2025年3月期決算説明

大澤剛氏(以下、大澤):専務の大澤です。本日は、株式会社ディジタルメディアプロフェッショナルの2025年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日のアジェンダは、2025年3月期決算説明と2026年3月期通期業績予想について私から説明し、その後、中期成長戦略について山本が説明します。

会社概要

2025年3月期の決算の前に、当社の概要・強みについて簡単にご説明します。当社は2002年7月に大学発のベンチャー企業として発足以来、グラフィックス技術を核にして事業を行っています。GPU IPが任天堂のゲーム機に採用されたり、アミューズメント市場向けの2D3D統合グラフィックスLSIが現在の収益の柱になるなど、大きな成果を上げてきました。

近年はGPUと親和性の高い人工知能AI、Deep Learning領域に進出し、アルゴリズム・ソフトウェアからハードウェア、並びにエッジからクラウドにわたる一貫した開発体制、製品・サービスを提供できることを強みとし、DMPならではの技術、製品、サービスで、お客さまや社会のシリアスな課題の解決に貢献しています。

また、2月と昨日に公表したとおり、当社はこれまで培ってきた豊富な経験、知見、市場実績、競合優位性を活かした新たな事業として、次世代エッジAI半導体「Di1」の開発に着手しています。

2025年3月期 - 業績ハイライト

2025年3月期のハイライトです。次世代エッジAI半導体「Di1」の開発は順調に進捗しており、当期に量産、事業開始を予定しています。FA事業とあわせ、アミューズメント事業に続く中長期的な事業基盤、成長エンジンにしていきます。

業績として、通期の売上高は前年同期比2パーセントアップで、4期連続で過去最高を更新しました。エッジAI半導体の開発費計上もあり、経常利益は5,800万円減益となる2億7,100万円となりました。

2025年3月期 決算ハイライト - 損益計算書

PLの概要です。アミューズメント市場向け画像処理半導体「RS1」の増収に加えて、ロボティクス分野のプロフェッショナルサービス事業の伸長が、IPコアライセンス事業におけるメンテナンス・サポート大型案件の剥落をカバーして、売上高は2.0パーセント増収の30億7,700万円となりました。

成長投資として、エッジAI半導体の開発費7,900万円を含む研究開発費の増加により、営業利益は2億6,500万円で前年同期から6,300万円の減益、経常利益は2億7,100万円で5,800万円の減益となりました。

特別損失として、投資有価証券評価損4,200万円を計上するとともに、回収可能性を慎重に検討した結果として繰延税金資産4,500万円を取り崩すこととして、法人税等調整額に計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5,700万円で1億7,400万円の減益となりました。

2025年3月期 決算ハイライト - 事業/分野別売上高

事業別、分野別の売上高です。まず、事業別です。IPコアライセンス事業は、売上高1億2,400万円と、前年同期比27パーセントの減収となりました。デジタル機器向けのGPU IPの新規ライセンス収入、安定的なセーフティ分野のリカーリング収益やデジタル機器向けのGPU関連のランニングロイヤリティ収益等を計上しましたが、前年同期のGPU IP大型メンテナンス・サポート案件が剥落しました。

製品事業は、主に量産向けのグラフィックス半導体「RS1」の売上が伸長したことにより、売上高28億5,500万円と、前年同期比4パーセントの増収となりました。

プロフェッショナルサービス事業は、AI受託開発サービスにおいてより広範なセーフティ分野向け、ロボティクス分野向けでは自律走行ロボット向け、半導体製造装置向け、建設機器向けのプロフェッショナルサービス収入を計上したことにより、売上高9,700万円と前年同期比12パーセントの増収となりました。

続いて、分野別売上高です。セーフティ分野は、安定的なドライブレコーダー関連リカーリング収益に加えて、より広範なセーフティ分野向けプロフェッショナルサービスを提供したものの、ドライブレコーダー関連の新規案件が少なかったため、売上高3,800万円と前年同期比46パーセントの減収となりました。

