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ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社366A

東証グロース

サービス業

2026年3月期 決算ハイライト

千葉健人氏:執行役員CFOの千葉です。ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社の2026年3月期通期決算説明を開始します。

まず、2026年3月期の決算ハイライトについてご説明します。売上高は147億7,800万円、営業利益は11億8,600万円、親会社に帰属する当期純利益は8億2,200万円、EBITDAは15億4,000万円となりました。これにより、9期連続の増収増益および8期連続の過去最高益を達成しています。

背景として、「Growbase」の契約企業グループ数が前期比30グループ増加し、262グループに拡大しました。また、ネットワーク健康診断サービスの利用者数は39万8,000人となり、前期比で約1万人増加しています。これら主要事業における顧客基盤の着実な拡大が、事業成長の主な要因となっています。

さらに「Growbase」の価格改定やプラットフォーム化への投資、人材採用をはじめ、2件のM&Aを実行するなど、成長投資も着実に進めました。

足元の事業成長を確実に実行しつつ、将来投資も確実に取り組むことで、実りある1年となりました。

2026年3月期 決算サマリ

P/Lサマリーです。2025年3月期との比較で、売上高は7億2,000万円増加し、147億7,800万円となりました。売上総利益は3億200万円増加し、31億900万円となっています。

技術投資・人材投資・M&Aの実行により販管費を2億2,500万円拡大しながらも、営業利益は前期比7,700万円増の11億8,600万円、親会社に帰属する当期純利益は4,500万円増の8億2,200万円となりました。

2026年3月期には、6月に株式上場を果たしました。そこで得た資金を活用し、M&AやAI投資、人材投資などを通して成長戦略を加速させています。

未譲受の案件も含め、M&Aに関わる一過性費用を控除した調整後営業利益および親会社に帰属する当期純利益では、それぞれ2桁成長を達成しました。また、期初予想の営業利益12億3,900万円および親会社に帰属する当期純利益8億5,500万円を達成しています。

営業利益の増減要因

営業利益の増減要因です。まず、事業成長により約1億7,000万円の利益増加がありました。これは、健康管理クラウド事業や健診ソリューション事業の両方の成長に加え、株式会社あしたのチームの寄与も含まれています。

次に、AIやDXによるコスト削減効果が寄与しています。その上で、M&A関連費用、人材への投資、のれん償却といった成長投資を実施しました。

結果として、会計ベースでは11億8,600万円、M&Aのデューデリジェンス(DD)コストを勘案した実態ベースでは12億4,000万円となっています。

主要2事業のセグメント別の財務実績

セグメント別の実績です。健康管理クラウド事業は、売上高と売上総利益の両面で前期比20パーセント以上の高成長を達成しました。健診ソリューション事業では、AI/DX投資の奏功により、営業利益ベースで前期比約30パーセントの成長を遂げました。

健康管理クラウド事業は売上の伸長を、健診ソリューション事業は利益の成長を実現しています。

【健康管理クラウド事業】財務KGIの推移

健康管理クラウド事業の財務KGIです。売上高は約12億円から約15億円に拡大し、営業利益も年間平均成長率(CAGR)14パーセントの安定成長を実現しています。

先行投資を継続しながらも、着実な利益成長を維持できている点が特徴です。

【健康管理クラウド事業】事業KPIの推移

健康管理クラウド事業の事業KPIです。契約企業グループ数は前期比で30グループ増加し、CAGRは14パーセントで拡大しています。

また、ARRもCAGR約10パーセント成長し、チャーンレート(解約率)は0.2パーセントと極めて低水準を達成しています。このように、ストック型ビジネスとしての安定性と成長性を両立しています。

【健診ソリューション事業】財務KGIの推移

健診ソリューション事業の財務KGIです。ポイントは、売上が安定成長しているだけでなく、それ以上に営業利益が伸長している点です。

これは顧客数の増加に加え、当社の強みであるデータ処理などを中心としたAI/DX投資による生産性向上が大きく寄与しているためです。

【健診ソリューション事業】事業KPIの推移

健診ソリューション事業の事業KPIです。契約企業グループ数は前期比で10グループ増加し、サービス利用者数は前期比約1万人増加の39万8,000人となりました。

顧客拡大と利用者増加が増収増益の基盤となっています。

株主還元

株主還元についてです。当社は、EPS(1株あたり当期純利益)の成長を果たしつつ、株主還元を実施するという「成長と還元の両立」を基本方針としています。

1株あたり配当金は、2026年3月期が34.4円、2027年3月期が40円を計画しています。EPSは、2022年3月期からのCAGR18パーセント以上を計画しています。

