個人は増加ペースが鈍化しており、前年度比で減少しているのが40代以下の世代です。個人預金は、全体の約7割を占めていますので、今後は若年層の取引をいかに獲得していくかが重要なテーマとなります。

左下は預金調達コストの考え方ですが、流動預金と金利競争に晒される固定預金では、利回り、政策金利の上昇に対する追随率ともに大きく差が出ており、調達コストを適正にコントロールするためには、粘着性の高い預金の獲得が最重要となります。

右側は、これらを踏まえた預金獲得戦略の一例です。

まず、今年8月にはクーポンやポイントの配付など柔軟なサービスの提供が可能な新型アプリ「Wallet+」をホワイトラベルによりリリースします。導入済の他社事例では、ユーザーの約7割が40代以下と聞いており、減少トレンドにある若年層との接点を強化するチャネルと位置付け、預金取引の拡大に繋げます。

地域別には、メインマーケットの静岡県内では高い地域シェアを活かしつつ、人流の多い商業施設内へのプロモーション拠点の設置等を進め、成長領域と位置付ける首都圏においては、ホームグラウンド化に向けた営業人員の配置など、経営資源を重点的に配賦する中で預金取引の拡大に努めます。

法人預金に関しては、取引シェアに拘った営業活動等が一定の成果を挙げており、引き続き手綱を緩めることなく、さらなるシェアアップを目指してまいります。

円貨バランスシート運営③ ~預金の代替調達

次は、預金以外の代替調達についてです。

日銀による貸出増加支援オペの終了に伴い、日銀借入金残高が成行で約1兆円減少しますが、画面の通り、預金以外の資金調達手段を確保することでこれを補完していく予定です。

右上は、その一例です。ローンの証券化に関しては、住宅ローン債権を信託受益権として証券化し、証券会社経由で投資家から調達するスキームで、2025年度末には3,850億円の証券化を実施しました。また、GX債の保有を前提とした日銀の気候変動対応オペについても、有効に活用していきたいと考えています。

右下に調達手段ごとの考え方を整理していますが、コストと調達期間(安定性)の観点でそれぞれ一長一短あり、一つの調達手段に偏るのではなく最適なバランスで組み合わせることで調達全体をコントロールしていく必要があります。

そして、銀行経営上の流動性規制にも適正に対応しつつ、円貨資金調達コスト全体の目安を、現時点では政策金利の50%程度に置きながら全体の採算性を考慮し、バランスシート運営の最適化を図る方針です。

円貨バランスシート運営④ ~貸出金

続いて、運用側は貸出金から説明します。

左側は、円貨貸出金のアセットアロケーションです。引き続き、残高を伸ばすものと入替を進めるものでメリハリを付けながら、全体で年率3%超の増加を維持していきます。

法人向け貸出はROA・RORAともに高い中小企業貸出を主体に残高を増加させ、個人向けでは、神奈川など首都圏を中心に住宅ローン・アパートローンを伸ばしていきます。一方で、相対的にRORAが低い大中堅企業とストラクチャードファイナンスは、採算面を考慮しながら残高を縮小させる計画となります。

右側は、地域別の戦略です。預金獲得の観点からも重要な営業基盤である静岡県内では、グループが持つコンサルティング機能を最大限に活用しながらお客さまとの取引接点を強化し、法人・個人ともに地域における取引シェア向上を目指します。

そして、成長領域と位置付ける大都市圏に関しては、西側の愛知は名古屋銀行のネットワークを活用し、東側の首都圏に人員や営業拠点などの経営資源を重点的に配賦していきます。これにより、従来はやや個人に偏っていた営業スタンスを、法人を含む総合取引化に舵を切り、静岡県内同様にホームグラウンド化を進めていく方針です。

円貨バランスシート運営⑤ ~有価証券

次は、円債のポートフォリオ運営について、2026年度のオペレーションを中心に説明します。

中計スタートから1か月でさらに一段の株高が進み、保有株式の評価損益がこの間にひと月で約460億円増加しており、資本効率の向上に向けた株式縮減を進める過程で売却益が大きく増加する見通しとなりました。

前年度にも約4,800億円の低利回り債を売却し、債券ポートフォリオの利回りを0.5pt程度向上させる入替を実施済ですが、2026年度についても、収益性・健全性のさらなる向上に向けたオペレーションを、左下の通り継続していきます。

具体的には、利回りの低い債券を対象に約2,000億円を売却し、350億円の売却損を計上しますが、増加した含み益から得られる株式売却益を併せて計上することで最終利益への影響を相殺し、利回りの高い債券への入替を行います。なお、積上げにあたっては、今後の金利動向によりタイミングを慎重に見定めながら実施する方針です。

