目次

荒井裕希氏(以下、荒井):みなさま、はじめまして。株式会社エフ・コード取締役の荒井裕希と申します。本日は週末の貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。我々の企業概要および決算の情報を、みなさまにご案内したいと思っています。

本日の内容は、スライドに記載のとおりです。我々の第1四半期が終了したため、まずは先日発表した決算ハイライトについてご説明します。その後はエフ・コードの事業概要、ビジネスモデルなどのお話となります。以降は決算にもう少し詳しく触れ、我々が投資を重ねているM&Aなどを中心にお話しします。

前半の約30分は私からお話しし、その後の質疑では、事前にいただいているご質問および本日いただくご質問に可能な限りお答えしていきたいと思っています。

2025年12月期第1四半期 決算ハイライト

荒井:まずは、2025年12月期第1四半期の決算ハイライトです。

スライドに記載のとおり、売上高が24億1,000万円、営業利益が5億7,000万円と、それぞれ前年同期比約2.3倍、約1.8倍の成長を続けており、2024年12月期第4四半期に続き、過去最高の四半期売上および営業利益を達成しています。

我々は、増加する営業キャッシュフローを背景に、AI・DX領域の新規事業の開発およびM&A投資の加速に加え、第1四半期に発表している自己株買いを展開してきています。

スライドには、各事業およびM&A、財務のハイライトを記載しています。事業まわりについては、3点あります。後ほどご説明しますが、我々のグループ会社は約12社あり、AI・Technology領域やMarketing領域など、各種事業を展開しています。

そのうち、第1四半期のハイライトをお伝えすると、まずはAIプロダクトをリリースしました。加えて、AI等の先端技術までを網羅したエンジニア向けスクールも展開しています。

Marketing領域では「SNSサミット2025」を開催し、オンラインで約8,000名の方にご参加いただきました。このような点を、事業活動のハイライトとしています。

次に、M&Aです。第1四半期においては、新たに3社にグループへ加わっていただきました。3社合計で、営業利益の想定は約3億6,000万円の積み上げとなっています。

この3億6,000万円は、当該3社が12ヶ月で期待する金額となっています。今期は、各社の弊社グループへの参画タイミングがばらけているため、この金額は取り込み開始時期によって変動します。

最後に、財務です。直近で2回の自己株式の取得を実施しました。それぞれの詳細は、スライドに記載のとおりとなっています。

従来の資金使途として、大きくはM&Aに投資することもありましたが、今後はM&Aも含め、グループに参画いただいた経営陣、あるいはアライアンスパートナーへのインセンティブとして活用していく予定です。

もともとデットおよびエクイティの調達はありますが、特に直近では、金融機関との関係、あるいは資金調達状況も良好に推移しているといった決算ハイライトになっています。

会社概要

荒井:今回、エフ・コードを初めて知ってくださった方々がいらっしゃると思いますので、ここからは弊社の事業概要やビジネスモデルなどのお話に入っていきます。

エフ・コードは2006年に創業し、現在ちょうど20期目に入る会社です。2021年12月に、当時のマザーズ市場、現在のグロース市場に株式公開しました。したがって、現在、上場してから約3年半が経過しています。

その間、IPO時の目論見書にも記載したとおり、事業投資、そしてM&A投資などを重ねてきています。現在はグループ全体で12社、従業員・役員が約800名といった業容になっています。

ミッション

荒井:私どもはミッションとして、「マーケティングテクノロジーで世界を豊かに」を掲げています。

昨今、みなさま一人ひとりがインターネットやスマートフォンを使いこなしている中、我々がテクノロジーを上手に使うことで、提供者側と消費者の間により良い円滑なコミュニケーション・経済活動を作っていきたいと考えています。そこでお力になりたいということから創業し、現在も展開しています。

「マーケティング」という言葉には、当然ながらAIやテクノロジーも含まれています。このミッションは、特にデジタルの領域でお力になっていきたいという思いを含んでいます。

沿革

荒井:沿革です。2006年に創業し、当時から現在までに取り組んでいるデジタルマーケティング領域で事業を展開しています。その間に、例えば2013年頃にプロダクトを作り、2021年には東証グロース市場に上場しました。

