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大平啓介氏(以下、大平):本日は株式会社ブリーチ2025年6月期通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長の大平です。取締役CFOの小西も同席しています。本日の目次はスライドのとおりです。

2025年6月期 通期 連結決算ハイライト

通期連結業績についてご説明します。はじめに決算ハイライトです。2024年9月に公表した成長可能性資料に記載されているとおり、当社は中長期における継続的な成長に向けた事業基盤の強化策を着実に実行してきました。

当期は、商材ポートフォリオの拡大のために、取扱商材の拡大を着実に行い、新規商材・新規ジャンルに対する積極的な広告投資を継続し、商材ポートフォリオを大幅に改善することができました。また、2025年3月には、事業ポートフォリオの拡大と新たな収益基盤の確立を目的とし、株式会社オーラムテックを設立しました。当第4四半期よりサービス提供を開始しています。

連結売上高は171億6,000万円となり、前期比24.3パーセントの33億5,300万円増加と大きく成長しました。特に、2024年6月期から支援を開始した医薬品・化粧品・機能性表示食品・美容医療などの新規商材に加え、オンライン診療・人材紹介など新規ジャンルの立ち上げを積極的な広告投資により着実に推進しました。その結果、平均コア商材数を前期の13商材から20商材へと大幅に増加させることができました。

子会社のオーラムテック社は、6月から本格的にサービス提供を開始し、売上高は7,000万円となりました。広告利益は33億8,500万円となり、前期比46.7パーセントの10億7,600万円という大幅な増加を記録しています。

当期は、新規商材および新規ジャンルの立ち上げに積極的な広告投資を行っているものの、コア商材化に成功した医薬品・機能性表示食品・化粧品・オンライン診療ジャンルの広告利益が増加したことで、トータルでは順調に広告利益を伸ばすことができました。

連結の営業利益は4億3,600万円となり、前期から8億400万円増加しました。売上原価では、マーケター人員の採用による労務費の増加、販管費においては採用教育費の増加、新規事業開発やM&Aの検討による調査費用の増加が見られましたが、広告利益の増加が費用増加を上回り、黒字で着地しました。

2025年6月期における主な取り組み実績 -(1) コンサルティング強化と支援領域の拡大

2025年6月期における主な取り組みの実績についてご説明します。スライドのとおり、コンサルティングの強化と支援領域の拡大に注力し、コア商材化の再現性向上と収益獲得機会の創出に成功し、当期の業績に貢献した事例を示しています。

いずれの事例も、顧客企業に当社の過去の実績を評価いただき、顧客企業で解決が難しかった課題に、当社がマーケティングコンサルティングの領域を広げて対応することで、当社と顧客企業の双方に収益向上をもたらすことができました。

当社は広告の出稿・運用にとどまらず、顧客企業の商品企画から購入、販売ページまでの導線設計、広告制作・広告運用、成果分析まで一気通貫でサービスを提供しています。過去の成功・失敗事例から効果的な施策をデータとして蓄積し、汎用化してサービス拡大につなげています。

サービスの支援領域を広げて新たな顧客企業を獲得し、引き続き案件ポートフォリオの拡大を図っていきたいと考えています。

2025年6月期における主な取り組み実績 -(2) 動画広告の強化

動画広告の強化についてご説明します。前期に引き続き、市場規模が拡大している動画広告をさらに活用することで、コア商材の売上拡大に貢献しています。

Meta、「TikTok」など動画媒体の開拓に向けた媒体検証に加え、動画媒体ユーザーのインサイト分析を通じて潜在需要を喚起できる商材・サービスの検証に注力し、化粧品および美容サロンを中心に順調に成長しました。当第4四半期の売上高は4億9,600万円となっています。動画広告の強化を継続し、動画との相性が良い商材を展開することで、複数の成功事例を生み出していきたいと考えています。

