2026年3月期決算説明
DAIKO XTECH、事業シフト進むも一過性費用などで減益着地 来期は営業利益増益の見込、増配予定
目次

松山晃一郎氏:DAIKO XTECH株式会社代表取締役社長CEOの松山です。本日は、2026年3月期決算についてご説明します。どうぞよろしくお願いします。
本日ご説明する内容はスライドのとおりです。最初に、当社の会社概要・事業内容についてご説明します。次に、2026年3月期決算の概要と中期経営計画「CANVAS TWO」の進捗状況についてご説明します。最後に、2027年3月期の業績見通しと株主還元方針をご説明します。
DAIKO XTECHとは?

まず、当社の概要と事業内容についてご説明します。私どもDAIKO XTECHは、ミッションとして「未来に問いかけ、『価値あるしくみ』で応える」を掲げ、ステークホルダーのみなさまへ問いかけ、共に未来を創造することを目指すITサービス企業です。事業内容として、ITに関するコンサルティングからシステム構築、運用、検証までをワンストップで対応しています。
顧客に提供するサービス領域

顧客に提供するサービス領域については、特定の領域に特化することなく、顧客のIT課題解決において空白を作らないよう、幅広いソリューションを提供しています。
当社グループがサービスを提供している顧客

続いて、事業領域についてご説明します。当社の顧客の内訳は、年商1,000億円未満の中堅・中小企業が7割以上を占めています。当社は、大手品質のITサービスを中堅・中小企業向けに最適化し、ITのライフサイクル全体を柔軟に支援しています。また、顧客の業種については、製造業や流通業、小売業を中心に幅広い業種に対応しています。
富士通パートナー×自社ソリューションのエコシステム

当社の主要パートナーである富士通株式会社との関係についてご説明します。当社は半世紀以上にわたり同社と強固なパートナー関係を築き、相互に連携することで、価値を創出・共有する仕組みを構築しています。
富士通パートナーとしての高度な技術基盤を活用し、大手ベンダーでは対応が難しい中堅企業特有の細かな業務要件にも、自社ソリューションを基に柔軟に最適化を行い、国内の製造業や流通業を中心とした市場や顧客基盤に対してソリューションを提供しています。
競争優位性

当社の競争優位性は3点あると考えています。1点目は、豊富なソリューションです。業種・業務に最適化された自社ソリューションと、2,800社に及ぶパートナー企業のソリューションを組み合わせ、幅広い業界ニーズに最適な提案を行っています。
2点目は、蓄積されたノウハウです。70年以上の歴史で培ってきた約2万社の顧客基盤と業務への深い理解を基に、課題解決を支援しています。
3点目は、手厚いサポート体制です。大手・中小を問わず幅広い業種への導入実績と、全国を網羅するサポート体制を強みとして、現場ごとのニーズに応じた柔軟で細やかなサポートを実現しています。これらの強みは、70年以上の業歴で培ってきたものであり、この歴史の積み重ねによる顧客・パートナーとの関係性こそが最大の強みだと考えています。
当社の事業ポートフォリオと成長モデル

続いて、当社の事業ポートフォリオと成長モデルについてご説明します。当社では、成長ドライバーとなる重点ソリューションと、基盤収益を創出するコアビジネスの2軸で事業を構成しています。
重点ソリューションは今後の成長ドライバーとして注力する事業であり、市場成長性が高く、新規顧客獲得の起点となるものです。自社ソリューションやパッケージの導入が中心となります。
一方、コアビジネスは会社を支える中核事業で、確実なニーズに基づいた安定収益源となっています。システム受託開発や運用を主な内容としています。
重点ソリューションとコアビジネスはそれぞれ独立したものではなく、重点ソリューションを起点とした新規顧客へのコアビジネスのクロスセルや、コアビジネスの顧客への重点ソリューションのクロスセルなど、相互に連携することで持続的な企業価値向上のサイクルを生み出しています。
業績ハイライト 2026年3月期

2026年3月期の決算概要についてご説明します。
業績についてです。当社が目指すとおり、ソフトウェアソリューション事業へのシフトは着実に進んでいるものの、ハードウェア販売の抑制やネットワーク工事の減少が減収要因となりました。
また、一部プロジェクトロスに対応した追加原価の発生により収益性が低下し、減益となりました。一方で、既存顧客を中心にソフトウェアソリューションやストックビジネスが順調に伸長し、受注高および受注残高は増加しました。
続いて、当社の財務健全性と資本効率の向上についてご説明します。現在、当社では株主資本コストやWACCを意識した経営を積極的に推進しています。2026年3月期のROEは10.9パーセント、ROICは8.7パーセントとなっており、いずれもWACCや株主資本コストを上回っています。
連結損益計算書

