2026年2月期決算説明
あさひ、物価高による消費マインド減退と、高単価な電動アシスト自転車の需要拡大・買い替え長期化の中、売上高は概ね前年並み
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下田佳史氏(以下、下田):本日はお忙しい中、当社2026年2月期の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長の下田佳史です。
本日は、当期の決算概要に加え、今後の成長戦略として中期経営計画についてご説明します。後ほど質疑応答の時間も設けていますので、何卒よろしくお願いします。
それでは、決算実績についてご説明します。なお、3ページから6ページまでのスライドについては、後ほど中期経営計画の説明時に内容が重複しますので、7ページから説明を始めます。
2026年2月期 決算実績

2026年2月期の決算実績については、スライドに記載のとおりです。
売上高は前年同期比99.7パーセントの813億7,400万円でした。売上総利益額は、売上高の減少に伴い前年同期比100.1パーセントの387億9,100万円となりました。
売上総利益率は47.7パーセントとなりました。低粗利益率の電動アシスト自転車の売上高構成比が増加しましたが、仕入れ原価の低減などにより前年同期比で0.2ポイント改善しています。
営業利益は前年同期比71.8パーセントの39億3,700万円、経常利益は前年同期比74.1パーセントの41億6,900万円、当期純利益は前年同期比63.8パーセントの22億6,800万円となりました。
販管費、設備投資額の実績

販管費および設備投資です。販管費は前年同期比104.8パーセントとなりました。主な内訳として、人件費では賃上げや業容拡大に伴う人員増加がありましたが、適正配置や生産性向上に取り組むことで、計画の前年同期比108.5パーセントに対し、実績は前年同期比105パーセントに抑えることができました。
一方、設備投資額は前年同期比で減少しましたが、これはオフィス関連の投資が減少したことによるものです。
営業利益の増減分析

営業利益額の増減分析についてご説明します。
営業利益の減少要因として、新車販売の低調な推移により、1億300万円のマイナスとなりました。一方、改善要因としては、台湾駐在拠点を中心とした原価低減の取り組みや、修理・パーツ需要の増加によるアフターサービス部門の伸長が寄与し、1億5,500万円のプラスとなりました。
販管費については、賃上げや新規出店に伴う費用増加、基幹システム刷新の影響により、15億9,900万円の増加となっています。
これらの要因から、営業利益は前年同期比71.8パーセントの39億3,700万円となりました。
部門別売上高

部門別売上高です。店舗売上高は前年同期比97.4パーセントの649億1,800万円でした。EC売上高は、OMO強化を軸に「ネットで注文、お店で受取り」サービスが大きく伸び、前年同期比112.5パーセントの142億9,000万円となりました。
また、EC化率は前年の16パーセントから2ポイント上昇し、18パーセントと前年を上回っています。
品目別売上高

品目別売上高です。ポイントとして、電動アシスト自転車では前年同期比105.6パーセントとなっています。商品力の高いあさひブランド「エナシス」の販売が伸びたことで、売上高が増加しました。
あさひブランドの売上高構成比は47.4パーセントと、引き続き高い水準を維持しています。
また、新車販売が低調な中、修理パーツは前年同期比で増加しました。
出退店状況

出退店については、新規で15店舗を出店し、3店舗は賃貸借契約の満了に伴い退店しました。その結果、直営店が539店舗、FC店が18店舗、合計で557店舗となりました。
2026年2月期 通期業績予想との乖離

通期業績予想との乖離についてです。まず、売上高については、販売促進を強化したことで通期業績予想を上回りましたが、電動アシスト自転車の販売比率が上昇した結果、全体の売上総利益率は低下しました。
販管費は抑制に努めたものの、人件費や物流費といった構造的な費用の比率が高いため、大幅な削減には至りませんでした。
このような状況を鑑み、一部の店舗の収益性を保守的に見積もった結果、店舗減損損失が増加し、当期純利益はその影響でマイナス3億7,100万円となりました。
2027年2月期 通期計画

続きまして、2027年2月期の単年度通期計画についてご説明します。
2027年2月期の計画数値はスライドに記載のとおりです。新中期経営計画の達成に向けた第1年度は、いわば助走フェーズであり、準備期間となります。
まず、売上高については前年同期比106パーセントの862億円を計画しています。また、売上総利益は売上高の増加に伴い、前年同期比107.3パーセントの416億円を見込んでいます。売上総利益率は、原価低減の取り組みや修理・メンテナンス、パーツの売上構成比増加に伴い、48.2パーセントを想定しています。
販管費については、デジタルやITを活用した業務効率化により生産性向上を図ります。その結果、営業利益は前年同期比109.2パーセントの43億円、経常利益は前年同期比106.5パーセントの44億4,000万円、当期純利益は前年同期比120.3パーセントの27億3,000万円を計画しています。
営業利益の増減分析

