25年3月期 サマリ

宮倉康彰氏:代表取締役の宮倉です。本日はお忙しい中ご参集いただき、ありがとうございます。それでは、私から2025年3月期の決算についてご説明します。

2025年3月期のサマリです。営業収益843億円、営業利益は177億円で業績は増収増益でした。特に営業利益は、13期連続の増益となっています。配当金については、期末配当金を60円予想から64円へ上方修正し、24期連続増配とします。配当性向は、47.6パーセントを予定しています。

これらにより、経営方針である増収・増益・連続増配の「3増」ならびに配当性向40パーセント超を達成しました。

連結損益概況

連結損益概況です。営業収益は843億1,400万円で、前期比プラス63億2,300万円です。営業利益は177億6,100万円で、前期比プラス7億4,700万円となりました。以下、経常利益は179億2,700万円、当期純利益は124億200万円、EBITDAは246億6,600万円となっています。

当期純利益のみ増加率が低く見えていますが、こちらは投資減税額の減少によるものです。前期に離島海底ケーブルの竣工があり、沖縄振興特別措置法による投資減税が適用された反動となっています。

営業収益 増減要因

営業収益の増減要因です。営業収益は、全体で前期比63億2,300万円の増収です。内訳は、電気通信事業がプラス1億7,900万円、附帯事業がプラス61億4,400万円となっています。

増減要因の内訳は、スライドの滝グラフのとおりです。通信ARPU収入がプラス9,700万円、「auでんき」売上がプラス23億7,000万円です。また、端末販売収入やソリューション売上を含むその他附帯事業営業収益でプラス37億7,400万円となっています。

営業利益 増減要因

営業利益の増減要因です。グラフの左側は、先ほどご説明した営業収益の状況です。右側にあるグレーの部分が、営業費用の増減を示しています。

「auでんき」の原価が前期比プラス27億3,900万円、営業関連コストがプラス32億2,700万円、その他コスト等がマイナス3億9,000万円となった結果、営業利益は前期比プラス7億4,700万円の増益となりました。

端末販売による利益の増加に加え、注力してきたソリューションの売上・利益がともに貢献し、増益を達成しました。

修正業績予想対比

業績予想対比です。スライド左側の営業収益、右側の営業利益どちらとも、修正予想をクリアしています。結果として、3期連続で過去最高を更新しました。

その他業績概況

その他業績概況です。フリーキャッシュフローは115億1,800万円で、前期比マイナス47億2,600万円となっています。こちらは、前期のTOBに関わる費用捻出のため、投資キャッシュフローが増えたことによる反動減となっています。

関係会社への貸付増減額を除いた金額は88億3,400万円で、前期比プラス24億5,900万円となっています。こちらは、売上債権や棚卸資産の減少に伴い増加した営業キャッシュフローが主な要因となっています。

設備投資は57億3,500万円と、前期比でマイナス額が大きくなっていますが、こちらは前期に離島海底ケーブルの竣工があったことによる反動減となっています。期初の計画に対しては、予定どおりの進捗となる結果でした。

モバイル稼働概況

モバイルの稼働状況についてご説明します。HS(ハンドセット)の純増数は1万2,500契約、総契約数は69万200契約となりました。端末販売台数は15万5,400台で、前期比プラス1,300台となっています。

モバイル純増数

スライドの左側グラフは、モバイル純増数の四半期推移です。例年以上に他社攻勢が続いた非常に厳しい年ではありましたが、オペレーションの効率化を図ったことや、営業施策を強化したことで、1万2,500契約純増を確保できました。

解約率推移

解約率の推移についてご説明します。足元第4四半期の解約率は1.37パーセントにまで上昇しています。この数値については大きな課題であると認識しており、解約を抑えるための対策強化に取り組んでいます。

モバイル総契約数推移・au5G浸透率

こちらは、モバイル総契約数の推移を示しており、右肩上がりで順調に伸ばしています。また、au5G対応端末の浸透率は77パーセントとなり、1年間で10ポイント増加しています。

ARPU収入概況

マルチブランドARPU収入概況についてご説明します。総合ARPU収入は442億1,300万円で、前期比プラス5億8,200万円となりました。

内訳は、通信ARPU収入が368億100万円、前期比プラス9,700万円となり、プラスに転じさせることができました。付加価値ARPU収入は74億1,200万円で、前期比プラス4億8,400万円となっています。

通信ARPU収入

通信ARPU収入についてご説明します。第2四半期から第3四半期までは前期比マイナスでしたが、第4四半期は前期比プラス0.6パーセントの93億7,000万円となりました。

この1年間は、昨年好調だったローミング収入の反動減の影響を受けましたが、ローミングを除いた通信ARPU収入は、前四半期および前年比プラスで推移させることができています。

加えて、毎期、第4四半期にはアクセスチャージの精算による遡及がありますが、こちらが前期比プラスとなったことで第4四半期単独の通信ARPU収入がプラスとなり、通期でもプラスとなりました。

付加価値ARPU収入

付加価値ARPU収入についてご説明します。特に「AppleCare」サービスの値上げなどの影響で、端末補償サービスの伸びが引き続き牽引し、前期比プラス8.2パーセントと堅調に伸びています。

FTTH回線概況

FTTHについてご説明します。純増回線数は4,800回線となった結果、累計回線数は12万9,100回線となりました。稼働を右肩上がりで増やすことができています。

FTTH純増回線数

スライド左側の棒グラフは、FTTH純増回線数の四半期推移です。第4四半期は純増700回線となり、その結果、修正予想をさらに上回る4,800回線の純増を通期で達成することができました。

