2025年4月期第4四半期決算説明

石田宏樹氏:みなさま、こんにちは。フリービット株式会社代表取締役社長CEO兼CTOの石田でございます。2025年4月期通期の決算説明を行いたいと思っております。

Agenda

本日はこのようなアジェンダになっております。まず、昨年4月末に『SiLK VISION 2024』を終えてから、新たに始まりました『SiLK VISION 2027』について簡単にご説明させていただきます。

その後、『SiLK VISION 2027』の1年目である2025年4月期通期の業績サマリー、そしてその1年間をどのように過ごしてきたか、どのような戦略をとってきたかをご説明させていただいた上で、今期の業績予想、配当予想に関して私のほうからご説明させていただきます。

2025年4月期と2026年4月期予想の詳細に関しましては、取締役副社長CFOの清水よりご説明させていただきます。

2021年から2030年にかけての10ヵ年計画

何度かご説明させていただいておりますが、2021年から2030年にかけての10年計画ということで、中期経営計画3本を進めさせていただいております。まず、5G/web3時代のセットアップを目指して、昨年4月に終了した『SiLK VISION 2024』でございますが、こちらはシードのセットアップ、業績ともに成功裏に終わることができたと認識しております。

そして現在、昨年5月から進んでおります『SiLK VISION 2027』は、5G/web3の事業実装、さらには社会実装を目指して推進しております。

ここでの実装を終えまして、最後の中期経営計画である『SiLK VISION 2030』におきましては、海外までを視野に入れた大きな成長を目指しております。

今からご説明させていただくのは、『SiLK VISION 2027』の第1年目となります。

SiLK VISION 2027 信用の所在地

『SiLK VISION 2027』は「信用の所在地」というキーワードで進めております。Web2.0の世界から新たにweb3を目指していく目的として、我々は「信用の所在地」をはっきりと示していくということを目指しております。

信用の所在地

こちらは2017年5月に、社外取締役であった出井さんと、「将来インターネットはどのようなものになってくるか」そして「我々は何をしていかなければいけないのか」というところからスタートした、非常に長い戦略になっております。スライドの写真はそのときに出井さんが書かれた文字でございますが、まさに「信用の所在地」というキーワードを書かれておりました。

通信生まれのweb3実装企業

これを我々がさらに社会実装していくために、どのようにするかといいますと、「通信生まれのweb3実装企業」というスローガンで現中期経営計画を進めさせていただいております。

「通信生まれ」という強さを活かしつつ、web3自体をどのようにして丁寧に社会実装していくのかというところが、我々の中期経営計画の非常に大きな背骨となっております。

SiLK VISION 2027 売上/利益目標

これらの目標の中で、売上高は630億円から700億円、営業利益は80億円を目指して進捗しております。

財務戦略(継続的成長のためのキャピタルアロケーション)

キャピタルアロケーションは、この3年間で120億円以上のキャッシュインを目指して中期経営計画を作っております。そしてキャッシュアウト、投資の部分は、成長投資に関しましては事業投資だけではなく、M&A、グループのポートフォリオを調整するということも合わせた「SiLK Investment Policy」が75億円以上、株主還元などに対して30億円程度、人的投資、内部留保などとして15億円程度となっております。

中期経営計画としては初めてキャピタルアロケーション、投資規模まで含めてご説明させていただいた上で、スタートしております。

成長投資(事業投資、M&A)

具体的な成長領域は、前中期経営計画で投資してきた部分、成長を続けていく部分にそれぞれ分けております。既存成長の部分におきましては、売上高を110億円、営業利益を19億円伸ばすという具体的な戦略を持っております。

さらに、これから前中期経営計画でセットアップしてきたシードを使いまして、株式会社ギガプライズ(以下、ギガプライズ)の領域やweb3、新しい全戸一括型回線サービスの中で新しい価値を追加していく、クリエイターDX、アジアを中心とした海外展開などの新しい領域を目指しまして、進捗にもよりますが、売上高は10億円から80億円、営業利益6億円を積み重ねていき、先ほどの目標を達成していくということが中期経営計画の大きなポイントになっております。

web3実装企業へのカテゴリーチェンジ

スライドの図にありますが、我々が現在いるのが通信事業を中心とした非常に高収益な事業でございますが、グループを一体化することによってさらなる高収益化を目指していきます。

通信事業でしっかりと生み出した潤沢なキャッシュを、新しいweb3事業、AI事業に投資してカテゴリーチェンジを行っていきます。

3年間でカテゴリーチェンジを実現し、通信カテゴリーから脱却し、「通信生まれの5G/web3/AI実装企業」というポジショニングを目指す

通信カテゴリーのPERが15倍から18倍で、当社の当時のPERは10倍弱でしたが、今は大きく上がってきております。

これだけではなく、さらにweb3事業、AI事業にカテゴリーチェンジすることによって、企業の期待値がさらに大きく上がり、企業価値も大きく変わってきますので、これを達成していくために3年間で決意を持って行っていくという目標を立てていました。