今後もEPSの成長と配当の安定的な拡大により、企業価値の向上と株式価値の最大化を図っていきます。

2026年3月期 振り返り

松田泰秀氏:代表取締役社長の松田です。ここからは2027年3月期の事業計画についてご説明します。まず、あらためて前期を振り返り、当社の現在地について概要をお話しします。

前期の当社は、不透明な経済環境下においても着実に成長することができた1年だったと評価しています。その背景には安定した顧客基盤、ストック型の収益モデル、高いサービス継続率があります。

顧客基盤については、中小企業向けの「Growbaseネクスト」や事業譲受した「SUZAKU」などが含まれ、契約企業数は約5,000社となり、ID数は250万IDに到達しました。

顧客単価に関しては、「Growbase」の既存顧客のNRR(ストック型売上高継続率)が107パーセント成長となり、チャーンレートは引き続き極めて低い0.2パーセントを維持しています。この高いサービス継続率を基盤に、今期より価格改定を進めることで、さらなる顧客単価の拡大準備が整いました。

オペレーションでは、AIの活用やデジタル化推進への投資が奏功し、競合他社や一般的な情報通信業と比較しても高い水準にあります。特に、従業員1人あたり営業利益が大きく拡大し、基礎収益力が向上しています。

この「稼ぐ力」がついたことで投資の源泉を生み出し、人材投資を含む既存事業への投資や、M&Aなどの非連続成長投資を着実に実行しました。

また、株主のみなさまへの還元策として増配および累進配当を導入し、質の面でも着実な成長を遂げた1年であったと振り返っています。

新たな中長期成長戦略をスタート

そうした現在地を踏まえ、新たな中長期目標を設定し、今期の計画を策定しています。株式上場から約1年間の振り返りや、周辺領域で活発化している業界他社のコーポレートアクションなどを含む事業環境、対面市場の変化予測などについて経営陣で再討議を行いました。

そして「『データ×AI』戦略を加速」という基本方針の下で、今期の計画策定を進めています。

2027年3月期 計画

今期の定量計画です。売上高は前期比約18パーセント増の175億円、売上総利益は前期比約54パーセント増の48億円、営業利益は前期比約35パーセント増の16億円、親会社に帰属する当期純利益は前期比40パーセント増の11億5,000万円を目標としています。

トップラインの成長だけでなく、売上高、売上総利益率、営業利益率のさらなる改善を進め、利益創出力の向上にも取り組む計画です。また、EBITDAは当社史上初めて20億円を超える21億円を計画しています。

当社が注力する「対面市場における6つのテーマ・領域」

当社を取り巻く市場環境についてご説明します。今回の計画策定にあたり、労働人口減少に直面する企業経営の課題について、将来の予測も含めて解像度をより高めました。そして事業開発やマーケティングを強化するための6つのテーマ・領域を設定しました。

1点目は、人材の流動化です。終身雇用のもと長く1つの組織で働き続けることを前提として組み立てられてきた従業員健康管理のあり方が、今後は変化していくと考えられます。こちらを踏まえ、「Growbase」のデータ構造を見直していきます。

2点目は、女性の活躍や高齢労働者の増加が進む中で、従来型の産業保健の体制や枠組みでは対応が難しくなってきており、これを補完する役割が求められていると考えています。

3点目は、多くの組織で管理職や特定職種に業務が集中し、管理職の高ストレス者の増加やパフォーマンスの低下が課題となっている状況への支援を行います。

4点目は、がん、婦人科、メンタルヘルス対策など、健康課題の多様化についてです。これは、データをお預かりする中で顕在化している課題であり、データを活用して対策をサポートできると考えています。

5点目、6点目については、まさに日本社会や経済が抱える課題でもあります。中小企業や地方におけるリソース不足がその一例であり、デジタルの活用やシェアリングエコノミー型の機能提供を通じて解決策を提案していきたいと考えています。

中長期戦略(中長期的に目指す姿)