その後、我々として企業価値をできる限り早く大きく高めていきたいという思いに加え、お客さまのお力にもなっていきたいという意図があり、M&Aへの投資を大きくかけてきました。

2021年12月末頃に上場し、その後2022年から2023年の間に9件のM&Aを実施しました。さらに2024年から2025年の現在までの間に7社を加えるかたちで進んできており、約16件のM&Aを通じて我々のグループに参画いただいています。

もともとはデジタル領域のマーケティングの中でもコンサルティングのみで展開していましたが、どんどん領域を拡大してきています。

現在は、祖業として進めてきたMarketing領域のうち、我々にとっての主なお客さまはBtoBであることから、「事業を営んでいらっしゃる法人向けにマーケティング活動をお手伝いします」ということを中心に取り組んでいます。

近年ではAI・Technology領域にも拡大しており、マーケティングだけでなく業務の効率化などのお力にもなっています。

当社事業領域

荒井:少し情報量が多く複雑で恐縮ですが、私どもの事業領域はスライドに記載のとおりです。

大別すると、左側に記載のMarketing領域と、右側に記載のAI・Technology領域の2つの領域でお力になっています。

まずは、Marketing領域についてです。特にデジタルの領域であることから、お客さまの成績が一層上がる、すなわち売上が上がったり、お客さま数が増えたりする部分でお力になるSaaSプロダクトを開発し、提供しています。

そして、昨今欠かせないメディアの1つであるSNS領域です。消費者の方も、例えば「X」や「Instagram」、大きく括れば「YouTube」などのソーシャルメディアから情報を得て、最終的には購買行動に至ることが増えています。このような領域で、企業のお力になることを中心に取り組んでいます。

次に、スライド右側は、みなさまも聞かない日はないほど、昨今注目されているAI・Technology領域です。

私どもは企業向けに「生成AIをどのようにすれば、みなさまがより上手に活用でき、例えば企業活動の中でより売上を上げる活動、あるいは今までよりもコストがさらに下がる活動に寄与するのか」といった、生成AIを使った業務の活用あるいはシステム開発でお力になっています。

それぞれの主体として、Marketing領域に取り組んでいる会社と、AI・Technology領域に取り組んでいる会社が全12社に分かれ、各社のサービスでお力になっています。

事業カテゴリ・売上比率

荒井:事業カテゴリと売上比率です。スライド左側はサービス提供フローですが、当社グループからクライアントに直接サービスをご案内し、お申し込みをいただくケースが多くなっています。

直接販売のほうが多いですが、パートナーを経由した間接販売も一部あります。パートナーは、我々と近しい、例えばデジタル領域の広告代理店やシステム会社などです。このような企業のお客さまのお力になれるものを、我々は「間接販売」と呼んでいます。

いわゆるパートナー販売で、パートナーを介してお客さまにサービスを提供します。このように、直接販売と間接販売の両方がある会社です。

スライド右側は、売上比率です。中央にある棒グラフは、2024年度と2025年度における、Marketing領域とAI・Technology領域それぞれの売上高の内訳を表しています。総額が大きいのはMarketing領域です。

一方で伸び率は、時代の潮流もあると思いますが、薄いピンクで示したAI・Technology領域のほうが大きくなっているというのが、直近2ヶ年の推移および今後の見込みとなっています。

スライド右端は継続と単発の売上比率を表現しています。創業以来、私どもは継続的にお客さまのお力になり、継続的な売上をいただくことを非常に重視して経営してきました。

それが経営の安定性、収益性、そして成長の土台になると考えており、現在も全体の売上のうち約76パーセントが継続してご契約いただいているものになっているといった内訳です。

サービス

荒井:こちらのスライドについては、1つずつご案内すると非常に長いお時間をいただくことになるため、よろしければお手元の資料にてご参照いただけますと幸いです。

繰り返しとなりますが、大きく括るとMarketing領域とAI・Technology領域に分かれています。Marketing領域は、我々のクライアントが「お客さまをもっと増やしたい」「もっと商品を売りたい」時に、デジタル領域でお力になるサービスとなっています。

スライドに記載のとおり、SNSをどのように運用すればよいのか、あるいはコンテンツの中身だけでなく、例えば「Google」「Yahoo!」「Facebook」を運営している「Meta」など、各プラットフォームの中にある広告を活用し、専門家として限られた費用をより上手に使うことで、より多くのお客さまと出会えるよう支援しています。