配当による還元方針(従来型)

株主還元に関しましては予測値として、2026年4月期は総還元性向25パーセントもしくは30円の大きいほう、そして最終年度の2027年4月期は総還元性向を30パーセントまで上げていきたいという目標を立てまして、中期経営計画の第1年目をスタートしたということになります。

2025年4月期 通期 連結業績サマリー

その1年目の業績サマリーになります。売上高は540億円、営業利益は57億円、経常利益は50億円、純利益は25億円という目標を立てておりましたが、こちらに関しましては、すべての分野において達成することができております。

2025年4月期 通期 連結業績サマリー

経常利益以降は次のスライドでご説明させていただきますが、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)との資本業務提携、ギガプライズの100パーセント子会社化(議決権)に対する一時費用がかかりましたので、前期比ではマイナスとなっておりますが、こちらは完全にそのための一時費用となっております。

2025年4月期 通期 トピックス

詳細に関しましては後ほど清水からご説明させていただきますが、全カテゴリーにおいて非常に順調に売上、営業利益を積み上げられております。ソフトバンクとの業務提携、ギガプライズのTOBのコストによって経常利益以降が前期比でマイナスになっておりますが、業績はきわめて順調に推移しております。

ソフトバンクとの業務資本提携、ギガプライズの100パーセント子会社化(議決権)

このソフトバンクとの業務資本提携、ギガプライズの100パーセント子会社化(議決権)に関しまして、詳細にご説明申し上げます。

今回は、2つの大きな取引を1回で行ったかたちになっております。まず、フリービット本体とソフトバンクの資本業務提携、ギガプライズの100パーセント子会社化(議決権)ということで、グループ一体となって中期経営計画を実現するために動いていくという構造になっております。

ソフトバンクとの資本業務提携の目的

ソフトバンクとの資本業務提携の目的は、大きく分けて5つございます。こちらは中期経営計画をご説明させていただいた後でご覧いただきますと、「このようなところでもっとアクセルを踏むために、このような資本業務提携が出たのだな」とご理解いただけるのではないかと思っております。

1丁目1番地はweb3の提携でございます。現在の中央集権型インターネットから非中央集権型のインターネットに変えていくための基幹技術として、web3を具体的な要素技術の検証とビジネス化を目的とした検証、ならびに新サービスに必要な技術開発を共同で行うことを目指しております。

2番目はIoTでございます。5Gが伸びていく領域というのは、対「人」ではなく、対「モノ」、IoTになっております。

この領域におきまして非常に大きなネットワーク資産を持っているソフトバンク、そして我々が持っているIoT技術、ハードウェアを作っていく技術、そして非中央集権化のためのソフトウェア技術などを組み合わせて、さらにこの領域に当社経由でセンサー、アクチュエーターの世界的な企業であるアルプスアルパイン株式会社(以下、アルプスアルパイン)を加えて、5GのキラーアプリケーションといわれるIoT領域を進めていくことを考えております。

3番目は、安心安全なスマホサービスの共同開発の検討でございます。我々は、前中期経営計画におきまして「ドコモのエコノミーMVNO」として、販路を自社から1,000店舗を超えるドコモショップに広げていきました。

そして、それをさらに広げていくために、その技術をオープン化していくという動きになっております。その技術などを使い、特に安心安全なスマホサービスの共同開発を、共同商材の開発や拡販も含めて共同で検討していくことになっております。

4番目は、ギガプライズの集合住宅向けISPサービスにおけるソフトバンクの固定回線の利用でございます。こちらは市場競争力のあるソフトバンクの固定回線を利用し、当社及びギガプライズの提供するサービスの差別化を図っていきます。

5番目は、例えばギガプライズのインターネット固定網が入っている住居の方々がソフトバンクのモバイル回線を使っていると、セット割の対象となるというようなことや、年間15万戸の集合住宅向けのインターネット接続を目指し、共同でモバイル回線の拡販を行って付加価値をしっかり高めていく、共同でセールスしていくというような大きな骨子の取り組みになっております。

SiLK Investment Policyに基づいた資本業務提携領域への投資

中期経営計画で売上高、利益の目標を目指していく中で、スライドの丸で囲んだところが今回のソフトバンクとの共同領域によって劇的にプラスになってくる部分だと思っております。ソフトバンクとの取り組みはグループ全体として非常に多くの分科会で進められており、今期からかなり動きが出てきます。そして具体的な収益、利益貢献は来期からかなり顕在化してくると考えております。

