2026年3月期決算説明
たけびし、売上・利益共に過去最高更新 31年3月期にAI・半導体関連市場で売上高300億円を目指しビジネス強化
目次

岡垣浩志氏:株式会社たけびし代表取締役社長の岡垣です。本日はご多用のところ、当社の決算説明会にご出席いただき誠にありがとうございます。
本日は、会社概要、2026年3月期実績、2027年3月期予想、そして現在取り組んでいる中期経営計画「T-Link1369」についてご説明します。
会社概要

当社は、京都に本社を構える産業系の技術商社です。おかげさまで、この4月に創立100周年を迎えることができました。本日のたけびしがあるのも、ステークホルダーのみなさまのご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
当社の特徴として、お客さまやパートナーが非常に多い点が挙げられます。売上高の約30パーセントは三菱電機製品ですが、それ以外にも多様なパートナーの商品を多様なお客さまに販売しています。
さらに、単に商品を仕入れて販売するだけでなく、当社の技術部隊によるシステム開発と自社オリジナル製品を組み合わせ、ソリューションとして提供している点も特徴です。
たけびしの歴史

当社の歴史についてです。当社は今から100年前の1926年に大阪で設立され、その後、本社を京都に移転し、三菱電機の製品を中心に取り扱いを開始しました。
1970年代に三菱電機の家電事業が一部分離されたことを受け、以降は技術商社として歩みを進めてきました。1990年代には、海外進出も果たしています。2006年に現在の「株式会社たけびし」に商号を変更し、2021年には、シンガポールに本社を置く東南アジア商社の「Le Champ(リチャンプ)」をM&Aしました。2024年には、売上高1,000億円を達成しています。
ネットワーク(国内)

当社の国内ネットワークについてです。国内拠点として、7支店1営業所を運営しています。 また、グループ会社として、空調設備工事を行う「TSエンジニアリング」、携帯電話ショップ運営とモバイルアプリ開発を行う「フジテレコムズ」、その子会社でアスベストの分析や携帯電話基地局の設計を行う「ファーストブレイン」、さらに、関東より北を主に担当し、半導体や電子部品の販売を行う「梅沢無線電機」があります。
ネットワーク(グローバル)

次に、海外のネットワークです。当社直轄のグループ会社としては、「竹菱香港」、「竹菱上海」、「TAKEBISHI THAILAND」があります。また、2026年4月にこれら3社を統括管理する「TAKEBISHI ASIA PACIFIC HOLDINGS」を香港に設立しました。また、新たに台湾に連絡事務所を開設しています。
2021年にM&Aを行ったLe Champ社はシンガポール本社のほか、インド、マレーシアなど、東南アジアを中心に8ヵ国16拠点を設けています。
TAKEBISHI ASIA PACIFIC HOLDINGSは主に日系顧客に電子デバイス品を販売し、Le Champ社は主にローカル顧客に電子部品や実装機の販売を行うといったスキームで運営を行っています。
売上高構成比と主要取扱製品

当社の売上高構成比と主要取扱製品についてです。昨年度の売上高1,099億円の内訳は、産業機器システムが36パーセント、半導体・デバイスが35パーセント、社会・情報通信が29パーセントとなっています。
当社はバランスを保った事業ポートフォリオにより、一部の事業が不調でも他の事業でカバーする体制をとっています。理想的な構成比としては、4対3対3を目指しています。昨年度は、産業機器システムの数字がやや低下しましたが、今年度は上昇を見込んでいます。
取扱製品はスライドに記載のとおりです。
2026年3月期 実績

次に、昨年度の実績についてです。売上高1,099億円、営業利益41億円、経常利益45億円となりました。成長戦略として取り組んでいる施策が着実に業績に寄与した結果、前年比で増収増益となり、売上・利益ともに過去最高を更新しました。
利益については、2023年3月期以降減少していましたが、これは経費の増加に利益が追いついていなかったことが要因でした。昨年度は経費の増加をカバーする利益を創出し、増収増益となりました。
2026年3月期 営業利益(前年比)

次に、営業利益の滝グラフです。一昨年度と比較すると、昨年度は売上高の規模の変動により14億2,000万円の増加となりました。主にデバイス、情報通信、電子医療分野の規模拡大が利益に貢献しています。
在庫償却については、コロナ禍以降の供給制約下で積み増した在庫の一部について、昨年度に特別償却を実施しました。その影響で償却額が増加しています。
また、販管費(人件費・一般経費)も約7億円増加し、結果として営業利益は6億5,000万円の増加となっています。
2026年3月期 実績 セグメント別売上高・営業利益