AI・Technology領域も同様に、システムやプロダクトの開発、あるいは生成AIを活用する支援、それを活用するための教育などでもお力になっています。

特に、我々自身が事業としてより早く大きくなっていこうと、この3年間でM&Aを通じて業容が大幅に広くなってきているように見えることもあり、「何屋さんなのか、少しわかりづらくなっている」というお声も時折いただきます。

しかし、まず大きなコンセプトとしては、「デジタル領域でお力添えできないことはありません。必ず何かしらお力になれますよ」という考えのもと、現在はお力添えする範囲を広げてきています。

お客様 ※一部抜粋

荒井:お客さまの抜粋です。継続取引で年間2,000社以上のお力になっています。スライドをご覧のとおり、特定の業種への偏りはありません。すなわち、デジタルの活用はさまざまな業界における経営課題となっています。

例えば、金融やEコマースにとどまらず、教育や飲食など、本当に多種多様なお客さまのお力になることができています。

グループとしての事業活動方針

荒井:我々はグループで12社あるということもあり、事業活動の方針についてもみなさまからお問い合わせいただくことがあります。

1つの会社というよりは、12個ある会社が独自に動いているところもありつつ、当然ながらグループとしての方針をきちんと遵守して進んでいくことが求められていると理解しています。

こちらでは、せっかくM&Aを通じて多くの会社に参加いただいているというスケールメリットをきちんと活かしていくことが重要なテーマになっています。

グループとしての事業活動の前提と考え方は2つあり、1つは「連邦制」と表現しています。

当然ながら、1つのグループとして大きくなり成長していくことを目指しつつ、各社が事業を伸ばしてきた背景には、運営方針および文化があります。そのため、なんでもかんでもエフ・コードのやり方に揃えるのではなく、文化等を含めて各社の運営方針を尊重し、独立性を守っていただくというかたちにしています。

それだけではグループである意義がないため、「きちんと統合すべきところは統合していこう」といった進め方をしています。

主に売上を伸ばす部分、そして経営効率をより良くする部分です。これらを「統合するべきところは統合しよう」と反映したのが、スライド右側の内容です。

1つずつは読み上げませんが、「売上を増やす部分」「経営をより効率化する部分」「カルチャーをマッチさせていく部分」の3つのカテゴリがあります。

特に、売上を増やす部分については、我々がM&Aに積極的に投資している背景でもあります。我々は、大きく括るとデジタル領域となるため、もともとグループにいなかった各社も、提案先の会社あるいはその中にある部門とは比較的近しい部分があります。

さまざまな良い実績が出てきていますが、このクロスセルなどが非常に功を奏しているところになっています。

それ以外にも、例えば経営管理のバックオフィス部門は、グループが大きくなっているものの、1つのバックオフィスがなるべくカバーする範囲を広げています。

本来であれば12社それぞれにバックオフィス部門を持たなければいけないところを、本当に小さいチームで12社分を見ることで、より効率的に経営が進むことにも期待しており、実際に効果も出てきています。

グループとしての事業活動実績

荒井:こちらのスライドは、先ほどご説明したさまざまなグループ連携の実績です、

特に2022年には、事業譲渡によって最初のプロダクトM&Aを実施しました。その後、2023年からは株式取得によって、各社にグループへ参画いただいています。

2023年に参画した企業も、すでに2年近くが経過しようとしています。もともと成長企業であった各社が、グループ参画後にさらに売上や利益を伸ばすといったこともあります。

キーとなっている活動は、スライドに濃い緑色で示しているクロスセルや統合営業、販売経路です。これらをグループ内できちんと共有するなどして進めています。

AI関連の新規プロダクトリリース

荒井:こちらのスライドには、第1四半期に特にグループの中で動きがあった内容を表しています。冒頭でお話ししたとおり、AIプロダクトをリリースしました。みなさまも、部分ごとにさまざまなAIを使用することがあるかもしれません。

こちらは、さまざまなAIエンジンがある中で何を使えばよいかわからない時、1つの入口から複数のAIエンジンを使って最適なものを選び、より使いやすくなるといった、お客さまのご期待に沿えるプロダクトです。