入替前後のポートフォリオの変化とその効果は右側の通りです。入替後の利回りは1.66%と+0.36pt改善され、ポート全体の構成で1%超の債券が約7割を占めるなど低利回り債を大幅に削減できる見通しです。

そして、入替によるキャリー収益の増加は年換算で約60億円程度と試算され、安定的な資金利益を確保しつつ、健全性の観点では平均残存期間が約1年短縮され、評価損の縮小にも繋がります。

このオペレーションは、先ほど説明した中計最終年度の利益見通しには含めていない今後のアップサイドであり、我々のROE目標達成の蓋然性を高める取組みとご理解ください。

外貨ポートフォリオ運営

次は、外貨ポートフォリオ運営です。

先ほどの円貨と同様、外貨に関しても運用と調達を一体で捉える必要があり、画面には、今後の運営方針をお示ししています。

左側の運用面では、貸出金の構成を多少変化させていくことを想定しており、市場の成長性が期待できる船舶やデータセンター等新分野のファイナンスを増加させつつ、低採算の貸出金を段階的に縮小していきます。そして、その減少分をCLOの保有に振り替えることで、担保差入等により外貨調達の余力としても活用していく予定です。

足元では海外店による顧客預金の獲得も強化しており、念頭にあるのは、外貨の運用原資は極力外貨調達で賄い、円投等の比率を下げることで円貨バランスシートでの運用余力を維持していく考え方になります。

右側は、外貨資金利益の見通しです。依然として金利の先行きは見通しにくく、中計策定時のシナリオと市場予想値には若干差異がありますが、計画の前提通りに金利が低下しなかった場合でも資金利益のブレは5億程度と限定的と捉えており、今後も着実な推移を見込んでいます。

コストコントロール① ~与信関係費用の見通し

次に、与信関係費用の見通しについて説明します。

2025年度の与信関係費用は銀行単体で81億円となりましたが、これは、第4四半期に予防的な引当を37億円実施したためで、この要因を除けば例年と概ね同水準だったと捉えています。

一方で、2026年度も依然不透明な情勢が続く見通しであり、与信関係費用に関しては今後のダウンサイドリスクを考慮し、前年度並みを念頭に置きながら適切に管理していく方針です。

ストレステストの内容は右側の通り、中東情勢に関しては国内経済全体への影響を考慮し、マクロ指標にストレスをかけた場合の全業種への影響を幅広に試算しました。

この結果、対象貸出金約5兆円に対する引当金の増加は118億円となりますが、原油価格が既に1バレル100ドルを超える中、具体的なリスクの顕在化は現状確認できておらず、実際の影響はもう少し限定的になると捉えています。

但し、影響の長期化に加えて、中東情勢以外にも金利や為替動向が地域に与える影響も目を配る必要があり、適切に取引先を支援することで影響を低減してまいります。

加えて、左下記載の通り当社では、貸倒引当金を一般的な算定方法より保守的に見積もっているほか、DCF法に基づく予防的な引当も必要に応じて実施しており、将来の与信関係費用が過度に増加することがないよう適切なリスク管理が行われていると評価しています。

コストコントロール② ~経費の見通し

続いて、経費の見通しについて説明します。

2026年度の連結経費は、前年度比で+84億円の増加を見込んでいます。

内訳では、中計の戦略実現に向け人的資本投資を+28億円増加させるほか、システム関連では+39億円の増加を見込みます。2026年度は稼働するシステムが多いため、増加幅がやや大きくなりますが、次年度以降は概ね横ばいで推移する見通しです。

また、その他物件費として広告宣伝費で約10億円の増加を見込んでおり、今年度は預金獲得に繋がるプロモーション費用を中心に、重点的に投下していく方針です。

この結果、連結OHRは円債入替に伴う債券売却損の影響を除いたコア業務粗利益ベースで46%程度を見込んでいます。

ここからは成長戦略実現に向けた投資について見ていきます。

戦略の実現に向けた成長投資① ~成長を加速させるシステム投資

次の画面は、システム投資のロードマップです。

第2次中計では、顧客接点や営業活動のあり方を時代に合わせて変革するための基本戦略「トランスフォーメーション2.0」を掲げており、その前提となるシステムの整備を画面の通り進めていく方針です。

2026年度は、先ほど別のパートでも触れましたが、粘着性の高い預金の獲得に向けた新型アプリ「Wallet+」の投入やローン業務の生産性向上に向けたDXなど、今後の営業戦略の基盤となるシステムが順次稼働する予定です。