連結損益計算書についてです。受注残高は103億5,100万円、受注高は431億6,700万円となり、いずれも前年を上回る結果となりました。一方で、売上高は425億円となり、前年同期比1億8,900万円の減収となりましたが、売上総利益は106億8,800万円となり、前年同期比1億3,200万円の増益となりました。
販売費および一般管理費は、人的資本への投資を継続したことにより人件費を中心に費用が増加し、87億8,400万円となり、前年同期比6億3,900万円の増加となりました。
その結果、売上総利益は増加しましたが、一部のプロジェクトロスによる追加原価が影響し、その増加が抑制されました。その結果、販売費の増加分を吸収できず、営業利益は19億300万円となり、前年同期比5億600万円の減益となっています。経常利益は19億9,100万円、当期純利益は14億4,200万円となりました。
四半期別業績推移

次に、四半期別の業績推移についてです。当社の事業は、顧客の事業年度やシステム稼働に合わせた納品の影響で、第2四半期と第4四半期に偏る傾向があります。第4四半期は減収減益となりました。
ソフトウェアサービスの受注高が伸びた結果、増収となる部分もありましたが、ハードウェア販売の抑制やネットワーク工事の減少が影響し、全体として減収となりました。さらに、プロジェクトロスの追加原価に伴う売上総利益の減少および販管費の増加が重なり、営業利益の減少につながりました。
事業区分別業績

当社の収益基盤であるコアビジネスは、既存顧客を中心としたソフトウェアソリューションの受注高や売上高が伸長し、収益性の改善に伴って売上総利益が堅調に推移しています。
重点ソリューションでは、購買ソリューションを中心としたペーパーレスソリューションが堅調に推移し、製造業を中心としたインダストリーソリューションが牽引して増収となりましたが、売上総利益は前年並みとなりました。
また、2026年3月期のM&Aを契機に、注力している自動車部品サプライヤーをターゲットとしたMobilityビジネスも順調に案件を積み上げています。
ソリューション区分別業績

続いて、ソリューション区分別の業績です。ハードウェアやライセンス販売を集計しているプロダクトソリューションは、当初想定どおりハードウェア販売が減少したものの、稼働資産の保守契約促進によりストック化が堅調に進捗しています。
受託開発やパッケージ導入を集計しているソフトウェアソリューションは、モダナイゼーション案件やストックビジネスが堅調で、受注高、売上高、売上総利益がいずれも増加しました。
インフラ基盤構築を集計しているネットワークソリューションは、期中の案件減少に伴い、受注高と売上高は減少しましたが、売上総利益率は改善しました。結果、減収の影響により売上総利益は減少しました。
既存顧客の割合とストック比率

当社は、既存顧客のITライフサイクルを支援し、幅広いソリューションを通じてITによる経営課題の解決を支援しています。
2026年3月期における既存顧客の売上高比率は、顧客との密接な関係性により着実に案件を獲得し、前期比で1.6ポイント増加しました。ITライフサイクルを支援するストックビジネスの売上高比率も、稼働資産の保守契約促進やパートナーである富士通との連携強化などにより、前年比で5.8ポイント増加しました。今後も安定収益の確保を目的に、既存顧客との継続的な取引とストックビジネスの推進に努めていきます。
営業利益の変動要因

営業利益の変動要因についてです。ソフトウェアソリューションへの事業シフトにより収益性は向上しましたが、一部プロジェクトロスにより追加原価を計上しました。
また、未来への投資となる自社ソリューションの研究開発、従業員の処遇改善、教育投資などの人的資本投資に伴う費用増加を吸収できず、営業利益が減少しました。
連結貸借対照表

連結貸借対照表についてです。投資有価証券の売却などにより、流動資産は前年同期比11億4,400万円、純資産は前年同期比10億3,200万円増加しました。
資産合計および負債純資産合計は、ともに前年同期比11億9,700万円の増加となりました。その結果、自己資本比率は前年同期比1.9ポイント増加し、49.1パーセントとなりました。
連結キャッシュ・フロー

連結キャッシュ・フローについてです。主に税金等調整前当期純利益の減少により、営業キャッシュ・フローが減少しました。また、ブリットアプリケーション社の株式取得による支出と、政策保有株式の売却による収入などにより、投資キャッシュ・フローは微減となりました。
さらに、配当金の増配や新たに実施した中間配当により、財務キャッシュ・フローが減少しました。結果的に、現金および預金同等物の期末残高は99億7,600万円となり、前期比4億7,600万円の減少となりました。
サステナビリティと人的資本経営について

