【QAあり】Rebase、通期業績予想を下方修正 先行投資を継続し「インスタベース」を軸とした飛躍的成長の実現へ
決算ハイライト : 第2四半期 累計

佐藤海氏:株式会社Rebase代表取締役の佐藤海です。当社の2026年3月期第2四半期決算説明をご視聴いただき、誠にありがとうございます。この時間を通じて当社についてのご認識とご理解を深めていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
2026年3月期第2四半期の決算ハイライトです。第2四半期累計の売上高は、前年同期比15パーセント増の10億円となりました。営業利益は前年同期比69パーセント減の6,600万円で着地しました。
当社は将来の飛躍的な成長の実現に向けて、積極的に先行投資を行ってきましたが、第2四半期においては「インスタベース」の短期的な成長に寄与する施策が成果に結びつかなかったことが、今回の結果につながっています。
当社としては、現状の結果を踏まえ、通期業績予想を修正することとしました。今後は「インスタベース」における各種施策の実行、検証、及び新規事業へのリソースを、現状を踏まえて適切に再配分することで、業績の回復に尽力していきたいと考えています。
目次

本日は、2026年3月期第2四半期業績、成長戦略の順でご説明します。なお、会社概要等については、Appendixにスライドを追加していますのでご参照ください。
レンタルスペース領域におけるシーズナリティ

当社の第2四半期業績についてご説明します。業績予想に対する進捗状況をお話しする前に、まずは「インスタベース」のサービスとしてのシーズナリティについて触れます。
レンタルスペース市場は成長市場であることに加え、第3四半期(10月から12月)がレンタルスペースに対する認知とニーズが最も高まる時期です。そのため、上半期よりも下半期に売上が偏重する傾向があります。
以上を踏まえ、次のスライドから業績についてご説明します。
四半期推移 : 売上高

四半期別売上高の推移です。2026年3月期第2四半期では、マーケティング施策をはじめとした集客力強化に注力したものの、短期的な成果には結びつかず、前年同期比11パーセント増の5億600万円で着地しました。
四半期推移 : 営業利益および営業利益率

四半期別営業利益と営業利益率の推移です。積極的にマーケティング施策等に費用を投下した結果、営業利益は400万円で着地しました。
今後は「インスタベース」に対するリソース配分を再調整し、業績の回復に尽力しつつも、組織強化を含め、飛躍的な成長の実現に向けて引き続き取り組んでいきます。
重要指標の進捗(第2四半期 累計)

「インスタベース」における最重要指標は、利用総額です。スペースの利用数と予約の平均単価の掛け合わせで構成されています。
そのため、いずれの指標も成長していれば、利用総額は大きく成長します。この利用総額の成長を目指して、当社では特に利用数の成長に重きを置いて取り組んでいます。
第2四半期累計の結果として、利用数は前年同期比23パーセント増、利用総額は前年同期比19パーセント増となりました。掲載スペース数は1,400件増加し、4万2,300件となりました。
重要指標の成長推移 : 利用数

各指標について詳しくご説明します。利用数については、第2四半期は41万1,000件のスペース利用があり、引き続き過去最高を更新しています。
既存チャネルの集客力強化及び新規集客チャネルの開拓に引き続き注力し、さらなる成長を目指していきます。
重要指標の成長推移 : 平均単価

平均単価については、すべての価格帯で利用数が増加しています。特に、平均単価に近い価格帯での利用数が堅調に増加しているため、平均単価は前年同期比で横ばいとなっています。
重要指標の成長推移 : 利用総額

最重要指標である利用総額は、利用数が伸び悩んだことにより、前年同期比15パーセント増で着地しました。期首に設定したKPI目標に対する進捗率は44パーセントとなっています。
重要指標の成長推移 : 掲載スペース数

自然流入による掲載スペースの増加は引き続き好調です。第2四半期では、予約受付を停止したスペースの整理や、掲載者による人数課金機能の導入等により、成長率自体は前年同期比10パーセント増での着地となりました。
その後も掲載スペース数は堅調に推移しており、本日時点で4万3,000件を超えています。
重要指標の実績一覧(第2四半期 累計)