2025年6月期における主な取り組み実績 -(3) マーケティング力向上プロジェクト

成長戦略を着実に実行するために、社内で推進している各種プロジェクトの概要を記載しています。コンサルティング力強化による商材選定力の向上やデータベースの活用など、マーケティング力を強化することで、再現性をもってコア商材を量産していきます。

連結売上高推移(既存商材・新規商材別)

ここまで説明してきたような取り組みにより新規商材の立ち上げが進み、売上高は順調に増加しています。冒頭でお話ししたとおり、商材のポートフォリオ拡大を目指し、既存商材から新規商材へマーケターのリソースを再配置して新規商材の立ち上げに注力し、新規商材のコア商材化を進めてきました。

新規商材では、機能性表示食品や医薬品などが順調に立ち上がり、平均月次売上高が1億円を超えるAランク商材も4商材となりました。その結果、売上高はスライドのとおり順調に増加し、22億1,100万円となっています。

また、金融ジャンルや美容サロンジャンルに加えて、人材紹介ジャンルやオンライン診療ジャンルへも積極的に広告投資を行い、徐々に業績への貢献が進んでいます。これらを今後の収益獲得の柱として育てていきたいと考えています。オーラムテック社も当第4四半期から新たな支援の提供を開始し、すでに売上高は7,000万円となっています。

単体 主要指標ハイライト(通期比較)

次に、単体の主要なKPIのハイライトについてご説明します。売上高は170億9,000万円と過去最高を記録しました。広告利益は33億8,500万円、営業利益は4億4,000万円と前期比で大幅に増加しています。コア商材数は21商材で、そのうちAランク商材は4商材に増加しました。Aランク商材の月次平均売上高は1億6,500万円となりました。

全体ROASは124.7パーセントと前期から改善しました。マーケター数は順調に増加しており、平均は89名ですが、2025年4月に26名の新卒社員が入社し、期末時点では107名となっています。育成プログラムを終えた新卒社員が新たな戦力となることを大変頼もしく感じています。マーケター1人当たりの売上高は1億9,200万円となり、前期比で改善しています。

連結損益計算書 推移

通期の連結損益計算書を前年同期と比較した内容です。売上高は24.3パーセント増加し、171億6,000万円となりました。売上原価は19.7パーセント増加し、148億円となっています。

主な要因は、新規商材・新規ジャンルへの広告投資による広告宣伝費の増加に加え、マーケティング支援体制の強化を目的としたマーケターの人員増加と、賞与引当金の計上による労務費の増加です。結果として、売上総利益は64.7パーセント増加し、23億円となりました。

販管費は前年同期比で5.6パーセント増加し、18億6,400万円となりました。主な要因としては、採用強化活動や人材育成施策の強化に伴う採用教育費の増加、新規事業開発や事業拡大のためのM&A・提携の検討に伴う調査費用の増加が挙げられます。一方で、上場時の業務委託契約終了に伴い、業務委託費が減少したことが影響しています。

また、人員の増加に備え2024年8月にオフィスを増床したため、賃料と関連費用が増加しました。その他費用が増加したことなどから、営業利益は4億3,600万円と大幅に増えました。

営業外収益としては、保険契約の見直しにより生命保険契約の解除に伴い、返戻金1,600万円が発生しています。一方、営業外費用については、前期に上場初年度の上場関連費用として6,800万円が計上されたため、当期は減少しています。これらの結果、当期純利益は3億300万円となりました。

連結貸借対照表 推移

連結貸借対照表の推移についてご説明します。現金および預金は、売上増加に伴い営業キャッシュフローが増加した一方で、主に長期借入金の返済による7億2,000万円の減少に加え、増床にかかる設備投資などによる3億9,000万円の支出が影響し、7億4,000万円減少しました。その結果、2025年3月末時点の現預金残高から有利子負債残高を引いたネットキャッシュは、71億9,000万円となっています。

棚卸資産はオーラムテック社が支援する商材を仕入れており、3億5,600万円増加しました。自己資本比率は72.1パーセントとなり、財務健全性は高いと評価しています。

