会社概要

山田則子氏:みなさま、こんにちは。株式会社ユーラシア旅行社社長COOの山田と申します。どうぞよろしくお願いします。

ユーラシア旅行社は、創立39周年になる旅行会社です。ヨーロッパはもとより、アフリカ、アジア、中南米、北極圏から南極大陸に至るまで、安全に渡航可能な世界170カ国を舞台に、ユーラシア独自の企画にて旅を展開しています。

「世界の異なる価値観に触れ、見聞を広め、思考を深め、さまざまな気づきを得る経験を重ねると、人生はもっと豊かになる」創業間もない頃からの我々の旅に対する思いです。

そして、今あらためて旅をすることは、「地球の平和の礎になる」とも確信しています。ユーラシア旅行社は、創業時より世界中のパートナーと良い時も悪い時も共に乗り越え、信頼関係を築きながら、持続可能な旅を模索してきました。

世界が複雑になり情報が溢れるほど、旅の真価が問われます。新たな時代を旅するお客さまのご期待に沿えるよう、誠実な旅づくりに励んでいます。

企業統治三つの基本方針/企業理念〜豊かさの追求〜

今やテクノロジーの進化によって、仮想空間で、何でも手に入る、体験ができる、大変便利な時代となりました。

ユーラシア旅行社でも、より効率的かつ効果的な仕事を模索し、業務の自動化に積極的に取り組んでいます。そしてまた、そんな時代は、人は、人としての能力で、より高く評価される時代であると考えています。

我々は、添乗員として10日間、15日間と世界各地にご案内する際、お客さまの心根に触れ、寄り添い、思いや考えを受け止め、喜びや時に痛みを感じることとなります。テクノロジーの進化を積極的に取り入れながらも、本来人間が持つ力を鍛え、常にお客さまが求める一歩先を創造するチームプレーの組織作りに、信念をもって取り組むことで、より進化を遂げたいと考えている企業です。

2025年全面再開!創業40周年に向け完全復活へ、ファン拡大

コロナ禍を経て、現在、再拡大期を迎えています。創業当初より経営戦略の根底には、常に、非常時に備え財務基盤を強固なものにするための、地道で堅実な経営を重ねる姿勢があります。また、ユーラシアグループが最も力をいれてきたことに、人材の採用・育成があります。関連企業ユーラシアサービスは、「顧客対応の匠」を目指し主に添乗や営業業務を担っています。心技体すべてにおいてレベルの高い自社添乗員の育成が企業活動の要であると考え、全身全霊で取り組んでいます。2025年は、再創世記と位置づけ、創業40周年にむけて、さらなるファン拡大を、全社をあげて推進しています。

旅行業界内のポジショニング 旅行業者は現在12,000社ほど

業界データで我々はよく、テーマなどを深く掘り下げた専門旅行社といわれます。例えば、大手は取り扱いが国内海外の旅や修学旅行、航空券だけの販売から、MICE、地域創生など多岐に渡ります。

対して、専門店といわれる我々の提供する旅は、世界170カ国の「自然、人間、文明」をテーマに世界の魅力を再発見する旅を提供しています。

事業の売上の90パーセントほどは添乗員が同行するテーマある旅ですが、添乗員なしの個人旅行を依頼される場合や、オーガナイズで旅を依頼される場合にも、こだわりのある旅を求められる方が多いのも特徴です。

知的好奇心を刺激し、価値観を揺さぶる旅へ

そんな旅に参加する我々のターゲットのお客さまは「衣食住足りて人生において、心の満足を求める円熟層」です。ゆえに年齢ではなく、知的好奇心のある、自己啓発意欲の高い層をターゲットとしています。

人生経験豊富なお客さまにも多くご参加いただきますが、決してシルバー世代がターゲットではありません。まとまったお休みがとれる年末年始や、お盆休み、ゴールデンウィーク、シルバーウィークなどを中心に、20代から50代の若い勤労層にも多くご参加いただいています。

そして主な事業には、第一ブランドとして添乗員付きの「世界170カ国ユーラシアの旅事業」があります。日本を含む各国の魅力を再発見するテーマのある旅です。

急成長を続ける新規事業

ユーラシアグループは社員全員が添乗経験者です。世界の現場を経験する社員が、専門性を磨き生み出す数々の旅行事業があります。

新規事業として、日本の市場拡大とともに現在急成長を続けるインバウンド事業があります。また、専任の担当がお客さまの理想の旅づくりをお手伝いするオーダーメイドが可能な個人旅行事業、創業時より手掛け、著名な先生やインフルエンサーの方が同行など専門性や人脈を生かした旅づくりを行うオーガナイザー事業、世界の海を舞台としたクルーズ事業などがあります。