スライドは、これまでご覧いただいたKPIを、各事業年度の第2四半期数値のみでまとめたものです。
重要指標の実績一覧(通期)

スライドは、昨年度までの通期実績です。2026年3月期については、通期業績発表のタイミングで更新します。
2026年3月期 第2四半期 業績

以上の結果、第2四半期会計期間の業績については、売上高が前年同期比11パーセント増の5億600万円、販管費が前年同期比50パーセント増の4億8,100万円、営業利益が前年同期比96パーセント減の400万円となりました。
累計期間の業績については、売上高が前年同期比15パーセント増の10億円、販管費が前年同期比44パーセント増の8億9,700万円、営業利益が前年同期比69パーセント減の6,600万円となりました。
販管費の内訳(前年同期比較)

第2四半期における販管費の内訳比較です。主に広告宣伝費、地代家賃、支払手数料等が増加したことで、販管費全体では前年同期比で1億6,000万円増加しました。
広告宣伝費の増加については、検索広告に加え、認知広告のテスト運用を開始したことにより、マーケティング施策に積極的に先行投資を行ったことが要因です。
地代家賃の増加については、8月から新オフィスの家賃計上を開始したことが要因です。
支払手数料の増加については、事業拡大に伴う決済手数料の増加に加え、新たにマーケティングツールを導入したことが影響しています。
販管費の内訳(四半期推移)

四半期別販管費の内訳とその推移です。この第2四半期は、前年同期比50パーセント増となっています。
第1四半期と比較して人件費等や業務委託費等が減少していますが、これは一部を研究開発費としてその他に振替たことが影響しています。
BSサマリ

BSサマリです。株主還元の実施等により、前期末比で現預金が減少しています。また、移転準備に伴う敷金及び保証金の計上により、前期末比で固定資産が増加しています。
2026年3月期 修正後通期業績予想

2026年3月期の通期業績予想についてご説明します。当社は将来の飛躍的な成長の実現に向けて、積極的に先行投資を行ってきました。
一方で、特に第2四半期においては「インスタベース」の短期的な成長に寄与する施策が成果には結びつかず、結果として売上高が当初の予想を下回りました。
修正後の業績予想については、売上高が前期比13パーセント増の21億7,700万円、営業利益が前期比86パーセント減の7,000万円となる見込みです。
下方修正の背景分析 : ウォーターフォール図

スライドのウォーターフォール図は、業績予想を下方修正した背景を表しています。
今後については、「インスタベース」における各種施策の実行と検証、新規事業へのリソースを、現状を踏まえて適切に再配分することで業績の回復に努めるとともに、さらなる成長に向けた先行投資も行っていきます。
【業績予想修正後】 各重要指標の目標

業績予想の修正後における各重要指標の目標数値です。
インスタベースの成長戦略

ここからは、当社の成長戦略についてご説明します。
「インスタベース」の成長戦略です。さらなる「インスタベース」の成長に向けて、集客力の強化、UI/UXの最適化、平均単価の向上、掲載スペースの最大化の4つに、これまでどおり注力していきます。
第2四半期トピックスサマリ

当社では「インスタベース」の成長戦略に基づいた取り組みを進めています。第2四半期においては、アライアンスやマーケティング施策を活用し、集客力の強化に注力しました。
さらに、法人利用者の課題を解決する機能を集約した新プラン「instabase for Business」や、掲載者向けのAndroidアプリの提供も開始しました。引き続きUI/UXの最適化にも取り組んでいます。
当社におけるM&Aの方針

当社の投資戦略についてご説明します。当社の投資戦略としては「インスタベース」とのシナジーを見込める企業を第一優先としています。
また、事業領域の拡大を可能にする企業も当然ながらスコープに入れて投資活動を行っています。さらに、その先にある新規領域への進出可能性も高めていきたいと考えています。
市場規模

