2026年8月期第2四半期決算説明
トーセ、ゲーム開発プロジェクトが良好な収益性で進行し増収増益 業績予想達成に向けて受注積み上げに取り組む
目次

渡辺康人氏:株式会社トーセ代表取締役社長兼COOの渡辺康人です。2026年8月期第2四半期(中間期)決算説明を始めます。
本日お話しする内容は、2026年8月期の中間決算の概要、通期の業績予想、中期的な課題と今後の取り組みについてです。よろしくお願いします。
業績ハイライト

それではまず、2026年8月期の中間決算の概要からご説明します。
当中間連結会計期間においては、ゲーム事業における複数の主要なプロジェクトが、終盤工程を迎えています。開発終盤は、突発的な追加要望等もあるなか、限られた残り時間で品質追求に取り組む、負荷のかかる局面ですが、適正な管理体制のもとで稼働は堅調に推移しました。その他の主要な開発プロジェクトも活発に進行したことから、売上高は前年同期を上回り34億5,900万円となりました。
利益面については、ゲーム事業の主要な開発プロジェクトが概ね円滑に進行し、良好な収益性で推移したことから、営業利益は3億3,100万円、経常利益は3億6,300万円となりました。前年同期には、長岡京トーセビルの建替えに関連した、建物の減損損失やテナントの移転補償費用が特別損失として発生しましたが、当中間期はそのような損失がなかったことから、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期に比べ大幅に増益し、2億4,200万円となりました。
ゲーム事業

家庭用ゲーム機・PC関連の、主要なプロジェクトごとの状況はスライド5ページにまとめていますので、あわせてご覧ください。
当中間期において、前期に開始した海外の大手ゲーム会社との開発プロジェクトが、先方の方針変更により再開時期未定の一時停止となりましたが、当中間期までに予定していた工程はすべて完了しており、当中間期の業績への影響はありません。終盤工程にある主要な開発プロジェクトは徐々に稼働の下降が見込まれるものの、当中間期は開発の進捗に応じた収益への貢献が続きました。その他の主要な開発プロジェクトでも活発な進行に応じて売上が伸長し、加えて一部のプロジェクトで追加作業を受注したことや、第1四半期から続く中小規模の複数の開発プロジェクトの立ち上げも増収に寄与しました。これらの結果、売上高は前年同期に比べて28.7パーセント増加し、27億1,000万円となりました。
次にスマートフォン関連については、市場競争の激しい状況を受け、現在、新規開発は家庭用ゲーム機向けのものを優先して対応していることから、前年同期に比べ減収となりました。運営に係る売上についても、運営タイトルがいずれも配信開始から5年以上経過していることなどから前年同期を下回る水準で推移しました。これらの結果、売上高は前年同期に比べて16.8パーセント減少し、5億5,900万円となりました。
その他はアミューズメントやパチンコ・パチスロ関連で売上高200万円となり、これらの結果、ゲーム事業の売上高は32億7,200万円と、前年同期に比べ17.6パーセント増加しました。
セグメント営業利益については、家庭用ゲーム機・PC関連、スマートフォン関連の双方においてレベニューシェア※は前年同期よりも減少しているものの、ご説明したとおり、家庭用ゲーム機・PC関連の開発プロジェクトの活発な進行による増収と、それらの収益性が良好に推移したことにより、前年同期に比べて22.6パーセントと大幅に増加し、3億2,400万円となりました。
※開発したタイトルの販売に応じて分配される成功報酬であり、原価を伴わない収益
パイプライン情報

ゲーム事業において、2026年8月期及び2027年8月期のあいだに、売上が5億円以上見込まれる、進行中の主要な開発プロジェクトはご覧のとおりです。
この第2四半期以降に立ち上がる新規プロジェクトが、本格的に売上に貢献していきますのは2027年8月期以降となることから、今回掲載する範囲を変更し、2027年8月期までに5億円以上の売上を見込むものも含めて掲載しています。
いずれのプロジェクトも良好に進行していますが、先のスライド4ページでお伝えした、クライアントの方針変更により一時停止となったプロジェクトがDであり、再開時期は未定です。一方で新たに、プロジェクトEを立ち上げています。今後徐々に収益に寄与していく見込みです。
その他事業