スクール領域の新規事業リリース

荒井:こちらのスライドも、グループでのシナジーについてです。

もともと、SNSマーケティングを個人向けに指導する事業を展開しているBUZZがあります。従来、1万2,000人以上にサービスを提供しており、スクールのマーケティングに非常に長けています。

一方で、Ciel Zeroは650人のエンジニアを擁しています。エンジニア向けの教育力に加え、彼らが実際に活躍できる案件数も圧倒的です。この2社がコラボレーションし、エンジニア向けのスクール事業を共同で展開しています。

特に昨今では、単に基本的なエンジニアリングスキルを教えるだけでなく、AIをエンジニアとして使いこなせる教育コンテンツに仕立て、エンジニア個人の付加価値を高め、お客さまのお力にもなっていくサイクルが回り始めると考えています。

ビジネスカンファレンス「SNSサミット2025」開催

荒井:冒頭でお伝えした「SNSサミット」です。グループ会社であるSAKIYOMIは、SNS業界におけるリーディングカンパニーといってよいと思っています。

毎年、大規模なイベントを企画・主催しており、「SNSで活躍できるようになりたい」「企業としてどのように使えばよいのか」など、さまざまな知見を集め、多くの方に興味を持っていただき、コンテンツを提供している取り組みになっています。

今回は、約8,000名以上の方にご参加いただき、大規模に展開しました。大きく括ると「デジタル」の領域に含まれるかと思いますが、このような各種取り組みを進めています。

グループとしてご提供価値の拡大

荒井:グループでさまざまな活動をしている中で、スライドに記載のとおり、グループとしての提供価値も大きくなってきています。

グループとしてご提供価値の拡大|クロスセル事例

荒井:このようなクロスセルの事例もあります。

グループとしてご提供価値の拡大|クロスセル事例

荒井:このような事例もあります。

グループとしてご提供価値の拡大|クロスセル事例

荒井:このような事例もあります。

グループとしてご提供価値の拡大|クロスセル事例

荒井:お時間がある時に、ぜひご覧いただけますと幸いです。

業績ハイライト|2025年12月期第1四半期 決算サマリー

荒井:お時間も迫ってきているため、我々から特にお伝えすべき業績とM&Aの領域に移ります。

売上収益と営業利益の前期比については、こちらのスライドに詳細を記載しています。前期第1四半期と比較して、売上は2倍以上、営業利益も2倍近くとなる推移で進捗しています。

2025年12月期 通期業績予想|売上収益、営業利益及びEBITDAの推移

荒井:2021年12月の上場以降、現在までこのような成長ペースで推移しています。2021年12月と今期の予想を踏まえると、売上は約4年間で約15倍、営業利益も約14倍というかたちで進んできました。グロース市場においてまだ大きく成長していきたいという考えのもと、日々の事業に携わっています。

2025年12月期 通期業績予想進捗(第1四半期時点)

荒井:通期業績予想に対する進捗です。第1四半期時点の進捗率約25パーセントに対し、ほぼ進捗どおりに進んできています。

2025年12月期通期業績予想|事業領域別

荒井:セグメント別の通期業績予想です。セグメント別に売上収益、事業利益を算出しています。先ほどご説明したとおり、Marketing領域はボリュームが大きく、AI・Technology領域は伸び率が大きい構成となっています。

通期業績予想|EPS推移見込

荒井:投資をご検討いただいているみなさまにとって大事な指標である、EPSです。こちらも約4年間で約8倍の成長を見込み、現在まで進んできています。今期業績予想を踏まえても、このような実績となる見込みです。

2025年12月期第1四半期トピックス|自己株式取得取引の概要

荒井:自己株式の取得についてです。自己株式の取得については、今年の3月および4月にそれぞれ開示し、ちょうど先日、ひととおり終了しています。

自己株式の取得を行う背景と方針

荒井:自己株式の取得の意図についてです。

従来、M&Aに大きく投資を重ねてきました。こちらも引き続き実施していきますが、ディールの中で株式を活用したり、グループインいただいた経営陣にもインセンティブとして保有いただいたりして、法人として株式をきちんと活用していきたいと考えています。