また、巧妙化するサイバー攻撃への対策や、セキュリティ向上に向けた勘定系システムのクラウド化など、リスク管理の高度化に向けた投資も、攻めの投資と同様にスピード感を持って進める必要があります。

このため、本中計期間では「システム開発の倍速化」をキーワードに開発生産性の向上にも取り組み、戦略面に遅れが出ないようマネジメントしていく方針です。

戦略の実現に向けた成長投資② ~AIの活用

続いて、AIの業務への活用について説明を加えます。

本中計の3年間を通じて、AIがヒトを代替・補完する業務変革を目指していく点は、先日のIR Dayでも説明の通りですが、2026年度はその土台作りとして重要な1年と位置付けています。

まずは右下、ベースとなる人財・データ・ガバナンスの3つの基盤を整備しつつ、組織横断的に立ち上げたプロジェクトチームを通じて、実効性の高い施策を展開する体制を構築します。

その上で上段に記載の、営業活動・顧客体験・業務プロセスの観点から、それぞれ具体的な業務への落とし込みを開始し、中計初年度としては、営業時間の捻出や本部業務の削減等で投資効果の発揮を目指し、中計後半に向けて活用領域を徐々に広げていきたいと考えています。

戦略の実現に向けた成長投資③ ~人的資本投資

次は、人的資本投資について説明します。

左側は、足元の人財ポートフォリオの状況です。2026年度は中計のスタートダッシュを図る意味合いもあり、基本戦略を担う重点分野に戦略人員を配置していきます。

その実現に向け、人的資本投資を+28億円増加させますが、画面中央の通り、首都圏のリモートワーカーやプロ人財など、多様な人財を確保するための採用戦略等に13億円を投じるほか、組織を牽引するリーダーの育成やスキル向上に向けた教育等投資も増加させていく予定です。

こうした投資により戦略の実現可能性を高めることで、企業価値の向上に繋げてまいりますが、その投資効果は労働生産性の改善度合いや役職員エンゲージメント、人財育成の進捗状況など複数の尺度から測定し、中計期間を通じて検証していく方針です。

コーポレートコミュニケーション

次は、中計で3つ目の基本戦略に掲げる「コーポレートコミュニケーション」についてです。

しずおかFGでは、ステークホルダーとのコミュニケーションとコーポレートガバナンスを両輪で捉え、対話により得られた知見を経営戦略に適切に反映させることで、中長期的な企業価値の向上を目指しています。

画面の通り、投資家・アナリストの皆さまをはじめとした市場関係者との対話を充実させることは言うまでもなく、最近では役職員、特に若年層に向けた社内IRも充実させながら、エンゲージメントの向上に繋げています。

そして、ガバナンス面では、対話の結果をもとに取締役会で議論することに加え、戦略への反映状況が経営陣のインセンティブとして適切に機能する報酬制度への見直しに着手しました。具体的には、業績連動型報酬における評価指標を、従来の利益水準だけでなくROEやTSR、ESG評価や役職員エンゲージメントなど、各ステークホルダーとの価値共創を実現するために必要な要素を盛り込むかたちで再構成します。

こうした要素は資本コストとの相関が大きいとも言われており、引き続き皆さまとの対話や開示の充実等により、情報の非対称性緩和や経営の透明性向上に努めることで、資本コストの抑制を図りつつ、企業価値の向上に繋げてまいります。

名古屋銀行との経営統合① ~概要

企業価値向上に向けた取組みの最後は、名古屋銀行との経営統合についてです。

概要は画面の通りですが、現在は来年3月に予定する最終合意に向けて、統合後のさらなる企業価値向上を見据えた協議を、双方の経営陣ならびに各分科会で議論を重ねている状況です。

現時点では、統合後のシナジーや資本政策等を定量的にお示しできる段階にありませんが、今後の進展を踏まえて、検討状況をIRの場で共有していきたいと思いますので、今暫くお待ちください。

名古屋銀行との経営統合② ~愛知マーケットと成長機会

本日は、名古屋銀行の営業基盤である愛知県のマーケットを、我々がどう評価しているかを簡単に振り返りながら、統合効果の考え方について補足したいと思います。

はじめに、マーケットのポテンシャルです。経済規模は、GDPが東京・大阪に次ぐ全国3位、人口・企業数ともに静岡県の約2倍の規模です。そして、静岡県同様に製造業が集積する地域であり産業構造も似ているため、我々の持つサービスメニューと相性が良いと言えます。

そして、預金・貸出金の資金量や増加率はマーケットの大きさに比例して、静岡県を大きく上回る水準にありますが、金融機関の競争環境としては地場の第一地銀が不在であり、メガバンクと地元信用金庫が比較的高いシェアを持つ点が静岡県と大きく異なる点です。