以上のような市場分析に基づき、今後数年をかけて事業のあり方を見直していきます。これまでの健診ソリューション事業と健康管理クラウド事業という2つのセグメントで構成されていた事業構造を、あらゆるウェルビーイング・データを集積し、AIで最適化するプラットフォームへ移行させます。

そのプラットフォーム上で、健診にとどまらない、「企業と人を元気にするソリューション」を展開する事業へと変革していきます。

対象市場についても、大企業のみならず中小企業まで裾野を広げ、組織で働く社員や役員、家族に加え、退職者などにも接点を広げることで、「ウェルビーイング・データ×AIプラットフォーム」という事業構造によって成長戦略を推進することを計画の基盤としています。

主な取組み①-1. Growbaseのプラットフォーム化推進

今期計画の達成に向けて注力する、主な取り組みについてご説明します。まず、「Growbase」のプラットフォーム化に関する取り組みです。当社は機微な個人情報を経年で管理し、豊富な標準機能によって大企業にもほぼカスタマイズなしで導入できる業務システムとしてのポジショニングを確立してきました。

今後はあらゆる従業員ウェルビーイング・データを収集し、疾病や離職の予測、組織改善提案などへデータの利活用を行います。さらには意思決定を支援するプラットフォームへの進化を目指すフェーズへ移行していきます。

当社が提供する複数のシステムを「Growbase」へ集約し、計250万人分のあらゆるウェルビーイング・データから最適なソリューションをつなぐため、ソリューション拡充への投資を加速します。

主な取組み①-2. Growbaseのプラットフォーム化推進

今期より、健診ソリューション事業のお客さまに対して、「Growbase」の一部機能を無償提供することを決定しました。「Growbase」で健診結果データを納品することで「Growbase」を利用する接点を作り、いくつかの機能をご利用いただくことで将来的な収益機会の創出を図ります。

当社のお客さまの中には、一部の事業拠点で医療機関との直接契約や他社サービスを採用されているケースも存在します。これらの健診対象者にも「Growbase」上での健診結果データ取り込みを可能にすることで、データの集約・一元管理を実現し、お客さまにとっての「Growbase」活用機会を提供していきます。

主な取組み② 市場別ニーズに合わせたアプローチで、ターゲット市場拡大

営業戦略については、これまでご説明してきた方針を着実に推進していきます。まだホワイトスペースの大きい大企業市場では、ターゲットとする市場範囲を広げ、ダイレクト方式およびパートナーアライアンスに引き続き注力していきます。

また、株主であるSOMPOグループとの連携に加え、新たにグループ化したあしたのチーム社が持つ地方銀行や社労士事務所などの営業チャネル、さらには同社の業務代行(BPO)リソースを活用し、中小企業市場の開拓に取り組んでいます。

ストレスチェックの義務化など、中小企業市場においても健康管理の重要性や必要性が増している状況に対応し、新たなソリューション開発も進めています。

主な取組み③-1. GrowbaseのACV拡大(価格改定の取組み)

「Growbase」の価格改定に関する取り組みの進捗についてご報告します。4月以降に契約更新を迎えたお客さまも含め、約70パーセントのお客さまと価格改定について合意しました。契約更新の際に新価格が適用されるため、今後1年をかけて、残るすべてのお客さまに対し、引き続き丁寧に改定協議を進めていきます。

また、今期リリース予定の新プランに関しては、開発中の機能やモックアップを活用した案内を開始しています。

主な取組み③-2. GrowbaseのACV拡大およびソリューションの拡充

今回の新プランは、「Growbase」を従業員健康管理システムからウェルビーイング経営支援のプラットフォームへと進化させることを目的に開発を進めています。

まず、当社の契約窓口である企業人事のみなさま方における、ストレスチェック実施の業務工数やシステム利用費、外注コストの軽減を初期的な提供価値として、営業活動を開始しています。

背景には、お客さまへのヒアリング結果を踏まえた機能開発要望があります。そこに、昨年12月に事業譲受した「SUZAKU」が持つエンゲージメント阻害要因の分析や、可視化が難しい従業員個人の性格を把握するサーベイの要素などを追加します。

これにより、さらに深い組織課題の分析や退職・休職の予測、ラインマネジメントやセルフマネジメント支援ソリューションへの連携などを実現できるプラットフォームへと育てていく方針です。