2026年6月期 業績予想の開示について

2026年6月期業績予想についてご説明します。当期業績予想については、現時点で合理的な算定が困難であるため未定としています。今後、業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに公表する方針です。

このような判断に至った経緯についてはスライドに記載のとおりですが、当社を取り巻く外部環境として、広告関連法令の改正や一部広告媒体におけるルール変更、インターネット広告単価の変動により、不透明性が増しています。また、これまでご説明しているとおり、当社は現在、中長期的な成長を目指して新規商材の拡大に注力し、商材およびクライアントのポートフォリオ拡大を進めています。

今後、多くの新規商材がコア商材となることで、当社業績の拡大が見込まれますが、新規商材および新規ジャンルの立ち上げに予想以上の時間を要しています。このため、これらが当社業績に貢献する時期や度合いの合理的な予測が難しいと判断しています。

以上のことから合理的な業績予想の算定が困難であると判断し、業績予想の開示を未定としました。しかしながら、当社としては、継続的な事業成長に向けた必要な成長戦略を着実に実行していきます。

2026年6月期の成長戦略

当期の成長戦略の全体像を示しています。基本的には、前期に発表した成長戦略をベースにブラッシュアップして実行を進めていきます。施策1から5については、次のスライドから詳細をご説明します。

なお、「M&A・事業提携」については、中⻑期的で継続的・安定的な成⻑を実現する事業ポートフォリオを構築するために、既存事業の規模拡大や新たな事業領域の開拓を目的とした強固な財務基盤を活用し、メーカーやマーケティング関連企業とのM&A・事業提携を推進していきます。

2026年6月期の成長戦略 - 1. 商材ポートフォリオの拡大(1/2)

成長戦略1つ目の「商材ポートフォリオの拡大」について説明します。現在、多くの新規商材に取り組んでおり、業績への貢献にはまだ時間を要していますが、着実にコア商材を増やし、業績の拡大を実現しています。

そのため、当期においても、過去の実績が豊富な化粧品・日用品・機能性表示食品などの既存ジャンルをさらに深掘りし、ポテンシャルの高い商材を見極めることで、当社の勝ちパターンを横展開し、コア商材を増やしていきます。

また、金融業界や美容サロンなど、通販企業以外のマーケティング支援にも力を入れて取り組んでいます。前期には、オンライン診療ジャンルの立ち上げに成功しました。

今後は、市場拡大の余地が大きなジャンルへの取り組みに加えて、人材ジャンルの開拓も同時に進めていきます。さらに、マーケターの人員増加と育成プログラムの向上により、増加した人材リソースを活用し、商材ポートフォリオの拡大を推進していきます。

これまでに培ったノウハウを活用したコンサルティング力の強化により、マーケティング支援の幅を広げ、新規顧客の獲得を目指していきます。

2026年6月期の成長戦略 - 1. 商材ポートフォリオの拡大(2/2)

商材ポートフォリオ拡大のためのコンサルティング力強化施策についてご説明します。前期の成長戦略施策でも説明したとおり、再現性を持ってコア商材を生み出し、大きなヒットにつなげるため、商品企画や顧客LPの設計を含む上流領域の企画顧客コンサルティングを強化していきます。

これにより、商材の選定力と売上成長力の両方を強化できると考えています。当社のマーケティング関連データを活用し、商品企画を含むバリューチェーン上流のコンサルティング力を強化することで、売上成長力のさらなる向上を図っていきます。

2026年6月期の成長戦略 - 2. マーケティング手法の拡大

成長戦略2つ目の「マーケティング手法の拡大」についてご説明します。当社は、広告出稿を多く行っている「LINE」「Yahoo!」「ByteDance」に加え、「X」やMetaなど他の広告媒体の利用を強化することで、より多くの消費者にリーチすることを目指しています。

当社のマーケティング施策における成功パターンを他の広告媒体に展開し、顧客の商材売上をさらに拡大していきます。また、リスティング広告やECモール、インフルエンサーマーケティングなどのマーケティング手法を拡大し、顧客企業のニーズに合わせたマーケティング支援を行っていきます。