そのような用途がない場合は消却も検討しますが、基本的には引き続き前向きにM&Aやその後のインセンティブとして活用していくことを続けていきたいと考えています。

当社における株主還元に関する考え方

荒井:株主還元に関するご説明です。こちらについても、配当等を含めてよくお問い合わせをいただきます。

我々としては、まず、当然ながら企業価値を継続的に高めていくために、EPSを着実に伸ばしていくことが非常に大事な要素であると理解しています。

そのため、現在は配当などによる還元ではなく、キャピタルゲインによる株主のみなさまへの還元を図っていこうと決めています。

一方で、今年に入ってすでに2回実施したとおり、自己株式の取得といった機動的な株主還元施策も継続的に検討し、その時々の判断に基づき実施していきたいと考えています。

IR関連ご案内 | noteの開設

荒井:こちらのスライドもご覧いただければと思います。

当社のM&Aのねらい

荒井:M&Aのねらい等についてご説明します。「短期間に大きな投資をして、一生懸命M&Aを行っていますが、なぜですか?」とお問い合わせをいただくことがあります。主には、スライドに記載の4つを目的としています。

大前提として、なるべく早く企業価値を高めて、株主さまに利益を作っていくということがあります。その手段として、1つ目に「企業価値向上のスピードアップ」が挙げられます。このことは、M&Aが寄与すると考えていますし、実際にこの3年間は、そのようになってきていると理解しています。

2つ目は「顧客への提供価値の拡大」です。当然ながら、お客さまにお役立ちする範囲や深さも高めていく、拡大していくことにも寄与します。

3つ目は「優秀な人材・チームの参画」です。M&Aを通じてでしか出会えない、中にはグループ参画いただけない人材チームもあるかと思います。特に我々にグループ参画いただいている会社の経営陣の方は、基本的にはそのまま残って続投いただくことが多くなっています。そして、その経営人材のみなさまも、多くは起業家や経営者の方になります。

通常の採用活動をしている中で、経営人材という方のご応募はほぼありません。しかしM&Aであれば、起業し事業を作ってきた稀有な経験をお持ちの方にもご参画いただけるため、企業価値に寄与するだろうと考えています。

4つ目は「グループ経営による効率化と機能強化」です。このようなところにも力になれることが醍醐味かと思っています。

当社のM&Aの考え方・取り組み | ソーシング

荒井:引き続きM&Aも、重要な成長戦略として進めていきます。また、検討数も多くいただいており、当社には専属のM&Aチームがありますので、今後も進めていきます。その他、詳細情報もありますので、よろしければ資料をご覧いただけるとありがたく思います。

質疑応答:Marketing領域とAI・Technology領域の継続率について

坂本慎太郎氏(以下、坂本):スライド資料8ページに、御社の事業と売上比率のお話がありました。その中で、最近は非常にAI・Technology領域の伸びが著しいということでしたが、継続率に関してはMarketing領域とAI・Technology領域では、どちらのほうが高いのでしょうか?

荒井:細かい値を開示していない中で恐縮ですが、強いて言えばMarketing領域のほうが高いと思っています。「強いて言えば」と言いますのは、サービスとして「AI・Technology」というカテゴリを作って提供し始めたのが、まだ間もないというところがあります。創業来ずっと取り組んでいるMarketing領域のほうが、対象となる期間が長いため、そちらのほうが高いと思います。

したがって、AI・Technology領域は、Marketing領域に比べて取り組み始めた期間が長くはないものの、基本的に継続的なお力添えになっていますので、ほぼ良い水準で大差なく今後も続いていくのではないかと思います。

坂本:まだ、立ち上げたばかりで、初期段階といった部分でもあるため、お試しのような感じかと思いますが、意外と継続率が高いということですね。

荒井:おっしゃるとおりです。

質疑応答:直接販売と間接販売の比率について

坂本:御社の販売のサービス提供フローには、直接販売と間接販売の両方があるというお話がありましたが、どちらのほうが多いのでしょうか? また、代理店とはどのような会社になるのでしょうか?