主な取組み③-3. 中堅・中小企業向けソリューションメニューの拡充

あしたのチーム社と連携し、中堅・中小企業市場向けのソリューション「おまかせ健康管理」というサービスを提供開始します。これは、健康管理担当の人事リソースの不足により対応が遅れがちな中小企業市場に向けた、BPaaS型の健康管理ソリューションです。

前のスライドでご説明した「Growbase」の新プランとして、ストレスチェックや組織分析の機能群を持つ「Growbase Mentally(仮称)」というプロダクトの開発を進めています。「ストレスチェックを始めたい」「ストレスチェックを起点に組織のパフォーマンス向上に取り組みたい」という企業に対し、単体でも提供可能なサブシステム化を進めています。

これにより、今後義務化が進む中小企業向けストレスチェック市場においても提供が可能となります。「Growbase Mentally(仮称)」を最初の取引接点として提供を行い、その後、健診や産業医対応の強化など、各企業のニーズに応じて「おまかせ健康管理」のサービスも提供できるような戦略を設計しています。

主な取組み③-4. その他ソリューションメニューの拡充

またその他にも、ニーズが拡大している各領域や、お客さま側の産業保健・従業員健康管理の体制および枠組みなど、支援が追いつかない、または一層の対応強化が求められる領域において、ソリューションの拡充を図り、顧客単価の向上に取り組みます。

主な取組み④-1. AI活用によるデータ化プロセスの高度化

AI活用およびAI投資についての取り組み内容をご説明します。当社では、最も具体的で効果が期待できる取り組みとして、非構造化状態にある健診結果データを構造化するプロセスにおけるAIの活用を進めています。

書式や表現、単位、正常値の範囲、判定記号など、非構造化状態のデータをAIで構造化するための検証を進めてきました。AI-OCRに加え、過去に独自開発したシステムによる作業をAIで代替する目処が立ち、本格的なAI実装を進めていきます。

主な取組み④-2. AI活用によるオペレーションエクセレンスの向上

スライドのグラフは、当社がこれまで多くの技術投資を継続してきた結果、健診結果データ化にかかる1件あたりの人材派遣費を含む外注費がどのように変化してきたかを示したものです。

現在も、当社に集まる健診結果データのうち10パーセントから15パーセントが、データ化の最終段階において医療機関への問い合わせや追加結果データの取得が必要となっています。そのため、人による作業を完全に排除することは難しい状況です。

しかし、3年後にはこうした年間外注費を50パーセント、数億円規模で削減することを計画に盛り込んでいます。

主な取組み⑤-1. 新市場開拓・新規事業開発の推進

また、これまでご説明してきた各施策について、さらに推進・加速させるとともに、機能を補完する狙いを持って、資本業務提携戦略にも取り組んでいます。

前期は、未譲受の案件も含めて計3件のM&Aに挑戦しました。今期以降も成長戦略に合致する案件を積極的に発掘・実行・推進していきます。

主な取組み⑤-2. あしたのチーム PMI

前期末にグループ化した、あしたのチーム社に関するPMIの状況についてご報告します。3月以降、同社の経営チームとともにチームアップを行い、財務健全化を最優先としながら、中長期的かつ安定的な成長を支える経営基盤の整備と、当社との事業シナジーの創出に向けた協業を加速度的に推進しています。

経営体制は、同社の山本社長と連携、サポートしていくことを前提に、当社から役員3名を派遣しました。また、現場での人材交流も開始しています。

すでに、あしたのチーム社の企画によって健康経営に関するセミナーが開催され、協業を開始しています。

主な取組み⑥. 中長期成長の実現を図るべく経営体制を強化

中長期成長戦略の達成確度を高めるために、経営体制を強化して新年度をスタートしました。既存事業ではアカウンタビリティを高め、事業別の目標に対するコミットメントを強化する体制として、取締役COOの佐々木を中心に各事業オーナーを選任し、その責任と権限を明確化しています。

また、上場目的や調達資金の使途については、高度人材の採用を進め、CFO体制の強化、M&A推進、AI活用の拡大に向けた体制強化などを行い、着実かつ加速度的な成長を実現するための体制を整備しました。

今後は「データ×AIプラットフォーム戦略」を加速させ、持続的な企業価値の向上を目指していきます。

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