2026年3月期決算説明
植松商会、コストコントロールや増収効果で営業利益が前年比+93.5%の大幅増 AI時代への対応で持続的成長を目指す
目次

植松誠一郎氏:みなさま、こんにちは、株式会社植松商会、代表取締役社長の植松です。本日は、当社の概要および事業内容、2026年3月期決算概要、今後の取り組み、配当金、トピック等についてご説明します。
会社概要

まず、会社の概要についてご説明します。当社は1950年5月に宮城県仙台市にて個人 植松商会として創業しました。1955年6月に機械工具の販売を目的とした株式会社植松商会を設立し、今年で創業76年を迎えました。
当社は、宮城県仙台市に本社を構え、東北および関東を拠点とするお客さま(各種工場)に工具や機械をご提供する「機械工具専門商社」です。
事業内容

当社は、機械、工具および産業機械・器具等の販売事業の単一セグメントですので、取扱商品についてご説明します。
工作機械分野では、FMS生産システムの新たな可能性を追求しています。「FAシステム」は、加工分野における省力化、無人化、高精度化、多品種少量生産の対応のため、日々進化を続けています。このFA化時代を先導する主力メーカーのハイテク製品から、お客さまにとって最適なFAシステムを提案しています。
取扱品目として、マシニングセンタ、CNC旋盤、CNC五面加工機、放電加工機、ほかを扱っています。
機械工具分野では、ファクトリーオートメーション(FA)分野へ幅広く対応しています。NC・MCツーリングシステムや切削工具などの関連工具を、一流メーカーの豊富な品揃えで取り揃えています。生産設備のメカトロニクス化と共に、高性能・高精度・高速化が進む工作機械の機能を充分に活かし、ファクトリーオートメーション(FA)分野へ幅広く対応しています。
取扱商品として、切削工具、測定工具、作業工具、電動工具、ツーリングシステム、ほかを扱っています。
産業機械分野では、当社ならではのFA思想が息づいています。多品種少量生産をはじめとする幅広い業種のフレキシブルな対応が求められている産業機器分野において、当社は各々の市場ニーズに対応した有機的生産システムの開発に取り組むと共に、FAシステムのトータルプランニングを積極的に推進しています。
取扱商品として、物流搬送機器、保管機器、FAメカトロ機器、油・空圧機器、ほかを扱っています。
伝導機器分野では、「すべてのシステム創造をここから」と考え事業に取り組んでいます。産業機械のパワートラッシュミッションを構成する動力伝導機器のニーズは、年々拡大し、多様化しています。当社ではこれらのニーズに対応するため幅広い商品を取り扱うと共に、技術革新への積極的な努力を続けています。
取扱商品として、ベアリング、直動機器、軸受関連機器、変・減速機、ほかを扱っています。
環境関連分野では、地球環境主義時代のベストパートナーを目指しています。地球環境問題解決へのニーズが世界的に高まっている中、当社では省エネルギー、省資源、環境負荷低減に役立つ施策と廃棄物の減容、減量化、資源リサイクルを実現すべく、環境のネットワーク化に積極的に取り組んでいます。
取扱商品として、空調機器、各種洗浄機、分別回収容器、環境改善機器、ほかを扱っています。
植松商会は、より良いモノづくりを目指すお客さまのために、私たちは最初の一歩からまだ見ぬゴールのその先まで、機動力と独自のネットワークを活かし、共に走り続ける機械工具専門商社です。
企業概要のご説明はここまでとして、次に2026年3月期決算の概要についてご説明します。
決算サマリー

当事業年度(2025年3月21日から2026年3月20日)における我が国経済は、底堅い企業収益や継続的な賃上げを背景に雇用・所得環境が改善していく中で、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
その一方で、エネルギー価格や原材料価格の高止まりによる物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や地政学リスクの影響など国際情勢等の要因により、依然として景気の先行きはさらに不透明な状況が続いています。
当社が属する機械工具業界においては、AI需要の拡大を受けて半導体や電気機械関連の生産が好調に推移しましたが、一方で自動車関連における設備投資需要は低調に推移しており、本格的な需要回復にはまだ時間を要するものと予想されます。
このような状況のもと、当社は、「中期経営計画 モノづくりにおける持続的成長発展を支える(2023年3月期~2026年3月期)」の最終年度として、「社員の働き甲斐を追求し、高い収益性を保ち、顧客と社会に貢献する、より良いモノづくりの伴走者」の重点施策である収益力の向上、企業価値の向上、人材育成の各取り組みに努めるとともに、機械工具の総合商社としての特長を活かし、ユーザーのモノづくりに寄与する新商品や技術提案などにより、受注・売上の拡大に取り組んできました。
以上の結果、当事業年度における売上高は、設備投資に関連する「機械」の需要が減少しましたが、「産機」「工具」が増加傾向となったことで66億3,100万円(前年同期比5.2パーセント増)の増収となりました。
利益面については、物価高によるエネルギー、物流等のコスト上昇と人件費の増加もありながら経費コントロールを実施することにより販売費および一般管理費は計画どおりの数値にて推移しました。
また、増収効果もあり営業利益は8,500万円(前年同期比93.5パーセント増)、経常利益1億8,200万円(前年同期比29.1パーセント増)、当期純利益は、投資有価証券の売却益を計上したことなどから1億2,400万円(前年同期比44.0パーセント増)の増収増益の結果となりました。
損益計算書(P/L)