荒井:まず、サービス提供フローの比率に関しても開示していないため、何パーセントとお伝えできず恐縮なのですが、圧倒的に直接販売のほうが多いのは確かです。

加えて、どのような会社が我々のパートナーとしてクライアントにご案内していただいているかでお伝えすると、例えば、本当にみなさまがご存知の大きい総合系の代理店です。このような会社にも、我々のプロダクトやサービスを販売していただいています。

また、超大手と呼ばれているような、国内では誰もがご存知の総合代理店はもちろんのこと、それ以外でも、我々に近いような「デジタルの領域で広告を打っています」「SEOを行っています」「システム開発を行っています」といった会社にもかなり多くを販売していただいています。

質疑応答:M&A後の人事交流について

坂本:今日の話の肝の部分でもあると思いますが、「M&Aをして成長を早める」というお話がありました。その中で「連邦制を取っている」というお話がありましたが、ここでクロスセルを進めたり、バックオフィスを統合したりして、企業価値を高めていくということだと理解しています。

M&Aをして、ジョインした会社の役員の人事交流や意思のすり合わせは、密にされていると思います。しかしながら、管理職クラスや若手社員の人事交流はあるのでしょうか?

荒井:まず、一番大事である経営陣同士の交流は、展開しています。具体的には、およそ3ヶ月に1回程度、グループの代表の方に集まっていただき、今後の方針や取り組みのテーマを共有して足並みを揃えています。

そして、その経営陣の方に続く管理職の方同士の人事交流も行っています。スライドにはカルチャーマッチと記載がありますが、企業も大きくなってくると、「今、全体としてどういう方向に進んでいるのか?」「どういう進捗なのか?」といったことが伝わらないこともありますので、Gr代表会議やGr内IRなどを一生懸命行っています。

また、AI・Technology領域の中での営業の方や管理職の方に適宜集まっていただき、「今、各社の取り組みはどうなっていますか?」「このようなことをしたほうが良いのでは?」といった打ち合わせをして、交わっていく取り組みを意図して行っている次第です。

あえて追加してお話しすると、例えばグループ内の別の会社にいる人がなにかしらの人事で、いきなりグループの中の他社の管理職になるような異動には、まだ積極的に取り組んではいません。しかしながら今後、それが企業価値向上につながることになれば、そのような人事異動、人事施策も検討していきたいと考えています。

質疑応答:AIプロダクトの使用例について

坂本:AIをうまく活用できるようにということで、いろいろなご説明がありました。AIのツールを統合して使えるということは非常に意味があると思います。こちらはおそらく中小企業向けに提供されているかと思いますが、どのような業務にAIを使っているのでしょうか? こちらがわかれば、御社の今後の展開のイメージが湧くかと思います。

荒井:本当におっしゃるとおりで、我々自身も今、理解を深めているところです。かなり極端に言えば、基本的にパソコンを使っている業務であれば、ほぼ置換あるいは部分的なAI活用は必ずできるといっても過言ではないと思っています。例えば、お客さまに連絡するメールやチャットの文面、あるいは資料作成、データの収集、整形、分析、提案などになります。

それは企業の大小にかかわらず、パソコンやスマートフォンを使用して仕事をしている、いわゆるデスクワーカーがしているほぼすべてに近いものは、AIで置き換えられるのではないかと思っています。

我々も、このようなIR資料1つ取っても、あるいはお客さまとのやり取りのメールを取っても、意図して思わないと使わないというのが、今のフェーズかもしれません。「そう言えば、これでAIを使ってみたらどうなるかな?」といったように触り始めると、もうそれなしでは、手間がかかったり、もっと早くできたりするのにと思ってしまいます。

坂本:私も使っていてそう思います。

荒井:そうですね。ごめんなさい、少し総花的な話だったかもしれません。

坂本:いえいえ、非常によくわかりました。例えば「これはAIではできませんが、このマーケティングは御社に任せるとこのようなことができますよ」というようなことも、おそらくできると思いますので、すごく接点になるかと思います。また進捗があれば教えてください。

質疑応答:スクールの学費について

坂本:最近、エンジニア不足が非常に業界で大きな話題になっています。このスクールから御社の戦力にとなる方が生まれていることも当然あると思います。また、このスクールを出て御社のことを知り、将来、他の会社に行ってお仕事をする方もおそらくいらっしゃるかと思います。このマーケティングのスクールの学費について教えてください。

荒井:現在は、本当にコース別にいろいろあります。また、国の支援や手続きなどを進めているため、申し訳ありませんが一概にいくらと金額をお伝えすることはできません。きちんと本当に価値あるコンテンツとトレーニングにしていくため、数十万円といったレンジになるかと思います。