最後に、市場規模についてご説明します。「インスタベース」が属するスペースシェア市場では、場所の需要と供給の両側面から今後も飛躍的な成長が見込まれます。
第1に需要、すなわちスペース利用者のニーズについては、働き方や趣味の多様化により、レンタルスペースの利用ニーズがさまざまな用途で拡大しています。「インスタベース」はこのようなライフスタイルの変化を捉え、利用者の多様なニーズに応えるかたちで成長を続けていきます。
第2に供給、つまり遊休スペースの増加についてです。少子高齢化や人口減少を背景とした空き家問題、都心で変わらず供給され続ける新規オフィス、入居者が抜けた後に空室が埋まりにくい2次空室問題など、さまざまな問題があります。
これらの諸問題を踏まえた未来を想定すると、従来の賃貸借契約という商習慣だけでは利活用が難しくなると考えています。スペースのシェアという新しい場所のあり方は、今後さらに求められていくものと考えています。
スライドの図は、各調査データを基に当社が推計した市場規模です。2022年時点での当社の市場シェアは約2パーセントですが、市場の拡大に貢献しながら成長基調にある市場の中でシェアをしっかりと高めていくことで、ビジョンとミッションの実現を目指していきます。
決算説明動画および質疑応答について

当社の決算説明会の開催方針として、第1四半期と第3四半期については説明動画の録画配信を行い、第2四半期及び通期には今回のようにリアルタイムでのオンライン配信を実施しています。いずれの決算説明会でも、書き起こし記事を公開する予定です。
また、スライドに記載された当社IRサイトのお問い合わせフォームからお寄せください。なお、これまでいただいている決算に関するFAQは、「QA Station」というサイトにまとめていますので、本スライド下部にあるリンク先もご参照ください。
質疑応答:売上や利用数が業績予想を下回った要因について
「売上や利用数が業績予想を下回った理由を教えてください」というご質問です。
根本的な原因としては、新規ユーザーの獲得が当社の想定どおりには進まなかったことが挙げられます。そのため、新規ユーザー獲得に向けた新たな手法を構築する必要があると考え、現在もその取り組みを継続しています。
加えて、リソースの配分という点において、中長期的な目線で現状の成長に満足せず、飛躍的な成長を目指して取り組んでいます。ただし、飛躍的成長を目指した先行投資を行っている新規事業の効果が現れるまでの期間が長期化しているため、短期的な結果を出すことが難しい点も一因として挙げられます。
さらに、「インスタベース」の短期的な成長についても、第2四半期においては十分な結果を得られなかったと受け止めています。
この状況を受け、利用者及び掲載スペース数の獲得に向けてリソースを再配分する必要があると判断し、足元で実行しているところです。
質疑応答:業績回復に向けた今後の対応策について
「業績回復に向けた今後の対応策や、具体的な打ち手を教えてください」という質問です。
具体的な対応策や打ち手は2つあります。スペース利用者の獲得と、掲載スペース数の獲得の2つです。
1つ目の、スペース利用者の獲得についてです。これまでの集客やマーケティングでは、スペースを使っていただける可能性の高い顕在層に対して注力して取り組んできました。
これからは、潜在層やまだ顕在化していない層を掘り起こし、取り込む必要があると考えています。その際、最も効率のよい手法を見出し、実証実験やPDCAを回しながら、取り組み内容の効率化を図りたいと考えています。
例えば、認知広告の実施については、「YouTube」や中吊り広告、喫煙所で配信されている動画広告などを活用して実証実験を行い、新たに獲得できていないユーザー層の獲得手法について効果検証を進めています。法人利用に関しては、大手企業への営業に加え、アライアンスによる獲得も強化しています。
「インスタベース」の機能開発を足元でしっかりと強化しており、「インスタベース」のサイト内での検索体験の向上やCVRの改善に取り組んでいます。
そして、サービスを少しでも良いと感じた方がインストールしてくださったアプリの強化を通じて、リピート率の向上を図る必要があると考えています。
2つ目の、掲載スペースの獲得については、営業によるバルク獲得の強化が不可欠です。また、特定の業界のスペースカテゴリにおける新たな獲得にも取り組み、スペース数を増加させる必要があります。
そのために、アライアンスをしっかりと獲得していく、拡大していくことも同時に強化していく方針です。
質疑応答:広告宣伝費と新規ユーザー獲得戦略について
「広告宣伝費が期首予想を2億円も超えますが、何に使うのですか?」というご質問です。
広告宣伝費は、端的に言えば、新しいユーザーを獲得するための費用だとご認識ください。これまでと異なる手法や、認知広告を含めて効果検証しながら推進していく予定です。
その結果、短期的には利益が圧縮される部分がどうしても出てきてしまいますが、これまでも私たちは、集客及びマーケティング手法において、顕在化したユーザー層をしっかりと取り込めるよう、改善を継続しながら取り組んできました。
これからは、潜在しているユーザーやまだ顕在化していないユーザーをしっかりとターゲットにし、当社のサービスのユーザーになっていただくための手法を講じることが非常に重要だと思っています。その中で、効率の良い手法を見出し、取り組んでいきます。
質疑応答:認知広告の予算と効果について
「認知広告を実施したとのことですが、認知施策は即効性の低いマーケティング手法だと認識しています。どのくらいの広告料を投下して、どのくらいの認知を獲得する計画ですか? また、利益が減っている状態で取るべき戦略なのでしょうか?」というご質問です。
認知広告を含めた各種施策を少しずつ試しながら、効果を検証し、効果の大きいものを追加で実施していく予定です。第2四半期に実施した認知広告の中では、特に「YouTube」広告は明確に効果検証ができ、適切に判断できるものだと考えています。
新規ユーザーの獲得方法として、どの施策の効果が高いのか当然ながらしっかりと判断しながら実施していく予定です。少なくとも、効果が曖昧な中で大量の広告宣伝費を投下して認知広告を実施するつもりはありません。
質疑応答:支払手数料と業務委託費の内訳について

