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田中正則氏:株式会社メディックス代表取締役社長の田中です。2026年3月期第1四半期の決算についてご説明します。内容は、会社概要、2026年3月期第1四半期の決算概要、2026年3月期の業績予想、当社の強みと今後の成長戦略についてです。

沿革

会社概要です。株式会社メディックスはデジタルマーケティング支援事業を行っています。当社は1984年に設立され、広告制作プロダクションとして創業しました。

インターネット黎明期の1990年代後半頃から、インターネット市場は継続的に進化と成長を遂げています。メディックスは、黎明期からこの分野で新たな事業機会を模索し、インターネット広告業として市場の進化・成長とともに歩み続けてきました。

ビジネスモデル

ビジネスモデルです。当社が提供している主な商品やサービスについてご説明します。当社は、デジタルマーケティング支援事業として、インターネット広告販売、マーケティングDX、Webサイト制作を主に取り扱っています。

これらを通じて、顧客企業のマーケティングを支援する各種サービスを提供しています。

売上高構成

売上高構成です。当社はデジタルマーケティング支援事業という1つのセグメントですが、BtoC領域、BtoB領域、データマネジメント・その他領域の3つの領域で、売上高を管理しています。

BtoC領域は、コンシューマー向けに商品・サービスを提供する企業に対して、デジタルマーケティング支援を行う組織の売上です。

BtoB領域は、企業向けに商品・サービスを提供する企業に対してデジタルマーケティング支援を行う組織の売上です。

データマネジメント・その他領域は、インターネット広告以外の商品やサービス、すなわちマーケティングDXやWebサイト制作などのサービスを専門に販売する組織の売上です。

BtoC領域とBtoB領域では、前のページで説明したインターネット広告、マーケティングDX、Webサイト制作など、すべてのサービスを顧客企業の課題に合わせて販売しています。この後の決算概要では、この区分を用いてご説明します。

業績ハイライト(1/2)

2026年3月期第1四半期の決算概要についてお話しします。業績ハイライトとして、スライドには前期実績との比較を記載しています。

売上高は9億6,100万円、営業利益は7,700万円、四半期純利益は5,300万円となりました。売上高は前期比マイナス0.9パーセント、営業利益は前期比マイナス28.6パーセントとなりました。利益項目については、営業利益が7,700万円、経常利益が7,800万円、四半期純利益が5,300万円です。

スライドの表のとおり、経常利益および四半期純利益は前期比で大きく減少しています。前期第1四半期には、保険解約による一時的な営業外収益の増加に加えて、税効果会計の分類見直しによる税負担の軽減という特殊要因があり、大きな増益を記録していました。その影響を受けた結果です。

なお、第1四半期は、当期計画に対しては計画どおりの着地となっています。

業績ハイライト(2/2)

領域別の業績ハイライトです。当社の強みであり、強化領域でもあるBtoB領域は、新規顧客の獲得および既存顧客との取引拡大が順調に進み、前期比プラス11パーセントの増収となりました。

また、データマネジメント・その他の領域は、サイト制作案件の受注・納品が順調に進み、前期比プラス5.7パーセントの増収となりました。

一方、BtoC領域は、顧客の予算縮小等の影響を受け、前期比マイナス8.8パーセントの減収となりました。

BtoB企業への支援実績

当社の強みであるBtoB領域についてのトピックスです。BtoB領域は売上高前年比111パーセントと好調を維持しています。

長い歴史の中で培ったBtoBマーケティングに関する知見を軸とした伴走支援や、商談・受注をKPIとした本質的な広告運用、さまざまな制約を踏まえた提案などを評価いただいています。

引き続き、お客さまの期待に応えられるよう、提供サービスレベルの向上と提供領域の拡大に取り組んでいきます。

四半期業績推移

四半期業績推移です。スライド左側のグラフは、領域別の売上高実績を積み上げた四半期推移を、右側のグラフは営業利益と営業利益率の四半期推移を示しています。

売上高はわずかに減収となったものの、前年同等の水準で着地しました。一方、営業利益は上場に伴う費用の増加等により、販売費および一般管理費が増加した影響で減益となりました。

わずかな差異はありますが、売上高および営業利益は前年と同様のトレンドで、業績進捗は第2四半期以降に偏る傾向があります。

KPI推移(四半期):3期目以上取引のある顧客の売上高

重視する経営指標となるKPIの推移についてです。当社では、3期目以上の継続取引となる顧客からの売上高を最重要KPIとしてマネジメントしています。

既存顧客との継続的な取引をなによりも重視しています。40年以上の長い歴史の中で、取引を継続していただくことで信頼が高まり、年間売上単価も確実に上昇していくことを実証しています。

3期目以上の売上高は、BtoB領域やデータマネジメント領域を中心に、既存顧客の取引が順調に拡大し、前年比で2,500万円の増収となりました。その結果、2026年3月期第1四半期全体の売上高に占める3期目以上の売上高比率は90.2パーセントと、高い水準を維持しています。

今後もこの強固な顧客基盤を軸に、新規取引を積み上げていくことで、事業を成長させていきたいと考えています。

BSサマリー

BSサマリーです。主な増減要因は、スライドに記載のとおりです。

年度末の売掛金の回収および未払金の支払い、さらに法人税等の支払いにより、流動資産と流動負債がそれぞれ減少しています。

2026年3月期 業績予想

2026年3月期の業績予想についてご説明します。通期の業績予想は、計画どおりに進捗していることを踏まえ、売上高は前期比プラス5.4パーセントの43億8,700万円、営業利益は前期比プラス3.7パーセントの8億3,200万円と見込んでいます。