営業利益の増減要因についてご説明します。売上総利益では、円安の影響が悪化要因となる一方で、あさひブランドの原価低減や価格是正、収益性の高い修理やパーツ分野の伸長により増加する見通しです。
販管費は主に人的資本への投資に伴い、人件費が増加する見込みです。これらの結果、当期の営業利益計画は前年同期比109.2パーセントの43億円を見込んでいます。
品目別売上高

続いて、部門別売上高についてご説明します。今年度から新中期経営計画に基づき、従来の部門別と品目別を統合した表記に変更しましたので、あらかじめご了承ください。
まず、店舗ECの売上高に関しては、CRMの強化を図り、会員基盤を通じてお客さまとの関係性を一層強化することで来店機会の創出に努め、点検や洗車などのサービス領域の拡大にも取り組んでいきます。
また、引き続き都市型店舗の出店やECサイトの拡充、買い物環境の利便性向上といったOMOの推進を通じて顧客体験価値の向上を図るとともに、あさひブランド商品の製造コストの低減や価格是正を進めていきます。
周辺事業領域については、主に卸とリユースが伸長する見込みです。これらの取り組みにより、業界全体での台数シェア率を26パーセントと計画しています。
なお、前年度まで開示していたEC化率については、OMOの推進により十分進展したことを踏まえ、店舗EC統合表記に変更しています。
販管費、設備投資額

販管費および設備投資計画は、スライドに記載のとおりです。
販管費全体は前年同期比107.1パーセントの約373億円、設備投資は店舗や成長基盤への投資を中心に約25億円を計画しています。
人件費は前年同期比107.1パーセントの約178億円となります。3期連続で賃金の引き上げを実施することで、事業拡大に伴う人材の確保や専門人材の育成に取り組んでいきます。
投資計画

投資計画です。新規出店を中心とした店舗数の拡大に加え、デジタルやIT、物流基盤の強化、またSPAモデルの深化といった成長投資を進めることで、収益性の向上を図ります。
新規出店として10店舗を予定しており、リニューアル・移転は17店舗で実施します。この新規出店と既存店強化を両立させた結果、期末の店舗数は直営店549店舗、FC店18店舗、計567店舗となる見通しです。
最後に、当社は自転車利用を支えるエッセンシャルな社会インフラ企業として、中期経営計画「VISION2028」を経営の中核に据え、着実に推進しながらその社会的責任を果たしていきます。引き続きご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:2027年2月期の価格是正と道路交通法改正による事業への影響について

質問者:2027年2月期の通期計画についてうかがいます。資料に記載の価格是正について、これはいつのタイミングからどの程度業績に貢献するのでしょうか? また、今年4月の道路交通法改正による御社事業への影響についてもお聞かせください。
下田:まず、価格是正の時期についてですが、現時点ではこの場で具体的にお伝えすることはできません。前半のどこかのタイミングで改正を進めたいと考えています。
当社の価格是正についての考え方ですが、単なるコスト増加による価格転嫁ではありません。もちろん、一部そのような側面もあるかもしれませんが、以前からお伝えしているように、自転車生活を支えるエッセンシャルワークとして、このネットワークをしっかり維持していく必要があります。
そのためには、従業員の待遇改善や労働環境の改善を進めることが重要です。自転車生活の安全・安心をしっかり守るための価格是正という位置付けとなります。
価格是正に伴う業績全体への影響についても、この場では詳細は控えますが、売上高も106パーセントと伸長していくことを見込んでおり、その中に価格改定の影響も含まれているとお考えください。
2つ目の道路交通法の改正についてです。4月1日から道路交通法が改正されました。私どもは、自転車のルールやマナーに関して、現状で悪い部分がハイライトされているところもあると認識しています。
これまで、自転車利用者が道路交通法や自転車の走行マナー、ルールを十分に理解し、徹底して守ってこなかった部分がありました。この点について、4月1日からは安全に対する意識が変わると考えています。業界全体としてもそのように受け止め、さまざまな取り組みを進めていきたいと思います。
これまでマナーやルールを守らず利用できていたという現状自体が課題であり、4月1日からの厳格化を契機に、利用者のマナー向上を図り、その先に自転車を利用する社会をより良いものにしていくべく、さらなる取り組みを進めていきたいと考えています。
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