「販管費の支払手数料や、業務委託費の大きな増加については、今後も続く見込みでしょうか? なぜこれほど増えて利益を圧迫しているのか、もう少し詳しく知りたいです」というご質問です。
支払手数料の増加要因については、オフィス移転に伴う仲介手数料が大きな割合を占めています。また、新たにマーケティングツールを導入したことも影響しています。業務委託費については、各施策や開発を実行する際に、短期的に必要なリソースにあてています。
上期には新規事業にも投じていましたが、下半期は現状を踏まえ、リソースの配分を適切に変更しながら取り組んでいく予定です。
質疑応答:マーケットの成長性について

「マーケット自体の成長が止まっているのではありませんか?」というご質問です。
まったくそのようには考えていません。マーケットに対してまだできることはたくさんあると思っています。
我々が今後どのような取り組みを行い、どのような戦略を講じていくのか、その詳細をお伝えすることはできませんが、現在も多くの施策を検討し準備しており、すでに実行しているものもあります。
一つひとつの施策にしっかりと取り組み、積み重ねていくことで、当社の業績はもちろん、市場全体も成長していくと考えています。
また、BtoB領域にはまだまだ拡大の余地があります。SEOとは異なる手法で開拓する必要があり、開拓できると確信しています。その方法の1つとして、新プラン「instabase for Business」の提供を開始しました。
大企業には営業を、中小企業にはマーケティング手法を講じて、効率的に「instabase for Business」を訴求し、BtoB領域、法人利用の最大化に取り組んでいきます。それを行えるだけの成長余地は十分に存在していると考えています。
質疑応答:AIエージェントの台頭が業績に与えた影響について
「売上が業績予想を下回ったのは、AIエージェントの台頭が影響しているのではありませんか?」というご質問です。
現状では、AIエージェントの台頭が大きなインパクトをもたらしているとは認識していません。メディアやコンテンツマーケティング中心のサービスやプロダクトにおいては、AIエージェントの台頭からの影響が大きいとは思います。
一方で、当社のサービスの特性上、予約までを「インスタベース」上で受け付ける仕組みとなっています。この観点からは、必ずしもAIエージェントによる影響を受けているとは考えていません。
しかしながら、当然注視はしていますし、中長期的には影響を受ける可能性があると考えています。
そのため、7月にM&Aで取得した「upnow」というサービスは、レンタルスペースの予約システムや自社予約の仕組みを備えており、来るべき時期に備えた対策であるとご認識いただければと思います。
また、AIエージェントに引用されやすくする対策、具体的にはLLMOの対策も進めています。足元ですでにいくつか実装しているものもあります。
質疑応答:取締役が辞任した影響について
「売上高が伸びていないのは、石田取締役の退任が影響しているのではありませんか?」というご質問です。
この件に関しては、影響はまったくないと考えていますので、ご安心ください。後任についてもすでに業務を開始しており、引き継ぎも適切に完了しています。
質疑応答:「instabase for Business」の進捗状況について
「『instabase for Business』の進捗について教えてください」というご質問です。
「instabase for Business」のローンチ以降、利用いただく法人については、一般的に広く知られている有名企業や、従業員が1,000名を超える超大手企業の登録が足元で順調に増加しており、着実に利用企業が増加しています。
アプリの利便性向上にも現在取り組んでいます。法人利用を獲得しながら、アプリ利用も促進し、リピート率をさらに高めていきたいと考えています。また、法人利用のニーズに沿った、貸会議室を中心としたスペースの獲得にも注力していきます。
