2026年3月期決算説明
ピーバンドットコム、26年3月期営業利益21.2%増 プリント基板ECで中堅・大手顧客を拡大、高付加価値化で粗利率改善
2026年3月期通期決算説明
矢野愛実氏(以下、矢野):本日のゲストをご紹介します。株式会社ピーバンドットコムの代表取締役社長の後藤康進さんと、取締役会長ファウンダーの田坂正樹さんです。
本日は、2026年3月期通期決算を中心に、収益構造の進化、海外展開、AIや次世代センサ領域での共創など、注目のトピックスについてうかがっていきたいと思います。
まずは、視聴者のみなさまのために、御社の事業内容について簡単にご紹介いただけますでしょうか?
後藤康進氏(以下、後藤):「ピーバンドットコム」という名前から、何かをインターネットで販売している企業だろうと想像されるかと思います。
緑色の板は「プリント基板」、略して「P板」と呼ばれるものです。ECではモール展開のようなかたちで、多様な商材を1つのプラットフォームで販売する戦略が多いのですが、当社はこの1つの製品に特化した企業です。
矢野:プリント基板に特化しているのですね。
後藤:日常ではあまり触れる機会も少ないため、聞き馴染みがない方が多いかもしれません。実はみなさまがお使いのスマホやテレビ、さらにスライドの絵にあるようなロケットにもプリント基板が使われており、身の回りのさまざまな製品に欠かせない存在です。
機能としては、電気を通してさまざまな部品を動かし、電子機器の機能を制御するという、非常に重要な役割を果たす商材を当社が取り扱っています。
矢野:「国内シェアNo.1」と記載がありますね。
後藤:おっしゃるとおりです。これは国内で初めてのサービスであり、我々が市場を開拓しました。
矢野:先駆者だと思いますが、このような背景があるのでしょうか?
後藤:これは、我々が提供しているイノベーションです。いわゆるプリント基板は一品一様で、すべてオーダーメイドになります。当然ながら、この機器とあの機器では仕様が異なるためです。
矢野:パソコン用とスマホ用で違うのですね。
後藤:おっしゃるとおりです。基本的にオーダーメイドであるため、1点1点のプリント基板を作る際には、さまざまなプロセスが必要です。例えば、複数の外注先との見積もりのやり取りや仕様の打ち合わせを行い、電話やメール、あるいは対面で進めていく中で完成に至ります。
従来の課題としては、時間や工数のロスが挙げられました。これに対し、我々はDX化に取り組み、ネット上で見積もりから注文、試作から量産まで、さまざまなサービスを提供する仕組みを構築しました。この点が、我々のイノベーションとなっています。
矢野:こちらの競争優位性についてうかがいます。ユーザー基盤やネットワークが相当強いのではないでしょうか?
後藤:当社は、いわゆるファブレスという形態をとっています。そのため、製造設備を保有せず、国内外の約30社の提携工場と協力しています。それぞれの工場が得意とする分野をネット上でお客さまに公開し、お客さまがそれを選んでご利用いただけるようにしています。
この仕組みは、単なるマッチングではなく、当社独自のプラットフォームとしてお客さまと各工場をつなぐものとなっています。
総括:「収益構造の進化を確認した一年」高付加価値化により増収増益を達成

矢野:事業概要をご説明いただきましたので、次に2026年3月期通期決算についてうかがいたいと思います。
売上高は23億1,100万円で前期比プラス6パーセント、営業利益は1億9,000万円で前期比プラス21.2パーセントの大幅増益、経常利益は1億8,700万円で前期比プラス17.4パーセント、最終利益は1億600万円で前期比マイナス5.8パーセントという結果でした。
ぜひ総括や所感をお聞かせください。
後藤:総括としては、「収益構造の進化」という表現を用いていますが、要するに稼ぐ力がさらに増強されており、どんどん成果を上げています。
矢野:実績にも反映されていますよね。
後藤:ただ、当期純利益がマイナスとなっている点については、やはり気になるところです。これは、一時的な会計要因による押し下げが主な要因です。
【補足】当期純利益に影響した一時的な会計要因

後藤:投資している企業の事業進捗を踏まえ、投資有価証券の評価損を計上したことに加え、税効果会計の影響として900万円が加わり、結果として前期比でマイナスとなりました。
矢野:一時的な会計要因ということですね?
後藤:おっしゃるとおりです。そのため、これがない場合を想定すると、前期比で約28パーセントの増益水準となります。
矢野:稼ぐ力は着実に向上しているのですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
顧客層の質の変化と高付加価値化が粗利率改善を牽引

