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株式会社東京衡機7719

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中計初年度の進捗を踏まえ、2年目は利益成長へ

小塚英一郎氏(以下、小塚):株式会社東京衡機代表取締役社長の小塚英一郎です。本日はよろしくお願いします。

本日は、中期経営計画の進捗と今後の成長戦略についてご説明します。まずは、中期経営計画初年度の進捗を踏まえ、2年目以降の方向性についてお話しします。

2026年2月期は中期経営計画の初年度にあたり、収益性の改善と、2年後、3年後に成長していくための基盤作りに取り組んできました。ある程度、計画どおりに進められたのではないかという感触を持っています。

2027年2月期は中期経営計画の2年目にあたり、前期の土台をもとに利益成長とさらなる高付加価値化を目指し、利益を伸ばしていく年にしたいと考えています。

2028年2月期は中期経営計画の3年目にあたり、最終年度です。ここで終わるのではなく、4年目、5年目、さらには10年後を見据え、収益基盤を確立し、持続的に成長できる体制の構築を最も重要な課題と位置付けて取り組んでいます。

売上高・営業利益の推移

小塚:売上高・営業利益の推移です。私は2023年3月に代表に就任し、それからちょうど2年が経過した、2025年2月期の売上高は34億8,300万円でした。

2026年2月期の売上高は44億7,300万円となりました。増収の要因として、もともと試験機事業が比較的堅調だったことに加え、2025年3月に子会社化した先端力学シミュレーション研究所(以下、ASTOM)を取り込んだことが挙げられます。

ASTOMの売上を丸々1年分取り込めるのは今期からであるため、今期は売上・利益への貢献が期待されています。今期の売上はさらに伸び、53億9,200万円を予定しています。

営業利益については、今期は3億3,600万円を目指しています。前期の営業利益は1億5,200万円でした。当社は2023年3月に特別注意銘柄に指定され、管理体制を整えるために大変苦労を重ねてきました。

なかなか利益を出せる状況ではありませんでしたが、2026年2月期からはようやく、確実に利益を出せる体制になってきたと感じています。

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):利益が急回復していると思いますが、今期の予想では、中期経営計画の数字と比較して利益の部分が若干弱いように見受けられます。こちらについて、理由をご説明いただけますか?

小塚:当社の場合、受注から実際に売上や利益になるまでに少し時間がかかります。一般的には1年後、大きな案件の場合は1年半後になることもあります。このため見積もりを出して受注した時点で売上金額は確定しますが、その後、どのようにコスト削減を図るかがポイントになります。例えば外注先からの仕入れ価格をどのようにコントロールするかなど、具体的な対応策は進行中のプロセスで調整していく部分です。

計画段階では、現場として「最低限ここまではできます」という数値を出します。その後、原価を少しでも下げていくことによって、利益を上振れさせる方向に持っていけると考えています。この予想は、堅実な数字としてご認識いただけたらと思います。

Ken:納品まで1年という話があったかと思いますが、売上計上のタイミングは、お客さまに品物を納品したタイミングで一括計上するのでしょうか?

小塚:おっしゃるとおり、検収基準になります。

営業利益率10%超に向けた収益性改善

小塚:我々が目指しているところについてご説明します。スライドに、2025年2月期からの推移があります。2026年2月期の実績では営業利益率が3.4パーセントで、2025年2月期はわずか0.7パーセントでした。

今期については、なんとか営業利益率を6.2パーセントまで回復できる見通しです。我々は上場企業である以上、営業利益率10パーセントは当然目指すべき数字であると認識しています。

そのため、中期経営計画の中で、営業利益率10パーセントを確実に達成できる体制を整えることを目指しています。

Ken:これまでの推移を見て感じるのですが、2年前までは営業利益率が0.7パーセントと、本当に利益が出るかどうかの水準だったと思います。それが急回復していますが、その要因として、会社がなにか大きく変化してきているのでしょうか?