決算概要の最後に、サステナビリティおよび人的資本経営の取り組みについてご説明します。当社は持続的な成長と企業価値向上の実現に向け、スライドに記載のとおり、把握すべき指標を定めました。これらの指標については、定期的にモニタリングし、改善計画の立案と実行にスピード感を持って取り組んでいきます。
特に人的資本経営においては、誰もが働きやすい職場環境の整備が競争力の源泉であると考えています。これらの施策は、将来の業績に直結する経営の重要課題として、全社を挙げて着実に対応していきます。
長期経営計画 ― CANVAS ―

続いて、中期経営計画「CANVAS TWO」の進捗状況についてご説明します。当社は、2030年ビジョンステートメントとして「新たな価値提供への挑戦を続け、彩りのある企業へ ― Be Challenging, Be Colorful ―」を掲げ、長期経営計画「CANVAS」を策定し、推進しています。
長期経営計画実現に向けたステップ

長期経営計画「CANVAS」の実現に向け、3つのステップに分けて各中期経営計画を策定しています。現在はステップ2である「CANVAS TWO」の2年目に当たり、前中期経営計画「CANVAS ONE」で培った基盤をさらに深め、進めていくための変革期と位置づけ、活動しています。
中期経営計画の概要

長期経営計画の最終年である2031年3月期には、売上高500億円、営業利益率8パーセントを目標に掲げています。そのためのマイルストーンとして、2028年3月期に売上高450億円、営業利益率6.7パーセントを目標としています。
“CANVAS TWO”における業績目標

「CANVAS TWO」における業績目標は、2028年3月期に売上高450億円、売上総利益125億円、営業利益30億円、親会社株主に帰属する当期純利益20億5,000万円としています。
目標達成に向けた戦略

目標達成に向けた戦略として、事業戦略と経営基盤強化の2軸で取り組んでいます。事業戦略では、成長ドライバーとなる重点ソリューションの育成と、基盤収益を創出するコアビジネスの高付加価値化を推進しています。
経営基盤の強化では、財務戦略として健全な財務基盤の維持・強化と、将来を見据えた投資および株主還元を推進しています。また、人財戦略として、戦略的な人財の確保・育成、能力を最大限に発揮できる組織体制の構築を進めています。
事業戦略

事業戦略についてご説明します。これまでの収益構造を変革し、環境変化に強い企業集団として新たな価値を提供することを目指します。指標としては、収益性の持続性を評価するために売上総利益を採用しています。2028年3月期には、コアビジネスの売上総利益を80億円、重点ソリューションの売上総利益を45億円とする目標を掲げています。
「CANVAS TWO」初年度にあたる2026年3月期の進捗状況は、コアビジネスで売上総利益76億円、重点ソリューションで31億円となりました。次のスライド以降で、それぞれの課題と解決のための施策についてご説明します。
事業戦略における進捗状況 重点ソリューションの育成

重点ソリューションの育成について、既存領域の収益構造変革に向けた課題と、2027年3月期における施策となります。自社ソリューションの強化/シェア拡大を図り、会計/セキュリティ/IoTビジネスの拡大をテーマとして事業を推進しています。
課題は3つあります。ターゲット市場の最適化、製品・サービスの競争力強化、収益性の向上です。これらの課題を解決するため、当社の強みであるソリューション基盤・顧客基盤・パートナー基盤を活かし、複数ソリューションを組み合わせた戦略的アプローチ、新たなソリューションの投入と新たなサービス/機能の実装、システム開発・導入作業の生産性向上とリソースの再配置という3つの施策を推進し、安定した売上総利益の拡大に努めていきます。
事業戦略における進捗状況 重点ソリューションの育成

重点ソリューションの育成について、シン・ビジネス領域の課題と施策をご説明します。シン・ビジネス領域は、当社グループ全体から見て新たな事業領域に該当します。課題としては、中小企業向けSaaS型ERP「D-Ever flex」の拡販強化、コンサルティング業務領域の拡大、データ活用ビジネスの推進が挙げられます。
コンサルティング領域など、収益化が進展している部分もありますが、新たな領域の開拓となるため、未来を見据えた施策を推進していきます。
2027年3月期は、前のスライドでご説明した既存領域とシン・ビジネス領域の取り組みを合わせて、重点ソリューションで売上総利益39億円を目標としています。
事業戦略の進捗状況 コアビジネスの高付加価値化

