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株式会社ロココ5868

東証スタンダード

サービス業

2025年12月期第2四半期決算説明

長谷川一彦氏:みなさま、こんばんは。株式会社ロココ代表取締役社長の長谷川一彦です。どうぞよろしくお願いします。

当社は1994年6月に設立されました。私は滋賀県大津市出身ですが、「滋賀県出身」と聞くと近江商人を想像する方が多いと思います。近江商人はもともと近江八幡出身の方を指す言葉ですが、私は大津出身ですので、真の近江商人ではありません。ただし、「三方よし」の理論は非常に大切だと思っています。

ロココという社名をつけた理由は、私自身が大津で成長し、母方の家が大津・坂本で石垣積みをしていたことに由来します。

企業理念

スライドの写真は、「穴太衆」「野面積み」という積み方です。石垣積みは、大きい石や小さい石をいかに活かして積むかが基本となっています。

私は1994年6月に1人でこの会社を設立しましたが、会社を大きくしていくには、多様な人々が集まり、それぞれの個性をいかに活かすかが重要です。大きい石もあれば小さい石もあるように、創業以来、石垣積みの基本に倣い、その考えを貫いてきました。

私どもは「社心」を掲げています。通常の会社では「社是」や「社訓」といった名称が多いですが、当社の場合は「社の心」と書いています。

社心の真髄には、「信頼はすべての礎なり」という理念があります。さまざまな石がうまく積み上がることで、礎が強固なものになれば、たとえお城を作っても石垣が崩れません。このように基礎の重要性を示した社心となっています。

画像の石垣は、大津にある日吉大社のもので、その奥に比叡山があります。比叡山についてはあまりご存じない方もいるかもしれませんが、千日回峰行を修めると「阿闍梨」という地位を授けられます。

阿闍梨という地位は、天皇陛下から御褒美を賜った際にも土足で上がることが認められるほど、神に近づいた存在とされています。この石垣の向こう側には、阿闍梨の方々が住んでおり、きれいな石垣の積み方を後世に伝えるため、現存するかたちで積まれています。

お城はこれよりもさらに高く石垣を積み上げているわけですが、石垣が壊れたという話はあまり耳にすることがないと思います。滋賀県の草津から八日市までを結ぶ新名神高速道路は非常に高い場所を通っていますが、その一部では石垣を使用して、高さ80メートル下の基礎部分を頑丈に積み上げています。これも「穴太衆」「野面積み」が評価される要素の1つです。

また、社章には「心」を最も大切にしたいという意図から、象形文字で右肩上がりを表した成長の姿を取り入れています。

私どもの会社は、人を非常に大切にする思いを持っています。大きい石、小さい石と例えましたが、人それぞれの個性があります。その個性を活かし続けたいという基本的な思いが、ロココという社名に込められています。

会社概要

現在、社員数は776名で、男女比率は男性60.9パーセント、女性39.1パーセントです。女性社員が増加しており、幹部も女性が7人ほど在籍しています。そのため、部長以上の管理職にも女性が多く含まれています。

日本国籍の社員は全体の86.5パーセントですが、13.5パーセントは外国籍の方々です。当社では、日本人であれ海外の方であれ、性別も関係なく、働きやすい職場環境を整えてきました。

沿革

当社はこれまで右肩上がりで成長してきましたが、その成長の基盤にはITサービスマネジメント事業があります。この事業は、コンピューターの運用管理において最も重要な部分をお客さまに代わって担うところから始まっています。

セグメント別業績

当社の事業は、大きく2つの部門から成り立っています。1つ目の柱はITO&BPO事業で、当社の主要な収益源となっている部門です。

第1にITサービスマネジメント事業があります。取引先の大半が上場企業およびそれに準ずる企業となっています。具体的には、約80パーセントがそのような企業との取引であり、さらにこれらの企業とはすべて直契約を締結しています。

創業当初は1人で会社を立ち上げたため、2次請けや3次請けのようなお誘いもありました。また、当時は直取引が実現しないのではないかと感じる場面もありました。それでも、当社のサービスをより深くご理解いただくためには、直接の取引が不可欠と考え、困難な状況でも直取引を維持してきました。

特に、ITサービスマネジメント事業は当社の人材の宝庫です。イチから育成し、基本的にお客さまにいかに満足していただけるかを中心に事業展開をしてきました。この事業には現在、パナソニックやソフトバンクを含む企業向けに対応する約450名の人員がいます。

第2に、カスタマーコミュニケーション事業があります。この事業は、24時間365日いつでもお客さまのお問い合わせに対応することを可能にした、当社独自のシステムを基盤としています。お客さまがお困りの際、いつでも安心していただける体制と対応可能な能力を持つ、コールセンター・BPOサービスです。