以上が、『SiLK VISION 2027』の1年目である2025年4月期にどのようなことを行ってきたかということと、『SiLK VISION 2027』との関係でございます。

業績以外の定性的な情報、技術的な進化

『SiLK VISION 2027』の1年目の、業績以外の定性的な情報、技術的な進化などが、中期経営計画においてどのような意味があるかということも含めてお話しさせていただきます。

当社は、前中期経営計画『SiLK VISION 2024』が始まる前は、シンプルにいいますとモバイルのコネクション、光ファイバーのコネクションを赤い会社、ブルーの会社から仕入れて展開していく、そしてインターネットマーケティングを組み合わせてBtoB、BtoC、BtoBtoB、BtoBtoCなどに対して、グループバラバラの販路で展開しておりました。

2つの販路プラットフォーム

前中期経営計画『SiLK VISION 2024』におきましてはセットアップということで、モバイルを使ったブロックチェーン、デジタルウォレットの世界、AIやIoTなどの領域のシードを、年間20億円近く投資して作ってまいりました。

さらに販路も、「TONE IN」という技術を、あるかたちで組み合わせて提供していくという仕組みと、もう1つはこれらを組み込み型のアプリの中に組み込んだかたちで提供していくという、2つの販路のプラットフォームを作ることができました。

これは分散型世界、非中央集権型世界を作るためのプラットフォームでございますが、直接営業マンが売っていくということだけではなく、これを組み合わせて売る方法、アプリとして展開していく仕組みを作ってまいりました。

多くの提携先

中期経営計画『SiLK VISION 2027』においては、1年目で多くの提携先を持つことができております。既存のアルプスアルパインに加え、今まで取り組んできた医療領域、そしてソフトバンクとの提携によって、今まで販路、売り方がバラバラであったものを完全に統合したかたちで展開できるような組み合わせを作っております。

例えば、ソフトバンクにおいてもただ単にこのかたちで提供するだけではなく、このようなかたちも含めた提供方法や、そこにセンサーが加わるなどというようなかたちの展開によって、中期経営計画において経済的成長、利益率向上、海外展開というところの社会実装、事業実装をしっかり行っていくことを目指しております。

前期のトピック

前期に行いましたさまざまなトピックでございます。これは主にフリービット本体のものでございますが、昨年の頭からスタートしております。

新発表 スマートフォン上で動作するエッジ型LLMによる生成AIシステムを開発

実際に動いてきたものに関しましては、まず3月にエッジ型LLM、大規模言語モデルのAIを、サーバーではなくスマートフォンの中に入れるという仕組みを開発しました。我々は非中央集権型、スマートフォンをサーバーにしたり、ブロックチェーンのノードにしたりすることを2000年から行ってきましたが、それをAIにおいても実現していくということを行いました。

小さな大規模言語モデルをスマートフォンの中だけで稼働させて、「トーンモバイル」が得意とする安心安全に貢献します。メールだけではなく、スマートフォンに届くSNSも含めたさまざまなメッセージについて、今までのデータベースモデルではなく、大規模言語モデルが文脈自体を認識した上で危ないかどうかを判断するというテクノロジープレビューを発表させていただきました。

これはAIのモデルトレーニング自体も、もともとあった唐津のコールセンターを、AIトレーニングセンターというかたちでバージョンアップし、コールやサポートの空き時間はこれらの機械学習のための教師データの精査をそのチームも一緒になって行い、グループ一体の動きとなっております。

クラウド型AI(既存型)とエッジ型AIの違い

今、一般的なクラウド型のAIには「ChatGPT」や「Gemini」などさまざまなものがありますが、大きな違いはインターネットがつながっていなくても単体で動くということ、そしてデータ全部が常にクラウド側に送られるのではなく、自分のメッセージなどの評価はすべてローカルで行われること、そして莫大な電力とCO2を使うのではなく、既存のスマホの空きリソースを使って行うということで、これが世界規模に広がっていったときに効果が出てくるのではないかと思っております。

TONEのフル機能がdocomo全端末に ” TONE IN ” !!