先ほど少しお話しされていましたが、もともと展開されている試験機事業が好調になっていることが背景にあるのでしょうか? 

小塚:要因は2つあると考えています。1つ目の外部要因として、2025年以前は新型コロナウイルスの影響により、設備投資が低迷していました。その間に先延ばしになっていた投資需要が、コロナ禍明けから一気に顕在化してきているという点です。

2つ目の大きな外部要因は、アメリカがトランプ政権時に進めた政策の影響です。それまで、なんでもかんでもグローバル化が進み、サプライチェーンもグローバルに展開されていました。

しかし、ホルムズ海峡が封鎖されると石油が供給されず、ナフサが不足するといった事態が発生しました。そうしたことを受け、各国が「まず自国で何ができるか」の方向性に舵を切るようになってきたと思います。

特に、当社のお客さまには日本の産業を支える重工業や鉄鋼業の会社が多く存在します。これらの企業は、日本国内で技術を磨き、優れた製品を生み出しながら、エネルギーを創出する流れを築いています。その意味で、我々もその恩恵を受けていると感じています。

Ken:これまでは、いかに効率化を図るかという観点から、さまざまな場所で分業することが効率的だとされていました。しかし、その前提が大きく変化してきている印象があります。

国内で設備投資が行われることで、御社の試験機需要が高まり、追い風となっているということでしょうか?

小塚:おっしゃるとおりです。エネルギーについては、石油に頼りきれない状況が今後も続くと考えています。

日本は島国であり、資源が少ない国です。そのため、効率的にエネルギーを生み出し、電力を安定的に供給することが求められます。そうした観点から、原子力の重要性はもちろん、高温ガスタービンのような技術も非常に大切です。

これからの時代には、20年から30年前とは異なる新しい技術が必要とされています。こうした背景の中で、材料試験機の需要が増加しているのも事実だと考えています。

Ken:ありがとうございます。続きをお願いします。

小塚:重要なのは、営業キャッシュフローです。営業キャッシュフローについては、2025年2月期は約マイナス6億円だったものが、2026年2月期には一気にプラス5億5,600万円まで改善しました。

大型案件をきちんと受注し、お客さまに納品し、代金をいただけた結果だと考えています。この結果により、会社全体として社員も大きな自信を得られたと思います。

ROEについては、現時点で我々はエクイティファイナンスを実施しておらず、銀行借入による運転資金の調達を通じて大型案件を取り込んでいます。そのため、エクイティの水準を変えずに利益が上乗せされる結果として、ROEが高くなっていると考えています。今後も、さらなる向上を見込んでいます。

Ken:大型案件の規模は、どれくらいの金額感なのでしょうか?

小塚:一番大きいものでは10億円を超える案件もありますが、来年以降に納品予定のものでは、1つの機械で3億円程度の案件もあります。このような案件があることで、事業のベースが形成され、それにより営業活動や受注活動が効率化されると思います。

無理なディスカウント競争に陥ることなく、自分たちが得意とする分野に集中できるのではないかと考えています。

Ken:10億円や数億円単位の案件では、お客さま側の検収のタイミングをコントロールしにくいのではないでしょうか? そのため、四半期ごとに業績が凸凹することがあるのでしょうか?

小塚:おっしゃるとおり、そのような影響はあります。例えば、社内の設計上の不具合や外注先からの納品遅延など、いろいろな要因があります。本来予定していた期日より早く納品が完了することはほとんどなく、むしろ後ろ倒しとなるケースが多いです。

その結果、第2四半期に入るはずだった案件が、第3四半期にずれることもあります。ただ、トータルでみれば、最終的には検収まですべて完了します。前期は、その成果が結果として反映された期だと言えます。

Ken:やはり本決算期に、比較的検収が集中しやすいのでしょうか?