後藤:スライドをご覧いただくと、売上高以上に売上総利益が伸び、売上総利益以上に経常利益や営業利益がさらに伸びていることがわかります。
矢野:利益率向上のポイントとしては、中堅・大手顧客比率や周辺サービスが挙げられると思います。それぞれについて詳しく教えてください。
後藤:顧客層は、質的に変化しています。当社がサービスを始めた当初は、小規模の顧客に支えられていましたが、上場による社会的な信頼性の向上などの背景から、顧客の比率が中堅・大手規模に変化してきました。
これにより、市場のポテンシャルの高い購買力のある顧客が増えてきた点が大きいです。
矢野:やはり、中堅・大手のほうが需要が大きいのでしょうか?
後藤:おっしゃるとおりです。周辺サービスについて、我々の商材であるプリント基板の上に部品を載せる工程を「実装」と呼んでいます。
実装の際に、部品を一緒に我々のサイトで購入いただいたり、プリント基板を作るために必要な設計図を作成したりする必要があります。設計図の作成を「設計サービス」として、CADを用いて提供しています。
こうしたプリント基板の周辺サービスの利用が拡大しており、特に中堅・大手のお客さまにおいては、プリント基板の調達を我々に一任していただくような受注が増えています。
矢野:御社にお任せすれば、プリント基板だけでなく部品調達や実装も可能というサービスですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
矢野:売上総利益率も36.2パーセントから37.8パーセントとプラス1.6ポイントとなり、1円の売上増加が以前よりも大きな利益につながるような構造が、本当に実績に表れるようになったということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
当期の重点施策総括

矢野:2026年3月期の通期決算について見てきましたが、今期の重点施策についてもうかがいたいと思います。大きく3つの柱があるとのことですが、それぞれについて詳しく教えてください。
後藤:1つ目は、先ほどお伝えした収益力の強化です。周辺サービスをいかに利用していただくかを促進するため、AIを活用した設計支援機能の提供や、Web上のサービスのUIの継続的な改善を重点としています。
納期についても、お客さまからの開発案件の引き合いが多いため、納期短縮や「デリバリーゼロコース」、すなわち出荷したその日にバイク便で届けるサービスを実施しています。
矢野:0日配送ということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。少しわかりづらいかもしれませんが、出荷の日数が0という意味です。
矢野:2つ目は将来への布石、グローバルおよび次世代領域への展開についてですが、いかがでしょうか?
後藤:現在は、プリント基板の調達サービスを通じた価値提供を行っていますが、このビジネスモデルが世界でも再現可能かどうかに挑戦しています。基板の調達以外の領域についても、具体的な説明は後ほどしますが、その裾野を広げていくための将来の布石を置いています。
矢野:ぜひ、後ほど詳しくおうかがいしたいと思います。そして、3つ目が資本市場との対話とのことですが、こちらはいかがでしょうか?
後藤:スライドに記載されているような環境に即した経営方針や、IRを通じて企業価値を向上させていくためのさまざまな活動を行っているという3本柱です。
矢野:イベントに参加されるなどですね。前回、「基板回収リサイクルサポート」についてお話しいただきましたが、本当に環境に配慮されていますね。
後藤:プリント基板は産業廃棄物になってしまいますので、我々は販売だけでなく、回収にも責任を持って取り組んでいます。
回収した物には、レアメタルやリサイクル可能な金属が含まれており、そのリサイクル作業を障がい者の就業支援施設に依頼しています。このように、社会貢献の側面を併せ持つリサイクルを同時に実施する取り組みを行っています。
矢野:需要に応えるだけでなく、環境や社会貢献にも寄与されているということですね。
海外事業展開:「基板+実装」モデルによるタイ市場開拓

矢野:重点施策について、詳しくうかがいたいと思います。海外展開に関して、タイ拠点の開設が注目されていますが、タイ市場の成長性について教えていただけますか?
後藤:タイの業界団体の発表によると、市場規模は今後拡大していく見込みとされています。タイは車とエアコンの産業が強いため、これらの分野におけるプリント基板の需要も自然と拡大すると予想されています。
矢野:確かに暑いですものね。
後藤:エアコンが壊れると大変ですからね。
矢野:そのようなニーズもありますね。スライドに「事業モデルの進化:サービス範囲を拡大」と記載がありますが、これは電子部品の実装サービスの開始についてですか?
後藤:創業当初はプリント基板ECを国内発のサービスとして開始しましたが、現在は基板設計から部品調達、部品実装までをワンストップで展開するサービスを展開しています。
矢野:日本のモデルをタイにも適用していくということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。まさに日本で培ったサービスのノウハウを、そのままどれだけ再現性があるのか、といったかたちで展開しています。タイ以外にも、東南アジアなどへの展開を目指したいと考えています。
矢野:今後は、ASEAN地域への展開を進めるということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
他社との共創:評価用モジュール「gene」事例