「TONE IN」戦略における技術開発としては、専用端末でしか動かなかった「トーンモバイル」を、4年間かかりましたが、ソフトウェア部分の切り離しを実行して、昨年の時点ではdocomoの全機種で動くようになりました。ということは、ソフトバンクの全機種で動くわけでございます。このようなことが、今回のソフトバンクとの提携における非常に重要なポイントになっております。

藤田医科大学グループ

この「TONE IN」は、我々がずっと目指しておりました「これから高齢化社会をどのように解決していくのか」という医療の領域にも応用できます。この領域は、10年前ぐらいに作った中期経営計画から狙ってきた部分になります。その領域の提携の第一番目が、藤田医科大学グループでございます。

先日、NHKの『新プロジェクトX〜挑戦者たち〜』で放送されていましたが、日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が起きた「ダイヤモンド・プリンセス」を丸ごと受け入れて対応した、愛知県豊明市にある日本最大規模の病床数、医療ビッグデータを持つ大学グループでございます。

藤田医科大学グループとの共同研究を開始

昨年、このグループと、これからの医療DXの中で一番重要と言われる医療データ管理をweb3型で共同管理して、外部にも提供していく仕組みを作っていくという提携を行いました。

PHR(PoC1)

そして大学病院の患者さま、教授にもご参加いただき、PoCを実際に動かしました。藤田医科大学病院の医療データベースシステムの中に入っている、特に60代、70代、80代の高齢者の患者さまのデータを、教授自ら選定していただき、「Trusted Web」の仕組み、「Emotion Link」、モバイルブロックチェーンを使って、我々は一切データを持たずに、直接患者さまのスマートフォンの中に届けていきます。

患者さまは、本来、病院の中にしかない自分の検診データや処方薬データを直接ご自身のスマートフォンで安全に見ることができます。これは、政府が支援を推進している「Trusted Web」の構造で、ガイドラインに準拠したかたちで行われました。

患者さまが検診を受けたときのデータが即座にスマートフォンの中に入り、サーバーには一切残りません。当然医療データのサーバーには残りますが、クラウドには残らずにスマートフォンの中に入ります。

これによって、次にかかりつけ医に行った場合、患者さまはそのスマートフォンを見せることで、かかりつけ医が藤田医科大学病院での検査結果なども見ることができるという、分散型の非常に大きな地域医療連携を実現したというPoCとなります。

PoC1

この実証実験は、「トーンモバイル」のスマートフォンを貸し出すかたちで行いました。もし利用方法がわからなかった場合は、当社の遠隔サポートで利用まで持っていくことができるという仕組みまで入った状態で展開し、すべての患者さまが正しくご利用いただいております。

利用後のアンケートの回答の多くは「使いやすい」「見やすい」ということで、診療データを外部で見たいニーズがあることも確認できましたし、「今後も継続して使用したい」と非常に満足いただいております。

2025年3月18日 慶應義塾大学のカンファレンスにて発表

さらに、このアプリに「もっといろいろな機能を入れてほしい」というご要望もいただきました。この検証結果は、当社としては初めてでございますが、慶応義塾大学で開かれた医療系のカンファレンスにおいて、「AI前提の健康・医療」ということで発表させていただきました。日本発の「Trusted Web」を使った分散型のPHR(パーソナルヘルスレコード)として発表させていただき、多くの反響をいただいております。

PHR(PoC2以降)

さらに、これにマイナンバーの認証、そしてこちらに入りました医療情報をわかりやすく説明してくれるEdge LLMなどを組み合わせた次の実験やサービス開発をすでに藤田医科大学病院と進めているという発表も、先ほど慶応義塾大学のフォーラムでさせていただきました。

やさしいUXとしてのEdge LLM

当社は昔から少子高齢化時代に対して、「医療を何とかしないといけない」「予防、健康相談、経過観察」と言っていましたが、この健康相談の部分が医療のど真ん中の機関と一緒にできるようなかたちになりました。

患者さん中心のweb3 PHRインフラを目指していきます

そして、中央集権型ではなく、患者さま自身がデータを持って医療の中心になっていけるような分散型の仕組みを作っていくことを展開していきます。

ディーン・フジオカ氏のファンコミュニティ「FamBam」において、web3技術を含めたITプラットフォームの提供/開発で提携

また、最後になりますが、海外を含むファンエコノミーに対して、我々は新しくBtoC、これはBtoConsumerではなく、BtoCreatorといわれている新しい領域に展開しております。例えばソニー株式会社は、すでにクリエイターのための会社になる、グループになることに全掛けされておりますが、我々はクリエイターを中心とした分散型プラットフォームを作っていくことで貢献したいと思っております。

その第1号案件が、特にアジアを中心に世界的に活躍されているディーン・フジオカ氏との大きなタイアップとなっており、完全にグローバルターゲットで作られております。

そして、今までサブスクリプションビジネスを支えてきたDTIのシステム、前中期経営計画3年間をかけて開発したグローバル対応の汎用課金システムを採用していただいております。

株式会社フルスピードが外部のSNSまで含めた運用体系の構築に対して挑戦しており、リアルメディアとも連携しております。最終的には、完全にweb3と連携した動きを行うかたちになっております。