四半期別の業績については、第1四半期は売上高15億7,200万円、営業利益マイナス1,700万円、経常利益マイナス400万円、四半期純利益マイナス1,100万円となりました。
第2四半期は売上高17億1,000万円、営業利益3,800万円、経常利益7,200万円、四半期純利益5,700万円となりました。
第3四半期は売上高17億6,600万円、営業利益4,000万円、経常利益6,700万円、四半期純利益4,500万円となりました。
第4四半期は売上高15億7,800万円、営業利益2,400万円、経常利益4,700万円、四半期純利益3,300万円となりました。
売上高・営業利益の四半期推移

スライドは四半期別の売上高と営業利益の推移をグラフで表しています。
商品別状況

商品別の売上高については、「機械」は自動車関連における設備投資需要が低調に推移し3億3,300万円となり、前期比11.7パーセント減となりました。「工具」は半導体や電気機械関連の生産が好調に推移したことで切削工具類の増加により14億8,500万円で前期比4.6パーセント増となりました。
「産機」は物流搬送機器、油空圧機器等の増加により35億円で前期比8.4パーセント増となりました。「伝導機器」はベアリング、軸受関連機器の減少により6億8,700万円で前期比1.6パーセント減となりました。「その他」の商品は6億2,500万円で前期比7.5パーセント増となりました。
キャッシュ・フロー

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因について、ご説明します。
営業活動によるキャッシュ・フローは500万円の使用(前年同期比98.3パーセント減)となりました。その主な要因は、税引前当期純利益1億9,200万円と売上債権の減少額1億7,600万円、棚卸資産の減少8,500万円等の増加要因がありましたが、一方で、仕入債務の減少額4億1,100万円と法人税等の支払額3,900万円等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは3,600万円の使用(前年同期比216.3パーセント増)となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出6億5,200万円と投資有価証券の売却による収入6億1,500万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは8,500万円の使用(前年同期比7.7パーセント増)となりました。その主な要因は、配当金の支払額7,200万円とファイナンス・リース債務の返済による支出1,200万円によるものです。
以上の結果、当事業年度末における現金および現金同等物は、前事業年度末に比べ1億2,800万円減少して4億7,000万円、前年同期比21.4パーセント減となりました。
貸借対照表(B/S)

貸借対照表です。資産の部については、当事業年度末における資産合計は、48億3,000万円となり前事業年度末に比べ1億6,700万円減少しました。この主な要因は、流動資産において、電子記録債権1億1,400万円と有価証券4,900万円の増加がありましたが、一方で、現金および預金1億2,800万円、売掛金2億2,400万円、商品8,500万円等の減少により、流動資産合計は3億4,600万円の減少となりました。
有形固定資産については、減価償却による減少900万円となりました。無形固定資産はソフトウエア仮勘定1,800万円の増加がありました。投資その他の資産については、投資有価証券は償還予定日が1年以内となった投資信託4,900万円の流動資産への振り替えがありましたが、市場価格の上昇により1億7,500万円の増加となりました。この結果、固定資産合計は1億7,900万円の増加となりました。
負債の部については、当事業年度末における負債合計は、15億5,900万円となり前事業年度末に比べ3億5,100万円減少しました。この主な要因は、流動負債において、支払手形5,800万円、電子記録債務2億2,300万円、買掛金1億2,900万円等の減少により、流動負債合計は3億8,800万円の減少となりました。
固定負債においては、リース債務1,000万円と役員退職慰労引当金900万円の減少がありましたが、繰延税金負債5,700万円の増加により、固定負債合計は3,700万円の増加となりました。
純資産の部については、当事業年度末における純資産合計は、32億7,000万円となり前事業年度末に比べ1億8,400万円増加しました。この主な要因は、当期純利益1億2,400万円と配当金の支払7,200万円により、利益剰余金合計は5,100万円の増加となりました。その他有価証券評価差額金は1億3,300万円増加となりました。
なお、当事業年度末における自己資本比率は67.7パーセントとなり、前事業年度末に比べ5.9パーセント上昇しました。
次期業績予想