その他事業についてです。新しいビジネスの創出に向けて、多角的なフィールドで市場調査やビジネス企画を推進しています。
例えば、教育関連分野では大学等の教育機関をパートナーとして、インタラクティブなデジタル学習基盤の構築や、AIとゲーム要素を応用した医療分野での対人業務のシミュレーションツールの構築などに取り組んでいます。これらは単一の用途に留まらず、幅広い事業分野での展開を見据えたサービスを目指すものです。また、エンタテインメント領域においても、アニメ等の人気IPやスポーツコンテンツを軸に、NFTなどのデジタルサービス及び、推し活グッズの提供などの非デジタルサービスを掛け合わせたビジネス企画を進めています。
こうした取り組みの一部で、試作等による売上があったものの、事業全体としては収益化に向けた調査やビジネス企画、パートナーへの提案等の仕込みに軸足を置いています。加えて、前年同期の売上に大きく貢献した教育関連のコンテンツ開発が前期中に終了した反動もあり、当中間期のその他事業の開発売上は減少しました。
家庭用カラオケ楽曲配信事業の収益は、新規ユーザーが減少していることなどから、前年同期に比べ減収となりました。
これらの結果、その他事業の売上高は前年同期に比べ49.7パーセント減少し1億8,600万円に、セグメント営業利益は前年同期に比べ86.8パーセント減少し、700万円となりました。
業績予想ハイライト

次に、2026年8月期の業績予想についてご説明します。2026年8月期の通期業績予想は、前回発表したものから変更はありません。
当中間期の業績は、売上・利益ともに堅調に推移しました。今後、主要な開発プロジェクトにおいてさらなる追加業務を受注する可能性もあります。一方で、スライド4ページにてご説明しましたとおり、海外ゲーム会社との開発プロジェクトが先方都合により一時停止し、第3四半期以降に予定していた工程が延期、再開時期未定であることから、急な稼働の空きが出ている状況です。また、期初からの想定どおり、主要なプロジェクトの一部が終盤工程に入っている状況とあわせ、第3四半期以降は複数のプロジェクトの立ち上げ、開発リソースの移行が重なる見通しです。現在、稼働を最大化すべく、新規プロジェクトの早期受注とスムーズな立ち上げに全力を注いでいます。こうしたプロジェクト移行期の不確実性を慎重に考慮し、現時点では業績予想を据え置くこととします。
今後も事業動向を注視し、見通しの確実性が高まった段階で、修正の必要性を含め速やかにお知らせします。
セグメント別概況

セグメント別の売上・営業利益の業績予想も前回発表から変更はありません。
ゲーム事業については、当中間期の売上は堅調に推移し、収益性も想定を大きく上回ったものの、スライド8ページでご説明したとおり、プロジェクトの急な一時停止による稼働の空きへの対処と、当初より予定していた第3四半期以降の複数のプロジェクト移行が重なり、稼働の最適化を進めるにあたって不確実性が残る状況です。
その他事業については、当初より、当期は新規事業の創出に向けての仕込みのために、複数のフィールドで市場やニーズの調査、ビジネスの企画等に取り組む予定であり、計画どおり活動を進めています。当中間期では、家庭用カラオケ楽曲配信事業の収益が想定を下回って推移したことなどにより、売上・利益ともに通期業績予想に対して進捗率が少し低調ですが、新規ビジネスに関する試作等による利益貢献が、下期から上がってくることを見込んでいます。
基本戦略

事業活動を進めるうえでの、中期的な課題と今後の取り組みについて、ご説明します。
当社は、中期的な経営戦略として、ビジネス面では、ゲーム領域と非ゲーム領域の2つの方向性で取り組み、リソース面では、開発技術や生産性の向上及び、人的資本の拡充と組織の最適化に注力しています。ここではリソース面の取り組み状況をご紹介します。
基本戦略