小塚:おっしゃるとおりです。お客さまの多くは3月決算の企業ですが、12月決算の企業もあります。そのため、納品のタイミングがその時期に集中する傾向にあります。特に2月、3月、4月は納品と検収が多い時期だと考えています。

試験機事業を中核に、収益改善と成長投資を推進

小塚:試験機事業を中心にお話ししましたが、当社にはそれ以外にエンジニアリング事業とデジタル事業もあります。その中で、収益改善と成長投資の推進についてお話しします。

セグメントは、スライドにある3つです。主に試験機事業についてお話ししましたが、エンジニアリング事業も営業利益は少ないものの、黒字を確保しています。今期は、新たな販路の開拓に向けて動いています。

デジタル事業については、ASTOMを子会社化しました。子会社化の際は、デューデリジェンスという詳細な調査を実施し、売上高は約8億円、営業利益およびEBITDAが5,000万円から7,000万円程度の会社です。

前期に関しては、決算期を区切ったタイミングがあまりよくなかったため、このような結果となりました。ただし、今期からはその影響がなく、1年分すべてが計上されます。そのため、今後は間違いなく改善していけると考えています。

Ken:試験機事業の主な取引先は、鉄鋼系や重工系の企業になるのでしょうか?

小塚:鉄鋼系や重工系企業が多いです。私たちは103年の歴史がありますが、最初のお客さまは三菱重工業長崎造船所だったのではないかと思います。100年前からの関係ですので、非常に長いお付き合いをしています。

それ以外にも、素材関連として金属やさまざまな材料を扱う会社があります。動力系においては、輸送機器の会社なども私たちの主な取引先となります。

Ken:そのような重工系の会社は幅広い分野にわたっています。原子力発電所もそうですし、防衛関連もあると思います。

最近、防衛関連に加え、原子力発電所に関してもデータセンターの話があり、需要が増えてきていると感じます。そのような恩恵は、御社も間接的に受けていると捉えてよいのでしょうか?

小塚:おっしゃるとおりです。引き合いの件数や金額も含めて、特にここ2年ほどはかなり大型化していると感じています。

そのような国の方針や国策、後ほどご紹介する成長戦略17分野のようなものが打ち出され、その中で国の予算をつけて技術を磨き、国力を高める取り組みが進められています。そのため、こうした動きの恩恵を我々も受けていると認識しています。

Ken:新しい製品が開発される段階で、御社の試験機も導入されるということですね。

小塚:おっしゃるとおりです。特に材料の分野では、鉄やアルミなど、わかりやすいものからさまざまな種類があります。現在、この業界で注目されているのは、常温ではなく高温、つまり1,000度、1,500度、さらには2,000度といった溶鉱炉のような環境下で使用される材料です。

我々だけでは実現できない部分も当然ありますが、提携関係にあるドイツの試験機メーカーのツビックローエルとともに、このような製品を日本のお客さまにも提供しようと進めています。

Ken:環境が変わったり、材質が変わったりすると、試験機の需要も変わってくるということですね。

小塚:おっしゃるとおりです。

Ken:競合は、どのような会社になるのでしょうか?

小塚:試験機といっても、さまざまな種類があります。大きく分けると、材料試験機と環境試験機があります。環境試験機の例としては、IMVやエスペックが挙げられます。

例えば、低温環境下で物を動かしたり、塩水を加えたりすることで、モーターがどれくらい動作するのかなどを調べる装置が環境試験機です。

当社の場合は、材料を壊したり、曲げたり、引っ張ったりすることで、どのくらいの引っ張りに耐えられるのかを調べる材料試験機を取り扱っています。非常に特殊で大がかりな試験を行う、例えば「これは何に使うのだろう?」と思うような特殊品もあります。

工業高校、大学、研究室などで使用される、比較的小型で、材料を引っ張ったり曲げたりして、どういう状態になると壊れてしまうのかを測定する標準品と呼ばれる製品も取り扱っています。標準品については、島津製作所が圧倒的に最大の競合と考えています。

海外メーカーでは、アメリカ系企業のMTSやInstronがあります。非常に大きな会社で、優れた製品を持っていますので、競合として認識しています。

Ken:試験機を販売した後に、別のかたちで売上が立つことはありますか?