これまでに培った独自のデータやノウハウを活用し、高精度なマーケティング戦略を構築するとともに、高速のPDCAを回すことで、マーケティング効果を継続的に改善していきます。

2026年6月期の成長戦略 - 3. 人材採用・育成の強化

成長戦略3つ目の「人材採用と育成の強化」についてご説明します。当社における重要な成長ドライバーの1つは、人材の採用と育成です。

これまでにも優秀な人材を採用し、優れたマーケターとして育成することで、多くの商材のヒットを生み出してきました。特に当社は、ベンチャー企業にはない強い採用力を持ち、新卒社員は旧帝大など多数の上位大学出身者で構成されています。

2025年4月には新卒社員26名が入社しました。2026年4月には新卒社員45名以上の入社を予定しており、着実に強い組織を構築していく考えです。未経験者であっても早期にマーケターとして即戦力化できるよう、マーケター育成プログラムをさらに強化することで、再現性を持って組織を拡大し、生産性の維持向上を図っていきます。

2026年6月期の成長戦略 - 4. IT投資・AI活用

成長戦略4つ目の「IT投資・AI活用」についてご説明します。これまでに培ったマーケティングデータをさらに活用するため、新たなデータベースを構築し、独自の自動解析ツールを開発して、広告投資の意思決定をより迅速化・効率化します。

例えば、ROASが高いマーケティング施策については、より迅速に広告投資を拡大したり、逆にROASが低い施策については、より早く改善策を講じることで、当社のROASを改善し、マーケティング効果をさらに高めることができると考えています。

すでに一部の媒体では、自動解析ツールの実装により、投資意思決定の迅速化・効率化を進めています。今後は、この汎用化を通じて全体への展開を積極的に進めていきたいと考えています。

2026年6月期の成長戦略 - 5.メーカー支援機能の拡充(1/2)

成長戦略5つ目の「メーカー支援機能の拡充」について詳しくご説明します。これまで当社は支援施策として中堅・中小企業に向けたデジタルマーケティング支援を行い、独自のレベニューシェア型モデルで実施設計を行い、ノウハウを蓄積してきました。

次の支援施策として、これまで蓄積してきたノウハウを、化粧品、日用品、機能性表示食品などへ横展開し、さらに金融ジャンルやオンラインジャンルにも支援領域を拡大してきました。

また、コンサルティング力を強化し、商品企画などの上流領域から広告運用まで一気通貫したデジタルマーケティング支援を展開しています。加えて、動画やモール運用にも取り組むことで、より幅広い商材に対応可能な支援体制へと進化してきました。

当期より、新たに支援機能の拡充を行います。商品設計、販路構築、物流体制を含むメーカー支援機能を当社で構築し、販売インフラが未整備のメーカーなど、より広範な企業へのアプローチを進めていきます。これにより、グループ全体として収益機会を多層化・拡大していきます。

2026年6月期の成長戦略 - 5.メーカー支援機能の拡充(2/2)

メーカー支援機能の具体的な拡充方法についてご説明します。魅力的な商材を保有していても、販売の仕組みが整っていないメーカー企業がある場合には、弊社の子会社であるオーラムテック社が、物流管理、販路開拓、受発注管理、モール運営といった販売支援を行います。

また、従来より展開しているデジタルマーケティング支援をブリーチ本社と連携させることで、ブランド価値を高め、高付加価値化をメーカー企業とともに事業パートナーとして進めていく予定です。

現時点では、美容機器など複数の商材の取り扱いをすでに開始しており、今後の安定的な成長に向けた事業基盤の構築を目指し、1つの事業拡大の柱として進めていきたいと考えています。当社からの説明は以上です。

質疑応答:オーラムテック社の売上見通し期間について

小西勲氏:「御社のビジネスモデルにおいて、オーラムテック社の売上の見通しはどの程度まで立てられるのでしょうか?」というご質問です。

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