開発技術の継続的な高度化と生産性の最大化に関連して、安全性を担保しつつ生成AIの活用範囲を積極的に拡大するため、全従業員を対象に、生成AIを活用できる環境を用意するとともに、生成AIの使用ルールを解説し、活用を促す研修を実施しました。また、AIをはじめとする研究開発を担う部署による情報発信や活用奨励も強化しており、新しい技術を取り込みやすい仕組みの整備を進めています。
ゲーム業界では、知的財産がビジネスの中核であることや、1つのゲームの中でもキャラクターや音楽、技術的なアイデアや仕様など多種多様な権利が絡み合っていることに加え、ファンとの関係性やブランド価値への配慮を背景に、生成AIの活用については比較的慎重な姿勢が見られてきました。しかしながら昨今、開発のバックエンドではAIを用いた効率化や品質向上が進んでおり、グラフィックやサウンドなどユーザーが直接触れる領域においても、活用範囲が広がりつつあります。そうした事業環境の変化を捉え、情報収集や技術の研鑽を進めるとともに、社内の方針やルールも継続的にアップデートし、柔軟かつスピーディに対応しています。加えて、コーポレート業務においてもAIを用いた効率化に注力しています。数年後にリプレースを予定している基幹システムにも一部AIを取り入れることを想定し、システムインテグレーション事業を担う部署も導入の中心メンバーに入り、検討を進めています。
次に、人的資本の拡充と組織の最適化に関連して、従来実施していた全従業員を対象とした職場の推奨度に関するアンケートに代わり、前期よりエンゲージメントサーベイを導入しました。エンゲージメントの向上は、離職の抑制だけでなく、収益性や生産性の改善、顧客満足度の向上に直結することが国内外の研究で実証されています。当社においても、本サーベイの調査結果を、従業員が最大限に能力を発揮できる環境構築につなげるべく、抽出された課題への具体的な対策を講じています。数年前より継続して取り組んできた報酬のてこ入れは、さらに強化していく方針です。あわせて、報酬の公平性を支える評価制度の再考にも着手しています。そして、人財一人ひとりが生産性と付加価値、双方の向上を目指し、先に述べたAIの活用奨励など従業員のリスキリング促進に注力するとともに、次世代育成を見据え、経営層とリーダー層の交流促進などの取り組みも推進しています。
さらに、開発効率の向上や事業に最適な組織体制への進化に、現在建設中の長岡京新オフィスビルを最大限活用していきます。幅広いコンテンツ開発に柔軟に対応できる組織、多様な働き方と活発なコミュニケーションでクリエイティビティが生まれる環境の実現を目指し、現在、社内アンケートにもとづく最適なオフィス設計を進めています。このような要素を含む投資計画の詳細については、改めてご説明を予定しています。
株主還元

株主還元については、企業体質の強化と新たなビジネス分野への積極的な事業展開に備えるために内部留保資金の充実を図りつつ、株主のみなさまに対し安定的な配当を維持していくことを基本方針としており、2026年8⽉期においても、年間配当⾦は25円を⽬指しています。
今後、事業展開の節目や業績を鑑みながら、記念配当などを実施し、株主のみなさまへの利益還元を行っていきたいと思います。
以上をもちまして、決算説明を終了します。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。
【参考資料】特別利益の発生見込み

ここからは参考資料です。長岡京トーセビルの建替えに伴う土地の売却に関連して、2026年8月期に特別利益の発生を見込んでいます。
前期よりお知らせしていますとおり、当社が京都府長岡京市に有する、長岡京トーセビル及び隣接する長岡ターミナルビルの老朽化が進んでいたことからその2棟を解体し、新たなオフィスビル1棟を建設することを計画しています。それに伴い、2棟のビル解体後、新オフィスビル建設予定地以外の土地を売却することとしました。当該売却益の計上を2026年8月期に見込んでいます。
また、2026年2月27日の適時開示でお知らせしたとおり、西大路開発センターに勤務する従業員は、この長岡京新オフィスビルへの移動を予定していることから、西大路開発センターの建物と土地を譲渡することとしました。この譲渡益については、2027年8月期の業績予想に織り込む予定です。
なお、これら固定資産の売却による収入は新オフィスビルの建設資金として活用することを予定しています。
【参考資料】従業員数、人的資本に関する施策の推移