第3に、イベントサービス事業があります。この事業では、大手企業のライブチケットの配席や配信を行っています。具体的には、抽選から配席までを手掛け、例えば3人で応募した場合でも席がバラバラにならないようなシステムを構築しています。現在はイベント事業にとどまらず、美術館をはじめとした施設にもサービスを展開しています。

さらに、「熊本城マラソン」では例年1万人の応募がある中、当選者3,000人の抽選を行っています。昨年のゼッケン番号を持ってきて、「今年も抽選に受かったから走りたい」と虚偽申告をする方がいるのですが、そのような場合も顔認証を活用し、当選者の管理を行っています。

福岡県にある「17LIVE HKT48劇場」の入場にも、当社の顔認証技術が用いられています。300人ほど収容可能なスタジオにおいて、みなさまが顔認証でスムーズに入場できる仕組みです。ボディチェックに時間がかかる場合はありますが、顔認証を活用することで、本人確認がスムーズに行える状態が整っています。これが現在のライブチケット配席管理システムです。

第4にソリューション事業があり、自社製品の顔認証システムを提供しています。多くの大企業が顔認証を導入しているのと同様に、当社でもトップクラスの顔認証技術をさまざまなユーザーにご利用いただいています。

後ほどご説明しますが、クラウドソリューション事業の中のHRソリューション事業では勤怠管理システムを提供しており、こちらもユーザーが顔認証を利用して勤怠管理を行っています。

自動顔認証システムについては、現在、多くの企業が競争を繰り広げています。当社の顔認証システムは、これまで1.5メートルの距離で顔認証を行う仕様でした。しかし、1.5メートルで顔認証を行う場合、歩いている方が顔を違う方向に向けると焦点が合いにくいという課題がありました。

当社では、この問題を克服するため、80センチほどの距離で顔に焦点を素早く合わせる技術を採用しています。他社がコンマ数秒の間におよそ100回の認識を行う仕様であるのに対し、当社では200回の焦点調整を行うことが可能です。この技術により、誤認識を防ぎ、精度を大幅に向上させることができています。

さらにクオリティを向上させるため、今年1月7日からポーランドに進出しました。ロココポーランドでは、新卒で採用したポーランド人のカツペル・ラジコウスキを代表に任命し、この者を中心に開発に取り組んでいます。

トピック:ポーランド進出

当社の場合、上場する前は優秀な人材をなかなか採用できませんでした。現在いるメンバーを採用できた背景には、早稲田大学大学院の北九州キャンパスが関係しています。

ここで吉江修教授と出会い、海外からの入学希望者を対象に、吉江教授のテストを経て合格した者のみが大学院の授業を受けられるという取り組みを進めてきました。

このような中で、私はこれまで33ヶ国を訪問しました。その中にはロシアも含まれます。サンクトペテルブルクからウラジオストクまで25日間かけて滞在し、35社のロシアのIT技術レベルを確認しました。また、イスラエルも視察し、技術レベルの高さを知ることができました。どちらの国も今では行くことができません。

このような経験を踏まえ、海外から多様な人材を当社に迎え入れ、彼らが活躍できる場を作りたいと考えました。東南アジアでは、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピンの4ヶ国を訪れましたが、一番英語力が高く、ITに強いフィリピンの人たちにテストを受けてもらい、採用しました。

タイにおいてもトップレベルの人材が当社に興味を持っています。日本でいう東京大学や京都大学に相当する実力を持つメンバーの中から、早稲田大学を受験し、北九州キャンパスを主席で卒業した人物が、現在、当社で開発業務に従事しています。

中国からの採用も行い、そのメンバーは現地の開発分野で活躍しています。ブラジルの方は早稲田大学を受験して入学・卒業した後、現在は他社で活躍していますが、このように多国籍の外国人学生に早稲田大学を受験していただき、当社に入社して技術開発に携わってもらう努力を続けてきました。

その結果として、ポーランドからも新たな人材が加わり、1月に拠点を設立しました。4月22日には設立記念セレモニーも行いました。

スライド左側には、ウッチ市副市長が当社のキャラクターである「Dくん」「Xちゃん」を持っている写真もあります。この副市長は、ロココのポーランド進出を全面的に支援してくださっています。これを機に、ポーランドの高い技術レベルを持つ人材とともに、この地域でさらなる開発を進めていきたいと考えています。