今後の見通しについては、原油高が企業収益や物流費、家計負担を下押しし、政策金利の引き上げや長期金利の上昇も設備投資の重荷になると予想されます。
一方で、政府の成長投資や継続的な賃上げ、雇用環境の改善により、家計の実質購買力を支えることができれば、景気は底堅さを保つ見込みとなります。ただし、急激な円安進行や株価の下落、中東情勢や日中関係の不安定化が強まれば、景況感は下振れする可能性が高く、今後の景気は高まる不確実性の中で下振れリスクをともないつつ、弱含みで推移するものと想定しています。
このような情勢のもと、当社は、「新星ウエマツへ Spiral up」をスローガンに新年度は、以下の重点施策を推進していきます。
「次世代幹部の教育訓練」「AI時代への対応」「人材確保と教育」「新たなビジネスモデルの構築」「サステナブル経営の実践」「社会貢献活動の継続」、これらの取り組みを通じて変化するニーズに柔軟に対応し、持続的な成長と企業価値の向上を目指していきます。
このような条件下での2027年3月期通期の業績予想は、売上高68億円(前期比2.5パーセント増)、営業利益8,700万円(前期比2.4パーセント増)、経常利益1億8,300万円(前期比0.5パーセント増)、当期純利益1億1,300万円(前期比8.9パーセント減)を予想しています。
当社が目指す機械工具商社像

当社が目指す機械工具商社像について、「社員の働き甲斐を追求し、高い収益性を保ち、顧客と社会に貢献する健康企業へ」創業の精神である「東北の産業開発と生活文化の向上に貢献する」という土台に立ち、市場開発に常に積極的であり社会の持続的発展に貢献し、顧客に常に寄り添い顧客と共に成長し、顧客の圧倒的支持を受ける企業を目指します。
当社が目指すべき方向性は、次の3点です。1つ目は、差別化と財務体質の健全性保持による収益基盤の確立、2つ目は、コーポレートガバナンスとサステナブル経営による企業価値向上、3つ目は、顧客と寄り添い顧客と共に成長する健全企業を目指し取り組んでいます。
配当金の推移

当社の過去2年および当期の配当金についてご説明します。
2024年3月期の期末配当は、1株当たり普通配当30円として配当性向60.9パーセントを実施しました。2025年3月期の期末配当は、1株当たり普通配当30円に、創業75周年記念配当2円50銭を加え、32円50銭として配当性向84.5パーセントを実施しました。
2026年3月期(当期)の期末配当は、4月30日開催の取締役会において、1株当たり普通配当32円50銭として配当性向58.7パーセントを実施することを決議しました。なお、効力発生日は2026年6月1日としました。
また、当社の剰余金の配当等の決定に関しては、株主への機動的な利益還元を行うことを目的に取締役会決議で行うことを定款に定めています。
株主優待について

当社の株主優待制度についてご説明します。毎年3月20日現在の当社株主名簿に記載された1単元(100株)以上の当社株式を保有されている株主さまを対象として、保有株式数に応じて、500円、1,000円、3,000円分の当社オリジナル「QUOカード」としていましたが、今年度からデジタルギフトに変更しました。毎年1回、定時株主総会終了後にお送りする決議通知に同封して贈呈します。
サステナビリティ経営

当社は、2023年4月にSDGsを宣言し、サステナビリティ経営を推進しています。当社では、2022年に社内の若手スタッフを中心にSDGs委員会を設置し、サステナビリティ推進の第一歩を踏み出しました。
まずは、当社を取り巻く状況を把握するため、社内外のステークホルダーの多くのみなさまから多数のご意見を募り、ブラッシュアップしてきました。その結果、植松商会のSDGsの基本方針を「私たちは、地域とものづくりに貢献し、100年企業を実現して、未来を提案し続けます」として、当社が取り組むべき6つの重点課題を掲げました。
1つ目は「商社として、お客さまに未来を提案します」、2つ目は「将来のビジョンを見通した職場環境をつくります」、3つ目は「環境活動を通じてSDGs普及に貢献します」、4つ目は「個性が活きる会社にします」、5つ目は「絆ネットワークで地産地商を広げます」、6つ目は「会社の基礎をより強固にします」です。以上の6つの重点課題に取り組んでいます。
株式会社東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準について

当社は東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準のうち、流通株式時価総額基準について適合しない状況となっており改善期間に入っていましたが、改善期間終了となる当事業年度の最終営業日(2026年3月19日)時点において流通株式時価総額基準への適合が確認できていないため、当社の株式は、2026年3月21日付で東京証券取引所より監理銘柄(確認中)に指定されていました。
当社が提出した2026年3月20日時点の「株券等の分布状況表」(2026年4月中に提出済)に基づく東京証券取引所の審査の結果、流通株式時価総額基準に適合しないことが確認されたため、2026年5月13日より整理銘柄に指定するとともに、2026年9月21日付で上場廃止とする旨の通知を受けました。
当社は、東京証券取引所スタンダード市場と名古屋証券取引所メイン市場に重複上場しています。名古屋証券取引所メイン市場の上場維持基準は、東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準とは異なるものであり、2026年3月20日時点で名古屋証券取引所メイン市場の上場維持基準を充足していますので、上場は維持されます。
今後については、2026年9月21日の東京証券取引所の上場廃止(売買最終日は2026年9月18日)までの期間、それ以降についても、名古屋証券取引所での当社株式の売買は通常通り可能です。証券コード(9914)についても変更はありません。
植松氏からのご挨拶
以上、簡単ですが、当社の2026年3月期決算説明を終了します。なお、新年度計画の取り組みを着実に実行し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指していきます。みなさまには、今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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