2026年3月期決算及び中期経営計画説明会
カナデン、DOE導入、新中計(期間3年)で成長投資150億円を計画 ソリューションビジネスのさらなる拡大へ、M&Aも視野に技術力を強化
INDEX

守屋太氏:代表取締役の守屋です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
さっそく、2026年3月期の決算概要についてご説明します。
2026年3月期決算サマリー(連結)

2026年3月期は、防衛・官公庁案件の増加や鉄道事業者の設備投資の回復に加え、電子医療装置の案件も着実に伸長し、増収増益となりました。
その結果、売上高は前期比15.9パーセント増収の1,456億1,400万円、経常利益は22.3パーセント増益の57億8,400万円、親会社株主に帰属する当期純利益は0.6パーセント増益の39億6,600万円となり、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高を更新しました。
FAシステム事業

セグメント別の状況についてご説明します。まずはFAシステム事業です。FA分野は、一部製品で在庫調整の影響が継続しているものの、配電制御機器は回復基調にあります。
また、データセンター需要の増加を背景として制御盤やサブコン向けビジネスが堅調に推移したことに加え、M&Aで連結グループ入りした髙島電機、日本制御エンジニアリングが業績に寄与しました。
一方、産業メカトロニクス分野は、放電加工機が堅調に推移したものの、自動車や建機関連の設備投資の抑制もあり、レーザー加工機の案件が減少しました。
また、産業システム分野は、当社が注力しているIoTソリューションを主力とする計装システムが堅調に推移しましたが、大口案件の剥落により前年並みで推移しました。
セグメント全体としては、売上高は前期比13.9パーセント増収の549億3,500万円となりましたが、産業メカトロニクス分野の減益と販管費の増加により、経常利益は前期比3.3パーセント減益の22億500万円となりました。
ビル設備事業

ビル設備事業です。設備機器分野は、データセンター需要により情報通信事業者向け電源設備が好調に推移しました。
空調・冷熱機器分野は、案件の延伸により低温機器は前年並みとなりましたが、空調機器は案件の端境期であり低調に推移しました。
セグメント全体としては、売上高は前期比4.6パーセント増収の183億3,500万円となりましたが、経常利益は前期比3.4パーセント減益の3億700万円となりました。
インフラ事業

インフラ事業です。交通分野は、鉄道事業者の設備投資が回復基調にあり、車両用機器や無線通信機器が好調に推移しました。また、LEDをはじめとする事業間のクロスセルやソリューション案件の獲得も利益面で貢献しています。
社会システム分野は、防衛関連の案件が増加し、大きく伸ばすことができました。
セグメント全体としては、売上高は前期比35.3パーセント増収の390億7,000万円、経常利益は前期比309.5パーセント増益の7億6,500万円となりました。
情通・デバイス事業

最後に情通・デバイス事業です。半導体・デバイス分野は、産業用パワーデバイスは、中国経済の成長鈍化による需要減少の影響を受けましたが、Wi-Fiモジュールや採算性の高い海外製品の拡大により堅調に推移しました。
情報通信分野は、画像・映像機器は、前年並みで推移したものの、電子医療装置の案件が増加し好調に推移しました。
セグメント全体としては、売上高は前期比7.3パーセント増収の332億7,300万円 、経常利益は前期比13.3パーセント増益の21億5,000万円となりました。
BSの状況

バランスシートの状況についてご説明します。流動資産、流動負債の状況については、売掛債権、商品および製品が減少した一方で、受注に伴う前受金や買掛債務の増加により、現金および預金が増加しました。
在庫については、前期比6億6,100万円減少の77億6,100万円となりました。
これらを主要因に総資産は、前期比88億7,200万円増加の979億6,200万円となりました。
CFの状況

キャッシュ・フローの状況についてご説明します。営業キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益59億8,100万円を確保できたことに加え、売上債権の減少および前受金の増加により、92億3,800万円の収入となりました。
投資キャッシュ・フローは、固定資産の取得等により、1億5,900万円の支出となりました。
財務キャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、16億9,600万円の支出となりました。
以上により、当期末の現金同等物残高は、前期末と比べて75億200万円増加し、239億2,600万円となりました。
2027年3月期 業績予想

続いて、2027年3月期業績予想についてご説明します。
2027年3月期の見通しについては、中国経済の成長鈍化や中東情勢の緊迫化に伴うエネルギーや資材価格の高騰など先行き不透明な状況が続きますが、サプライチェーンにおける在庫調整は回復傾向を維持し、製造業をはじめさまざまな分野において、自動化や脱炭素化を中心とした企業の設備投資が堅調に推移するものと予想しています。
通期業績予想は、売上高は前期比3.0パーセント増収の1,500億円、営業利益は前期比10.7パーセント増益の59億円、経常利益は前期比3.7パーセント増益の60億円、当期純利益は前期比0.9パーセント増益の40億円と予想しています。
セグメント変更の概要(2026年3月期 売上高ベース)