右下の写真に写っているのは、現在の駐ポーランド日本国大使です。この方をはじめ、ロココを応援してくださる方々の支援を受け、今後も活動を拡大していきます。これがソリューション事業における顔認証システムのトピックです。

セグメント別業績

2つ目の柱が、クラウドソリューション事業です。スライド右下にServiceNow事業とありますが、こちらはクラウドソリューション事業とITO&BPO事業を含めた7つの事業の中で最も右肩上がりで成長を続けており、過去4年間で30パーセントほどの成長を維持しています。

トピック:ServiceNowの安定的な成長

スライドに記載のとおり、ServiceNow社からの評価において、当社は顧客満足スコアで5点中4.64点を獲得し、トップの評価を受けています。顧客満足度については、昨年も今年も継続して同じ評価をいただいています。

ServiceNow事業がなぜ右肩上がりの成長を続られるかというと、ITサービスマネジメント事業の取引先がほとんど上場企業および大企業であるためです。「ServiceNow」は非常に高価な商品です。そのため、中堅・中小企業では導入しても十分な効果を上げることが難しいと言えます。

社員数が1万人以上の企業にサービスを提供することで評価が向上します。しかし、単にサービスを提供するだけでは効果が上がりません。

お客さま先に常駐している当社の社員は、効果を高めるために常に最善の方法を模索し、より満足していただけるようなシステムの運用に努めています。このような当社社員とお客さまとのコミュニケーションがあった上で、「ServiceNow」を導入することで初めて、大企業のコストを大幅に削減することができます。

このような現状をServiceNow社から見た時の満足度が、右肩上がりの成長に反映されています。したがって、1人当たりの売上を非常に高く設定することができ、利益も高いのが特徴です。ServiceNow事業を始動して13年かかりましたが、直近5年ほどは成長し続けています。

勤怠管理システムを提供するHRソリューション事業は約100社と取引があります。大きなユーザーとしてはりそな銀行やマルハンなどが挙げられます。また、関西ではUCC上島珈琲などにも導入いただいており、りそな銀行およびそのグループ全体では、約3万人に活用いただいています。

したがって、HRソリューション事業だけで約100社、合計で約10万人にご利用いただいていることになります。勤怠管理システムに顔認証機能を組み合わせることで、本人が出勤したかを明確化し、代理の出勤などを防ぐ仕組みを実現しています。

システムソリューション事業では、ソフトウェアの受託開発を行い、それをお客さまに納品するという、一般的な受託開発および納品体制を構築しています。

オフショア開発も手掛けており、フィリピンのセブ島とマニラに拠点があります。これら2つの拠点を合わせると、社員数は約80名です。特にセブ島では、「ServiceNow」の開発に協力しているメンバーが多く在籍しています。

グループ拠点

中国・寧波でのオフショア開発も行っています。寧波はかつての遣唐使や遣隋使が最初に港町として使用した地です。約30人のメンバーが在籍し、ServiceNow事業を展開しています。

トピック:松江BASE営業開始

8月1日に「松江BASE」を設立しました。地域再生・創生を目指し、人材確保を1つのポイントとして考えています。

IT業界全体が人手不足の状況ですが、ここでは取引先のユーザーとともに、現在12名のメンバーが「ServiceNow」の開発を進めています。オフショアセンターおよびニアショアセンターとして活用できる拠点を地域に設け、現地で採用することで、「大阪や東京には行きたくないが開発に携わりたい」という方々を支援しています。そして、地域で安心して働ける環境作りを進めています。

現在は福岡と松江に営業所がありますが、今後の拠点展開としては、稚内、広島、名古屋を考えています。名古屋ではトヨタ自動車との取引が実現したため、そこを起点にServiceNow事業のさらなる展開が可能になると期待しています。このように、「ServiceNow」を中心とした展開がけっこうできてきています。

2025年12月期 セグメント別売上高・経常利益予想

こちらのスライドには、ITO&BPO事業とクラウドソリューション事業の数字が記載されています。今期はさらに成長させることができるのではないかと考えています。

IT人材の採用と育成

人材の採用と育成についてです。スライド右側には、「Microsoft」などの開発資格保有者を記載しています。お客さま先の開発、および「ServiceNow」の開発においても技術者数をどんどん増やしているのが現状です。

トピック:ServiceNowの安定的な成長

スライドに記載のとおり、「ServiceNow」は安定的に成長しています。直近5年ほどは一貫して右肩上がりです。2025年12月期には、前年比プラス7社の61社となっていますが、今月も「ServiceNow」の取引報告が多く寄せられています。私からのご説明は以上です。

質疑応答:ServiceNow事業の第2四半期売上高について

「『ServiceNow

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