こうした特徴は、足元の預貸金残高の動きからも見ることができ、例えば、前年度末からの増加率では名古屋銀行が静岡銀行を上回ります。一方で、右下の銀行以外のグループ機能を活用した稼ぐ力では、我々の方が大きく上回っており、これらを愛知県内のお客さまに提供していくことで新たな収益機会を生み出すことができると考えています。

名古屋銀行との経営統合③ ~統合効果の発揮分野

この考え方に立ち、統合効果の発揮に向けたキーファクターとしては、①大都市圏における収益機会の取込み、②経営資源の共有、そして、③規模のメリット活用の3点が挙げられます。

トップラインを強化する観点では、お客さまに提供できる支援メニューが広がることで愛知県内における預貸金シェアを引き上げ、獲得した預金は運用資産を積み増す余力として活用することができます。

そして、協調融資等の増加やグループ機能の広域展開、ライフプランビジネスの強化等により、資金利益・役務取引等利益の双方でシナジーを発揮していく予定です。

加えて、経営効率向上の観点でも、高度化と効率化の両面から、両グループの組み合わせによりメリットを見出せる分野の特定を急いでおり、今回の経営統合が企業価値のさらなる向上に繋がるイメージを具体化し、なるべく早い段階で皆さまと共有できるよう、検討を進めてまいります。

資本運営

最後に資本政策です。はじめに、今後の資本運営の考え方を説明します。

2026年3月末の連結CET1比率は、バーゼルⅢ最終化後で13.45%となりますが、引き続き規制資本比+2.5%程度を安定経営に必要な適正資本と捉え、中計最終年度までの利益の蓄積を含む資本を、配当やリスク・アセットの積上げ、成長投資に配賦し、余剰分は自己株式の取得により資本効率を向上させることで、13%程度へのコントロールを目指します。

保有株式の含み益増加により、依然としてCET1比率のうち約2.3%を有価証券評価差額金が占めており、株価変動による資本への影響を抑制する観点からも、保有株式の売却等によりこの割合を低減し、資本構成の最適化に取り組みます。

リスク・アセットの増減は右上のイメージですが、採算性を考慮したアセットアロケーションによりバランスシートの再構築を進め、最終年度は8.6兆円程度に増加する見通しです。

保有株式の縮減と株主還元の考え方は、次のスライドをご覧ください。

政策投資株式の縮減

政策投資株式の縮減に関しては、時価ベースの残高が純資産に占める割合を中長期的に20%未満へ低減する目標を掲げ、その中間地点となる中計最終年度に25%程度まで縮減することを目指します。

この水準に向け、2026年度は年度末時点で29%程度まで縮減を進める予定ですが、足元の株価上昇ペースを踏まえると、中計策定時より株式売却益が増加する見通しであり、振替純投資株式と併せて、2026年度の売却益は580億円程度を見込んでいます。

先日のIR Dayでは、株式売却益の見通しを中計3年間で約1,000億円、各年度では300~350億円程度と説明しましたので、この差分が含み益の増加による上振れ分となりますが、先ほどの通り、人的資本・システム等の成長投資や追加的な債券入替オペレーションなどに戦略的に活用しつつ、資本に占める有価証券評価差額金の割合を低減させていく方針です。

株主還元方針

最後は、株主還元方針です。第2次中計期間の基本的な考え方は、右上の通りです。

2026年度の1株当たり配当金は、ボトムライン利益の成長に過年度の上振れ分も考慮し、+18円増配の98円、配当性向は49.8%を予定しており、目標の50%以上に向けて、引き続き累進的な引き上げを行います。

自己株式取得については、これまで説明の通り、投資に活用しない余剰資本をもとにROE目標の達成に必要な水準で計画的に行っていく方針であり、この還元姿勢が後退することはありません。

その上で、2026年度は実施するタイミングにも留意が必要ですが、日銀の金融政策や資本の増加ペース等を見定めたうえで適切な規模で行いたいと考えていますので、今暫くお待ちください。

右下は、前中計期間におけるEPSの成長率です。利益の成長に加えて、自己株式取得による資本効率の向上を通じて1株あたりの株式価値は着実に高まっています。名古屋銀行との経営統合を見据える際にも、この点は意識しながら今後の資本政策を検討したいと考えています。

最後に

駆け足となりましたが、以上で説明を終わります。37ぺージ以降には参考資料を掲載していますので、後ほどご確認ください。

皆さまにおかれましては、今後とも変わらぬご支援をお願いします。ご清聴ありがとうございました。

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