logmi Finance
logmi Finance
SMN株式会社6185

東証スタンダード

サービス業

2026年3⽉期 第2四半期(中間期)決算ハイライト

原山直樹氏:みなさま、こんにちは。SMN株式会社、代表取締役執行役員社長の原山です。本日は2026年3月期第2四半期の決算についてご説明します。

はじめに、2026年3月期第2四半期の連結決算概要です。スライドは今期の決算ハイライトとなっています。2026年3月期第2四半期において、売上高は前年同期比1.6パーセント増の56億8,000万円、営業利益は前年同期比3億円増の1億8,000万円、中間純利益は前年同期比1億7,000万円増の1億2,000万円となりました。

主なポイントは、スライド左側に記載の3点です。1点目として、DSPを中心としたアドテクノロジーの回復や各種強化施策の効果が発現したことにより、営業利益が前年同期に比べ3億円増加し、大幅な増益を達成しました。これにより、5年ぶりに黒字転換を果たしました。また、中間純利益についても6年ぶりに黒字化を達成しています。

2点目に、こうした業績進捗を踏まえ、第2四半期の決算発表と同時に通期の連結業績予想を上方修正しました。詳細は後ほどご説明します。

3点目に、株主さまの日頃のご支援に感謝を伝えるとともに、当社株式への投資の魅力をさらに高めるため、株主還元策として株主優待制度を導入しました。こちらも後ほど詳しくご説明します。

連結決算概要

上方修正前の通期業績予想に対する進捗状況はスライドのとおりです。第2四半期末時点の進捗率は、売上高が47.3パーセント、営業利益が45.3パーセントと、順調に推移していると考えています。この順調な進捗を踏まえ、通期の業績予想を上方修正しました。

事業別売上高

事業別の売上高の概況についてご説明します。当社の主力事業であるアドテクノロジー事業は、継続的な営業力と商品力の強化が奏功し、大幅な増収を達成しました。

一方で、減収要因として、前期に実施したルビー・グループの連結除外や、前期に発生した一時的な大型スポット案件の影響が挙げられます。ただし、これらの減収要因はいずれも一過性のもので、中長期的な収益回復トレンドへの大きな影響はないと見込んでいます。

結果として、会社全体の売上高は前年同期比1.6パーセントの増収となる56億8,000万円を記録しました。

連結売上高の増減分析

売上高の増減要因についてご説明します。前期第2四半期の実績55億9,000万円に対する主な増収要因は、アドテクノロジーの増収です。一方、減収要因としては、ルビー・グループの連結除外や一時的な大型スポット案件の影響が挙げられます。

これらの増減の結果、今期第2四半期における連結売上高は56億8,000万円となり、増収を達成しました。

実質的な連結売上高

前期の売上高には合計約5億5,000万円の一過性収益が含まれています。具体的には、昨年9月末に株式譲渡したルビー・グループの上半期売上高や、一時的な大型スポット案件の剥落の影響です。一過性収益を調整した実質ベースでは、前年同期比12パーセントの成長を達成しました。

当社の事業は、前期に発生した一過性の要因を除けば、力強く回復し成長しています。

連結営業利益の増減分析

営業利益の増減要因についてご説明します。今期は営業利益1億8,000万円を達成し、5年ぶりに営業黒字化を果たしました。最大の牽引役はアドテクノロジーの増益です。また、その他の事業における選択と集中の効果も利益を押し上げました。今後も着実に収益力強化を推進していきます。

連結営業利益の推移

スライドは、2021年3月期以降の四半期ごとの営業利益の推移を示したグラフです。主力であるアドテクノロジー事業、特にDSPの回復により、収益性が改善されています。

2026年3月期 通期連結業績予想の修正(2025年10月31日発表)

10月31日付で公表した2026年3月期通期の連結業績予想の修正についてご説明します。結論として、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて、通期の連結業績予想を上方修正することとしました。

上方修正の理由は2点あります。1点目は、営業力強化や商品力強化といった継続的な施策が功を奏し、主力サービスのアドテクノロジー事業の改善が進んでいることです。2点目は、アドテクノロジー事業の改善による増収に加え、既存事業の構造改革の効果が発現したことで、各段階利益が前回公表予想を上回る見込みであることです。

具体的な数値について、4月30日に公表した前回予想と比較してご説明します。売上高は、前回予想の120億円に対し2億円増の122億円、営業利益は前回予想の4億円に対し1億5,000万円増の5億5,000万円、経常利益は前回予想の3億7,000万円に対し1億5,000万円増の5億2,000万円、当期純利益は前回予想の3億2,000万円に対し1億1,000万円増の4億3,000万円に修正します。

