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梅乃宿酒造株式会社559A

東証スタンダード

食料品

企業情報

社名:梅乃宿酒造株式会社
設立:1950年5月
事業内容:日本酒および「梅乃宿の梅酒」や「あらごしシリーズ」等の果実をつけ込んだ日本酒リキュールを中心とした酒類の製造および国内外での販売

登壇者名

梅乃宿酒造株式会社 代表取締役社長 吉田佳代 氏
梅乃宿酒造株式会社 専務取締役 二宮充 氏

会社概要

吉田佳代氏(以下、吉田):梅乃宿酒造株式会社、代表取締役社長の吉田佳代です。よろしくお願いします。

当社は今年で創業134年になる酒蔵であり、私は5代目の蔵元となります。「歴史がありますね」と言っていただくこともありますが、200年や300年という歴史を持つ酒蔵が多いため、日本酒業界の中では非常に若いと言われるような酒蔵です。

そのため、常に新参者の気持ちで、新しいことにチャレンジすることをモットーに取り組んできました。また、梅乃宿という名前は、蔵の庭に樹齢300年を超える梅の古木があり、そこに毎年春になるとウグイスがやってくることに由来します。

所在地は奈良県です。ただし、みなさまがイメージされる奈良市からは車で1時間ほど南へ下った、中南和と呼ばれる地域に位置しています。この場所は山間の非常に風光明媚な土地で、そこに現在の新しい蔵があります。

一般的な日本酒業界のイメージとして、この50年ほどずっと市場がシュリンクしており、日本酒の消費量が減少しているといえます。しかし、そのような状況の中でも当社はこの数年、平均売上成長率が10パーセントを超える成長を続けています。

事業内容

事業内容についてご説明します。

先ほど酒蔵の話をしましたが、当社はもともと日本酒の酒蔵です。もちろん現在も日本酒を製造していますが、約30年前から日本酒をベースにした、日本酒仕込みの梅酒や桃、ゆず、みかんなどの果実酒の製造をしています。まるでフルーツをそのまま食べているような、リキュールというカテゴリーのお酒を得意としています。

取り扱い商品の中には「あらごしシリーズ」という商品があります。みなさまもどこかの居酒屋やお店でご覧になったことがあるかもしれません。実際に飲んでいただくと、フルーツそのものを食べているような味と食感がお楽しみいただけるお酒です。

また、創業当時から造り続けている日本酒もあります。昨年10月末にトランプ大統領が来日し、高市総理と対談された際に、日本酒として唯一提供されたのが、当社の「葛城 純米大吟醸」という商品でした。

最近ではお酒だけでなく、フルーツをふんだんに使ったノンアルコール商材や、フルーツの食感を感じられるようなドレッシングといった食品分野にも一部進出しています。

チャネル構成比は、国内BtoBが現在最も多い出荷先となっています。また、海外については現在30パーセント近くまで上昇しており、引き続き増加傾向にあります。BtoCは全体の13パーセントを占めています。

このように国内BtoB、海外、BtoCのバランスの良さが特徴といえますが、国内も依然として成長の余地があると考えています。また、それ以上に楽しみなのが海外市場です。

当社の商品はフルーツをふんだんに使用しており、どなたにも非常にわかりやすいおいしさのある商品です。そのため、海外の方々にも一口飲んでいただくだけで、おいしさが理解しやすい商品だといえます。海外市場については、倍どころか、5倍や10倍に成長する可能性が十分にあると確信しています。

また、国内BtoBにおいては、得意先が1,000社以上あることが当社の強みの1つです。これにより、特定の1社に依存せず、非常にバランスの取れた得意先構成、チャネル構成を有しています。

業績動向と今後の見通し

これまでの業績動向と今後の見通しについてご説明します。売上高は順調に伸びており、今期も増収を見込んでいます。

当期純利益については、前期がやや減少したように見えるかと思いますが、これは前々期にアメリカからの大口注文を受けた際、当時の社内体制の都合で、一度にまとめて出荷するかたちを取らざるを得なかったためです。その結果、一時的に商品が一括して流通したため、前期は売上と利益が若干減少することとなりました。

ただし、現在は社内体制を見直し、すでに解消済みであり、ご注文に対して先方の希望どおりの量を即座に製造・出荷できるようになっています。この結果、海外売上はすでに前期を上回る水準に達しています。

利益が前期に少し下がった理由として、当社では多くのPB商品を取り扱っており、その中に回転が良くない商品が多数存在していたという点もありました。そこで、このような商品の一斉見直しを実施しました。

回転が悪いPB商品については廃止し、その際、ラベルや資材関係の評価減をまとめて実施した結果、一時的に利益が減少してしまったように見えるかと思います。しかし、前期に膿の部分を一気に出し切れたため、今期以降は売上を上げた分は利益をしっかりと確保できる状況になると見込んでいます。

