IRセミナー徹底攻略!セミナーを読み解くhow to 伝授

荒井沙織氏(以下、荒井):みなさま、こんにちは。荒井沙織です。みなさまは普段、決算資料や株価チャートだけで投資判断をしていませんか? もちろん、それも大事な情報ではありますが、実はIRセミナーにはそれだけではわからない企業の本音や成長の手がかりが詰まっています。

この動画では、普段IRセミナーをあまり見ないという方や、見てもどのように投資判断に使えばいいのかわからないという方に、実際のIRセミナーの映像を一緒に見ながら、どこに注目すべきか、そしてどのように活用すればいいかを凄腕投資家が丁寧に解説していきます。

数字だけではわからない企業のリアルを知ることで、あなたの投資判断に深みが出るはずです。私もこの動画でみなさんと一緒にIRセミナーをあらためて学んでいきたいと思います。

記念すべき第1回目のゲストをご紹介します。1UP投資部屋Kenさんです。よろしくお願いします。

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):よろしくお願いします。

荒井:Kenさんとはログミーのセミナーで何度もご一緒していますが、Kenさんが普段どのような目線で企業をご覧になっていて、そしてどのような目線で質問を投げかけているかという点は深掘りして質問したことがなかったため、今日はいろいろ勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

なぜIRセミナーを見る必要があるのか?

荒井:それでは始めていきましょう。今回は初回ということで、「なぜIRセミナーを見る必要があるのか?」を学んでいきたいのですが、いかがでしょうか?

Ken:もちろん時間の都合などもあると思いますが、私は基本的に見ていただいたほうがいいと思っています。みなさんは決算が出た瞬間は決算短信や決算説明資料を見ると思いますが、それだけでは情報をすべて取得できていないと思います。その情報を補うため、新しい情報を得るために、決算説明動画やIRセミナーは非常に有効だと思います。

荒井:資料上だけでは得られない情報とは、例えばどのようなものがありますか? 

Ken:例えば、数字の裏の理由が重要だと思っています。もちろん丁寧に書いてくれている企業もありますが、やはり決算短信はフォーマットが決まっているため、「増収増益」というのは誰もがわかるのですが、「それはなぜか?」というところまでは深掘りできていない資料も多いと思います。そのため、動画などを見ていただくことによって、その裏の理由がわかると思います。

荒井:数字を一見しただけだと良いが実は悪い、その逆もしかりということですね。

Ken:そうですね。特にニュースサイトなどでは、やはり数字が良いだけで「増収増益!」「増益率何パーセント!」などと出ると思いますが、その裏をよくひもといて見てみると、「あれ? 確かに良いけど一過性だな」というようなことがあります。

マーケットは一過性を嫌う性質があります。例えば、為替が代表的だと思いますが、一時的にドル円が160円になって儲かっても、ずっとドル円が160円の保証はありません。そうするとマーケットは「一時的に儲かった」という評価で判断します。したがって、業績が一時的に作られたものなのか、それとも継続性があるのかを見ることが重要だと思います。

特に意識して見るべきポイント

荒井:すでにポイントを少し出していただきましたが、特に意識して見るべきポイントを教えてください。

Ken:1つ目は、口頭での追加情報です。みなさんが数字を説明したり、いろいろ説明いただく時に「実はこれはこのような理由です」という補足が入ることも多いと思いますが、そこが重要です。ただ「このような数字になっています」だけではあまり腑に落ちないこともあると思いますが、補足があることによって自分の理解度や解像度が上がります。

解像度が上がるということは、ある意味「確信度合いが上がる」とも言えます。確信度合いが高ければ高いほど、思い切って張れたりすると思います。したがって、口頭での追加情報は、背景などいろいろな理由を知ることができるため、非常に注目していただきたいと思います。

2つ目は、数字の裏に隠されている理由についてです。一番大きいのは、減益・増益の理由や、売上が非常に伸びている理由などだと思います。先ほどもお話ししたとおり、この部分は継続性が重要になってきます。数字の裏側がどのような理由で組み立てられていて、結果的にどうしてこの数字になっているのかは、非常に大切かと思います。

そして3つ目は温度感です。こちらは主に通期予想や上方修正が起こった時などのガイダンスに注目していただくと良いと思います。

例えば、計画がコンサバなのかどうかは、我々には正直わからないですよね? コンサバな傾向がある企業は、「今回もコンサバなんだろうな」という感じで予想すると思います。しかし、それが実際どうなのかはあまりわかりません。

しかし、セミナーを見ていただくことにより、「これけっこうコンサバに見ていそうだな」「実はけっこうチャレンジングなんじゃないかな」など、文言だけでは伝わらないことが雰囲気としてわかります。これは非常に重要ですので、注目していただきたいと思います。

荒井:ニュアンスがわかるということですね。

Ken:そうですね。人間なので、もちろん言える言えないはあると思いますが、表情や受け答えの瞬間などに人間らしさが出ると思います。私はそこを非常に重視しており、極論、その人の目を見て判断できるようになったら最強だと思います。しかし、そこまではいかなくても、ある程度ニュアンスが汲み取れるのは大きいと思います。

そして最後の4つ目は、人となりです。ニュアンスにも近くなると思いますが、その人がどのような人となりなのかを見ていただけるのも、IRのセミナーやログミーのセミナーのいいところだと思っています。

特に社長などが出演される場合は、「この社長、非常に実直そうだな」「非常に株主還元を重視していそうだな」などが伝わったりすると思います。

株主還元は、例えばその方がオーナー社長で株をかなり持っており影響力があれば、その方の一言で増配になったり減配になったりする場合があります。そのため、人となりがどうなのかを見ていただくのは非常に大切かと思います。

4つのポイントを活かしやすい銘柄の特徴

荒井:ありがとうございます。4つのポイントを教えていただきましたが、このポイントを活かしやすい銘柄の特徴はありますか? 

Ken:まず、減益だった会社です。特におもしろいのが、今までずっと増収増益だったのに、いきなり減益になってしまったり、減益までいかなくても、例えば毎年30パーセント成長していたところが、いきなり今回だけ10パーセント成長になったところは、何かあると思います。

また、そのような優秀な企業の場合は、いいバリュエーションが付いています。それがいきなり崩れてしまうと株価が落ちるため、セミナーを活用していただき、その理由を深掘りすると活かしやすいと思います。

最後に

荒井:みなさま、いかがでしたでしょうか? 私もあらためてKenさんがこのような視点で見ていたのだなと知ることができました。

Ken:ありがとうございます。

荒井:ポイントはたくさんありますが、このうち1つずつでも実践できれば、個人投資家としてはラッキーだと思います。この視点を活かしてKenさんが質問してくださっている動画がログミーのIRセミナーですよね。

Ken:そうですね。質問のほとんどを私が実際に考えています。カメラは回っていますが、裏でも聞きたいようなことをしっかりぶつけているため、ぜひみなさんにご覧いただけるとうれしいです。

荒井:ありがとうございます。次回は、本日教わった見方をもとに、Kenさんが実際に聞いてよかったと思ったセミナーについてご紹介します。それでは、みなさま次回をお楽しみに!