ロボティクス分野は、ドローン向けカメラモジュールの売上は剥落したものの、自動車メーカーの製造インライン本格導入を含む「Cambrianビジョンシステム」の堅調な売上に加えて、自律走行ロボット、半導体製造装置、建設機器向けのプロフェッショナルサービス収入が増収となったことから、売上高1億6,800万円と前年同期並みとなりました。

アミューズメント分野は「RS1」の堅調な量産出荷により、売上高27億7,900万円と前年同期比5パーセントの増収となりました。

その他の分野では、デジタル機器向けGPU IPの新規ライセンス収入、デジタル機器向けAI、GPUランニングロイヤリティ、メンテナンス・サポート収入等を計上したものの、前年同期のGPU IP大型メンテナンス・サポート案件の剥落により、売上高9,000万円と前年同期比32パーセントの減収となりました。

2025年3月期 決算ハイライト - 貸借対照表

続いてBSです。資産合計は40億9,200万円で、前年度末から1億7,200万円増加しました。これは主に売掛金及び契約資産が1億6,500万円増加、無形固定資産が1億5,300万円増加、現預金が7,300万円減少、有価証券が1億円減少したことによるものです。

負債合計は4億8,000万円で、前年度末から1,800万円増加しました。これは主に買掛金が1億1,400万円増加、未払消費税等が4,700万円減少、未払法人税等が3,200万円減少したことによるものです。

純資産は36億1,100万円で、前年度末から1億5,300万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が1億5,700万円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は88.2パーセントとなりました。引き続き、競争力強化のための研究開発投資や運転資金等を十分に確保しています。

2026年3月期 通期業績予想

今期2026年3月期の通期連結業績予想について説明します。2026年3月期は、次世代エッジAI半導体開発費190万ドルを中心に、将来の成長に向けた攻めの戦略的投資を行っていきます。この先行投資は、当社がこれまでAI/GPUプロセッサや半導体の設計・開発・販売において培ってきた競争優位性をさらに強化し、中長期的な収益拡大、企業価値向上に大きく貢献するものと考えています。

業績予想としては、売上高は堅調なアミューズメント向け画像処理半導体出荷に加え、新規事業である次世代エッジAI半導体事業およびFA事業の売上も限定的ながら貢献し、6パーセント増収の32億5,000万円を予想しています。

利益面においては、成長投資を優先することで一時的に減益となり、営業利益2,000万円、経常利益2,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,000万円を予想しています。

DMPのPurpose

山本達夫氏(以下、山本):会長の山本です。続きまして、私から今後の事業戦略についてお話しします。

まず、当社はパーパスとして「Making the Image Intelligent」、すなわち画像を知能化するということを掲げています。これは画像インテリジェンスの力で現実世界の問題を解決し、ステークホルダーのみなさまに価値をもたらす革新的な製品とサービスを創造するということです。

このパーパスを掲げて数年が経ちますが、ご参加のみなさまの中には、このスライドの背景の絵が変わったということにお気づきの方もいらっしゃると思います。これは昨日発表を行い、本日お話しする次世代のAIのチップが今後このパーパスを達成する上で非常に大きな役割を果たすという意味合いを込めて、スライドのモチーフを、当社のロゴが入ったLSIの絵に変えたものです。

エッジAI推論チップ

それでは、昨日発表した当社の次世代のエッジAI推論チップ「Di1」についてご説明します。今回発表した内容は、このチップは2025年度第4四半期、カレンダーで言うと来年の1月から3月の期間から、販売体制が揃っている日本と台湾にて、量産出荷を開始するというものです。その後、順次グローバルに展開していく計画です。

台湾では、当社のパートナーであるiCatch Technology社(以下、iCatch社)が、「Di1」を「V9」という商品名で販売していきます。

特徴は、非常に高度な機能を統合している点です。当社の最新のAIプロセッサを中心に、4K対応のHDR、ISP、リアルタイム3D測距エンジン、セキュリティエンジンなどを搭載して、セキュリティカメラや車載機器、高性能ドローン、ロボティクスなど、非常に多様で高度なエッジAIアプリケーションに対応していきます。

