クルーズ、構造改革を終え大きな転換期へ 通期営業利益は恒常的に黒字転換予定、来期以降大幅な増益を見込む
エグゼクティブサマリー(2026年3月期 2Q)

小渕宏二氏(以下、小渕):代表取締役社長の小渕宏二です。本日は決算説明会にお越しいただきありがとうございます。これより、2026年3月期第2四半期の決算説明を始めます。よろしくお願いします。
稲垣佑介氏(以下、稲垣):取締役副社長の稲垣です。よろしくお願いします。
小渕:さっそくですが、資料の説明は副社長の稲垣が行います。私からは必要に応じて補足やコメントを随時入れるかたちで進めたいと思います。よろしくお願いします。
稲垣:最初にグッドニュースです。主力のITアウトソーシング事業の第2四半期の売上が、前期約11億円から今期は17億4,800万円と、154.3パーセント成長しました。
中期経営計画で掲げた68億円はほぼ確実に達成できる見込みです。
エグゼクティブサマリー(2026年3月期 2Q)

もう1点トピックスとして、今回、通期の業績予想の開示を再開しました。連結の通期営業利益は約3,000万円の黒字転換を予定しています。
3,000万円という金額は非常に少ないですが、今期から恒常的に黒字が見込めるビジネスモデルとなり、来期以降は大きな増益が期待できるという点がグッドニュースです。
小渕:投資家のみなさまから、通期の業績予想の開示の再開についてリクエストや質問をいただいていました。このたび、第2四半期の終わりから、通期の業績予想の開示を再開することとなりました。ビジネスモデルの整理や構造改革が完了したため、今後は恒常的に業績予想を公表していきたいと思います。
稲垣からも説明がありましたが、3,000万円の黒字については、特別大きな成果というわけではありません。
昨年は通期で約10億円以上の赤字を出していたものがゼロになり、3,000万円の黒字に転じたということは、約10億円分の営業利益を回復させたということです。さらに、今後はその状態を恒常的に達成できるビジネスモデルへと改革が完了した点は朗報と言えるでしょう。
GOOD NEWS まとめ

稲垣:グッドニュースをいくつかまとめると、1つ目は構造改革が完了したことです。先ほども少し触れましたが、前期は約10億円の赤字という状況でしたが、そのほとんどがGameFi事業によるもので、この事業は第1四半期に撤退しています。
現在残っている事業はITアウトソーシング事業とAda.事業です。いずれも前年同期比で成長しており、すでに黒字化を達成した事業のみとなっています。将来に不安が残る事業はなくなりました。
2点目として、営業利益が恒常的に通期で黒字転換していく見通しです。後ほど説明しますが、ITアウトソーシング事業の中には先行投資中の事業が一部あり、まだ黒字化していないものもありますが、それらも来期ですべて黒字化する予定です。
3点目は純投資についてです。当社はベンチャー株や不動産への投資を行っていますが、こちらも非常に好調で、来期以降大きな貢献が期待されています。
小渕:1つ目と2つ目が非常に重要です。昨年から第2四半期にかけて、事業の撤退・売却やビジネスモデルの大きな転換を行ってきました。当社は2007年頃に上場し、今年で18年目を迎えますが、その間にメイン事業が3度も変わりました。
これを大きな転換期と捉えています。恒常的に黒字を維持しつつ売上を成長させ、損益分岐点を超えた結果として営業利益が発生し続けていくという点で、トレンドが大きく変化しています。この第2四半期以降は特に注目していただきたいと思います。
社長として自信を持って申し上げます。
新たな重点戦略について