修正後通期連結業績予想の成⻑率

修正後の通期連結業績予想について、実質的な成長率の観点からご説明します。

前期の売上高および営業利益には一過性の収益が含まれています。一過性の収益を調整した実質ベースで比較すると、売上高は前期比10パーセント増、営業利益は前期比134パーセント増と、非常に高い成長が見込まれています。

株主優待制度の新設に関するお知らせ(2025年10月31日発表)

10月31日付で公表した株主優待制度の新設についてご説明します。当社は、中長期戦略に沿い業績が順調に推移していることを踏まえ、株主さまの日頃のご支援に感謝するとともに、当社株式への投資の魅力を一層高めるため、株主優待制度の新設を決定しました。

対象は、2026年3月31日時点で当社株式を1,000株以上保有している株主さまです。株主優待制度の詳細については、10月31日に公表した適時開示をご参照ください。今後も企業価値向上を目指し、株主さまにとって魅力的な会社であり続けるため、一層努めていきます。

SMNがめざす姿(2025年4月更新)(再掲)

今後の成長に向けた中長期戦略の進捗状況について説明します。当社は4月30日に中長期戦略方針を更新しました。スライドは、その際に発表したSMNが目指す姿の再掲です。

当社は、最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使し、クライアントのデジタルマーケティング領域における課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業を目指しています。

この目指す姿を実現するため、ソニーグループの経営資源を活用し、当社が長年にわたって培ってきたコア・ケイパビリティを軸に、スライドの図に示している4つの領域へ事業を拡張していきます。具体的には、デジタル広告配信領域、デジタルマーケティング支援領域、企業のデータ活用支援領域、成長エンジン創造領域の4つです。

これら4つの事業領域への拡張を進めることで、クライアントの課題を包括的に解決し、持続的な企業価値の向上を目指します。

①「アドテクノロジー」進捗

各事業領域の進捗状況について順にご説明します。はじめに、当社の中核事業であるアドテクノロジーについてです。

当領域において注力している各指標についてご説明します。DSP領域におけるマーケティングソリューション連携案件数は前年同期比31パーセント増、大型案件数は前年同期比43パーセント増、直販案件売上高は前年同期比34パーセント増と、それぞれ力強く成長しました。

これらは、技術力、商品力、営業力の3つの側面で強化施策を推進した成果です。技術面では大規模言語モデル(LLM)の活用、商品面ではコネクテッドTV視聴データの活用、営業面ではインハウス化需要の取り込みやシナジー創造が収益力向上に貢献しています。

今後については、当社の強みである獲得広告領域をさらに強化するとともに、ブランド広告領域を新たな強みとして確立していきます。この2つの領域を両輪とすることで、アドテクノロジー事業の成長を一層加速させます。

②「デジタルハウスエージェンシー」進捗

次に、デジタルハウスエージェンシーの進捗状況についてご説明します。当領域のデジタルハウスエージェンシーは、当社プロダクトの長年の運用を通じて培ったデータの蓄積・分析に加え、デジタル広告配信の実績という強みを基盤としています。

この基盤に、SMNグループ内外のリソースを組み合わせ、デジタルマーケティングの戦略策定からコンテンツ制作までを一貫して支援するサービスです。これにより、広告主企業が保有するデータに基づいた、効率的かつ透明性の高いデジタルマーケティングの実行を幅広く支援していきます。

前期より開始した親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズへのインハウス化支援を、今期はさらに拡充したことで売上高が伸びました。今後は、この成功事例をより深化させるとともに、ソニーグループ各社への展開を進め、このインハウス化支援の経験を活かしてグループ外の企業にも広くアプローチしていきます。

③「1st Party Ad Platform」進捗

続いて、「1st Party Ad Platform」の進捗状況についてご説明します。当社が展開する「1st Party Ad Platform」は、パートナー企業が保有する1st Party Dataと当社のケイパビリティを組み合わせることで、生活者や消費者一人ひとりに最適化された広告配信やマーケティング施策を可能にするプラットフォームです。

その中核的な取り組みが、読売新聞との「YOMIURI X-SOLUTIONS」、通称「YxS」です。「YxS」は、読売新聞グループが保有する新聞購読者データと当社のテレビ視聴データを連携させた、国内随一のプラットフォームです。

これにより、従来は難しいとされていた新聞とテレビという2大マス媒体の接触データを活用したデータマーケティングを、業界で初めて実現しました。また、新聞社が母体であることによる信頼性や、JICDAQ認証の取得によるブランドセーフティも、広告主から高く評価されています。