Think Globally / web3

昨年度もさまざまなかたちで著名な方々が、我々のアプリプラットフォームに入っていただいておりました。我々は、みなさまと一緒にグローバルに、web3領域に展開していくところが非常に重要なポイントであると思っております。

web3実装企業へのカテゴリーチェンジ

先ほどの説明でお伝えしましたように、バラバラにこのようなものを作ってくるのではなく、これからは中期経営計画でご説明しました、非常に大きなコア技術であるDigital Walletを中心に展開してまいります。認証もする、いろいろな権限に対するパーミッションもコントロールしていく、これまですべてサーバーで行っておりましたが、それを真逆から行っていく仕組みになります。

DID wallet

Digital Walletで我々の差別化があるものとして、DID(Decentralized Identity) walletがございます。mobile blockchainを組み入れることによって、さらに分散化していきます。そして、Edgeのwalletに対してAIがあることで、実際にwalletの中に入ってくること、walletの中身、外部とのやり取りに対して生成AIが丁寧に説明してくれる世界を作っていくことになるわけです。

「DID wallet + mobile blockchain + Edge LLM」

DID wallet、mobile blockchain、Edge LLMと、wallet、blockchain、LLMという非常に重要な技術を作っております。

フリービットグループにしかできない要素を追加

前のスライドのとおり、DID wallet、mobile blockchain、Edge LLMと、wallet、blockchain、LLMという非常に重要な技術を作っておりますが、我々はそれだけではございません。フリービットグループにしかできない要素がこれらに必ず追加されているのです。分散型、モバイル、そしてEdge AIを動かしていくことが、我々の一番大きなプロダクトの中心になってまいります。

プロダクトの中心は分散型、モバイル、そしてEdge AI

web3/AIに向かっていく動きをバラバラに作るのではなく、すべてこのコンポーネントを使い、これらの問題を解いていく段階に達していることになるのでございます。

分散型、モバイル、そしてEdge AIによる事業区分や挑戦

そして、このスライドの図においても、まさに同じ構造によって非常にシンプルなかたちで事業区分や挑戦を進めていきたいと思っております。

One freebit

それでは、今期の業績予想、配当予想になります。中期経営計画の2年目になります。この1年を我々が強調していきたい一言で表すと「One freebit」でございます。

基本的には、子会社グループが1つになった初年度になります。すべてが1つの、100パーセントのフリービットグループという会社になった中、「One freebit」をどのように進めていくのかということでございます。

スローガンは「Giga-speed for freedom」でございます。我々は飛び抜けたスピードで、分散型の自由な世界を作っていくことを目指していきます。

価値創造委員会

こちらの中心になりますのは、昨年、中期経営計画で発表いたしました価値創造委員会になります。当社とギガプライズを100パーセント化するか、しないかを議論する前に、「まずは一緒にやろうよ」というところからスタートしたものになります。

前ギガプライズ社長の梁瀬氏にアドバイザーとして入っていただき、若手事務局長の柴田氏を中心にどのような事業構造が作れるか、どのような可能性があるかと1年間検討を進めてまいりました。その結果、1つの手法としてソフトバンクとの資本業務提携に至りました。

まずは上場子会社の解消により、ステークホルダーへの長期的視点での価値提供、つまり今のような話ができるようになりました。そして株主のみなさまに対し、EPSの増加による企業価値上昇への期待と資金調達力の向上を実現しております。

すでに実現していることでございますが、今年1年間、「One freebit」で行っていくことは、グループ一体経営というかたちを徹底して行っていくということでございます。

言うなれば、旧事業のリファクタリングというところも一部入っております。すべて成長事業にセットアップし直すことが、この1年間の大きなポイントになっております。

そして、この1年間で、グループを貫いた共同調達体制、共同セールス体制、そして共同技術/サービス開発体制を一気に進めていくかたちになります。

SiLK VISION 2027 売上/利益目標

業績もしっかりと実現してまいります。今期の業績予想は売上高600億円、営業利益61億円でございます。1年間で「One freebit」という大きなトランスフォーメーションを行いながら、この業績を目指してまいります。

実際に、中期経営計画の最終目標が視野に入ってきたところにつきましては、ご理解いただけるのではないかと思っております。

2026年4月期 通期連結業績予想

業績予想に関しましては、売上高は前年比8.9パーセント増、営業利益3.7パーセント増、経常利益10.3パーセント増、そして親会社株主に帰属する当期純利益27.3パーセント増となっております。とにかく「One freebit」の1年間で、これらを達成していくことが我々の重要な目的になっております。

web3実装企業へのカテゴリーチェンジ

このことにより、ソフトバンクの提携や、それ以外のところで、この1年間で可能性を広げてきたものをしっかりと実装していくことになります。

配当による還元方針

2025年4月期の1株当たり配当金に関しましては30円、配当性向22.1パーセントとなりました。

2026年4月期につきましては、中期経営計画で事前に発表させていただきましたとおり、「総還元性向25パーセントもしくは1株当たり配当金30円の大きい方」というかたちになっております。