また、このチップは、本日から台湾の台北で開催されているComputex Taipei 2025に出展されています。昨日、NVIDIA社CEOのジェン・スン・フアンが、キーノートスピーチを行って実質開幕したComputex Taipeiは、アジアにおけるICTの展示会としては最大規模であり、昨年は10万人弱の来訪者があったと聞いていますが、今年はさらに盛況だと聞いています。

エッジAI推論チップ開発ステータス

チップの開発状況です。先ほど大澤がお伝えしたとおり、開発はオンスケジュールで進んでおり、現在サンプルの提供をしています。

ここにサンプルの実物があります。小さくてあまり見えないと思いますが、1.5センチ角で重さ1gの非常に小さなチップです。現在我々のビジネスの中心になっているアミューズメント向けの「RS1」が40ミリ角であるのに対して、「Di1」は15ミリ角です。この小さなチップに非常に多くの機能を入れています。

DMP エッジAI推論チップ

スライドは、チップの説明です。スライド中央に絵がありますが、この小さなチップの中に当社のAIプロセッサ、当社のGPU、画像の処理エンジンであるISP(イメージシグナルプロセッサ)、距離を測定するエンジンである当社のSV(ステレオビジョン)エンジン、セキュリティの機能が入っています。

スライドの左上の絵は、現在市場に出ている競合のエッジAIチップのブロック図を示しています。それに対して、この中央の絵が今回の「Di1」ですが、大きく変わっているのはオレンジ色で示されている部分です。

まずAI機能に関して言うと、当社のAIエンジンには当社の最先端エッジAIのプロセッサのIPが載っています。左上にある競合のチップではINT8とあります。INT8とは、整数の8ビットの演算のことですが、それに対して当社のAIのプロセッサはFP16です。

INT8、INT4という整数の8ビット、4ビット計算に加え、FP16、FP8とあります。FPとはFloating-Point(浮動小数点)の略で、非常に計算の帯域が広いものです。その16ビットの演算、8ビットの演算が可能です。

加えて、FP4とはFloating-Pointの4ビット演算です。これは非常に軽量なAIのモデルですが、このFP4は、昨年NVIDIA社が発表した「Blackwell」という最も新しいAIプロセッサチップにはじめて搭載された機能です。このFP4は我々の調査の中では世界で初めて当社が、推論側のエッジAIエンジンに実装したということで、このチップの非常に大きな特徴になっています。

このFP4が搭載されたことにより、NVIDIAの次世代AIチップ「Blackwell」で学習されたモデルが非常にスムーズかつシームレスに、このDMPのエッジAIチップ「Di1」上の推論につながっていきます。まさに「Blackwell-ready at Edge」と言ってもよいチップができあがっています。

そのほか、このGPUは、当社が創業以来主力のIPとして開発してきたGPUです。今まで2億台程度のお客さまの製品に出荷されているもののうち、ベクターグラフィックスという非常に軽量なエンジンで、しかも非常に高度なHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)です。

グラフィカルなユーザーインターフェイスが表示できる機能が搭載されているため、ディスプレイを接続すればチップ単体で非常に高度なUIを実現することができます。

また、左側にあるISPはイメージ処理プロセッサです。台湾のiCatch社製のものですが、カメラから入ってきた画像の処理ができる非常に高度なプロセッサです。例えば4KのHDR(ハイデフィニションレンダリング)やローカルトーンマッピングにより、暗いところでも非常に繊細な画像が得られるプロセッサです。

このプロセッサによる非常に高画質の画像を我々のAIのプロセッサで処理することによって、より精度の高い高度なAIの処理を実現しています。つまり、このISPとAIの組み合わせは非常に重要なポイントです。

また、ISPに関して、8CHカメラ入力とあります。現状のチップではカメラが2つつく2CHのカメラ入力が一般的ですが、「Di1」は8CHのカメラが搭載されます。

そしてその下にSV(ステレオビジョン)とあります。これは当社独自のステレオビジョンで、2つのカメラを使って距離を計測する仕組みのエンジンが搭載されています。

つまり、8個のカメラに対して4つのペアのステレオビジョンがつきます。例えばドローンによる周囲360度の障害物に対するリアルタイムな距離の測定や監視が実現できるようになります。