矢野:続いてのトピックは、TOPPANホールディングス社との共創についてです。御社のセンサの実験や検証に必要な実機とシステムを丸ごと提供するサービスである「gene(ジーン)」が活用されているとのことです。
「gene」を通じて、TOPPANホールディングス社とどのような共創が行われているのか、具体的に教えてください。
後藤:「gene」という評価モジュールキットを用いて、TOPPANホールディングス社が現在進めている次世代センサの評価が行われています。
センサをはじめとする半導体デバイスは、製品として市場に出るまでにさまざまな評価や検証を繰り返す必要があり、開発を進めるエンジニアにとって非常に負担のかかる作業です。そのため、開発に欠かせない評価モジュールに特化したサービスの存在は非常に有効です。
これを個別の企業のニーズに応じてカスタマイズし、評価支援を行うことが「gene」の特徴です。
矢野:その会社に合わせて評価モジュールを提供してくれるということですね。試行錯誤を重ねて商品化するプロセスのところですよね。
後藤:おっしゃるとおりです。
矢野:TOPPANホールディングス社と御社の動画が『IRTV』に公開されていて、センサの実演が確認できます。興味のある方は、ぜひ概要欄のURLからご覧ください。
後藤:その動画は、1万回ほど再生されているそうです。
田坂正樹氏(以下、田坂):注目されていますよね。
矢野:やはり関心が高いのだと思います。センサ自体では動作しないため、周囲の環境やマシンが必要になりますよね。
後藤:おっしゃるとおりです。センサの周囲環境がなければ評価も実施できず、製品として使用される際も同様の環境が求められます。そのため、これらをイチから構築することはエンジニアにとって非常に負担が大きいです。
矢野:そのような部分で伴走し、試作にとどまらず、量産化や事業化に向けて支援できる点が強みですね。では、「gene」は今後、どのような分野や企業に普及していく可能性が考えられるのでしょうか?
後藤:新しいセンサや半導体デバイスが用いられる、宇宙、防衛、医療、次世代モビリティといった今後成長が期待される産業領域への展開を視野に入れています。
矢野:半導体はAIの普及もあり、今や需要が逼迫している分野だと思います。そのような需要に対応できるということでしょうか?
後藤:おっしゃるとおりです。
矢野:ここまでトピックスについてうかがいましたが、視聴者のみなさまからもコメントをいただいていますので、いくつかピックアップします。
「TOPPANホールディングス社さんとのコラボ動画を見ました」というコメントが寄せられています。後藤さんがセンサを装着して圧力を加えている様子がありましたが、あれはどのような感触なのでしょうか?
後藤:柔らかい感触です。ドキッとするような柔らかさですね。
矢野:やはり、柔らかいと感知しやすいのでしょうか?
後藤:おっしゃるとおりです。ウェアラブルデバイスとして体に装着しても、あまり違和感を覚えないように非常に配慮がなされていると感じました。今後、どのような分野や製品に利用されていくのかが非常に楽しみなセンサです。
売上成長を継続しつつ、 戦略的再投資を織り込んだ計画

矢野:2027年3月期の業績予想についておうかがいします。
売上高は24億1,000万円で前期比プラス4.3パーセント、営業利益は1億9,100万円で前期比プラス0.4パーセント、経常利益は1億8,700万円で前期比プラス0.1パーセント、最終利益は1億2,800万円で前期比プラス20.9パーセントを見込まれています。
営業利益はほぼ横ばいの計画と見られますが、その理由について教えていただけますでしょうか?
実質的な「稼ぐ力」は約1億円向上。未来の成長へ全額再投資へ

後藤:先ほどご説明した「稼ぐ力」がどこかに行ってしまったように見えるかもしれませんが、実は逆です。これまで堅実に鍛え上げてきた稼ぐ力が、さらに増強される見込みです。
その増強分を未来へのさらなる成長に向けた戦略や計画に積極的に再投資していこうというのが、今回の計画に示された数字になります。
矢野:稼ぐ力が1億円向上し、その全額が未来への成長投資に再投資されるとのことですが、具体的にはどのような投資を計画されていますか?
戦略的再投資:3つの重点領域