坂本:なるほど、一般的なレンジということですね。

質疑応答:売上・利益に貢献したM&Aについて

坂本:M&Aの話はかなり詳しくしていただきました。EPSの伸びが非常に著しいのは、M&Aの貢献が大きかったということですが、足元3年ぐらいでかまいませんので、売上・利益にどの会社が貢献したのか、また、要因があれば教えてください。

荒井:この3年に関してで言うと、エフ・コード本体はありつつも、グループインしていただいた会社も長いところで2年近く、短いところであれば数ヶ月ということで、回答し難いところがあります。

坂本:そうですよね。フルで1年寄与していない会社もありますからね。

荒井:そうなのです。しかしながら、今期に入ってからですが、AI・Technology領域で、先ほどスクールの取り組みでお伝えしたCiel Zeroや、Marketing領域のスクールを運営しているBUZZは、本当に直近ではあるものの、寄与していただいている部分は非常に大きいと思います。

質疑応答:株主還元について

坂本:「御社の株主還元方針は、自社株買いと継続的なEPSの向上を通じての還元です。しかしどこかのタイミングで、配当を含めた方針転換があるのではないかと思っています。現状で、このあたりのイメージがありましたら、お話しできる範囲でかまいませんので教えていただけたらと思います」というご質問です。

荒井:申し訳ありませんが、ストレートにご回答はできません。いつぐらいから配当に割くかというよりは、デット・エクイティを含めて調達したお金を、いかに早くM&Aや事業活動に使うかというところへのフォーカスが非常に強いのが現状です。ある意味、見方によっては、そこへの投資によって、今もかなり分厚い営業キャッシュフローになってきています。

投資先などへ全部いくのではなく、余剰資金とまでは言いませんが、そのようなところが出て初めて配当かと思っています。ただし、中期経営計画で出している3年の間ではないとは思っていますが、まだ本当にわかりません。

坂本:まだ当然ながら不確定で、柔軟性も当然あるとは思いますが、少なくともこの中期経営計画の3年は、成長のほうに尽力するということですね?

荒井:おっしゃるとおりです。

質疑応答:M&Aにかかる期間について

坂本:M&Aのお話の中で、「専門の部署があり、そこでスピードアップして行っている」とありました。M&Aにも大小いろいろあるため、難易度なども変わってくると思いますが、1案件あたりの平均期間を教えてください。

荒井:最初にお相手側の会社のトップの方と面談してから、約半年前後ぐらいかと思っています。いろいろな条件面などを含めて、本当にコンディションが合った後であれば、3ヶ月かかっていないといったこともあります。しかしながら、平均すると6ヶ月あるいは6ヶ月未満ぐらいかと思います。

できる限り早く、ご相談を進めて、かたちを成していくことは、我々の企業価値向上にとっても非常に大事なところになります。したがって、一般的な他の上場会社と比べるとかなり早いという自負はあります。

坂本:案件は毎回、仲介会社からの持ち込みが多いのでしょうか? 例えば近しい業界であれば、人のつてのようなものもあると思いますが、こちらは今までどのような感じでしょうか?

荒井:まず、案件検討数で言うと、専門の仲介会社を介してのお話が多いのが実情です。

坂本:たくさん持っていますものね。

荒井:一方で、今おっしゃっていただいたダイレクトもあります。あるいは我々ならではだと思うのは、今までM&Aを16件重ねてきましたが、グループに参加いただいた、もともとの売り手、つまり今の我々のグループに入ってもらっているオーナーに、いろいろな相談が来ることです。

もちろん全部ではありませんが、エフ・コードグループに似たような感じの会社であれば、そのまま「エフ・コードと話してみよう」となることもあります。そのような流れも、当社ならではかと思います。

坂本:そのあたりも連邦制ならではといいますか、いろいろな会社がジョインしているからこそ、チャネルが広がってくるわけですね。

荒井:そうですね。それは本当にありがたいことです。手前みそになりますが、グループに入ってもらった経営陣たちも一定以上、当社に対する満足度が高いため、誘いやすいというところもあると思っています。

質疑応答:2027年12月期の目標数値について

坂本:2027年12月期の中期経営計画の目標ですが、こちらは今後想定されるM&Aが入った数字なのでしょうか?