現状ではステレオビジョンの処理が非常に重いために、GPUなどを搭載して処理しているケースがあります。ドローンのように、軽量で消費電力が低いシステムが要求されている中で、ハードウェアで8CHのカメラを4ペアのステレオで処理できるというのは、非常に大きな特徴になると思います。

みなさまの中にはおそらく技術的な部分への興味がある方もいらっしゃるかと思い、少し詳しくご説明しました。

一言で言うと、これまでは2つ、3つのチップを使って処理していたような高度なエッジAI処理を1つのチップで行える、オールインワンかつ非常にインテリジェントなビジョンチップであるということです。

DMP エッジAI推論チップユースケース

先ほどお伝えした特徴を踏まえ、実際の用途についてスライドに記載しています。まず左上のオートモーティブについては、車載カメラを使って車内・車外のADAS(安全運転支援)機能やドライバーのモニタリングなどに利用されます。

当社がこれまでデンソーテンやJVCケンウッドに提供してきた「ZIA SAFE」という安全運転支援のソフトウェアスタックをDi1チップに搭載し動かすことができるため、当社が今持っているAIの技術と親和性が高いと言えるかと思います。

AMR/ロボティクスについては、AMRというのは「Autonomous Mobile Robot」の略で、自律走行型のロボットのことです。そのようなものに対して、このDi1のチップが今後使われていくことになります。AMR/ロボティクスの分野に関しても、当社が「ZIA MOVE」というかたちで自社開発のロボットの開発システムを持っているため、それとの親和性が非常に高いと言えます。

スマートファクトリーについては、例えば当社は、ステレオビジョンを使っていろいろな部品の識別が行える「Cambrian」という先進的なピッキング用システムを販売しています。そのようなステレオビジョンにも、「Di1」は極めてマッチしていると言えます。

ドローンについては、我々にとって非常に大きなターゲットアプリケーションであると考えています。先ほどお話ししたように、ドローンに4個あるいは8個のカメラを搭載することにより、周囲360度の映像をリアルタイムに捉えられる非常に高度なドローンを実現することができます。例えば障害物等の監視、外壁検査、インフラ検査、運搬など、いろいろなところに使えます。

またセキュリティカメラやキオスクについても、このチップがフィットするアプリケーションであると考えています。

FA事業概要

FA事業についてご説明します。4月11日にプレス発表しましたが、中国の大手ロボティクス企業3社と協業し、代理店契約を締結してこれらの製品の取り扱いを開始しました。

SEER ROBOTICS社(以下、SEER社)は、AMRあるいはAGV、AGF(自律走行型フォークリフト)やそのコンポーネントを提供している会社です。

AGF本体を構成する主要なコンポーネントには、AMR/AGFの中心となるコントローラーのシステムやバッテリー、LiDARというセンサやカメラなどが含まれます。加えて、このようなロボットを制御するためのフリートマネジメントのソフトウェアを同時に提供することにより、例えば工場内で多数のロボットを同時制御できるようなシステムを一括して提供できます。

Kinco社は、特に低電圧のDCサーボモーターに強みを持っているモーターの会社です。またHinson社は、AMR/AGV向けのLiDARを提供しています。

協業を通じて目指す姿

これらの会社の商品を我々が取り扱うことにより目指すのは、AMRのトータルプロバイダーです。当社には、主に2つのターゲットのお客さまがいらっしゃいます。1つは、AMRやAGFを開発するベンダーです。そちらに対してSEER社、Kinko社、Hinson社のキーコンポーネント、あるいは本体システムそのものを提供していくことによって、AMRやAGFの開発企業の支援をしていきます。

もう1つのターゲットは、EC(電子商取引)あるいは流通のお客さまです。主に本体をそのまま購入されるケースが多いため、そのようなお客さまに対しては、AGFあるいはAMRの本体そのものを供給していきます。

物流ロボティクス市場規模

物流のマーケットだけを見ても、日本国内で20パーセントのCAGRで、2030年には約1,230億円の市場規模になると言われています。この中で事業を立ち上げ、我々のシェアを取っていこうと考えています。

ロボティクス事業トピック(2025年3月期4Q)