質疑応答:飛躍的な成長の実現に向けた現状と取り組みについて
「今の状態は短期的なものですか? それとも、中長期的に続くのでしょうか? 営業利益率20パーセント以上という業績目標は、放棄したと考えてよいでしょうか?」というご質問です。
現状は、成長できていないわけではなく、むしろ飛躍的な成長の実現に向けて、さまざまな取り組みを足元で積極的に講じ、実行しているところです。
現状の課題感は明確に認識しています。それに対して対応策を講じながらも、飛躍的な成長に向けた取り組みを続けています。同時に、短期的な足元の業績にも意識を向けることが重要だと考えています。当然ながら、中長期的には飛躍的に成長した状態を実現していく意向です。
また、営業利益率20パーセント以上の業績目標は放棄したつもりはまったくありません。足元の業績にも確実にコミットしながら、中長期的な成長を目指した取り組みも実行していきます。そして、営業利益率20パーセント以上という目標を確実に達成したいと考えています。
その目標を諦めるつもりはなく、高い目標を掲げて、達成し続けていく覚悟にまったく揺るぎはありません。
質疑応答:中長期的な戦略で最も注力している方針について
「中長期的な戦略で、一番注力している方針や戦略があれば教えてください」というご質問です。
どのようなプロダクトにも、プロダクトライフサイクルが存在しています。成長し続けるに越したことはありませんが、成長の鈍化・低下は起こり得ると考えるのが保守的だと思います。
その観点から、「インスタベース」1本に依存した経営体制は、「インスタベース」が成長している限りにおいては問題ありませんが、いざ成長が鈍化・低下するような状況になると、会社全体の成長が鈍化・低下するのと同義となります。
会社を立ち上げて比較的間もない頃から、具体的には3期目、4期目ぐらいから意識していたことなのですが、一本足打法からの脱却を図ることが、中長期的な成長を実現するために非常に重要であると認識しています。この考えを引き続き重視し、これからも取り組んでいきたいと考えています。
しかしながら、既存事業である「インスタベース」と関係のない領域にサービスを展開することは考えていません。「インスタベース」があることで、新規事業がスタートダッシュを切りやすく、初期ユーザーの獲得がスムーズに進むと考えています。
このように、既存事業の「インスタベース」を基盤として新規事業が成長し、新規事業があることで既存事業である「インスタベース」もさらに成長するという、シナジー効果を生み出せる領域にサービスプロダクトを展開したいと思っています。
その他に、M&Aも成長戦略の1つとして認識しており、現在も取り組んでいます。今後も引き続き、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:新規ユーザーを十分に獲得できなかった要因について
「過去はおおむね目論見どおり獲得できた新規ユーザーが、今回不十分になってしまったのはなぜですか? 市場の変化でしょうか? 内部要因でしょうか?」というご質問です。
市場の変化ももちろんあると思いますが、市場の変化そのものというよりも、これまでの当社の集客やマーケティング手法に起因していると考えています。
これまでは、スペースの利用の顕在層に対して、しっかりとサービスを認知していただき、使っていただく、そしてユーザーを獲得していきます。このような取り組みをいかに効率的に進めるかに特に注力してきました。
今の足元の状況を踏まえると、これから必要になるのは顕在化しているユーザーの獲得だけではなく、まだ顕在化していない潜在層、すなわち潜在ユーザーを獲得する必要があります。
もちろん、顕在ユーザーの獲得も引き続き行いますが、それ以上に潜在層を掘り起こし、取り込むための集客手法や認知施策が求められていきます。その目的のために、多様な施策を用意し、効果検証を繰り返しながら、効率的な手法をしっかりと確立していきたいと考えています。
質疑応答:シーズナリティと下期の業績見込みについて