コアビジネスについては、当社の安定した収益基盤として、高付加価値化を目指していきます。顧客への提供価値の源泉であるソフトウェアサービスにリソースの集中を進めています。課題としては、収益構造の変革、大型プロジェクトの品質、サポート力の強化が挙げられます。既存顧客との接点を活かし、確実なシステムサポートを通じてシェアを拡大していきます。
PM教育、PMO機能強化によるプロジェクトマネジメントとモニタリング体制の充実を図り、プロジェクトロスの削減に取り組みます。また、システム運用・サポートビジネスの規模を拡大し、高付加価値化を目指します。これらの取り組みを通じて、2027年3月期のコアビジネスにおける売上総利益は78億円を目標としています。
経営基盤強化に対する進捗と戦略 財務戦略
続いて、経営基盤強化の進捗状況についてです。財務戦略として掲げている3年間累計で約90億円の成長投資を実施することを目指しています。具体的には、2026年3月期に1件のM&Aを実施しました。今後も市場環境を踏まえ、重点ソリューションの拡大や新たなソリューションへの投資を進めていきます。
自己資本比率は、2026年3月末時点で49.1パーセントとなっています。今後も社会情勢を踏まえながら、財務基盤の健全性維持に努めます。
株主還元の拡充に関しては、2026年3月期に株主優待制度を新設し、中間配当を実施しました。今後もIRとSR活動の強化に加え、長期投資に応える安定配当と増配を進めていきます。
経営基盤強化に対する進捗状況 人財戦略

人財戦略においては、持続的成長を支えるエンジンとなる現場人財の確保のため、積極的な採用活動を推進するとともに、定着とスキル醸成に取り組みました。また、次世代の経営を担うリーダー育成のための「サクセッションプラン」を本格稼働させ、継続的に育成・輩出する仕組みを形成しています。
加えて、イノベーション創出の源泉となる「DE&I」の全社浸透に向けて、DE&Iポリシーを公開しました。さらに、組織の生産性向上に直結するエンゲージメント指標も向上しています。
これらの取り組みの結果、2026年3月期の採用人数は、新卒と中途を合わせて125名となり、着実に増加しています。技術者数については、グループ全体での人数が減少しており、今後は採用やM&Aによる強化を図っていきます。離職率については単体で4.9パーセントと、業界平均と比べて低い水準を維持しています。
経営基盤強化に対する進捗状況 キャピタルアロケーションの進捗

キャピタルアロケーションの進捗状況についてです。成長投資として掲げている3年間累計約90億円という目標に対し、2026年3月期は1件のM&Aに加え、研究開発や人的資本への投資を実行した結果、10.7億円の投資実績となりました。
今後も持続的な成長のため、重点ソリューションへの投資および事業戦略に基づいたM&A投資の検討を継続します。
業績見通し

続いて、2027年3月期の業績見通しをご説明します。2027年3月期の業績見通しは、売上高435億円、営業利益26億円、営業利益率6パーセント、経常利益26億8,000万円、親会社に帰属する当期純利益17億5,000万円を見込んでいます。
その理由としては、受注残高が堅調に積み上がり、既存顧客からの継続案件とストックビジネス増による収益基盤の安定化が進んでいること、さらに当社が注力する重点ソリューションで事業領域の拡大を図り、増収増益を見込んでいること、一過性のプロジェクトロスに対応した追加原価については2026年3月期で引当済みであることが挙げられます。
売上総利益の増加に対して、持続的な成長を支える人的投資/重点ソリューションへの継続的な投資に伴う販管費の増加を織り込み、見通しを作成しています。
株主還元 剰余金の配当と株主優待

最後に、株主還元方針についてご説明します。当社は、中長期の成長を見据えた企業価値の向上に取り組んでおり、将来への投資と株主還元のバランスを重視する方針を掲げています。剰余金の配当については、DOE3パーセントを目安に、安定的かつ継続的に実施することを基本方針としています。
これまで継続的に増配を実施しており、2026年3月期には中間配当も開始しています。2027年3月期は2円の増配を行い、年間配当額は1株当たり中間19円、期末19円の合計38円を予定しています。
また、株主優待制度は2026年3月期より実施しており、2027年3月期においても、9月末時点で単元株主さまを対象に「QUOカード」を贈呈する予定です。
ご説明は以上です。みなさまのご期待に応えるべく経営計画を全うしていきますので、今後もよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。
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