小塚:ヘビーユーザーの場合、試験機は毎日使用されます。出荷の検査のためにも使用されるため、定期的なメンテナンスが必須となり、これを怠ると動かなくなります。そのため、通常は毎年1回メンテナンスや修理を行い、部品交換も実施しています。

試験機を導入すればするほど、メンテナンスフィーも増加していきます。そのため、特に高額な試験機を台数として販売することが非常に重要だと考えています。

Ken:試験機事業の売上の中で、メンテナンスフィーもそれなりに貢献しているのですか?

小塚:もちろんです。

Ken:利益率もかなり良いのでしょうか?

小塚:利益率は良いです。ただし、メンテナンスの場合、どうしても人が現場に行って作業する必要があります。昨今はどの企業もそうですが、当社も賃上げを実施しています。利益を確保しつつ、現場で作業をする方々の給与をしっかり上げていくためです。

したがって、利益を確保しながらも、賃上げにも耐えられる環境にあると思っています。

Ken:先ほど利益に関するお話もありましたが、受注時の粗利は非常に重要だと感じています。現在の状況や、今後の方針について教えていただけますか?

小塚:基本的に、粗利率は35パーセントを目安にしています。もちろん、大型案件の場合は競合も多く、絶対粗利額が大きくなるため、多少低い粗利率で受注することもあります。ただ、基本方針としては35パーセントを目指して全員で取り組んでいます。

Ken:粗利がどんどん削られたり、原価が大幅にかかったりするケースについては、多くの投資家が懸念を抱いていると思います。原価が大きく変動する要因や、「ここにけっこう気をつけています」という具体例があれば教えてください。

小塚:原価については、まず外注先から提示された金額をベースにスタートします。ただ、当社の場合、「最初に決めたものから10パーセント値上げします」ということはほとんどありません。そのため、受注後に仕入れや原価が大幅に増加するケースは少ないと考えています。

むしろ可能性としてあるのは、製品を途中まで作ったものの、うまくいかずに部品を交換しなければならないケースです。一度導入した部品を廃棄し、新しいものに入れ替えるという場合にはコストが発生します。ただ、そのようなケースは非常に稀だと思います。

2027年2月期は、営業利益率6.2%(業績予想)

小塚:2027年2月期については、営業利益3億3,600万円、当期純利益2億3,500万円を目指します。

製品販売中心から、課題解決型提案へ

小塚:当社グループにおける取り組みの核となる部分です。これまで、当社は製品販売を中心とした事業を展開し、主にハードウェアの販売に注力してきました。

しかし今回、当社が子会社化したASTOMは、ハードではなくソフトを手掛ける企業です。ハードとソフトが一体化することで、これまでとは異なる新たなご提案が可能になると考えています。

すでに取り組みを開始している事例として、試験機を多数保有する企業において、試験機の稼働状況やデータの管理・マネジメント方法に関する課題があります。

その際、ASTOMが開発したソフトを活用することで、これらのデータを効率的に管理できるシステムを提供し、すでにいくつかの事例で納品を進めています。

このような取り組みが標準となることで、お客さまにとって使い勝手のよいシステムを実際にご体験いただける機会を提供できると考えています。

Ken:セット販売のようなものですね。ASTOMについて、以前から一定のEBITDAを生み出しているとのお話がありました。将来的には、EBITDAで1億円を目指すことができるのでしょうか?

小塚:さらに高い水準を目指したいと考えています。ハードとソフトの大きな違いをわかりやすくお伝えすると、ハードはコピー&ペーストができません。たとえ設計図があったとしても、ボルトやナットの1つ1つを、最終的には人が組み立てて製造しなければなりません。

荒井沙織氏(以下、荒井):技術力が求められるということですね。

小塚:おっしゃるとおりです。しかし、ソフトウェアの世界では、同じ機能を持つものであれば、ほぼ同様のかたちで展開することが可能です。

Ken:SaaSではないということでしょうか?