稲垣:続いて、新たな重点戦略についてです。現在はITアウトソーシング事業を主力事業としています。
業績予想の補足

本日発表した業績予想について補足します。今期の通期売上予想は、前期を下回っているように見える数値となっています。しかし、継続事業だけに絞ってみると、本質的には前期比146.1パーセントと大きく成長しています。
前期までGameFi事業や、減収が続いていたSHOPLIST事業が含まれていた状況のため、撤退済みの事業を含めた数字で前期比を見ても意味がありません。現在継続している事業だけで見るのが正しい見方です。
小渕:どうしてもフォーマット上、前期比で表示する必要があるため、撤退済みの事業まで含めた数字が出ています。売上の数字が下がるのは当然ですが、比較のためには出さなければならないという事情があります。
本質的には、現存している事業の1年前の規模と1年後の規模を比較しなければ、意味がありません。現存している事業が前期比146パーセントで成長していると考えれば、現在は赤字事業がなくなり、売上成長が見込める事業だけが残っている状況です。先ほど、「潮目が変わる」という話をしましたが、ここから大きな成長が期待できると考えています。
今は流れが変わるタイミングだという点をお伝えしたいです。決算発表の数字だけを見ると「あれ?」と思う方もいるかもしれませんが、よくご覧いただきたいという話です。
稲垣:決算短信や業績予想などには、前期の数字もすべて含まれていますが、この決算説明資料は継続事業だけをわかりやすく表示するようにしています。そのため、こちらを中心に見ていただくとよいかと思います。
業績予想の補足

先ほどの説明の補足です。ご覧のとおり、継続事業だけで言うと売上が146.1パーセント伸びています。
業績予想の補足

営業利益についても、昨年までの事業および事業体の構造が異なるため、継続事業だけを見ていただくほうが本質的な内容になります。
ITアウトソーシング事業の業績サマリ

続いて、ITアウトソーシング事業の業績サマリを説明します。ITアウトソーシング事業は前年同期比154.3パーセントと、大きく伸長しています。
介護福祉人材サービス事業は少しマイナス表示となっていますが、来期中に黒字化を予定しています。スライドをご覧いただくと、2026年第2四半期(今回)のITアウトソーシング事業合計は1,300万円の黒字となっています。
この内訳として、SES事業はプラス6,100万円、介護福祉人材サービス事業は投資中の事業でマイナス4,400万円となっています。この投資がなければ、全体でおよそ6,000万円のプラスとなっていた見込みです。
小渕:具体的な数字は言えないのですが、経営者の肌感覚に基づく話をしますと、このマイナス4,400万円は、通常であれば解消可能なものです。売上が伸びることで自然と改善しますし、売上を伸ばす自信もあります。また、経営者の感覚的な自信ではなく、KPIという客観的な数字で見ても、時間の経過とともに解決可能であることが見通せています。
稲垣:介護福祉人材サービス事業では赤字が出ているというよりも、非常に調子が良いため、積極的に投資が行えているという感覚です。昨対比でも267.2パーセントでした。
小渕:投資ができない事業の場合、回収ができなければ投資ができません。逆に言うと経営者は、調子が良いからこそ投資ができているという解釈をします。投資ができるということは順調であることを意味していると言えますので、この指標が伸びているのであれば、投資が進んでいる分、可能な限り積極的に投資したほうが良いという考えです。
ITアウトソーシング 売上高・営業利益の四半期推移

稲垣:ITアウトソーシング事業のこれまでの売上高・営業利益の四半期推移です。ご覧いただくとおわかりいただけるかと思いますが、この四半期では154.3パーセントで、右肩上がりの成長を続けています。
利益については、少しばらつきがあり、季節的な要因や下期偏重があるためわかりにくい部分もありますが、前期の通期では約1億2,000万円の営業利益を計上し、今期は3億1,000万円程度の営業利益を見込んでおり、利益も順調に積み上がってきている状態です。
下期偏重で売上・利益の貢献割合が増えることについては、毎回掲載しているとおりです。
ITアウトソーシング 稼働エンジニア数

各指標の推移についてです。これも毎回お伝えしている内容です。
特に変わりありません。稼働エンジニア数は、ご覧のとおり順調に伸びており、計画どおりです。
採用に向けた取り組み ・ 強みについて

採用に向けた取り組みと強みについてです。SES事業は非常にシンプルで、稼働エンジニア数に単価を掛けたもので売上が決まります。単価はあまり変わらないため、売上は稼働エンジニア数が重要となります。
その中でも採用についてですが、グループ内の求人広告代理店のノウハウを活用し、広告運用や応募対応の迅速化を進めています。正社員エンジニアの分野においては、業界トップクラスであると考えています。
SES事業の社員エンジニアの新規採用数と純増数の推移

続いて、社員エンジニアの新規採用数と純増数の推移についてです。
小渕:ここは私からお伝えします。数字をご覧いただくと、純増数が減少しているように見えますが、第2四半期までは事実としてさまざまな改善が追いついておらず、減少していました。ただし、第3四半期からはV字回復が見込まれるというグッドニュースがあります。
詳細は次のページに記載しています。
補足 : SES事業の稼働エンジニア数の純増数について