配当による還元方針

2026年4月期の1株当たり配当金に関しましては41円と予想しております。

こちらは、総還元性向が25パーセント以上になる金額を想定して41円というかたちになりました。引き続き、こちらのかたちでしっかりと頑張っていきたいと思っております。

そして、2027年4月期におきましては、総還元性向30パーセントというかたちでしっかり進めていきたいと思っております。

業績推移

このようなかたちで中期ごとに、我々はさまざまなプロダクトを作りながら実際に成長してきております。5G/web3をセットアップし、社会実装していく3年間のうち、2年目をこのようなかたちで進めていきたいと思っております。以上、私よりご説明させていただきました。

Agenda

清水高氏:続きまして、2025年4月期の通期連結業績と通期セグメント別の業績報告、あわせまして2026年4月期の通期連結業績予想についてご報告させていただきます。

連結子会社(ギガプライズ社及びその子会社)決算期変更に係る影響

それでは、2025年4月期の通期連結業績でございます。繰り返しでございますが、2024年4月期の数字につきましては、ギガプライズグループが13ヶ月決算だったというかたちでございます。2025年4月期という部分については、そちらの決算期変更を除外した値を中心に説明させていただきますので、ご留意いただければと思います。

2025年4月期 通期 連結業績サマリー

それでは、2025年4月期の実績でございます。2025年4月期につきましては、売上高で550億7,300万円、営業利益で58億8,300万円、経常利益につきましては52億3,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては27億4,800万円で着地しております。

また、1株当たり当期純利益につきましては135円81銭となっております。こちらをご覧いただいてもおわかりのとおり、前年同期比については、特に売上高、営業利益については堅調に推移した結果となっております。

2025年4月期 通期 連結業績サマリー

また、1月31日に業績予想について修正を発表させていただいております。主にギガプライズの公開買い付け(TOB)に関する費用発生を考慮した発表内容となっておりまして、経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益について修正させていただいておりました。

こちらの業績予想と比較しまして、売上高及び営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、1株当たり当期純利益につきましても、すべて達成する数字で着地しております。

2025年4月期 通期 トピックス

それでは、通期のトピックスでございます。まず売上高についてですが、5Gインフラ支援事業については、モバイルサービスにおける提供数拡大となっております。

また、5G生活様式支援事業につきましては、ギガプライズの「5G Homestyle」の集合住宅向けISPサービスにおいて提供戸数の順調な増加となっております。

企業・クリエイター5G DX支援事業につきましては、アフィリエイトサービスにおける国内及びグローバルでの進展を踏まえまして、すべてのセグメントにおいて増収という結果となっております。

また、そちらの売上高の増加にあわせまして、営業利益につきましては5G生活様式支援事業の利益増が主な牽引要因となり、伸長しているところとなっております。

経常利益以下の部分につきましては繰り返しの部分がございますが、ソフトバンクとの資本業務提携及びギガプライズのTOB関連費用が発生しました。また2024年4月期との比較におきましては、このような特別利益の発生の影響があり、経常利益ならびに当期純利益については前年同期比でマイナスとなっております。

一方、売上高につきましては7.3パーセント増、営業利益につきましては7.2パーセント増というかたちでございますので、事業の業績につきましては、堅調に推移した結果であると考えております。

前年同期比差異分析 売上高

前年同期比の差異分析でございます。まず売上高は、5G生活様式支援事業及び企業・クリエイター5G DX支援事業を中心に、すべてのセグメントが堅調に推移いたしました。前年同期比で7.3パーセント増の550億7,300万円で着地しております。

前年同期比差異分析 営業利益

また、営業利益につきましては5G生活様式支援事業が主に牽引するかたちとなっており、前年同期比で7.2パーセント増の58億8,300万円で着地しております。

四半期毎の営業利益推移

四半期ごとの営業利益推移をまとめております。2025年4月期につきましては、第1四半期から第3四半期までで堅調に利益を積み上げてまいりました。

第4四半期は、今後の事業拡大を企図した「新たな成長ドライバー」への投資を積極的に実施したことにあわせまして、棚卸資産評価損や各種引当金といった一時的な費用も計上したことにより、こちらの数字になっているという部分につきましては、ご留意いただければと思っております。

「新たな成長ドライバー」への投資

「新たな成長ドライバーへの投資」でございますが、特に第4四半期については、データセンター移設、「StandAlone」プラットフォームの多面展開、アフィリエイト事業などの海外展開、web3関連プロジェクトといった各種、『SiLK VISION 2027』の中で実現したいアクションを多数実行した四半期となっております。その結果として、第4四半期については2億2,400万円の費用計上を行っております。