セグメントについては、新中期経営計画の始動にあわせ、2026年4月より事業特性と組織の管理体系に即した構成に変更しました。変更点は大きく2つあります。
1つ目は、ビル設備事業との連携強化を目的に従来の情通・デバイス事業の中にあった画像・映像機器関連を同セグメントへ再編しました。これにより、監視カメラ等を含めたビル設備のトータルソリューションの提供体制を強化し、さらなる付加価値の創出に努めていきます。
2つ目は、従来情通・デバイス事業の中にあったメディカル事業とインフラ事業の防衛・官公庁関連を統合し、新たに社会インフラセグメントを組成しました。成長領域として期待が持てるディフェンス&メディカルを1つに集約することで、より機動的に事業を展開していきます。
2027年3月期 セグメント別予想

新セグメントでの予想数値の内訳はご覧のとおりとなります。FAシステムにおいては、サプライチェーンにおける在庫調整が回復傾向を維持し、AI関連の需要拡大によるデータセンターや半導体製造装置をはじめとする設備投資は順調に推移するものと予想しています。
半導体・デバイスは、産業機器向け半導体の需要減少により、減収減益の予想としています。
ビル設備、社会インフラについては、お客さまの設備投資需要が堅調であり、データセンター向けの蓄電池やUPS等の電源設備や防衛、官公庁案件を中心に順調に推移する予想としています。
2026年3月期の決算概要と、2027年3月期の業績予想は以上となります。
前中期経営計画の概要と数値目標の到達状況

前中期経営計画「ES・C2025」の振り返りについてご説明します。前中計の「ES・C2025」は、SDGsへの取り組みを通じて、社会的課題の解決に貢献し持続的な成長を実現する「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となることを基本方針として掲げ、技術力の強化や事業間連携をはじめ持続的な成長を支える経営資本の拡充に注力してきました。
数値目標については、営業利益および営業利益率は目標に一歩及ばなかったものの、ROEは当初の計画を1年前倒しで達成しました。また、戦略的投資政策の実行による新たな売上高の創出についても、当初の目標をクリアしました。このような資本効率の向上が、市場から一定の評価と期待をいただき、PBRも1倍超の水準まで伸長しています。
前中計を通じて、連携強化による収益基盤の構築は一定成果をみたものの、ソリューションビジネスについては、さらなる成長の余地があり、新中期経営計画においても重点施策として引き続き取り組んでいきます。
前中期経営計画のキャッシュアロケーション実績

キャッシュアロケーションの実績をご説明します。5年間の中計期間において各種経営資本に対し合計で、約90億円の投資を行い、持続的な成長を支える経営基盤の強化に注力してきました。
人的資本においては、社員一人ひとりの自律的な挑戦を促すべく、人事制度を刷新しました。
知的資本では、DX推進の要となる基幹システムの刷新を実行し、業務効率化とデータ活用に向けた基盤を整備しました。
また、社会関係資本については、日本制御エンジニアリングおよび髙島電機の2社をグループへ迎え入れ、技術力と新たな販売エリアの拡充を図ってきました。
これらの投資に加え、配当性向の引き上げや累進配当政策の導入、自己株式取得を通じて株主のみなさまに対する適切な利益還元に努めてきました。
理念・マテリアリティ・中期経営計画の体系図

新中期経営計画の策定プロセスを体系図で簡単にご説明します。まずは当社の企業理念を体現し、持続的な成長を実現するため「価値創造により安定的な高収益体制を定着する」ことを長期ビジョンとし、長期目標をROE12.0パーセント以上と設定しました。
また、サステナビリティ経営の実践に向け、環境変化を俯瞰的にとらえたマテリアリティの中長期KPIを設定するとともに、前中期経営計画の成果と課題を整理し、新中期経営計画に反映させています。
新中期経営計画においては、収益機会とリスクの両面から特定したマテリアリティを経営の軸に据え、財務・非財務一体となって企業価値向上を目指していきます。
新中期経営計画の位置づけ

こちらは、長期ビジョンの実現に向けたロードマップです。2026年度から2028年度までの新中期経営計画では、長期ビジョンの実現に向けて、前中期経営計画で構築した「連携強化」による収益基盤や経営資本を土台に、さらなる「強みの掛け合わせ」を実践し、高収益構造を確立していきます。
前中計では、持続的な成長を支える基盤整備に注力し、資本効率の向上において一定の成果を得ることができました。
新中期経営計画では、前中計で拡充した経営資本を最大限に活用し、「強みの掛け合わせ」によってソリューションビジネスを一段と加速させていきます。
稼ぐ力の最大化に注力し、高収益構造を確立することで長期ビジョン達成への確かな足がかりを構築していきます。
新中期経営計画「True Solution 2028」