③「1st Party Ad Platform」進捗

「YxS」の最大の強みは、テレビや新聞などのマス広告で製品を認知した方々に対して、デジタル広告を連動させて表示することで、マス広告で得た認知を逃さず効率的に商品の購入へつなげられる点にあります。

この連携により、マスデータとデジタルデータをシームレスにつなぐことで、従来は分断されがちだった認知から購買までのファネルを統合し、広告主の成果を最大化していきます。

③「1st Party Ad Platform」進捗

また「YxS」では、オフラインとオンラインのそれぞれの利点を活かしたマーケティング戦略を展開しています。スライドは、あるエンターテインメント企業の新作フィギュア発表にあわせたプロモーション事例です。

オフラインチャネルとしては、イベント会場で新聞号外を模した特別なチラシを配布し、リアルの場で話題性を喚起しました。一方、オンラインチャネルとして「YxS」を活用し、関連するターゲット層にディスプレイ広告を配信しました。

このように、リアルとデジタルを横断する効果的なプロモーションを実施することで話題性を最大化し、見込み顧客を逃さず購入につなげました。今後も包括的なマーケティング提案を通じて、より幅広いサポートを提供していきます。

④「新規事業創造」進捗

新規事業創造の進捗状況についてご説明します。当社は、本年5月より新たなコミュニケーション戦略支援サービス「SENZAI」の提供を開始しました。本サービスはAI技術を活用し、企業のコミュニケーションプランの策定から実行までを一貫して支援するものです。

スライド左側は「SENZAI」提供の背景です。近年、膨大なデータの増加や生成AI技術の急速な進化への対応が求められる一方で、消費者の購買行動や価値観が多様化しています。これにより、コミュニケーション戦略の立案は高度化、高コスト化しています。

しかし、企業が持続的に成長するためには、自社の製品やサービスの価値を適切なターゲットに対して的確なメッセージで伝えるコミュニケーションプランが不可欠です。従来の市場調査では消費者の潜在的なニーズを十分に捉えきれず、精度の高いペルソナを構築するために多大な時間とコストがかかるという課題もありました。

この課題を解決するのが「SENZAI」です。「SENZAI」は、ソニーグループ独自の高度なAIと当社が培ってきたマーケティングの知見を融合させたサービスです。

商品特性と消費者データをAIで分析することで、従来の属性情報だけでは把握できなかった消費者の感性を考慮したペルソナ分析が可能となりました。これにより、精度の高いコミュニケーションプランの策定・実行を支援します。

④「新規事業創造」進捗

「SENZAI」サービスの概要です。本サービスの強みは、消費者のニーズ把握からプランの策定・実行までを、大幅なコスト削減を実現しながらワンストップで支援できる点にあります。

本サービスは、大きく分けて3つのステップで進めています。第1ステップのヒアリングでは、対象となるブランドや商品の特徴、現在のターゲット顧客、競合情報、そして最終的なビジネスゴールについて詳細にうかがいます。

第2ステップは感性ペルソナ分析です。ヒアリング内容に基づき、スライド中央に示されている「Casual」「Smart」など12種類の感性タイプを用いて、ターゲットとなる顧客像を感性レベルで可視化、構築します。これにより、どのような感性を持つ人に商品のどの特徴が響くのかが明確になります。

具体的には、AIの分析結果をもとに、特定のキーワードやトピックに共感する方々の感性を抽出します。例えば、ミニマルなデザインを好む、環境配慮に関心が高いなどの価値観を特定し、それをレーダーチャートなどの形式で可視化するのです。このようなプロセスを通じて、これまで曖昧だった顧客像が感性レベルで明確なペルソナとして描き出されます。

第3ステップでは、この分析結果に基づいてコミュニケーションプランを策定し、実行していきます。構築したペルソナにもっとも響くメッセージやCMなどの広告クリエイティブを開発し、最適なチャネルを通じて広告配信を実行します。

「SENZAI」は、消費者の感性を捉えることでプランニングのスピードと質を向上させるサービスで、企業のマーケティング活動におけるAI活用ニーズの高まりに応えるものです。

中⻑期戦略進捗状況まとめ

ご説明した中長期戦略の各領域の進捗をまとめたスライドです。デジタル広告配信領域のアドテクノロジー、デジタルマーケティング支援領域のデジタルハウスエージェンシー、企業のデータ活用支援領域の「1st Party Ad Platform」、そして成長エンジン創造領域の新規事業創造の4つの領域において、各事業を引き続き推進します。

上方修正後の通期連結業績予想の達成に向けて、邁進していきます。

facebookxhatenaBookmark