小塚:SaaSではありません。ただし、現在ASTOMでは横展開を意識しながら、私も含めて取り組んでいますので、今期中には間違いなく成果として現れるのではないかと思っています。

試験機 × CAE解析 × データ活用で高付加価値化

小塚:試験機とCAE解析、データ活用による高付加価値化についてです。これは、非常に理想的な流れだと思います。試験機では実測データが得られますので、どのようなデータを取ったかが正確に把握できます。

データをきちんとマネジメントした上で、CAE解析、つまりシミュレーション技術を活用します。例えば、特定の環境下でどのような結果が生じるのか、この材料がどのように変化するのかといったことをデジタル上で検証していきます。

デジタル上で検証した内容をフィードバックしてデータを活用し、今度はハードウェアにフィードバックすることで、何度も試験を繰り返さなくても、CAE解析を通じて実試験の精度を向上させたり、試験回数を減らしたりすることが可能になります。

これにより、ものづくりのリードタイムを短縮することが、私たちの狙いです。

我々が掲げているのは、デジタルツインという考え方です。例えば、技術伝承は当社に限らず、どのメーカーでも非常に大きな課題となっています。特にものづくりの面では、30年、40年、あるいは50年前には非常に優秀なエンジニアが多く存在しました。

そのような方々が次々と姿を消す中、昔は良い製品でしたが、現在も使用したいにもかかわらず、それを製造できる人やメンテナンス可能な人がいないといった問題が生じています。

基本的には、設計図と物が存在しているため、我々はこれを一度デジタル上で再現しようという取り組みを進めています。

すでに取り組みを始めており、自社できちんと実績を積むことで、技術伝承の1つのかたちとしてデジタルツインを実現できれば、さらに広がりが生まれるのではないかと考えています。

Ken:直近のマーケットではフィジカルAI関連が注目されており、ロボットや工作機械メーカーの存在感が増しているように思います。日本がものづくりをさらに推進していく際に、御社になにかしらの恩恵があるのでしょうか?

小塚:フィジカルAIの定義は少し難しいところですが、当社は試験機のメーカーであるため、こうしたハード装置や試験機も含めて、一度デジタルツインのかたちでデジタル上に再現し、リスクを解析したり、ものづくりにおけるネックを洗い出したりすることが重要だと考えています。

その上で、ハードを作り込むプロセスが実現できればよいと思っています。

成長戦略17分野と当社グループの接点

小塚:成長戦略の17分野と当社グループの接点についてまとめました。

おおまかなイメージですが、現在お取引があるのはスライド表の濃い青い部分です。今後さまざまな産業に進出できる可能性については、表の薄い水色の部分に示しています。これらが、当社のターゲットになると考えています。

Ken:AIや半導体が非常に注目されていますが、デジタル事業とはどのように関わっているのでしょうか?

小塚:デジタル事業の中で、AIを活用したソリューションがあります。例えば、非常に高度なシミュレーションを行う際に、AIを活用することが挙げられます。それには、ハードウェアの能力も大きく関係します。

スーパーコンピューターを用いたシミュレーションは、まさにこの分野に近い例と言えるでしょう。

Ken:試験機でも活用できているということですか?

小塚:おっしゃるとおりです。

成長戦略17分野と当社グループの接点

小塚:試験機事業では、エネルギー分野での利用が多いです。エンジニアリング事業では、当社のナットが緩まない特性を活かし、高速道路の耐震補強に使用していただくなど、かなり多くの用途で採用されています。

防災に関連するかはわかりませんが、新国立競技場のような大規模施設でも、当社のゆるみ止めナットが活用されています。

Ken:先ほどお話しいただいた重工系が強いかと思うのですが、直近で引き合いが強いと感じる業種はありますか?