「レンタルスペース領域におけるシーズナリティは下期偏重とのことですが、下期の回復に期待してよいのでしょうか?」というご質問です。
足元では、施策単位で効果検証のPDCAをしっかりと回しながら仕掛けることができています。
例えば、メールマガジンのタイトルや内容を工夫することで効率を向上させ、10月末のハロウィンの利用数を最大化する取り組みも実施できたと考えています。詳細はお伝えできませんが、最近では、新たな集客施策によって過去最大の効果を発揮できている例も出ています。
ご期待に応えられるよう、下半期も取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:「TOIRO」の進捗状況について
「『TOIRO』の進捗について教えてください」というご質問です。
「TOIRO」については、プロダクトとしての開発は一段落しています。ここからはアライアンスやマーケティングを主体とした、利用者の獲得に注力するフェーズに入ってきたと考えています。
また、「インスタベース」との連携も当然視野に入れたプロダクトでもあります。ビジネススキームやシステム面で連携をしっかりと実現できる環境を整えることで、場所探しだけでなく、イベントの運営から実施までをワンストップで対応可能なプロダクトとして「TOIRO」を仕上げていく方針です。
さらに、「TOIRO」や「インスタベース」の滑らかなシステム連携や、サービス連携の実現に取り組むフェーズに移行していると感じています。
このように「TOIRO」の土台となる仕組みが整いつつありますので、ここからはしっかりとユーザーの獲得に注力したいと考えています。
質疑応答:「TOIRO」以外の新規事業について
「『TOIRO』以外に新規事業はありますか? ある場合は、成長しているのか、勝ち筋は見えているのかについて教えてください」というご質問です。
「インスタベース」とシナジーや親和性のある領域で、準備を進めている新規事業はいくつかあります。
まだこれからという段階ですので、勝ち筋を見出すための取り組みに邁進しており、その準備に注力しています。「インスタベース」に加えて「TOIRO」、そしてそれ以外の準備も着々と進めています。
質疑応答:テイクレートが下がる要因について
「売上を利用総額で割った手数料率(テイクレート)は下がる一方なのでしょうか? どのように考えればよいですか?」というご質問です。
現状として、第2四半期単独のテイクレートは、昨年同時期と比較して若干低下しています。ただし、2026年度第1四半期と比較すると、大きな変化は見られません。
手数料率に影響を与える要素は、大きく2つあります。1つは、掲載スペース数が多い掲載者に提供している手数料率のボリュームディスカウントです。手数料率が低めに設定されたスペースへの集客数が増えるほど、手数料率は下がる傾向にあります。
掲載スペース数の多い掲載者、特にクオリティの高い施設や多店舗展開しているスペース掲載者の獲得は、これまでもそしてこれからも重要視しており、足元でも獲得に向けて注力しています。
その結果、ボリュームディスカウントが適用され、テイクレートに影響を及ぼすことがあります。しかし、最重要指標である利用総額を伸ばすことが最優先です。そのため、テイクレート自体や、テイクレートが低いスペースを獲得することは、利用総額を最大化させることと比べると、重要性は低いと考えています。
もう1つの要因は、利用者に付与しているポイントやクーポンです。ポイントやクーポンは、スペース利用者にリピートしてサービスを利用していただくための重要な施策です。ただし、ポイントやクーポンを付与すればするほど、テイクレートには影響を与える部分があります。
しかし、イベントやキャンペーンに合わせて、最低予約金額を設定する運用を行っています。例えば、500円のクーポンに対して最低予約金額を5,000円に設定するなど、施策ごとに調整を行いながら、効果を最大化するよう取り組んでいます。
また、LTV(顧客生涯価値)を含めた投資対効果の最大化を図りながら対応しています。このような効率的かつ効果的な運用に努めています。テイクレートに影響を与える要素であることは認識しつつも、繰り返しサービスを利用していただくために重要な施策だと考えています。
質疑応答:潜在ユーザーの開拓のための投資計画について
「潜在ユーザーの開拓には、短期ではなく中期にわたってコスト投下が求められないでしょうか? 来期以降、単年度ベースでどこまで投下するのか、基準などがあれば教えてください」というご質問です。
来期については、適切なタイミングで開示できればと思います。
我々はこれまでもさまざまな状況に臨機応変に対応してきたと自負しています。コロナ禍においても、その状況を踏まえて適切に対応することで、業績は前年度を割ることなく右肩上がりに伸ばしてきました。
現時点で来期に向けた明確な基準はありませんが、しっかりと結果を出すことで、期待に応えていきたいと考えています。
質疑応答:リソースの再配分の詳細について
「新規事業への費用投下とは、非公表のものでしょうか? また、リソースの再配分というのは、新規事業を削減して『インスタベース』への費用を増やすという意味ですか?」というご質問です。
詳細は非公表ですが、これまで新規事業の開発に取り組んでいた人的リソースを「インスタベース」の開発に移すなど、開発に割く人数を調整しています。
これによって、既存事業である「インスタベース」の業績回復に努めます。同時に、中長期的な成長を実現するため、これまで進めてきた新規事業や新規プロダクトの準備や開発を止めるつもりはありません。
人員の割合については現状を踏まえて適切に調整し、足元の業績に注力しながら、中長期的な成長も実現できるよう取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:平均単価を高める施策について