配当に関しては、1株あたりの配当金を1円増配し、15円を見込んでいます。

持続的発展を支える人的資本(口コミサイトの評価)

競争の源泉と今後の成長戦略についてご説明します。当社の強み、競争の源泉の1つ目は、人的資本です。

スライドのランキングはopenwork社によるもので、社員による会社評価スコアを示しています。当社は業界2,566社の中で、総合ランキング48位、上位2パーセントに位置しています。また、20代で活躍できる会社ランキングでは10位、上位1パーセントとなり、企業規模や企業力を考えると非常に高いポジションにあります。

デジタルマーケティング業界は平均勤続年数が短いと言われており、情報を開示している同業他社の平均勤続年数も5年程度が多い印象です。そのような中で、当社の昨年度の平均勤続年数は7.5年となっており、スライドのスコアどおり、従業員が満足して長く活躍できる環境を実現しています。顧客との長期的な取引を大切にしている当社にとって、優秀な人材を確保し、長期的な活躍に結びつくこの人的資本は、当社の成長の源泉の1つとなっています。

強固な顧客基盤

2つ目は、強固な顧客基盤です。スライドには、顧客の取引開始時期別取扱高の推移と、継続年数別の1社あたりの売上高を示しています。

スライド左の図のとおり、長期間継続している顧客の取引が積み上がっており、既存顧客からの取扱高が全体の95.6パーセントを占めています。すなわち、毎年安定した売上を継続できる顧客基盤が構築されていることを示しています。

スライド右下のグラフが示しているように、取引継続年数が長くなるほど、1社あたりの売上高も増加しています。

今後は、既存顧客との取引継続、拡大を維持しながらも、新規顧客の獲得を推進して顧客基盤を拡大していくことで、持続的なトップラインの成長を実現していきます。

BtoB企業への支援実績

競争の源泉の3つ目は、BtoB企業への支援実績です。当社は1998年に企業向けIT製品情報サイト「キーマンズネット」の営業と制作支援を開始して以来、IT系企業を中心に400社以上のBtoB企業のマーケティングを支援してきました。

この豊富な実績と蓄積されたノウハウが当社の差別化となっており、BtoB領域における売上高は高い成長率を実現しています。

成長戦略「Beyond 広告」

これからのメディックスの成長戦略についてです。コンセプトは「Beyond広告」です。

広告は現状、マーケティングプロセスにおける最大の機能です。「Beyond広告」は、その広告サービスをさらに深掘り・強化するだけでなく、広告の後工程まで強化・進出し、マーケティングプロセス全般にわたりサービスを提供していくことを意図しています。

広告代理店という枠を超え、真のマーケティングパートナーとして、顧客の「売れるの実現」「売れてるの定着」に貢献できるメディックスへと進化していきます。

これまでは、「出会った顧客への貢献第一」をモットーに掲げて築き上げてきた顧客基盤、人材の成長へのこだわり、自由な社風を持ち、着実に成長してきました。昨年までの3年間は、この顧客基盤や人的資本という特徴を強みとし、BtoBの強さを再発見し、ユニット経営による収益管理と競争優位性の構築に注力してきました。

今期からは、これらの強みや個性を活かし、既存ビジネスの深化・拡大を図りつつ、新領域へのスピード感ある進出を進め、「Beyond広告」を実現し、さらに成長していきます。

成長戦略「Beyond 広告」:既存ビジネスの深化・拡大

既存ビジネスの深化・拡大についてご説明します。現在、メディックスが属するデジタルマーケティング市場は引き続き成長を続けています。

その中で、3つの領域でそれぞれ成長戦略を実行し、市場成長を上回る成長を目指します。特に、BtoB領域において成長を牽引していきます。また、盤石な顧客基盤を活かし、新規顧客の獲得をさらに強化し、実現していきます。

成長戦略「Beyond 広告」:新領域へ進出

もう1つは、新領域への進出による成長実現です。お客さまの「売れるの実現」と「売れてるの定着」を実現するために、現状の広告サービスに加え、新たな領域のサービスを展開します。オーガニックな成長だけでなく、M&Aをはじめとするインオーガニックな成長も目指していきます。

スライドの図の中央上部に示した現状のサービス領域である、広告、サイト制作、データマネジメントといった領域から、BtoC、BtoBそれぞれに顧客の売上成長を実現するサービスを提供していきます。

また、広告の後工程にあたるサービスにも進出していきます。例えば、BtoB企業の場合、広告で集客した見込み客を育成するプロセスに必要なMA(マーケティングオートメーション)の導入や運用、インサイドセールス、さらにはフィールドセールスを提供できるような会社を目指しています。

さらに、顧客化した後のカスタマーサクセスに必要なツールやサービスメニューを拡充していく考えです。

メディックスの強みである顧客との複数のタッチポイントを活かし、広告だけでなくマーケティング全般やセールス工程に至るまでをカバーするパートナーとして、顧客の「売れるの実現」「売れてるの定着」を目指していきます。

メディックスにとって新たなサービス領域で、成長を牽引していきたいと考えています。

成長戦略「Beyond 広告」:新領域へ進出

スライドの図は、今お伝えした新領域への進出を別のかたちで表現したものです。左側が深掘りする現状サービス、右側が新たに進出・強化していくサービスというかたちで、成長戦略のイメージを整理しています。

現状サービスを深化・拡大し、成長を加速させるとともに、新たなサービスを展開することで非オーガニックな成長を実現していきます。顧客の「売れるの実現」「売れてるの定着」にとって最強のマーケティングパートナーとなるべく進化していきます。

引き続きご支援のほど、よろしくお願いします。本日のご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。