セグメント別売上高の状況です。昨年度は、産業機器システムのうち装置システムが製造業の設備投資および自動化需要の捕捉により堅調に推移しました。FA機器は、AI関連の需要が堅調に推移した一方で、製造業全般ではお客さまの在庫消化が進まず、減少しました。
半導体・デバイスでは、Le Champインドでのインフラ向け電子部品が堅調に推移しました。国内でもAI関連の産業用PCやセキュリティカメラの販売が増加しています。
社会・情報通信では、特に電子医療分野での商圏拡大を背景に放射線がん治療装置や診断装置が増加し、売上高を大きく伸ばしました。また、アスベスト分析の需要をM&Aで取り込んだことが営業利益の増加に大きく寄与しています。
2027年3月期 予想

次に、今年度の予想についてご説明します。売上高1,130億円、営業利益43億円、経常利益46億円を予想しています。中東情勢の不透明感や先行投資に伴う経費の増加を織り込みつつ、2年連続での増収増益を見込んでいます。さらに、売上高・利益ともに過去最高値の更新を計画しています。
2027年3月期 予想 セグメント別売上高・営業利益

セグメント別の予想です。産業機器システムでは、AI投資の拡大を背景に半導体関連の需要が増加し、FA機器の需要回復が見込まれます。装置システムも、半導体や食品関連を中心に需要が堅調に推移しています。さらに、産業メカトロニクスについても、AI分野で新たな設備投資が行われ、レーザー加工機の需要が増加する見込みです。以上の要因から、現時点では、売上高・営業利益ともに前年を上回る予想です。
半導体・デバイスでは、Le Champインドにおけるインフラ向け電子部品の販売が堅調に推移していることに加え、国内では半導体関連のお客さまの売上拡大を見込んでいます。また、Le Champ社ののれん償却が今年度に一部終了するため、売上高と比較して利益が大幅に増加しています。
社会・情報通信では、電子医療において堅調に推移していた放射線がん治療装置の需要が昨年度に集中した反動により、やや減少する見込みです。一方、最近テレビなどでも報道されている空調機器の省エネ規制による今年度の駆け込み需要や、来年度の蛍光灯販売終了を受けたLED照明需要の増加が予想されます。売上高と利益は若干の減少を見込んでいますが、冷熱・住設と重電分野で補っていく方針です。
中期経営計画『T-Link1369』進捗サマリー

当社が取り組んでいる中期経営計画についてご説明します。当社は2024年3月期から中期経営計画「T-Link1369」をスタートさせており、今年度がその最終年度となります。この計画は、連結売上高1,300億円、経常利益60億円、ROE9パーセントを目指すものです。
現状の成果としては、当社が注力する「医療」「グローバル」「自動化」「再エネ」などの成長戦略が市場の需要を捉え、着実に業績を牽引しています。
一方で、この中期経営計画が開始された時点で624億円あった基幹ビジネスは、FA機器を中心に減少しており、やや苦戦しています。ただし、今年度はFA機器の在庫調整が終了し、AIや半導体向けの需要の伸長が見込まれることから、着実に回復する見通しです。
M&Aについても慎重に精査を進めており、成長戦略に即した案件の実現に向けて取り組んでいます。
4つの成長戦略の進化 グローバル

4つの成長戦略についてご説明します。
1つ目は「グローバル」です。インド・中国・東南アジアを中心にグローバルビジネスを展開しており、これまではLe Champインドを中心に、スマートメーター向けデバイスやEV関連部品で成果を上げてきました。また、香港に地域統括会社を設立し、各拠点との連携を強化するほか、為替リスクにも対応していく方針です。
また、今後はインドにおける事業展開をさらに強化していく計画であり、今年度は売上高83億円を見込むとともに、2029年3月期には100億円規模への拡大を目指します。
さらに、脱炭素ビジネスの推進や、国際的に需要が高まっているデータセンター向けデバイスの展開を加速していきます。
4つの成長戦略の進化 メディカル

2つ目は「メディカル」です。この分野ではこれまで、放射線がん治療装置の商圏拡大により事業を強化してきました。また、放射線がん治療装置の拡大に併せて診断装置を提案することで売上高を伸ばし、当初の目標売上高である130億円を昨年度に前倒しで達成しました。
今後もCTやMRIなどの診断システムにさらに注力するとともに、放射線以外の高度な医療分野にも取り組んでいきます。
4つの成長戦略の進化 オートメーション

3つ目は「オートメーション」です。当社では、スマートファクトリーを推進する専任部隊を設置し、全社で装置システムビジネスを推進しています。また、海外製次世代リニア搬送システムの取り扱いも開始しています。
今後は、特に成長が著しい半導体分野での生産設備・検査装置の自動化提案を加速するとともに、フードテック分野や、新規ビジネスとしてラボラトリーオートメーション分野における搬送システムの提案を進めていきます。
4つの成長戦略の進化 オリジナル