前年同期比差異分析 経常利益

経常利益でございます。こちらは繰り返しになりますが、営業外費用の発生があった結果、経常利益については減少し、52億3,000万円で着地しております。

前年同期比差異分析 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の減少にあわせまして、2024年4月に発生した特別利益がなかった部分を加味し、27億4,800万円という数字で着地しております。

また、期末にギガプライズを取り込んだことに伴いまして、税務上の時価評価が発生しているところがございまして、税金費用の調整が行われております。その部分が嵩上げされていることについてはご認識いただければと思っております。

資本業務提携及びTOB実行のタイムスケジュール

ここで資本業務提携及びギガプライズのTOBに関するタイムスケジュールのおさらいをさせていただきたいと思います。

発表につきましては、1月31日にソフトバンクとの資本業務提携及び第三者割当による自己株式処分の発表にあわせまして、ギガプライズ株式に対する公開買付けの開始を公表させていただいております。

ギガプライズTOBにつきましては、3月19日に完了し、結果を発表させていただいております。グループ合計で96.26パーセントの株式取得となりました。

それを受けまして、4月18日にギガプライズ上場廃止、ならびに4月22日に株式売渡請求によるギガプライズ株式の全株取得が確定しております。

あわせましてソフトバンクからの第三者割当による自己株式処分の完了を受けまして、20億円の資金調達、またTOBのSPC子会社の部分で優先株式発行を行いましたので、20億円分の資金調達も4月中に完了しているところとなっております。

ただし、2026年4月期に一部株式売渡請求の代金支払いが残っておりますので、現在はこちらの部分のみ未払金として計上している状況となっております。

連結業績サマリ BS比較

それを受けましてバランスシート比較となっております。バランスシートにつきましては、ギガプライズのTOBに係る借入金の増加と、今回、連結子会社に関する株式を取得したことによる100パーセント子会社化の手続きでのれん部分は発生せず、のれん相当分を純資産の減少というかたちで会計処理を実施しております。

その結果を受けまして、2024年4月期の純資産で151億9,600万円だった部分が、2025年4月末には85億3,600万円に減少している結果となっております。

また、それを受けまして、自己資本比率は16.0パーセントになっております。純資産が85億3,600万円という部分でございますが、先ほどSPCの優先株式発行のところでお話ししたとおり、自己資本との間で差額が発生していることについてご認識いただければと思っております。

セグメント別構成

続きまして、通期セグメント別の業績についてご報告させていただきます。全セグメントにおいて売上高は堅調に進捗し、増収というかたちになっております。それを受けまして、セグメントの構成についてはスライドの円グラフのような構成割合になっております。

【業績進捗】5Gインフラ支援事業

まず、5Gインフラ支援事業の業績進捗でございます。

5Gインフラ支援事業 業績進捗

B2B2B及びB2B2Cに関連するモバイルのサービス利用増は、引き続き堅調に推移している状況でございます。

一方、通信品質向上を目的とした費用の発生と、2025年4月期は、特にネットワーク設備の更改による一時費用の発生がございました。また、『SiLK VISION 2027』の初年度ということもありまして、人員をはじめとした共通費については積極的に増強しているところがございます。このような共通費などの増加を踏まえまして、前年同期比13.0パーセントの利益減の14億500万円という数字となっております。

5Gインフラ支援事業 業績進捗

5Gインフラ支援事業のトピックスでございます。「freebit MVNO Pack」は、データ、SMS、音声のパッケージでの販売が継続して増加しておりまして、売上高の伸長に貢献しているところでございます。また、「freebit Business」というかたちで法人向け直販の展開を実施しております。

「どこでもIP」ならびに「freebit mobile Biz」につきましては、特に第4四半期に広告宣伝費をはじめとする販促費も積極的に投下している状況となっております。

【業績進捗】5G生活様式支援事業

5G生活様式支援事業の業績進捗でございます。

5G生活様式支援事業 業績進捗

「5G Homestyle」の順調な推移と、TONE事業につきましては獲得コストのコントロールを行っております。このような部分で前年同期比26.3パーセントの利益増の35億4,500万円という数字で着地しております。

5G生活様式支援事業 業績進捗

「5G Homestyle」の事業指標では、集合住宅向けISPサービスの提供戸数を継続的に公表させていただいております。2025年4月期の着地につきましては134万2,000戸という提供戸数となっておりまして、前期末と比べましてプラス13万2,000戸となっております。

2025年4月期は、特に4月に工事数が伸びましたので、年度の提供コストの伸びは若干物足りなく感じている部分があるかもしれませんが、4月工事分は2026年4月期の期初に積み上がってくることになります。