「平均単価は、この先下がる一方なのでしょうか? 利用数が想定より伸ばせない場合に、単価を高めるような打ち手はありますか?」というご質問です。
コロナ禍以降、現在に至るまで少人数向けスペースのニーズが増えてきています。当然、そのようなスペースの利用が増えれば増えるほど、また、全体の中で少人数向けスペースの利用割合が増加すればするほど、平均単価が押し下げられる要因ともなります。
しかしながら、利用数そのものの増加にはつながります。我々は最重要指標である利用総額を伸ばすことが、最も重要な課題であると考えています。
そのため、単価という個別の指標よりも利用数を最大化することに注力する方針に変わりはありません。これまでも、今後も引き続き利用総額の拡大に注力していきます。
なお、平均単価を高めるために、できることはいくらでもあると考えています。
例えば、平均単価の高いユーザー層や、まだ獲得できていないユーザー層に対して、しっかりターゲティングしたマーケティング施策やキャンペーン施策を実行することで、大きな会議室やスタジオの利用者を重点的に獲得していくことができると思います。
このように、全体的な効率や市場の需要を見極めながら施策を展開することで、単価を高めることは十分可能です。単価を高める手法は確実に存在し、必要に応じて実行していくことを視野に入れています。
ただし、我々としては、利用数を増やし、結果として利用総額を伸ばしていくことを、より重要視しているのだとご認識いただければと思います。
サービスの平均単価に対する私の意見をお伝えしたいと思います。サービスがより一般向け、あるいは大衆向けになり、多くの人々が当たり前に使用する、いわばコモディティ化が進むほど、スペース利用の予約単価、平均単価は次第に低下していくと考えています。
これは、よりお求めやすい価格でスペースを利用できるようになっていくということと同義であると感じています。そのため、具体的には「インスタベース」を頻繁に利用される方々によって予約単価や平均単価が下がる現象自体を、必ずしも否定的に捉えていません。
むしろ、サービスがより多くの方にとって身近で当たり前の存在となった結果として、価格帯が手ごろな方向へ収斂していく傾向にはなるだろうと思っています。
質疑応答:株主優待の利用状況について
「6月に発行した株主優待の利用によるコスト増はどの程度でしょうか?」というご質問です。
内訳は公表していませんが、現時点では微々たるものと言えると思います。むしろ多くの株主さまに利用していただき、「インスタベース」のリピーターになっていただきたいと考えており、そのための方法を検討しています。
質疑応答:新しいビジョン、ミッションと研究開発について
「青山オーバルビルへの移転に伴う研究開発を掲げていましたが、現段階でどのような研究開発が行われるのかについて、共有をお願いします」というご質問です。
昨年4月に組織図を変更し、新しいビジョンとミッションを掲げました。それ以来、昨年から今年にかけて取り組みを続けています。
私たちはミッションとして、「Get Together / 和をひろげる」を掲げています。これは、人々が集い、そこで出会いや交流が生まれ、コミュニティにつながり、そのコミュニティが隣のコミュニティへと派生してつながっていく、そのようなつながりがあらゆる場所で起きることを目指しています。