4つ目は「オリジナル」です。他の技術商社にはない当社独自の非常にユニークな強みであり、主な製品として、ITと製造現場を接続するソフトウェア「デバイスエクスプローラ OPCサーバー」を約20年前より開発・販売しています。オリジナル製品の累計販売実績は、76ヶ国6万2,000ライセンスにのぼります。
今後は、この製品をさらにブラッシュアップし、展開を強化していく方針です。特に、今後、AI需要のさらなる拡大が見込まれる中、当社の製品とAIエージェントを接続させるアダプターを追加することで、製造設備のAI対応を実現する取り組みを推進していきたいと考えています。
また、販売面では、海外を中心に強化をしていきます。米国においては、三菱電機の子会社である「Mitsubishi Electric Iconics Digital Solutions(MEIDS)」を通じて販売網の拡大を図るほか、インドでは、専任人材の配置により販売体制を強化していく計画です。
今後、ITと製造現場の連携が進むことで、自動化やAI活用はさらに加速していくものと考えられます。当社のソフトウェアはそれらの中核を担う製品であると認識しており、さらなる売上拡大を目指して活動していきます。
既存の枠組みを超えたビジネスの変革

次に「変革」についてです。当社では「モビリティ」「マテリアル」「エネルギーソリューション」「DX推進」の4つに注力しており、今年度の売上高は40億円を予想しています。
特にご紹介したいのが「エネルギーソリューション」です。太陽光発電を中心とした再エネ・省エネ分野での展開を進めており、系統用蓄電池向け高圧電源盤やキュービクルの商談が非常に増加しています。
また、「DX推進」の一環として、新たに次世代型電子ペーパーへの開発投資を行っています。本製品はB3サイズで、交通広告などの紙媒体の代替として開発を進めており、室内でも発電可能な太陽光モジュールを組み合わせて展開する予定です。これにより、従来、人手によって貼り替えが行われていたポスターなどを自動で更新することが可能になります。現在、パートナーメーカーとタッグを組んで取り組みを進めています。
注力ビジネス~AI・半導体需要を取り込む多層的なソリューション展開~

このスライドは、現在、当社が最も注力しているビジネスを示したものであり、基幹ビジネスと成長戦略の両方に関連しています。生成AIの普及に伴い、半導体をはじめとする幅広い分野で需要の拡大が見込まれる中、当社では、事業全体を通じて半導体およびデータセンター関連ビジネスに多角的に関わっています。
具体的には、FA機器やデバイスなどのコンポーネントを半導体装置メーカー向けに幅広く提供しているほか、半導体メーカーや電子部品メーカーに対しては、自動搬送システム、基板製造検査装置、ファシリティ監視システムなどを展開しています。さらに、データセンター向けインフラ設備として、特高変電設備やUPS(無停電電源装置)などの商談にも取り組んでいます。
これらの領域を取り込むことで、今年度の売上高は約200億円を見込んでおり、これを4年後には300億円規模まで成長させることを目指しています。生成AIの普及を契機として、当該分野の需要は急速に拡大しており、当社としてもその成長を確実に取り込むことで、さらなる事業の拡大を図っていきます。
財務 資本効率を重視した経営の実践

続いて、財務についてです。当社の配当方針は、累進配当、配当性向40パーセント以上、DOEは中期経営計画達成時に4パーセント以上を目標にしています。今年度の配当は、昨年度から8円増配の80円を予想しています。DOEは3.3パーセントを見込んでいます。
非財務 サステナビリティ経営の高度化

次に、非財務についてです。今年は当社の創立100周年にあたるため、周年に関するさまざまなイベントの実施を計画しています。記念式典や記念広告、社史の制作を通じて当社のブランド価値の向上を目指すほか、10月には当社がネーミングライツを取得している「たけびしスタジアム京都」で、社員やそのご家族を招いたイベントを企画しています。
また、コンプライアンス体制の強化を図るべく、グローバルガバナンスに関する部門を新設し、国内外のガバナンス強化に注力したいと考えています。
展示会情報

最後に、展示会情報です。「たけびしソリューションフェア」は、19年続く当社の総合展示会であり、今年は7月16日(木)から17日(金)の2日間で開催を予定しています。テーマを「100年のその先へ。人と技術を結び、未来を拓く。」とし、DXやロボティクス、スマートファクトリーを中心に、当社独自のソリューションを組み合わせて展示します。
また、6月2日(火)から東京で開催されている「FOOMA JAPAN 2026」にも当社独自ブースでの出展を行っています。秋には「JIMTOF 2026」や海外展示会にも出展し、当社の知名度向上および新たな商談獲得に向けて取り組む所存です。
以上で説明を終わります。ありがとうございました。
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