サステナブルな旅づくり・企業活動

我々は、創業当初より旅行業界における持続可能な経営を常に問いながら、今日まで企業運営をしてきました。取扱エリアが170カ国と全大陸におよぶのは、世界の素晴らしい地にお客さまをご案内したいという熱い思いがあります。同時に、全体陸を扱うことで、地政学的リスクにも対応してきました。

そんな旅づくりの根幹には、良い時も悪い時も共に乗り越えた世界中のパートナーとの信頼関係があります。現在は、世界のパートナーと インバウンドなど新たな事業の拡大にも積極的に取り組んでいます。

また、環境省と国立公園オフィシャルパートナーシップを締結し、文化庁とも日本遺産パートナーシップを結ぶなど、日本のすばらしき大自然、唯一無二の有形無形の日本遺産の価値向上、活性化につながる取り組みにも貢献しています。

サステナビリティに関してはこちらに掲載されています。

第一ブランド ユーラシアの旅の特徴

第一ブランドである我々の旅の特徴を、5つのポイントに沿ってご紹介します。

1つ目は、取り扱う地域が世界170カ国と、壮大なスケールで旅を展開しています。厳しいコロナ禍を乗り越え、現在は以前とほぼ同様に海外へ足を運べるようになりました。

2つ目は、旅のモットーとして「知的好奇心を刺激する旅」を挙げています。ただ訪問して終わりではなく、一生に一度の旅だからこそ、より深くその土地の真の魅力を深堀りしています。

3つ目は、観光第一主義を貫き、営利目的でお土産屋に立ち寄って時間を費やしたり、旅行代金を安価に見せる為に現地でのオプショナルツアー等にご案内することはしません。せっかく旅行にご参加いただくからには、観光・体験の充実を第一優先で考え、旅程を企画しています。

4つ目は、丁寧な旅づくり、手作りの観光レポートなど、お客さまにご満足いただける独自のこだわりサービスを多数展開しています。

5つ目は、次にご説明しますが、企画・集客・手配仕入から添乗・帰国後のフィードバックまで一貫して自社で行っています。

当社の業種や業態

旅行会社によっては、ツアーの企画、マーケティング、航空券手配、窓口でお客さまの予約対応、添乗員などを分社化していたり、あるいは代理店を利用して自社の商品を他社に販売してもらう形態をとっている会社も多くあります。いわゆる分業体制です。

しかし、ユーラシアグループでは、基本すべて自社で行っています。ツアーの企画から仕入手配、販売、添乗からアフターフォローまで自社スタッフが一貫して行っているからこそ、旅の流れを全社員が把握することで、旅の安全の確保、旅の高い質の維持を可能としています。

第一ブランド ユーラシアの旅について

それでは第一ブランドである「ユーラシアの旅」について、具体的なツアーの特徴を交えて少しご紹介します。

ユーラシア旅行社では、月刊誌として『ユーラシアニュース』という70ページ前後の冊子を発行しています。社員が世界中で撮影した写真や、現地を訪れたからこそ得られたフレッシュな情報をもとに、自社で作成・校正・編集をしています。

現在は、海外だけでツアー数がなんと300件を超えますが、これらツアーの掲載に加えて、旅への好奇心を掻き立てるような記事の執筆、専門家の方の寄稿もあります。

第一ブランド ユーラシアの旅について

ユーラシアの旅では安く・近く・短い、いわゆる「アンキンタン」と呼ばれるツアー内容ではなく、1つの国をじっくりと深堀りし、知的好奇心を刺激する点が特徴です。

例えば、イタリアならローマ以北を15日間で巡る「イタリア歴史物語」や、ローマ以南を15日間で巡る「南イタリア・シチリア・マルタ歴史物語」の旅などがあります。これはイタリアだけでなく、フランス15日間、モロッコ14日間、アメリカ国立公園16日間などがあり、いずれも人気のシリーズです。

第一ブランド ユーラシアの旅について

また、ダイナミックな自然や絶景をテーマにした旅も、多数展開しています。その観光方法にも工夫を凝らし、例えば、南米のウユニ塩湖では「建物が塩で出来たホテルに宿泊」「星が見やすい新月に出発日を設定して星空観賞」など、企画担当者がユーラシアの旅ならではの付加価値を見つけて、ツアーを造成します。