ビジョンは、「Where it Starts / ことのはじまり」です。日本中に「ことのはじまり」が広がり、次々と生まれる状態を量産していくことをビジョンとして掲げています。このビジョンを実現することが非常に重要であるという考えのもと、我々全員が日々努力を重ねています。
移転先では、「Get Together」を創出しやすい、つまり人が集っている状態を創出しやすい環境をいかに構築できるかを、自分たちのオフィスの余剰スペースを活用しながら、研究開発していきたいと考えています。
質疑応答:オフィス移転が来期業績に与える影響について
「オフィス移転に伴って、来期もオフィスを埋めるための人件費と地代家賃で、さらに減益となるのではありませんか?」というご質問です。
来期の業績予想については適切なタイミングで、みなさまにしっかりと開示していきたいと考えています。
今回のオフィス移転については、これまでの成長角度とは異なる飛躍的な成長を実現するために必要であると判断し、決断しました。
このタイミングでのオフィス移転は、決して不要なものではなく、むしろ今だからこそ必要であると感じています。12年間会社を運営してきた中で、そのように強く思っています。
今回のオフィス移転は、飛躍的な成長を実現するためのものです。そのため、これまで以上に積極的に成長を追求していきたいと強く考えています。
その一方で、昨年比で減益になることを前提に取り組むつもりはまったくありません。しっかりと足元の業績にコミットしながら、これまでとは異なる成長角度で事業成長や会社の成長を実現していきます。
佐藤氏からのご挨拶
本日貴重な時間を割いて視聴してくださっている投資家や株主のみなさまも、「Rebaseに、毎期ごとに小さな成長を続けてほしい」とはおそらく思っていないと思います。「飛躍的な成長を、近い将来に必ず実現してほしい」と期待してくださる方が多いのではないかと考えています。
多くの方々が期待している中長期的でより大きな成長を実現するためには、毎期ごとの小さな成長ではなく、大きな飛躍を目指した取り組みをしっかりと進める必要があると考えています。
短期的な成長だけを目指す取り組みでは、飛躍的な成長を実現することはできないと思っています。中長期的な成長を視野に入れた取り組みは必須であり、今まさにその取り組みを進めるべきタイミングに来ていると確信しています。
来月で、上場してから丸3年が経とうとしています。昨年度は、これまでの数年間の中で比較的高い成長を遂げることができた1年間だったと思います。しかしながら、この成長も、まだ飛躍的な成長とは言えないと感じています。
さらなる高い成長率を実現し、より多くの人々から支持され、利用されるサービスを提供することを目指して上場しました。その思いを胸に、誠実かつ愚直に取り組みを進めていきたいと考えています。
ただし、減益にするつもりはありません。そのため、現在の数字にしっかりとコミットしながら、中長期的な成長を必ず実現したいと考えています。みなさまの期待に応えられるよう、日々努力を続け、がんばっていきます。
第2四半期については、みなさまの期待に応えられた業績ではなかったと認識しています。投資家や株主のみなさまのご期待に応えられるよう、下半期も全力で邁進していく考えです。引き続きRebaseをご支援いただけますよう、よろしくお願いします。
以上で、決算説明会を終了します。長時間にわたってご清聴いただき、誠にありがとうございました。
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