後藤:大きく3つの重点領域があります。1つ目は、システム基盤の全面刷新です。「P板.com(ピーバンドットコム)」という、当社が20年間にわたり培ってきたサービスがありますが、そのサービスシステムをゼロベースで再構築します。
ここには、約20年分のデータや実績が蓄積されています。いわゆる、レガシーと呼ばれるものです。
矢野:実績やデータですよね。
後藤:ここを抜本的に刷新し、将来にわたって問題のないシステムを構築することが、まず1つ目に取り組む内容です。
2つ目は、人材投資・体制強化です。ゼロベースで再構築するシステム基盤をしっかりと高付加価値なものにするため、それを担う人材の採用を積極的に進めていきたいと考えています。
矢野:3つ目は、プロダクト・機能強化ですね。
後藤:「P板.com」をはじめとして、先ほど触れたさまざまな将来のチャレンジをしっかりとサービス化していくことが、3つ目の施策となります。
矢野:現在チャレンジしている分野を収益化していく取り組みですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
なぜ今、システム基盤の「全面刷新」なのか

矢野:20年分のシステムを全面刷新するというのは、かなり大きな意思決定ではないかと思いますが、なぜこのタイミングで全面刷新を行うのでしょうか?
後藤:次の10年を見据えた際に、基盤となる「P板.com」というサービスを軸に据えるべきだと考えました。そのため、この機会に全面刷新を決断し、次のチャレンジにつなげたいと思っています。
矢野:拡張性の限界や、現在のAIおよびサイバー攻撃などによるセキュリティリスクなど、さまざまな課題を踏まえた上での全面刷新ということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
矢野:UI/UXについて、管理画面や顧客が利用する画面も刷新していくのですね。
後藤:お客さま側のUI/UXが最も重要です。我々の中には、サービス開始当初のまま残っている画面もあるため、それらを最新のデザインに変更し、使いやすいものにしていきます。
矢野:20年前の画面を時代に合わせて更新するわけですね。
後藤:ここは、早急に進めたいと思います。
戦略的再投資の全体像:基盤・人材・プロダクトの一体強化

矢野:人材投資・体制強化についてです。以前、少数精鋭という方針についておうかがいしましたが、今回の人材投資・体制強化にはどのような意図や狙いがあるのでしょうか?
後藤:基本的に、少数精鋭という方針は変わりません。そのため、プロダクト・機能強化においては、必要最低限かつスピーディに対応できる人員の採用・投資を行うという基本方針は変わりません。
最新のAIを活用した開発支援や、新たに事業の軸としていきたいと考えている「GUGEN Hub」の開発において、新たな価値を提供できるエンジニアが必要です。このため、主にシステムエンジニアの採用を進めていきます。
矢野:そのようなシステム刷新や、今後の成長戦略に必要な人材を必要な分だけ体制強化していくということですね。プロダクト・機能強化についてもおうかがいできますか?
後藤:AIを使った顧客向けの開発支援ツールがいろいろあるのですが、評価支援サービス「gene」も新たに正式な事業として展開していきたいと考えています。現在はR&Dとして、どのような事業可能性があるのかを発掘している段階です。
矢野:研究開発ですね。
後藤:おっしゃるとおりです。現在、かなり多くの大手企業とさまざまなコラボレーションを進めており、それをしっかりとした事業としてまとめ上げていくための人材が必要です。「GUGEN Hub」の機能強化に必要な人員です。
矢野:このような成長投資を組み合わせて、収益力の向上と成長の加速を図るということですね。
計画 堅実な売上高成長と利益の推移

矢野:株主還元についておうかがいします。「堅実な売上高成長と利益の推移」については、配当の源泉となる部分かと思いますが、CAGRとしても右肩上がりということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。スライドをご覧のとおり、稼ぐ力が強くなっています。それを原資として、しっかりと還元していく考えです。
還元策 株主価値向上に向けた実行策と還元方針

矢野:配当方針についてはいかがでしょうか?
後藤:2026年3月期の配当は1株当たり10円、2027年3月期も1株当たり10円と設定しています。
矢野:配当性向30パーセント以上の継続が目標ということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。将来の成長への投資をしつつ、株主還元とのバランスをしっかりと取りたいという経営方針です。
矢野:配当を着実に維持しながら、成長投資も確実に行っていくということですね。
変革 ピーバンドットコムの「第二の創業」