新中期経営計画「True Solution 2028」についてご説明します。新中計は、2028年度までの3年間を対象期間とし「真の課題解決力を追求し、高収益構造の確立と強固な経営基盤により、持続的な成長を加速する」ことを基本方針として推進します。
また、新中計の名称「TRUE」には、真の課題可決力を追求する意味もありますが、スライド左上にお示ししているとおり「Technology:技術革新と先端技術の導入を成長の原動力にすること」「Resilience:外部環境の変化や危機に柔軟に対応すること」「Unique:他社には真似できないオリジナルソリューションを創出すること」「Engagement:全社員が情熱を持ち自律的に貢献すること」の4つの思いも込めています。
新中計の戦略の柱は、スライド右下にお示ししているとおり、3つあります。当社グループはこの3つの戦略の柱を着実に実行し、持続的な企業価値向上を目指していきます。
新中期経営計画「True Solution 2028」財務・非財務目標

新中計の数値目標についてご説明します。最終年度の財務目標は、高収益構造への転換に向け、営業利益82億円、営業利益率5.0パーセント以上、ROE10.0パーセント以上としています。
非財務目標については、当社のマテリアリティに基づき策定しました。収益機会、リスクの両面で基本戦略と連動して取り組み、全社を挙げてマテリアリティのKPI達成を目指していきます。
新中期経営計画「True Solution 2028」戦略の柱

3つの戦略は8つの重点施策で構成されています。当社グループはこれらの重点施策に注力し、収益性の向上と経営基盤の強化を一体となって推進していきます。
戦略の柱I、IIについては、さらなるソリューションビジネスの強化と成長領域へのシフトに向けて、当社の技術力や強固なパートナーシップを活かした「強みの掛け合わせ」を一段と深化させていきます。
特に、IoTによる生産現場の可視化や、プロセスオートメーション、お客さまの本意をくみ取った真のソリューション提案により、さらなる付加価値を創出していきます。また、防衛や医療といった成長性の高い分野にも積極的に経営資源を投入し、収益力の向上を図っていきます。
財務戦略①「事業ポートフォリオマネジメント」

事業ポートフォリオ戦略についてご説明します。本戦略では、各事業の市場成長性と収益性を踏まえ、それぞれの事業戦略に応じて適切に資本を投下し、収益力の強化を図っていきます。
FAシステム事業においては、労働力不足への対応を背景に、工場の生産性を向上させるプロセスオートメーション分野を成長の柱に据え、海外を含む成長市場への展開を加速します。
ビル設備事業では、AI需要に伴い引き続き成長が見込まれるデータセンターや通信キャリア向けに、電源設備の保守を含めた展開を強化していきます。また、環境負荷低減に向けて事業間クロスセルにより、省エネ、創エネ提案を加速させていきます。
半導体・デバイス事業は、市場の動向を見据え汎用品から「高付加価値商材」への転換を目指し、組み込み型のソリューション需要に対し、CPUやメモリなどが一体となったシステムオンモジュールビジネスをはじめ、利益を重視したポートフォリオを構築していきます。
社会インフラ事業では、防衛予算の拡大や高度医療化といったニーズに対し、従来のビジネスにプラスして部門間連携によるライフサイクル全体での収益最大化を追求します。
各事業が手掛ける多様な領域の中から、収益性の高い成長分野を見極め、資本を重点的に投下することで、事業ポートフォリオの高度化を推進していきます。
財務戦略②「キャッシュフロー計画とアロケーション方針」

キャッシュアロケーションについてご説明します。キャッシュ・インについては、収益力の強化や保有資産の最適化により、3年間で約440億円の創出を見込んでいます。
創出したキャッシュは、各経営資本へ成長投資として約150億円配分します。特にM&Aに対しては、目標に掲げているROE10パーセントを見据え、ソリューションビジネスを支える技術力の獲得をコンセプトとして積極的な活動を行っていくとともに、M&Aの規模によっては、資金調達も視野に入れています。
また、株主還元については約100億円を充当し、持続的な成長と適切な利益還元の両立を図っていきます。
財務戦略③「株主還元の強化」

最後に株主還元についてご説明します。当社はこれまで以上に資本効率を意識した経営の実践に向けて、新たに配当指標としてDOE4.5パーセントを採用することとしました。
従来の累進配当の考え方を継続し、積み上げた株主資本に基づいた安定的な配当を目指していきます。2027年3月期の年間配当については、この方針に基づき前期から28円増配となる1株当たり100円の予想としています。
本日のご説明は以上となります。
ご清聴いただきありがとうございました。
新着ログ
「卸売業」のログ