小塚:引き合いとしては、ハード関連の会社が多いです。輸送機器関連では、特にデジタル事業を中心に多くあります。

Ken:輸送機器とは、航空機などのことですか?

小塚:自動車です。試験機事業については、鉄道関係でコンスタントに需要があります。

エンジニアリング事業については、大型施設において、耐震性能などさまざまな課題に対して、緩まないという点が非常に評価されています。現時点では少しずつですが、鉄道関係にもご利用いただいています。

Ken:エンジニアリング事業も、まだまだ伸びしろがあるように感じます。

小塚:現在、4億円から5億円のステージにありますが、できるだけ早く2桁億円を達成したいと考えています。そのためには、広告宣伝や営業活動をさらに強化していく必要があります。エンジニアリング事業には、まだまだ成長の余地があると感じています。

3事業のシナジーにより更なる成長を狙う

小塚:シナジーによるさらなる成長を目指しています。スライドに記載のとおり、試験機事業が主要な事業ですが、この中でエンジニアリング事業は主にインフラ分野に注力しています。デジタル事業では、CAE解析にとどまらず、技術伝承にも活用する取り組みを進めています。

これらを見ると、日本の国力を支える一端を担っていると感じます。当社は小規模ながらも、日本を代表する企業が顧客であり、こうしたお客さまの技術革新や将来の事業に貢献したいと考えて活動しています。

広島中心に中国地域を積極的に営業展開

小塚:営業についてご説明します。我々は東京衡機という社名ですが、大阪以西、特に名古屋から西にかけての引き合いが非常に多くなっています。重工業や自動車メーカーをはじめとして、西日本の需要が多いため、大阪に人員を増やしました。

それでも少し足りないため、さらに広島にも拠点を新設し、自動車関連、産業機械、造船・重工関連産業の会社をカバーする方針です。まず、広島県と山口県を中心に活動を進めていきたいと考えています。

Ken:拠点を増やすことで、これまで取りこぼしてきた案件も取り込むことができるのでしょうか?

小塚:おっしゃるとおりです。地方都市では、拠点があるかないかで、お客さまに与える安心感が大きく異なると思います。我々の機械を納品することは、あくまで最初の取っ掛かりに過ぎません。

その後、不具合が発生したり、機械が動かなくなったりした時に、修理が可能かどうかは別としても、営業拠点のスタッフがすぐに出向ける体制を整えることが、お客さまの安心につながると考えています。

広島拠点もその一環で、将来的にはさらに西日本での拠点を増やしていきたいと考えています。

Ken:今期の売上は20パーセント増加する予想だと思いますが、キャパシティ的な問題はありますでしょうか?

小塚:キャパシティ的な問題はあります。当社では、特に試験機の製造について、相模原と豊橋の両方に工場がありますが、以前は別々の会社のように動いていました。しかし、特に昨年あたりから人手が不足しているため、そうも言っていられなくなりました。

納品時期がどんどん迫る中で、人員を移動させる対応を進めています。例えば、豊橋の技術者が相模原に行ったり、相模原で生産したものを豊橋で制作したりするなどの取り組みを行い、本当にフル稼働で対応しています。

荒井:連携がしっかり取れているのですね。

小塚:だいぶ連携が取れていると思います。現場責任者たちが、きちんと仕事をしてくれている成果だと思います。

Ken:設備的な問題があるのか、それともマンパワー的な問題があるのか、どちらが不足しているのでしょうか? 今後、増強していきたい部分はどちらですか?

小塚:やはり、マンパワーが不足しています。今期、試験機事業を中心に、2億円規模の設備投資計画を計上しています。主に、人員の稼働効率を向上させるためのものです。

当社の工場では、特に夏場になると相模原の工場では40度近い気温になることがあります。このような状況では、休憩を取らないと作業が危険なため、稼働が制限されてしまいます。

そこで現在、遮熱工事と空調設備の導入を進めており、少しでも涼しい環境で工場を稼働できるようにしようとしています。少しでも環境が改善されれば、工場の稼働効率が向上するのではないかと考え、設備投資に踏み切りました。

Ken:キャッシュフローが回るようになったことが大きいのでしょうか?

