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株式会社QPS研究所5595

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持株会社体制への移行に関するお知らせ

大西俊輔氏:株式会社QPS研究所代表取締役社長CEOの大西です。2026年5月期第1四半期の実績についてご説明します。

まず、株式会社QPS研究所の持株会社体制への移行についてご案内します。この度、当社は2025年12月1日を効力発生日として、新たに株式会社QPSホールディングスを設立し、持株会社体制へ移行します。

この移行は、企業の成長と事業の多角化を見据えた経営体制の強化を目的としており、事業の実質的な内容や経営方針に変更はありません。

本件はテクニカル上場制度に基づいており、本資料に記載のとおりの特徴があります。今後とも、より一層の企業価値向上に努めていきますので、引き続きご支援くださいますようお願いします。

2026年5月期 Q1業績のハイライト

2026年5月期第1四半期の取り組みについてご報告します。当社は、開発および調査研究の分野で着実に取り組みを進めてきました。

各プロジェクトの進捗をしっかり管理し、成果を生み出すことに注力しています。これらの活動は売上だけでなく、会社の将来を支える土台作りにもつながっており、今後の成長に向けた重要なステップとなっています。

2026年5月期には、「QPS-SAR」衛星を合計6機打上げる予定です。衛星の数を増やすことで、より多くのデータを提供できる体制を整えていきます。

2025年6月以降、すでに2機の衛星を打上げており、2025年10月10日時点の運用状況は、初期運用中が1機、定常運用中が5機、復旧作業中が1機です。この体制により、SAR画像データの販売基盤が強化され、今後の収益拡大に向けた準備が着実に進んでいます。

現在、需要の高まりに対応するため、将来を見据えた積極的な投資を行っています。その結果、今年度の営業利益は赤字となる見込みですが、これは将来の成長のために必要な支出です。現時点では計画どおりに進んでいます。

さらに、政府や自治体からの補助金の受給も見込んでおり、これが会社全体の経営をしっかり支える要素となっています。

そうした取り組みの結果、2026年5月期の通期では、経常利益6億円、当期純利益5億円を見込んでいます。財務面でも安定した成長を維持できる見通しです。

2026年5月期 Q1 実績詳細

第1四半期は、開発案件が計画どおりに順調に進んだことで、売上高は前年同期を上回りました。結果として、売上高は4億2,500万円を達成しています。今後も既存プロジェクトを着実に進めるとともに、新しい案件の獲得に注力し、売上のさらなる拡大を目指していきます。

なお、通期の業績計画は、第4四半期に成果や収益が集中する構成となっているため、第1四半期の実績はその一部にすぎません。通期目標の達成に向けて、着実に歩みを進めていきます。

次に、原価の変化および費用の状況についてご説明します。前期の第4四半期から、衛星製造に関わる新拠点の費用が製造原価に計上されています。また、通信費や製造設備費、さらに開発案件に関わる原価分が増加したことで、昨年度と比較して売上原価が上昇しています。

一方、販管費については、技術開発に関連する試験研究活動を進めており、それに伴う先行費用が一部発生しています。これらについては補助金の対象となるため、一定の支援を見込んでいます。また、事業拡大に向けた体制強化の一環として採用活動を進めており、人件費も増加しています。

2026年5月期 Q1 事業収益

第1四半期の事業収益についてご説明します。

画像データ販売においては、今年度の前半に内閣府主導の「スターダストプログラム」を中心に、各省庁の行政課題に対応するデータ提供に注力し、当初の想定どおりの進捗を達成しています。

現在、新たなニーズに対応する案件について複数の協議が進行中ですが、画像データ販売の売上高は前年同期を約4,000万円下回る結果となりました。ただし、通期では複数の案件が進展しており、第2四半期以降の売上回復を目指します。

開発・調査研究について、今期収益の柱である防衛省向けの開発案件は、当社が進める36機のコンステレーションとは別枠で開発と製造が進められています。2024年3月に防衛省より「宇宙領域の活用に必要な共通キー技術の先行実証」に向けた技術実証衛星の試作・打上げを受注しました。

この案件では、光通信やオンボードデータ処理など、次世代宇宙技術の確立を目指しています。売上高は前年同期比で約1億1,500万円上回る結果となりました。

補助金については、第1四半期に計上はありませんでしたが、第2四半期以降に計上される見込みです。

主な官公庁案件による事業拡大イメージ

官公庁案件による事業拡大のイメージについてご説明します。

当社は、2025年6月から8月にかけて複数の官公庁案件を受注し、事業の拡大と衛星コンステレーションの進展を加速させています。

スライドの②政府機関向け画像データ提供について、2025年7月にスカパーJSAT社との契約により政府機関向けのSAR画像データ提供業務を受注しました。契約金額は約3.5億円で、2026年3月末までの提供を予定しています。

この業務では、「QPS-SAR」衛星による観測画像を活用し、行政課題や安全保障分野への対応を支援しています。

スライドの⑤NEDO衛星実証プロジェクトについて、2025年8月にNEDOプロジェクトの準備段階業務として、約4.5億円の受注をしました。「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」に向けた事前検討業務であり、当社の技術力が評価されています。

これらの官公庁案件は、当社の技術力と信頼性を裏付けるものであり、衛星コンステレーションの構築と並行して、安定した収益基盤の形成と事業領域の拡大に貢献しています。

なお、本ページでは、非開示または未確定の情報については数字の記載はありません。加えて、記載されている積み上げ棒グラフは、実際の数値を反映したものではなく、将来的な拡大をイメージしたものであることをご承知おきください。

今後も政府機関との連携を強化しながら、国内外のニーズに応える体制を整えていきます。

SAR画像データの取得実績と今後の見通し

次に、今後のスケジュールについてご説明します。

まず、現在当社は、初期運用中の衛星を含めて、軌道上で6機の衛星を運用しています。また、10月8日に発表したとおり、米国Rocket Lab社と小型SAR衛星「QPS-SAR」3機分の打上げに関して、新たに契約を締結しました。

今回新たに契約した3機の打上げは、いずれも2026年以降を予定しており、既存の契約と合わせて、今後合計で7機の「QPS-SAR」をRocket Lab社のエレクトロンで打上げることになります。各1機ずつ搭載され、次の打上げは11月以降を予定しています。

5号機については復旧の可能性が出てきていますが、通信の安定性やサービス品質については現在も検証中であり、本決算説明においてお知らせする新たな事項はありません。

10号機および11号機については、今年9月から販売用の画像データ提供が可能となる定常運用を開始しています。

コンステレーション構築計画

最後に、今後のコンステレーション構築計画についてご説明します。

今年度以降、年間6機ペースで打上げを継続し、2028年5月末までに24機体制の完成を目指します。

打上げは国内外の複数のロケット事業者と連携し、柔軟なスケジュールで進行しています。36機体制の完成により、世界中のほぼどこでも約10分で観測可能な体制を実現する予定です。

機数の増加に伴い、災害対応、インフラ監視、安全保障、環境モニタリングなど、幅広い分野での活用が可能となる見込みです。

以上で、当社2026年5月期第1四半期の決算説明を終了します。引き続きご支援ご声援のほどよろしくお願いします。

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