荒井:我々にとっても非常に高い目標である一方で、必ず実現していくと踏んでいます。当然ながら、今ある事業および今後続けていくであろうM&Aも含めて、営業利益50億円以上と設定しています。

質疑応答:M&A時の基準や重点領域等の変化について

坂本:「M&Aを積極的に続けるという方針ですが、M&Aする会社の基準や重点領域は、ある程度ドメインを定めていると思います。これが中期経営計画の3年、もしくはその先、変化していくことはあるのでしょうか?」というご質問です。

荒井:まず大前提として、スライドに記載の内容が従来の考え方です。例えば、継続性・成長性・分散性を持っているMarketing領域、AI・Technology領域で、かつ、基本的には黒字の会社です。利益が出ており、成長している会社が、今までの我々の考え方で大事にしている部分になります。

そして、この中期経営計画およびその先を踏まえた時に、ここの領域の広がりは考えていく必要があると思っています。それはあくまで選択肢であって、「絶対にする」という前提ではないと思っていただきたいのですが、領域は当然広がると思います。

また、我々が掲げているミッション「マーケティングテクノロジーで世界を豊かに」に従順に進んでいきたいと思っています。したがって、日本国内にある会社だけでなく、海外で事業活動をしている会社もミッションから逸脱しておらず、それが株主価値にきちんとつながるのであれば、そのような国という意味でのエリアもあるかと思っています。

中期経営計画の一部にも記載していますが、我々は主にご支援する側の会社になります。従来で言えば、クライアントが営んでいる事業を我々が持ち、お手伝いする会社になります。自分のことながら一応お伝えすると、力のある会社だからこそ、クライアントサイドのビジネスを持つことで、この掛け算をより大きくできるようにといった考え方もあるかもしれないと思っています。

これも固定化することは良いことではありませんので、領域を広げることに関しては、柔軟性を持つことを前提に、積極的に考えていきたいと思っています。

坂本:将来的に非常に成長が高い市場や、会社であれば赤字企業もグループで支えられるようになっていきたいというところだと思います。海外に関しては、現状ですでに持っている会社はあるのでしょうか? もちろん持っている会社が海外展開しているということはあると思いますが、海外の事業会社はまだ買っていないのでしょうか?

荒井:そうですね、それはまだありません。

質疑応答:売上・利益成長の持続可能性について

坂本:「売上・利益が急成長されていますが、持続可能性の評価はどうされていますか?」というご質問です。

今、グループ内に入っている会社のオーガニックな成長は当然あるかと思いますし、買収する会社が黒字というお話もありました。しかし、M&Aした会社にある程度の利益率がないと落ちてしまう部分があります。このあたりも考えてM&Aの検討をされているのかをお答えいただければ、ご質問された方もイメージが湧くと思います。

荒井:通なご質問をいただきましてありがとうございます。まさにおっしゃっていただいているとおりで、利益率の観点もとても大事にしています。しかしながら、きっとディールにならないと思うM&Aは、利益率が高い黒字の会社でも、成長性がそれほど高く評価できないとなれば、我々が手を出す優先順位は高くありません。

一方で、利益率は従来あるビジネスより相対的に高くはないけれども、売上のサイズはあり、さらに売上も伸びている会社となると、それはとても魅力的です。

坂本:手の入れようがあるということですよね。

荒井:そうですね。

坂本:業態的に利益率が低い業態は駄目ですが、そうでなければ「良いよね」ということですものね。

荒井:そのとおりです。成長が停滞し、かつ収益性も低い事業に関しては、株主のみなさまの視点から見ても「投資は慎重にすべき」と判断されるのが自然です。極端に言えば、企業はゴーイング・コンサーン(継続企業)として、持続的に企業価値を高めていく責任があると思っています。

したがって、私たちは、対象企業の売上の持続性や成長性を一番大事な観点として捉え、各要素を丁寧に分析した上で、「このようなビジネスモデルと成長の考え方ですね」といったかたちで理解しながら評価を行っています。

そのため、オーガニック(自社成長)・インオーガニック(M&A等を通じた成長)を問わず、企業価値の向上に向けて着実に取り組んでいきます、という点は自信を持ってお伝えできるかと思います。