また、2025年4月以降、沖縄県では初となる10ギガサービスをローンチしていますが、こちらも大変好調に推移しており、今後もこのサービス拡大に努めていきます。

auでんき契約概況

「auでんき」についてご説明します。2025年3月期の純増件数は2,200契約で、契約件数は7万7,200契約となりました。

auでんき純増契約数

「auでんき」の純増契約数の推移です。「auでんき」事業においては、第1四半期から調達コストの上昇により採算が悪化した関係で、営業活動を抑制していました。その結果、第3四半期に続いて第4四半期も純減となっています。

ただし、2026年3月期は採算の改善を見込んでおり、営業活動を積極的に促進する予定です。

成長領域への取り組み①

トピックスをご紹介します。成長領域への取り組みにおいては、特にソリューション事業に注力しています。2025年3月期の営業収益について、具体的な金額は非開示ですが、前期比プラス24パーセントまで伸長できました。

スライドの右側は、当事業の事例です。自治体へのDX提案、企業向けのソリューション提案を実施した結果、期初からさまざまな大口案件を受注することができました。

成長領域への取り組み②

こちらは、成長領域の3年間の成果です。中期経営計画において、2022年3月期には100億円規模だった売上を、3年間で150億円規模まで拡大するという目標を掲げていましたが、2025年3月期で達成することができました。

地元貢献への取り組み①

ESG・SDGsへの取り組みにおける、地元貢献への取り組みについてご説明します。

当社は企業版ふるさと納税を活用し、おきなわフィナンシャルグループと沖縄電力の3社で、10離島町村とパートナーシップ協定を締結しています。今回、3社で総額9,000万円の寄付を実施し、財政面から支援しています。

このパートナーシップ協定は、いよいよこれから実行フェーズに入っていきます。各社の強みを活かし、離島の課題解決に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

地元貢献への取り組み②

続いての取り組み事例です。2025年2月22日、23日の2日間、私どもの本社ビルに一般のお客さまをご招待し、「沖縄セルラー感謝祭2025」を開催しました。

今回で3回目となる企画ですが、社員がさまざまな手作りコンテンツを用意しました。例えばARを用いたバンジージャンプや、当社が無添加・無農薬の水耕栽培により育てたイチゴ「美ら島ベリー」を使ったパンケーキ作りの料理教室などを展開しました。

2日間で、2,100名以上の方にご来場いただきました。満足度も非常に高い結果となっており、今年も多くのみなさまに楽しんでいただけたと感じています。

また、参加した当社メンバーも非常に楽しく盛り上がることができました。引き続き、このようなイベントも行っていきたいと考えています。

期末配当の配当金

その他のご報告です。スライドのグラフは、配当金の推移を示しています。冒頭にお伝えしたとおり、2025年3月期は期末配当を64円に上方修正しています。6月の株主総会で承認されましたら、通期で一株当たり124円の配当となります。

配当金は24期連続で増配しており、配当性向は47.6パーセントを予定しています。

自己株式の取得状況(完了)

自己株式の取得状況についてご報告です。資本効率の向上を通じて株主のみなさまに利益還元の充実を図るため、2024年5月20日から2025年3月21日の期間で自己株式の取得を実施しました。取得した50億の自己株式については、2025年5月15日にすべて消却する予定です。

自己株式取得

新たに自己株式の取得を実施する旨ご報告します。2026年3月期は、新たに50億円を上限に自己株式を取得していきます。取得期間は2025年5月22日から2026年4月15日で、取得株式はすべて消却する見込みです。

中計振り返り(22-24年度)

2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画の結果をご報告します。

2025年3月期で最終年度を迎えましたが、スライドをご覧のとおり、掲げた目標については、すべて達成することができました。

この勢いを継続して、さらに成長していく次の中期経営計画を展開し、ご期待に添えるよう尽力していきます。

連結損益(業績予想)

業績予想です。2026年3月期も、増収増益を予想しています。営業収益は前期比プラス6億8,600万円の850億円、営業利益は前期比プラス4億3,900万円の182億円を計画しています。

経常利益は182億5,000万円、当期純利益は125億5,000万円、EBITDAは249億円と、すべて前年比プラスで計画しています。

その他業績(業績予想)

その他業績です。フリーキャッシュフローは111億円、関係会社貸付増減額を除くと80億円となる見込みです。竣工ベースの設備投資は、設備更改やFTTHの10ギガサービス展開に伴う投資案件があり、69億円を計画しています。

サービスデータ予想

サービスデータの予想です。モバイルは1万契約、FTTHは4,000回線、「auでんき」は4,400契約の純増を計画しています。「auでんき」は採算改善を見込んでおり、期中より営業活動を促進していく方針です。

一株当たりの配当金

2026年3月期の一株当たりの配当金は、2025年3月期末の配当金64円をベースに、2026年3月期の中間配当と期末配当をともに64円とし、通期では128円を予想しています。

予想どおりの配当となれば、25期連続で増配となります。引き続き、連続増配や機動的な自社株買いにより、株主還元を強化していきます。

(参考)ARPU

その他資料として、ARPUの推移を記載しています。

(参考)業績の推移

最後に、過去の業績推移をスライドに掲載していますので、後ほどご覧いただけますと幸いです。2025年3月期決算のご説明は、以上となります。