従業員数、⼈的資本に関する施策の推移については、スライド16ページのとおりです。
【参考資料】プラットフォーム別売上(3年平均)の推移

プラットフォーム別売上(3年平均)の推移については、スライド17ページのとおりです。
【参考資料】売上高・営業利益の四半期推移

2024年8月期は次世代ゲーム機発表前の端境期であり、また加速する市場の変化により複数のゲーム関連会社において、開発中または開発したタイトルの評価替えがされるなど、ゲーム開発の⽅針や考え⽅の転換が⾒られました。当社においてもプロジェクトの中⽌や失注があったことに加え、新規クライアントとの開発プロジェクトでのトラブル等が重なり業績が⼀時的に低迷しましたが、地道に開発技術⼒の強化を進めてきたことで、2025年8⽉期に早期に復調し、売上・利益ともに安定して推移しています。
この第3四半期以降、プロジェクトの移行が重なる見込みですが、開発リソースの最適化に努め、引き続き安定した売上・利益の成長を目指します。
【参考資料】報告セグメント別 売上高・営業利益の四半期推移

報告セグメント別 売上高・営業利益の四半期推移については、スライド19ページのとおりです。
【参考資料】会社概要

最後に、会社概要です。
2026年8月期第2四半期決算に係る質問と回答
決算発表やアナリスト・機関投資家向け決算説明会、1on1 ミーティング等にて寄せられた主なご質問と回答をご紹介します。
<質問1>
質問:2026年8月期中間期は、通期の業績予想に対し進捗率が高く好調なようですが、その要因について、改めて教えていただけますでしょうか?
回答:当中間期の業績が好調に推移した主な要因は、ゲーム事業の主要な開発プロジェクトがいずれも稼働高く進行し、また大きなトラブル等なく安定した収益性を維持できたことによるものです。さらに、そうしたスムーズな開発進行や品質をクライアントに高く評価いただき、プロジェクトの開始当初には想定していなかった業務を追加で受注したことなどにより、開発規模が想定よりも膨らんでいることも一因となっています。
<質問2>
質問:ゲーム事業の開発プロジェクトが順調に進行しているのは、プロジェクトマネジメント支援室の設置のような、近年の取り組みが機能しているということでしょうか?
回答:当社ではこれまでに経験した開発トラブル等をふまえ、多面的な対策を推進してきました。従前よりスケジュールや品質などの管理徹底を含む開発体制の強化に取り組んでおり、2024年9月にはそれをさらに強化・補完するプロジェクトマネジメント支援室を設置しています。同室は、プロジェクトチームの外から客観的な視点で、品質や進行状況、コストについて定期的にレビューし、適宜指導や支援をしており、現在しっかりと機能しています。
また、プロジェクトチームの枠を超えた技術交流を促進し全社の開発技術力を底上げすることや、AIの活用などによる業務の効率化なども進めてきました。こうした対策がクライアントからの評価向上、ひいては事業基盤の強化と安定につながっていると考えており、今後もさらに取り組みを強化していきます。
<質問3>
質問:海外クライアント向けの家庭用ゲーム機ソフト開発が一時停止に至った背景を教えてください。
回答:先方の事情について詳しくは聞いていませんが、先方の財務面等を総合的に勘案した経営判断として、投資抑制を決定されたようです。
当該プロジェクトは2025年8月期に開始し、その後当初の仕様から変化した部分もありましたが、これまでの複数回のクライアントによる中間検査では、いずれも概ね良い評価をいただいていました。当社としては3月以降も続きのマイルストーンに取り組む予定で準備もしていましたが、2月に入ってから先方の社内にて方針転換があった旨の連絡がありました。プロジェクト継続に向けて対話を重ねましたが、先方の意向は変わらず、残念ながら一時停止となりました。
<質問4>
質問:第1四半期には、現在の通期業績予想(2025年10月9日公表)を下回る可能性は低いとおっしゃっていましたが、海外クライアント向けの家庭用ゲーム機ソフト開発の一時停止を受けて、現在のお考えはいかがでしょうか? 今後、通期業績予想を下方修正する可能性もあるとお考えですか?