戦略的な海外展開

戦略的な海外展開についてです。当社は約30年前から輸出を開始し、現在ではすでに24の国または地域に出荷しています。アジア、北米、欧州、オセアニアなど、さまざまな地域に流通を広げています。

現在はアジアが大きな割合を占めており、北米やその他の地域も含めて展開しています。中国については、2年前までは非常に好調でしたが、ALPS処理水の問題や中国の景気低迷、さらには現在の日中関係などの影響により、この2年ほど出荷量が大幅に減少するという厳しい状況が続いています。

とはいえ、他のアジア圏や北米においては引き続き良好な状況が見られ、さらに最近ではインバウンドが増加していることから、空港の免税店などが非常に好調に推移し、海外市場全体としては順調に伸びています。

圧倒的な市場ポジション

当社は非常にユニークな市場ポジションにあります。一般的には地酒蔵として認識されており、地酒蔵ならではのクラフト感をしっかりと感じていただけることが、ブランド力や商品力につながっています。

同時に、大手酒類メーカーレベルの品質管理や納期遵守、安定供給を徹底することで、ビジネスパートナーとしての信頼も得ています。地酒蔵の良さと大手酒類メーカーの良さを兼ね備えた、非常にユニークな市場ポジションをとれています。

その結果、果実をふんだんに使用したリキュールは、リキュール市場においてシェア16.7パーセントを達成しています。かなり高いシェアを誇りますが、さらに拡大の余地があると考えています。

成長モデル「UMENOYADO LOOP」

当社の成長モデル「UMENOYADO LOOP」についてご説明します。当社はBtoBおよびBtoCの両方のビジネスモデルを展開していることが大きな強みです。

当社は商品開発に非常に注力しており、新商品が完成した際には、まずBtoC領域で商品を流通させ、直接つながっているお客さまからの声を収集します。味や価格、デザイン、コンセプトなどについてフィードバックを得て、お客さまに最適化した商品をカスタマイズします。

このようにして「売れる」と判断された商品を、次に大きな売上を狙えるBtoB市場に投入し、しっかりと販売を行うことで売上と利益を確保します。その利益を次の新商品の開発資金として回し、新たな商品を再びBtoC市場にテストマーケティングとして投入するというサイクルを構築しています。

この仕組みにより、当社では「売れる商品作り」と「売れる市場」を持ち、それらを活かすことで成長を実現しています。

現在はお客さまと一緒に商品作りを行う取り組みを進めています。当社のファンクラブにご参加いただいているお客さまには、実際に蔵にお越しいただき、味やコンセプトについて一緒に考えていただき、商品作りをしています。

中期経営計画サマリーと今後の重点施策

今後の中長期的な展望についてお話しします。現在の国内外の既存得意先をさらに深掘りし、売上をより伸ばしていくことはもちろん、まだ出荷していないお客さまへのアプローチも進めていきます。

国内での新規取引先の開拓に加え、海外では新しい国や新しい取引先の発掘にも取り組んでいます。また、現在インバウンド市場が非常に活況を呈していますので、この分野にもさらに注力していきます。

さらに、中長期的には新規領域への進出も検討しています。特に既存事業とシナジーのある食品領域に進出したいと強く考えています。

当社は全国に1,000社以上の得意先を持ち、それらへの流通網をすでに構築しています。また、海外にもすでに24ヶ国・地域にわたる流通網があります。それを活かして、当社の商品に合う食品、同じ客層の方々に合う食品を新規領域としてスタートしたいと考えています。

さらに、現在取り組んでいる新規ブランドとして、より付加価値のあるプレミアムラインの商品拡充を進めています。また、健康志向のお客さまに向けた新商品や、新たにジンやウォッカといった蒸留酒分野への進出にも取り組み、これから新しい酒文化をさらに広げていきたいと考えています。

質疑応答:海外代理店の選定基準について

質問者:海外展開に関して、価格競争の抑制の観点から1国1代理店という制度をとっているとのことですが、どのような基準で代理店を選んでいるのでしょうか?

吉田:当社では基本的に1国1代理店制度を採用しています。複数の代理店が関与すると、どうしても価格競争が生じてしまいます。結果として先方の得意先の利益が減少し、商品が売れてもうれしくない状況になってしまうため、安心して販売に取り組んでもらえるよう1国1代理店制度としています。

ただし、市場が大きい国においては、2つまたは3つの代理店を同時に活用することにより、異なる市場に異なる商品で進出する取り組みも進めています。この取り組みが成功すれば、他国への展開も検討できると考えています。

選定基準については、まずは進出を考えている国にどのような代理店があり、どのような市場を得意とするかを調査します。その上で、代理店の代表の方に直接お会いし、お話をうかがうことで、代理店の販売方針をしっかりと理解します。

「任せて売ってもらう」だけでなく、その中で当社と先方とでどのくらいのパートナーシップを結べるかを非常に重要視し、代理店を選考しています。

質疑応答:現地の食材を利用したお酒の製造について

質問者:海外産の材料も活用されているとのことですが、台湾の代理店

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