小塚:それが一番大きい要因です。キャッシュフローが回るようになると、特に金融機関や銀行の貸し出し姿勢が非常に良くなります。

少々特殊な話ですが、我々がトラックレコードのようなかたちで成果を証明することで、「これだけやっていただけるんだったら、もう少し出しましょうか」というご提案をいただけるようになります。現在のようにうまく回る状態が、ようやく構築できてきたと感じています。

ドローン性能計測を起点に、次世代空モビリティ領域へ

小塚:ドローンの性能計測についてです。現在、ASTOMが中心となって進めており、東京大学との共同研究も始まっています。1つの性能評価を行う機械である「FFT GYRO」は、相模原工場の一部でも稼働を開始しています。

こうした分野は、間違いなく今後需要が増えると考えられるため、我々も試験機やシミュレーションを中心に関与していきたいと考えています。

コア領域で培った対応力を、隣接領域へ展開

小塚:コア領域で培った対応力を隣接領域に展開するという方向性についてです。

コア領域には、高速道路、建設、電波塔など、さまざまな領域があります。これらは主にエンジニアリング領域ですが、今後さらに伸びしろがあると考えています。こうした隣接領域に踏み込むことで、さらなる成長が見込めると思います。

コア領域は非常に重要ですが、数の面では限界があるように感じます。例えば、戸建て住宅の分野では、ゆるみ止めナットが採用され始めています。その結果、1つの住宅が建つたびに、ナットが300個から500個ほど使用される状況です。

今後、より広範囲の住宅メーカーとの取引が進めば、さらに数を拡大できるのではないかと考えています。

航空宇宙分野の高効率化が、高温材料評価ニーズを拡大

小塚:スライドは、ジェットエンジンの図です。民間航空機のジェットエンジンでは、それぞれの部位において燃焼機構や出口があり、それらの温度がかなり異なることがあります。そのため、材料の選定や対応策が非常に重要となっています。

特に、CO2削減や燃費改善を目指す場合、温度が高いほど熱効率が向上するため、ジェットエンジンの高温化が進んでいます。しかし、その結果として金属の耐久性に限界が生じるという課題があります。

理論上、問題ないのかというレベルまで、試験が進められています。こうした課題は、今後日本だけでなく、世界全体の問題として取り組む必要があると思います。

Ken:最終的には、航空機やロケットなどにも関連していく可能性もありますよね。

小塚:おっしゃるとおりです。特に、スペースXが行っているように、一度宇宙へ出た後に地球へ帰還する場合、大気圏突入時には非常に高温になるはずです。それに耐え得る素材は何かについて、こうした高温試験を通じて研究を進めていくことになると思います。

継続的な情報発信により、投資家との接点を強化

小塚:情報発信としては決算短信など適時・定期開示を行っています。また、6月21日にZOZOマリンスタジアムで千葉ロッテマリーンズの協賛試合を行います。

Xのアカウントを開設しており、毎日更新しています。私のブログは、だいたい週に1回月曜日に更新しており、もうかれこれ5年ほど続けています。年に50本以上の記事を書いていると思います。

荒井:しっかり継続されていますね。

小塚:昨日、工場をご案内したお客さまの社長さんが、驚くほどブログを読んでいただいていて、少し照れました。

荒井:そのようなところからも、知っていただくきっかけになっていますね。

小塚:読んできていただいている方とは、だいたい仕事がうまくいきます。

荒井:やはり、人となりを知っているほうがよいのでしょうか?

小塚:当然そうだと思います。

荒井:投資家のみなさまともこのような場で知り合っていくということですね。

小塚:おっしゃるとおりです。

質疑応答:最も重要視しているKPIについて

荒井:「2027年2月期の中計達成

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