回答:通期業績予想の達成に向けて速やかに稼働を最適化すべく、新規プロジェクトの早期受注とスムーズな立ち上げに取り組んでおり、現時点では、下方修正が必要な状況にはないと考えています。開発リソースの移行にあたっては、スタッフのスキルセットとプロジェクト要件のマッチングなど慎重な調整を要するものの、大きな滞りなく進めることができれば業績予想は達成可能な水準です。事業動向、稼働の推移を慎重に見極め、見通しの確実性が高まった段階で、修正の必要性を含め速やかにお知らせします。
<質問5>
質問:海外クライアント向けの家庭用ゲーム機ソフト開発が一時停止したことにより稼働が空き、その対応として早期受注に取り組まれているとのことですが、現時点での手ごたえや進捗はいかがですか?
回答:新規プロジェクトの早期受注と速やかな立ち上げに向けて、現在複数の商談を並行して進めています。2026年8月期末までには、今後取り組むプロジェクトがほぼ揃い、それらの具体的な内容も整理された状態とすることを目指しています。
2026年8月期の業績への寄与のためには、開発要件や仕様等の概要を確定させ、開発予算(取引金額)を交渉し、契約締結したうえで、期末までに開発業務を進行させている必要があります。現在すでに、予定より前倒しで開発を開始したものや、開発が内定して予算の交渉に入っているものがあり、一定の手ごたえはあります。
<質問6>
質問:2024年8月期にも開発プロジェクトの急な中止や失注が発生したと思いますが、その経験とその後の対策は、活かされているでしょうか?
回答:2024年8月期やその他の経験をふまえ、開発リソースに急な空きが出た局面において速やかに次のプロジェクトへの移行ができるよう、対策を進めてきました。具体的には、クライアントとの中期的な開発展望に関する対話を強化しています。継続的な取引を見据え、先々の企画や要望を先回りして汲み取るとともに、大きな方針転換等の可能性も早期に把握するよう努めています。
また例えば、スタッフが揃わずすぐには引き受けられないプロジェクトも、当社の稼働状況に応じて開始時期を調整させていただけるようクライアントと交渉するなど、即時開始のものに限らず、開始時期が先のものまで含めて常に複数の商談を並行させています。
さらに、開発プロジェクトの特色や求められるスキル等とのアンマッチによって開発人財がプロジェクトに参加できない事態にならないよう、開発人財の育成や開発工程の標準化に取り組んでいます。こうした対策が奏功し、現在はスムーズにプロジェクトの移行に着手できていると考えています。
<質問7>
質問:海外クライアント向けの家庭用ゲーム機ソフト開発の一時停止によって発生した急な稼働の空きが、2027年8月期の業績にも影響する可能性は高いですか?
回答:当初、当該プロジェクトは引き続き2027年8月期にも稼働を予定していましたが、一時停止を受け、現在、急に発生した稼働の空きへの対応を進めています。2026年8月期末までには今後取り組むプロジェクトを揃え、2027年8月期は適正な水準の稼働状況にしたいと考えています。
<質問8>
質問:海外クライアント向けの家庭用ゲーム機ソフト開発の一時停止は、想定外の急なことであったようですが、予定していた稼働が急にキャンセルされたことに対して、先方から補償を受けられているでしょうか?
回答:第3四半期以降に予定していた工程が延期されたことにより、アサインしていたチームの稼働が急に空いてしまったことに対する補償は受けていません。当該プロジェクトの再開見込みや代替として別のプロジェクトの受注などを含めて先方と交渉し、先方の状況や今後の関係性を考慮して判断しています。 今後の対策として、クライアントとの合意のもと予定していた開発工程が急にキャンセルされ稼働に空きが出る場合、一定の補償を求めることができる内容をあらかじめ契約に盛り込むことを検討しています。こうした事態に際しての協議や交渉の余地を広げ、当社のコントロールが及ばない事由による業績への影響の抑制に努めます。
<質問9>
★6
質問:パイプライン情報に記載されている、海外クライアント向けの家庭用ゲーム機ソフト開発以外のプロジェクトについても、突然停止や中止となる可能性はあるのでしょうか? 現時点で、他のプロジェクトで懸念されていることがあれば教えてください。