「ZIA MOVE」は、Visual SLAMというカメラを使った自己位置推定を採用し、当社の独自技術を取り入れて開発したソフトウェアです。GEクリエイティブが食品工場向けAMRに「ZIA MOVE」を導入した事例を紹介します。

食品工場は非常に複雑かつ厳しい環境ですが、「ZIA MOVE」のVisual SLAMを使ったシステムが、高い精度と安定性を実現しています。

具体的には、重量物パレット搬送を目的としてリフトアップ機能がついているYLシリーズや、弁当やお惣菜などを中心とした工場で使われる、牽引もできる搬送用ロボットのYTシリーズに採用されています。

YLシリーズは、エレベーターと冷蔵庫・冷凍庫の間の自動搬送の業界ではじめて実現しています。路面の傾斜や段差があったり、いろいろなところに障害物が置かれていたりするような状況でも、安定した搬送を実現しています。

YTシリーズは、結露が生じるような低温の環境では従来のLiDARの方式だと電波を正確に反射できず誤差が生じやすいのですが、カメラを使ったVisual SLAMのシステムでは、置かれたものが移動するなど常に変化する環境の中でも、非常に正確かつロバストな自律走行を実現していることが評価され、採用されました。この2つの製品は、5月14日より受注が開始されています。

DMPのロボティクス・FAソリューション

当社が提供するのは、独自技術である「ZIA MOVE」、我々が代理店として販売していくコンポーネント/ユニット、そして当社がこれまで販売してきている「Cambrian」というピッキングロボットです。

このようなたくさんのソリューションを持つことで、お客さまの多様な要求に応えられるようになるということは、お客さまにとっても非常に大きなメリットと言えます。

中でも当社は、「Di1」やカメラモジュール、評価ロボットや「ZIA MOVE」のソフトウェアを搭載した開発キット等を、カスタムの要求が非常に高度かつロボットにとっても難しい環境である食品工場などに対して、当社の自社技術をプロフェッショナルサービスとともに提供していきます。

またそれ以外のお客さまに対しては、コモディティに近いところではありますが、SEER社やKinco社、Hinson社といったコンポーネント本体を提供していきます。

さらに、特定の用途に向けては、その用途向けにパッケージして出していきます。例えば、ピッキングという特定用途に向けて「Cambrian」を出すかたちです。

このように、カスタム・高機能、完成品に近い商品コンポーネント、それから特定用途向けと主に3つの分野に分かれますが、これらを総合的に提供していきます。

この中で当社の強みは、やはり専門性やドメインに対する高い見識、それから技術力、マーケティングの力です。それから我々ができない商流の部分は、パートナーシップを通じて総合的に提供することで、他のロボットベンダーに対して差異化を図っていきます。

中期ビジョン(三位一体の成長戦略)

最後に、中期ビジョンです。2028年3月期の売上高は50億円、2030年3月期の売上高は80億円を達成することを目標としています。

三位一体の成長戦略として、1つ目は「コア事業の更なる成長」です。アミューズメント業界における周辺ビジネスの取り込みを含めた付加価値の増大と、我々の提供する製品のコスト低減を含めた利益の強化を行っていきます。

2つ目は「成長分野への展開」です。アミューズメント向けのSoCのビジネスや、「ZIA MOVE」「ZIA SAFE」といったAI分野における当社の実績やノウハウを活かし、新たに次世代エッジAIチップ「Di1」のビジネスを中心として立ち上げ、これをスマートファクトリーやモビリティ、ドローンやスマートカメラといった分野に展開していきます。

3つ目は「新規事業機会の獲得」です。今後さらなる成長の実現のために新しい領域に取り組むということで、カメラシステム等で築いたFA業界ネットワークなどを通じて、ロボティクスやファクトリーオートメーション、流通自動化のさらなるスマート化に貢献していくことを考えています。これらの三位一体で中長期的な企業価値の向上、売上目標の達成を目指します。

質疑応答:次世代エッジAI半導体開発費のドル建てについて

司会者:「次世代エッジAI半導体開発費は190万ドルとドル建てになっていますが、自社開発リソースではなく、海外へ外注をするということなのでしょうか?」というご質問です。

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