矢野:「GUGEN Hub」について詳しくお聞きしたいと思います。「ピーバンドットコムの『第二の創業』」とありますが、あらためて「GUGEN Hub」とはどのようなものなのでしょうか?
後藤:プリント基板の製造プラットフォームについては、単に基板を提供するだけでなく、我々自身が電子機器の製造開発のプラットフォームの役割を果たしていきたいと考えています。
変革 50年に一度の歴史的潮流が巨大な市場機会を創出

矢野:その背景として、日本の現状はどのような状況なのでしょうか?
後藤:外部環境が我々にとって非常に追い風となっています。国内でのイノベーター創出に関しては、内閣府などがR&Dに関する投資を非常に加速させているという点があります。
世界規模でも同様ですが、トランプ政権下での関税の影響もあり、国内で開発やものづくりを進める動きが強まっています。それに伴い、日本でも同じような状況が進行しています。
最終的には、さまざまな開発で得たノウハウを共有し、共創によって新たな事業やイノベーションを創出していかなければならないという良い潮流がきていると思います。
矢野:さまざまな企業や事業者と協力しながら、新しい価値を生み出していくということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
矢野:そのような背景があり、試作ニーズが急増しているのですね。
変革 解決策:設計・部品・製造を統合する「電子製造OS」

矢野:解決策として「GUGEN Hub」が出てきますね。
後藤:冒頭にもお伝えしましたが、開発エンジニアはプリント基板の調達以外にもさまざまな業務を行っています。
特に電子部品の調達が最も工数がかかる部分であり、在庫を確保しなければならないことや、特定の部品メーカーが安価であれば試作コストを抑えるためにそちらを選ぶといった判断が必要です。そのため、調達コストの低減は非常に難しい課題となっています。
それらをすべて「GUGEN Hub」でワンストップで実行できることが、当社の目指すところです。
矢野:電子部品の調達もでき、設計も簡単にできるということですね。
後藤:おっしゃるとおりです。
変革 自己成長するプラットフォーム(フライホイール効果)

後藤:当社はものづくりの支援を行っていますが、その際に設計データや注文データなどの顧客情報がデータとして蓄積されていきます。
そのデータがAIにより最適化されることで、ユーザー体験の向上が図られ、さらに多くのユーザーが増えていくという良いサイクルを生み出すことを目指しています。
矢野:データが増えることで、それだけAIがさまざまなパターンに対応し、的確な回答を出してくれるようになりますよね。
後藤:おっしゃるとおりです。また、このようなものづくりのデータはGAFAも保有していないという点が特徴です。
矢野:ものづくりの現場にしか存在しない知識がありますよね。そのような現場の知識が強みの1つになってくるのでしょうか?
後藤:おっしゃるとおりです。
変革 なぜ、我々だけがこの「OS」になれるのか

矢野:「なぜ、我々だけがこの『OS』になれるのか」について、それぞれの強みを教えてください。
後藤:このようなものづくりのプラットフォームは、当業界では「ドリームオブドリーム」つまり「あったらいいよね」「実現不可能なんじゃないか」と言われることがよくあります。
では、なぜ当社がこれを実現できるのかというと、プリント基板において、当社はすでに実現可能であるということがその根拠となります。
電子部品やその他のものづくりにおいて、例えば電子機器の製造では、筐体やハーネスといった部品のサプライヤーをつなぐことで、プリント基板と同じような調達ネットワークを構築できる点が1つ目の理由です。
また、プリント基板の「P板.com」において、すでに取引実績が3万社を超え、ユーザー数も7万人を超えるまで増加しており、コミュニティが形成されていることが2つ目の理由です。
矢野:7万人の開発者がいるのですね。
後藤:幅広い業界にわたる7万人のユーザーです。
矢野:地方や都市も含めて、さまざまな場所にユーザーがいらっしゃり、それをネットでつなげているのですね。
後藤:おっしゃるとおりです。このようなコミュニティを作る際、ユーザーを集めることがまず大変ですが、当社ではすでにユーザーが集まった状態にあります。
スライドに「膨大な取引数」と記載したとおり、20年間にわたり培ったプリント基板、特に試作開発におけるデータがすでに蓄積されています。このように、電子機器自体のものづくりプラットフォームを作りやすいことが、当社の競争優位性になっています。
質疑応答:約1億円の利益向上の見通しと投資判断について
矢野:「営業利益
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