回答:従前からパイプライン情報に記載していました他3件のうち、2件は終盤工程にあり、もう1件も開発フェーズは後半に入っています。これまで開発に投入された資金を考慮しますと、クライアントにおける相当大きな方針転換のようなものがない限り、停止や中止となる可能性は極めて低いと考えています。その他のプロジェクトも概ね良好に進行していますので、懸念はありません。
<質問10>
質問:今回一時停止したプロジェクトのクライアントとの関係性や今後の取引の見通しを教えてください。
回答:当該クライアントとは良好な関係を維持しており、一時停止前までの開発品質についても高い評価をいただいています。同プロジェクトの再開のみならず、別のプロジェクトでの次の取引の可能性についても伺っており、今後も対話を継続していきたいと考えています。
<質問11>
質問:これまでの海外クライアントとのプロジェクトをふまえ、今後の海外クライアントとの取引についてどのような方針か、お聞きしたいです。
回答:海外のエンタテインメント市場は今後も成長していくと予想されており、当社のゲーム事業の収益拡大において、海外ユーザー向けのソフト開発や、海外クライアントとの開発プロジェクトが重要な戦略の1つであることに変わりはありません。今後も海外の市場を意識した戦略は継続していく方針です。
一方で、国内のクライアントとは商習慣が違うなど、海外クライアントとの取引特有の課題も認識しています。上述したように、補償に関して契約に明記するなど、取引の仕方はより最適化していきます。
<質問12>
質問:今後、ゲーム制作の中枢にあたる部分にAIを活用するお考えはありますか? AIの進化がゲーム開発にどのような変化をもたらすと思いますか?
回答:ゲームは知的財産の集合体であり、これまでファンとともに築き上げてきたブランド価値への配慮からも、グラフィックやサウンドなどユーザーが直接触れる領域へのAIの使用は、慎重に議論されてきました。しかしながら近年、ゲーム開発におけるAI活用の流れは加速しており、そうした領域への使用も段階的に進んでいくものと考えています。当社でも、企画段階におけるミニゲームの試作などにはすでにAIを使用しており、アセットの管理やテストプレイの自動化など、業務効率化の面でも積極的な活用を推奨しています。クライアントとも、より踏み込んだAIの実用化について協議する事例も増えています。
AIの活用範囲が広がっても、アイデアをゼロから生み出したり、成果物について最終的な判断を下したりする、「創造」の主体は人であるとの前提は揺らぎませんが、将来的にはAIによってゲーム開発プロセスが一変する可能性も見据えています。そうした現場では、ディレクションスキルやコーディネートスキルが重要になると考えられることから、人財育成も課題の1つと認識しています。
<質問13>
質問:AIによる業務の効率化でコストが削減できたという会社も出はじめていますが、御社ではAIの活用はどのような段階ですか?
回答:現在、AI関連の投資を強化し、組織全体の習熟度を高めている段階です。AIによって効率化できた業務や品質が向上した業務があるなど、具体的な成果は出てきていますが、まだその効果を定量的に把握する段階には至っていません。成果は知見として蓄積して、全社で共有しており、新しい業務の在り方に着実に近づいていると感じています。これからも各所での成果をさらに積み重ね、AIに関する投資額やコスト削減効果などを定量的に把握し、大きな進捗があればご報告します。
<質問14>
質問:ゲーム事業の足元の環境と、ゲーム市場の中期的な見通しを教えてください。
回答:足元では、家庭用ゲーム機やPC向けのソフト開発を中心に多数の引き合いをいただいており、今後もしばらく旺盛な需要が継続することを見込んでいます。
「Nintendo Switch 2」のさらなる普及や、他の次世代ゲーム機の発売、ゲーミングPCの進化等によって、国内外で活況な市場が継続することを期待しています。 スマートフォンゲームは激しい市場競争が続いており、現在商談は減っていますが、今後スマートデバイスの革新などにより、再び新規タイトルのリリースが活発化する可能性があるというような予想もあり、動向を注視しています。
<質問15>
質問:中東情勢の緊迫化に起因する石油不足が御社の事業に与える影響として、開発に用いるPCの調達が困難になるなど、懸念されていることはありますか?