【業績進捗】企業・クリエイター5G DX支援事業

続きまして、企業・クリエイター5G DX支援事業の業績進捗でございます。

企業・クリエイター5G DX支援事業 業績進捗

アフィリエイトビジネスにつきましては、海外向けの展開が堅調に推移しております。ただし、特に第4四半期につきましては、広告宣伝費等々、2026年4月期の期初に繋がるような販促費を積極的に投下したところがございますので、前年同期比14.0パーセント利益減の9億5,400万円という数字で着地しております。

企業・クリエイター5G DX支援事業 トピックス

こちらのスライドはそのトピックスでございます。「StandAlone」サービスで新規アーティストのサービス展開が進捗しております。5G/web3時代におけるファンコミュニティ形成の拡大を目指し、引き続きクリエイター向けの提供数を増やしていきたいと考えております。

『SiLK VISION 2027』売上高/営業利益目標

最後に、2026年4月期通期連結業績予想につきまして報告させていただきます。『SiLK VISION 2027』は、最終年度2027年4月期に売上高で630億円から700億円、営業利益で80億円という数字を目標に、現在事業進捗を進めているところでございます。

今期2026年4月期につきましては、売上高600億円、営業利益61億円を目標数値とし、業績予想で発表させていただいているところでございます。

2026年4月期 通期連結業績予想

繰り返しではございますが、2026年4月期は売上高600億円、営業利益61億円、経常利益57億7,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益35億円という業績予想を発表させていただきました。

売上高につきましては先ほど述べさせていただいたとおり、『SiLK VISION 2027』では、年平均成長率について7パーセントから10パーセントという指標を目標数字で掲げております。

2026年4月期は前年比8.9パーセント増と、継続的な成長を図っていきたいと考えております。

営業利益につきましては、ソフトバンクとの資本業務提携ならびにギガプライズの100パーセント子会社化(議決権)を起点にいたしまして、グループ一体での経営体制、共同調達体制、共同セールス体制、共同技術/サービス開発体制といった、グループ全体における事業構造の抜本的な改革を徹底的に行う1年にしていきたいと考えております。

キャピタルアロケーションのアップデート

また、キャピタルアロケーションのアップデートもあわせて発表させていただきます。前年度の『SiLK VISION 2027』公表時には、スライドの数字となっておりましたが、こちらの数字をアップデートさせていただきました。

キャピタルアロケーションのアップデート

キャッシュイン部分の「3カ年の事業活動による創出」は、120億円から140億円という数字にアップデートしております。

また、キャッシュアウト部分の「成長投資」につきましては、ギガプライズの株式取得分の借入金の返済という数字も含んでおりますが、75億円から110億円というかたちで数字をアップデートさせていただきます。

配当による還元方針

また、『SiLK VISION 2027』では、株主向けの還元につきましても積極的に実施していくことを発表しており、そこで掲げた配当方針を予定通り実行したいと考えております。

特にEPS(1株当たり当期純利益)につきましては、2025年4月期の実績としまして135円81銭という結果でございました。2026年4月期は、ギガプライズ100パーセント子会社化(議決権)実施の結果も踏まえまして、160円69銭という数字で発表しております。

それを受けまして、配当性向は25パーセント以上と公表しておりましたので、それを踏まえ、配当金の予想は41円と公表いたしました。

ご留意いただきたい部分としまして、親会社株主に帰属する当期純利益について、会計上の実績としては、結果として27億4,800万円という数字で発表させていただいております。ただし、一時的な税金費用の調整額がございましたので、2025年4月期の実力値としては親会社株主に帰属する当期純利益は22億7,400万円であったと考えております。

2026年4月期につきましては、業績予想を35億円という数字で出しておりますので、12億円強の伸びを想定した数字になっているとご理解いただければと思っております。

配当による還元方針

配当による還元方針でございます。繰り返しになりますが、2026年4月期につきましては、総還元性向25パーセントを目標にしておりました。

配当による還元方針

それを踏まえまして、2026年4月期は1株当たり配当金41円、配当性向は25.5パーセントという数字を目指していきたいと考えております。

また、2027年4月期は総還元性向30パーセントという数字を目指していきたいと考えております。

SiLK VISION 信用の所在地

『SiLK VISION 2027』につきまして、我々は「信用の所在地」というテーマで進めております。2026年4月期につきましては、2027年4月期の最終年度に向けた準備の年というかたちで、グループ一体で「One freebit」で進めていくところを非常に大きなスローガンとして掲げておりますので、その実現に向けて事業活動に邁進していきたいと考えております。

以上、最後までご視聴いただきありがとうございました。