新規採用数については、第2四半期の実績は3ヶ月で77人でしたが、足元の実績では10月に46人となっています。第2四半期の3ヶ月で77人という数字に対し、1ヶ月で46人を採用できており、かなり上回る結果となっています。
申し上げたとおり、さまざまな改善が追いついておらず低下していた部分もありますが、改善が始まったことをお伝えします。
介護福祉人材サービス事業の売上高・営業利益の四半期推移

稲垣:続いて、介護福祉人材サービス事業の売上高および営業利益の推移についてご説明します。先ほども少し触れましたが、非常に好調に推移しています。売上高は前年同期比267.2パーセントとなっています。
営業利益についてはマイナスであるものの、事業は絶好調のため、むしろ投資を加速している状況です。
こちらも来期中に黒字化を予定しており、順調に進捗しています。
ITアウトソーシング事業 中期計画の進捗

中期計画の進捗についてお話しします。一言で言うと、順調に進捗しています。
この計画は昨年11月に発表しましたとおり2028年3月期に売上高130億円、営業利益15億円を目指し、それまでの各年度の売上を計画として発表しています。
結果についてですが、まず前期2025年3月期は計画を超えて達成済みです。さらに今期については、現時点で上半期が終わった段階ですが、達成できる見込みです。
ITアウトソーシング事業 中期計画の進捗

上期の売上は進捗率48.9パーセントとなっています。基本的に下期に偏重して売上が増加する傾向があります。
過去のデータでは、下期の売上が上期の約1.3倍に達しています。このことから、現時点で約半分に到達していることから、今期の目標は達成できると見込んでいます。
ITアウトソーシング事業 中期計画の進捗

稼働エンジニア数については、スライドに表示のとおりです。第3四半期から採用数が大きく伸びたことは先ほどご説明しましたが、予定どおりになると見込んでいます。
セグメント別業績サマリ

セグメント別の業績サマリについてです。こちらは冒頭でご説明したように、継続事業のみの売上利益を表示していますので、ぜひご覧ください。
現在、継続事業として運営しているのは、メイン事業であるITアウトソーシング事業とAda.事業の2事業です。
ITアウトソーシング事業については先ほど説明しましたので詳細は割愛します。いずれの事業も売上が大きく成長しており、営業利益も黒字で推移しています。
売上高および営業利益の推移

売上高および営業利益に関する継続事業の内容についてご説明します。数字はスライドのとおりで、順調に成長しています。現在、メイン事業であるITアウトソーシング事業が売上の7割近くを占める状況となっています。
小渕:最後にあらためてお話しします。投資家のみなさまから多くのリクエストをいただいていましたが、新規事業が多く、不確実性が高いため、これまで業績予想の開示が難しい状況でした。しかし、今回ようやく業績予想の開示を再開することができました。これが今回の大きなトピックの1つです。
この第2四半期で恒常的な黒字化を達成できる体制が整い、通期では確実に黒字が見込めるようになりました。これは非常に大きな成果です。
GOOD NEWS まとめ

先ほどもグッドニュースとしてまとめた中で、スライドの3つのうち、特に1番目と2番目が大きなトピックスとなります。
先ほどお伝えしたように、3,000万円や数千万円規模の営業利益を達成したこと自体は特に重要ではありません。しかし、昨年10億円近くの営業赤字から営業利益を創出するための努力を重ねた結果として、約1年で3,000万円のプラスを達成したということです。これは、グループ内、特に現場の人々の努力がやっと実を結んだ結果と言えます。
もう1つは、恒常的にビジネスモデルが切り替わり、上場企業として3度目となる大きなビジネスモデルやメイン事業の変化が起きたことです。例えるなら、細かいバイパス手術が終わり、企業としてやっと安定的に稼働し始めた段階です。
これから企業として組織内に血が巡り始め、売上と利益が伸びていくと見込んでおり明るい兆しが見えている状況になったと感じています。
私からお伝えしたい今回の決算発表での大きなメッセージは、完全復活を遂げたこと、そして今後成長トレンドに入るという宣言です。
以上をもちまして、決算発表を終了します。本日はありがとうございました。
新着ログ
「情報・通信業」のログ