回答:現在、開発PCの確保における支障や、光熱費他の経費の高騰は見られていませんが、石油不足やエネルギーコストの高騰が長期化するようであれば、事業に影響が出てくると考えられます。また、2026年7月から着工予定の新オフィスビル(京都府長岡京市)の建設において、資材の高騰や調達遅れなどの影響が出ることも懸念され、場合によっては建設計画に遅れが生じることも考えられます。
エネルギーコストや資材コストの長期的な高騰は、ゲーム業界全体としても足かせになります。ハードウエア、ソフトウエアの販売価格の上昇や供給不足につながる可能性があり、ゲーム産業の成長に影響を及ぼす懸念はあります。
<質問16>
質問:半導体メモリの価格高騰により、「Nintendo Switch 2」の減産という情報が一部出ていますが、御社の業績への影響をどのようにお考えですか?
回答:当社の業績に、直ちに大きな影響が出ることは想定していません。現在、家庭用ゲーム機向けソフトは、マルチプラットフォームでの開発が主流であり、当社が開発を進めている主要なタイトルの多くが「PlayStation 5」「Xbox Series X|S」「Nintendo Switch 2」を含むマルチプラットフォームです。開発を開始した当初、「Nintendo Switch 2」への対応を予定していなかったタイトルについても、クライアントから早期の追加対応の要望が寄せられているような状況です。そのため、一時的に「Nintendo Switch 2」の減産があった場合でも、マルチプラットフォームから同プラットフォームが外されたり、開発中のタイトルのターゲット層が縮小したりする可能性は低いと考えており、当面の開発規模には影響がない見通しです。
一方で、「Nintendo Switch 2」は発売当初からしばらく、「Nintendo Switch」ユーザーへの販売が中心で、数ヶ月前からやっと、「Nintendo Switch 2」を初めてのゲーム機とする新規ユーザーへと普及が広がり始めたところでした。減産による供給不足や値上げによってユーザー拡大に影響が出る可能性がありますので、ゲーム市場全体の盛り上がりの勢いが一時的にそがれてしまうことは懸念されます。
当社が開発を進めている大型タイトルがリリースされる際には、より多くのユーザーに手に取っていただける環境であることを期待しています。
<質問17>
質問:今後の投資方針について教えてください。どれくらいの規模でどのようなことに取り組まれるお考えでしょうか?
回答:現在予定している最大の投資は、京都府長岡京市の新オフィスビルの建設です。同ビルを当社の主要な開発拠点として開発リソースを集約し、多様なプロジェクトに柔軟に対応できる開発体制への転換、技術交流促進による開発技術力の強化、組織内の連携強化による開発効率の改善などが進むことで、業績拡大、収益性向上につなげる考えです。なお建設資金は、京都市内の他拠点の土地・建物の売却によって得られるキャッシュを充当する予定です。
また、その他事業で取り組んでいる新しいビジネスの創出では、異業種パートナーとの連携のためのアライアンス、技術や人財取り込みのためのM&Aなどの可能性も含め、今後も投資を予定しています。
そして、新技術の導入・活用のための投資も継続して進めていきます。特にAIを最大限活用していくためには、サーバーの増強、全従業員のアカウント準備、セキュリティの強化など、適切な環境を整備する必要があります。そうした設備面での投資や、従業員のリスキリングを促進するソフト面での投資も重視しています。
<質問18>
質問:御社の配当方針は長年、安定配当ですが、累進配当を方針とする企業も増えてきています。株主還元の水準を引き上げるとしたら、どのような状況、条件を考えていらっしゃいますか?
回答:これまで安定配当を株主還元の基本方針とし、業績の波にかかわらず、継続して着実に株主還元することを重視してきました。まだ配当水準を引き上げる段階には至っていないと考えていますが、上述した投資や成長戦略によって、事業が成長軌道に乗り、利益を安定して拡大していけるフェーズになった際は、配当方針の見直しも含め、株主還元の拡充を検討したいと考えています。
また、当社はもうすぐ50周年を迎えます。そうした節目における記念配当等も検討していきます。
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