第一ブランド ユーラシアの旅について

さらに、ユーラシアの旅ではエキゾチックなイスラム教を信仰する国々を1つの文化圏、オリエント世界としてツアーを展開し、ヨーロッパと同様に人気のあるコースとして、お客さまにご好評いただいています。

いにしえの浪漫を感じる多くの史跡が残り、イスラム文化圏のツアーに何度もご参加いただくリピーターの方がいるほどです。中近東・北アフリカ、シルクロード、アジアなどの地域が該当します。

第一ブランド ユーラシアの旅について

そして、民族や動物など生命に焦点を当てたテーマ性が強い旅もあります。マダガスカルではキツネザルに、ガラパゴス諸島ではダーウィンが進化論の着想を得た動物たちに出会う旅のほか、アフリカや、パプアニューギニアなど太平洋諸国、中米カリブ海諸国、アジアで少数民族に出会う旅などです。

第一ブランド ユーラシアの旅について

また、欧州・北米などでは、同じ国を2回、3回と再訪する方にお届けしている、地方を巡る旅のコースも多数あります。例えば、フランスなどはメイン都市を15日間で周遊した後、地方の旅を4回、5回かけて巡る方もいます。そのようなお客さまに刺さる企画をご案内するため、企画者・添乗員ともに知識を身に着ける必要があります。参加者の中にはフランスを8回も訪問したという方もいらっしゃいます。

第一ブランド ユーラシアの旅について

また、未知なる国々を巡る旅もユーラシア旅行社の特徴的なテーマの1つです。アフリカ黄金海岸、インド洋や太平洋、カリブ海の小さな島国、また国の中の自治州を巡る旅など、個人では訪れにくい場所にご案内します。2019年と2021年に、日本旅行業協会が主催する年に1度の「ツアーグランプリ」で、受賞したツアーもこのテーマでした。

これから先も、世界の平和を願い、日本を含め世界の魅力をお届けするべく、誠実な旅づくりに取り組みます。

連結業績はV字回復

直近の業績について、内容を少しご説明します。

直近半期決算を前年同期と比較し、連結営業利益は333.4パーセントの増加、連結経常利益は129.1パーセントの増加、税引後中間純利益は184.2パーセントの増加となりました。

業績推移(連結)

当社の業績推移について簡潔にご説明します。当社の属する旅行業界は、2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けました。そのため、新型コロナウイルス感染拡大により、営業収益が大きく落ち込む事態となりました。

その間は公的補助を活用し新型コロナウイルス感染症の収束まで従業員の雇用を維持するとともに、コロナの収束に伴う旅行再開時には、需要回復の波をとらえ、本業である旅行での業績回復が進みました。

コロナ直近の2018年10月から、当会社説明資料公表時に進行中の2025年9月までの8期間の推移をみると、具体的には、予想を含みコロナ直前の2019年9月期に営業収益は57億2,700万円、経常利益は1億6,700万円であったものが、新型コロナウイルス感染拡大が深刻であった2021年9月期には、営業収益は2億2,400万円、経常損失は1億2,400万円まで落ち込みました。

その後は、旅行需要の回復とともに業績も回復し、2024年9月期においては、営業収益は45億9,800万円、経常損益は1億2,000万円と、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年9月期に対し、営業収益は約80パーセントまで、経常利益は約63パーセントまで回復しました。

当会社説明資料公表時に進行中の2025年9月期では、営業収益は52億万円、経常利益は1億3,000万円と、2019年9月期に対し、営業収益は約91パーセントまで、経常利益は約78パーセントまでの回復を見込んでいます。

配当利回り

我々の配当についての考え方をご説明します。我々は上場以来、安定配当を基本方針としました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大というパンデミックの影響は避けられず、内部留保を重視することで事業および企業の存続を図りました。結果、新型コロナウイルス感染症の収束につれ、業績も回復し、復配に至っています。

具体的に、予想を含む配当実績についてご説明します。新型コロナウイルス感染拡大前の2015年10月から2019年9月については、1株当たり年間22円の配当を続けていました。この間の配当実績をもって、我々の配当基本方針は安定配当と自負していました。

しかし、2020年の新型コロナウイルス感染拡大後は、我々の属する旅行業界はその影響を大きく受け、旅行需要が大きく落ち込みました。結果、2019年10月から2023年9月までは営業損益が赤字となり、事業および企業の存続のため内部留保を重視し、無配としていました。

新型コロナウイルス感染症の収束につれ業績も回復し、2024年9月期において、営業損益が黒字化するとともに、1株当たり年間12円の復配を果たしました。当会社説明資料公表時に進行中の2025年9月期においても、1株当たり年間14円の配当を予想しています。